営業アウトソーシングとは?メリット・デメリットや比較ポイントを解説

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  • 営業アウトソーシングとは営業活動を外部委託することで、内容はサービスにより異なる
  • アウトソーシングすることで時間やコストをかけずに人材を確保でき、営業の質も高まる
  • サービス選定の際は、実績や料金体系、コミュニケーションの取りやすさなどを比較する

営業アウトソーシングとは、自社の営業活動の一部、またはすべてを外部に委託すること、及びそのサービスを指します。時間やコストをかけずに人材確保ができるなどのメリットがあります。本記事では、営業アウトソーシングのメリット・デメリットや比較ポイントなどを解説します。

目次

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  1. 営業アウトソーシングとは
  2. 営業アウトソーシングが必要とされる背景
  3. 営業アウトソーシングに依頼できる主な業務
  4. 営業アウトソーシングを利用するメリット
  5. 営業アウトソーシングを利用するデメリット
  6. 営業アウトソーシング選定の際の比較ポイント
  7. 営業アウトソーシングを依頼するまでの流れ
  8. まとめ

営業アウトソーシングとは

営業アウトソーシングとは、自社の営業活動を外部の専門業者に委託するサービスです。営業リソースやノウハウが蓄積されていない企業は、アウトソーシングにて営業力を補うことができます。

営業アウトソーシングを活用することで、時間やコストをかけずに即戦力となる人材を確保できます。また、営業のプロの目線から自社の課題を改善へと導くため、短期間で成果が得られる可能性も高まります。

さらに、手間のかかる業務を営業アウトソーシングに任せることで、自社の社員をコア業務に集中させることもできます。サービスによっては、委託できる業務の範囲を指定できるため、自社の弱みや課題に合わせた選定が重要です。

営業アウトソーシングの種類

営業アウトソーシングには、営業代行・SPOの2つの種類があります。営業代行とSPOは、業務の範囲や特徴に違いがあり、どちらを選ぶべきかは、自社の課題やニーズによって異なります。以下で具体的に解説します。

営業代行

営業代行では、自社の営業チームとは独立して営業活動を行います。業務範囲は、新規顧客開拓やアポイント獲得など、単発的な業務を代行する場合が多いです。専門的な営業知識により営業活動を行うため、高い効果が期待できます。

営業代行は、人材不足や業務効率化を短期で解決したい企業、短期間で成果を上げたい企業などに向いています。また、比較的安価で導入しやすいため、コストをかけずに営業をアウトソーシングしたい企業にもおすすめです。

営業代行とは?メリット・デメリットや代行できる仕事内容を解説

営業代行とは、企業や個人の営業業務を代わりに行うサービスのことです。本記事では、営業代行をよく知らない・導入を検討している方のために、営業代行のメリット・デメリットや代行を依頼できる仕事内容、営業代行会社の選び方や活用がおすすめの企業を解説しています。

SPO

SPOは、「Sales Process Outsourcing(セールス・プロセス・アウトソーシング)」の略です。新規顧客開拓から商談、受注に至るまでの一連の営業プロセスを外部に委託することを指します。

SPOは、自社の営業チームと分業・協業しながら、伴走型で営業活動を行います。業務範囲は、一連の営業プロセスを包括的に支援する場合が多いです。SPOは、長期的な視点で営業戦略を改善し、売上向上を目指したい企業に向いています。

営業派遣との違い

最近では、営業派遣と呼ばれるサービスもあり、営業アウトソーシングと混同されやすい傾向があります。いずれも営業活動を強化するために外部に委託する手法ですが、その違いは指揮命令権の所在と業務範囲にあります。

営業派遣は、派遣会社が派遣社員に指揮命令を行い、営業活動をします。人材の提供が主な目的となり、営業経験のある人材を派遣するため、自社で営業担当の育成を行う必要がありません。人材リソース不足の解消のために、短期間で利用されるケースが多いです。

一方の営業アウトソーシングは、アウトソーシング業者から営業担当に指揮命令を行い、営業活動をします。専門知識やノウハウを持つ業者に、一連の営業プロセスを幅広い業務範囲で委託できます。

このように、営業派遣は、営業アウトソーシングよりも単発的な業務を代行するサービスとして区別されています。

営業アウトソーシングが必要とされる背景

近年、営業アウトソーシングの市場規模は拡大しており、それだけ多くの企業が求めるサービスであることが分かります。ここでは、営業アウトソーシングが必要とされている背景について解説します。

営業職における離職率の高さ

少子高齢化の影響で労働人口が減少していることにより、業種を問わず人材の確保が難しくなっています。それに加えて、営業職は「ノルマが厳しい」などの理由から離職率が高く、人材が定着しないという問題を抱えています。

営業は、企業において売上や利益の向上に直接的な影響を与えます。企業は不足している人的リソースを外部から補い、営業力を維持するための手段として、営業アウトソーシングを活用しています。

DX化の推進

営業においては、デジタルツールの活用が不足している場合があります。電話や訪問などの従来のアプローチだけでなく、デジタルツールを活用することで効率的な営業活動を実現したいと考える企業も多いです。

営業アウトソーシングは、最新の営業手法やテクノロジーに精通しているプロに委託できるため、営業のDX化を推進する手段として活用する企業もあります。アウトソーシングから学んだノウハウを、後々自社の営業活動に取り入れることも可能です。

営業アウトソーシングに依頼できる主な業務

営業アウトソーシングに委託できる業務は、主に新規顧客開拓や既存顧客へのフォローアップなど多岐に渡ります。以下は、具体的な業務内容です。

  1. ターゲット市場の調査
  2. 顧客リストの作成
  3. テレアポやメールでのアプローチ
  4. アポイントメント獲得
  5. 商談・クロージング代行
  6. セミナーや展示会の開催
  7. パンフレットなどのプレゼン資料作成・データ入力
  8. 営業戦略の策定

以上のように、専門的な視点で幅広い業務範囲を請け負うのが特徴です。委託できる業務範囲は業者によって異なるため、自社の課題やニーズに合った業者を選定すると良いでしょう。

営業アウトソーシングを利用するメリット

営業アウトソーシングを利用することで、さまざまなメリットが得られます。たとえば、時間やコストをかけずに営業の即戦力となる人材を確保できるため、人材リソース不足の解消に役立ちます。

また、専門的な知識とノウハウを取り入れることで、自社の営業チームの強化にも繋がります。ここでは、営業アウトソーシングを利用するメリットについて具体的に解説します。

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時間やコストをかけずに人材を確保できる

近年、多くの企業が人材不足を課題としています。営業アウトソーシングは、採用・教育にかかる時間やコストをかけずに、即戦力となる営業担当者を確保することができます。営業に必要なスキルがすでに備わっているため、自社で育成するよりも効率的です。

また、営業アウトソーシングは、必要に応じてリソース調整ができます。たとえば、繁閑や事業の拡大・縮小に合わせて人員や業務内容を増減するなど、状況に合わせて柔軟に調整することができます。

営業活動の質・効率が短期間で向上する

プロの力を借りることで、自社で人材を採用・教育するよりも短期間で、営業活動の質・効率を高められます。経験豊富な営業担当者が効率的に営業活動を行うことで、早い段階での成果が期待できます。

また、最新の営業手法やノウハウを導入することで、企業の競争力も高まります。さらに、市場動向や顧客ニーズに関する情報も収集できるため、営業戦略の策定にも役立ちます。

自社だけでは難しいアプローチもできる

営業アウトソーシングは、自社にはないノウハウや専門的な知識を持っているため、営業のプロの視点で効率的な新規開拓が行えます。最新の営業手法やテクノロジーの活用、顧客データの分析に基づいたアプローチやフォローができます。

顧客データの分析をもとに、ターゲットリストの作成からアポイントを獲得し、ターゲティングに特化したアプローチを行い、効率的に新規顧客を発掘できます。このように、自社だけでは難しいアプローチも営業アウトソーシングを利用することで可能になります。

自社の営業チームの強化に繋がる

営業アウトソーシングが持つノウハウを学んだり、フィードバックを受けたりすることで、自社の営業チームの強化に繋がる効果が得られます。特にSPOでは、アウトソーシング先と協業するため、自社の営業チームにノウハウを蓄積することができます。

営業アウトソーシングは、自社の営業活動における課題を専門的な視点で分析し、解決策を提案します。また、最新の営業手法を学ぶことができるため、自社の営業力の向上が期待できます

営業アウトソーシングを利用するデメリット

営業アウトソーシングの利用で、さまざまなメリットが得られる一方で、利用の仕方によってはデメリットが発生する場合もあります。たとえば、費用や情報漏えいに関するリスクや、営業の進捗の見えにくさなどが挙げられます。

ここでは、営業アウトソーシングを利用するデメリットについて、具体的に解説します。

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費用対効果が高いとは限らない

営業アウトソーシングを利用するデメリットとして、赤字になってしまうリスクが挙げられます。たとえば、商品単価が低い場合、多くの成約件数が必要になるため、利益が出せず赤字になるリスクが高いです。

また、アウトソーシング先との契約内容の適切性によっては、利益が出にくい場合があるため、赤字になる可能性があります。営業アウトソーシングを利用する際は、赤字リスクの可能性がないかを事前に確認しておくべきです。

営業活動の進捗を把握しにくい

自社の営業チームとアウトソーシング先で営業活動を分業したり、営業代行に営業活動を一任したりすると、進捗が把握しにくい可能性があります。定期的に報告を受けても、どのような活動内容を行っているか把握するのは難しいです。

進捗を把握できない理由には、アウトソーシング先とのコミュニケーション不足や、進捗状況の共有方法が整っていないことが挙げられます。成果が出ないまま契約終了とならないためにも、進捗の報告体制を整える必要があります。

情報漏えいのリスクがある

営業アウトソーシングに委託する業務内容には、顧客情報や機密情報などが含まれるため、情報漏えいリスクが存在します。守秘契約を締結しても、まったくリスクがないとは限りません。

万が一顧客情報が外部に流出した場合、多大な損害を被る可能性が高まります。このようなリスクを避けるために、アウトソーシング先のセキュリティ体制の確認や、情報管理体制の構築を整備したうえで外部に委託しましょう。

営業アウトソーシング選定の際の比較ポイント

営業アウトソーシングを選定する際は、いくつかの注目すべきポイントがあります。どのような業務や業界が得意で、どんな実績があるかどうか、また料金体系についても見合ったものであるか確認すべきです。

また、営業活動のブラックボックス化を防ぐためにも、コミュニケーションの取りやすさも重要です。ここでは、営業アウトソーシング選定の際の比較ポイントについて、具体的に解説します。

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営業アウトソーシング選定の際の比較ポイント

  1. 得意分野や実績
  2. 料金体系と費用感
  3. コミュニケーションの取りやすさ

得意分野や実績

営業アウトソーシングを導入する際は、自社のニーズに合わせて選定することが重要です。そのため、アウトソーシング先の得意分野や実績のある業界などについて調べるのがおすすめです。

自社がアウトソーシング先に求める業務内容が、新規顧客開拓や既存顧客のフォローなどの一連の営業プロセスなのか、またはテレアポやデータ入力や事務作業などのノンコア業務なのかによって、得意分野が合致する会社を選ぶ必要があります。

また、業界に特化したアウトソーシング先は、特定の業界特有の知識やノウハウを生かした質の高いサービスが期待できます。「得意分野でどのような成果を上げているか」「どのような業界との契約があるか」などの実績も、選定する際の大きなポイントです。

料金体系と費用感

営業アウトソーシングの料金体系には、「成果報酬型」と「固定報酬型」、これらを組み合わせた「複合型」があります。自社のニーズに合わせて、料金体系と費用感を確認しましょう。

成果報酬型は、成果に応じて報酬を支払い、成果が出なければ費用はかかりません。そのため、モチベーションの高いサービスが受けられます。ただし、初期費用が発生しない分、報酬に上乗せしている場合もあるため、費用が高くなる可能性があります。

一方の固定報酬型は、事前に決められた報酬を毎月支払う料金体系です。成果に左右されず、費用が安定しているため計画が立てやすいです。ただし、成果がなくても報酬の支払いを行う必要があります。

これらを組み合わせた複合型は、基本的に「月額料金+成果報酬」となるため、業務の範囲と成果について取り決めたい場合に活用できます。以下の表では、成果報酬型と固定報酬型の特徴と、費用相場についてまとめています。

特徴費用相場
成果報酬型・成果に応じて報酬を支払う
・初期費用が不要
・費用が高くなる可能性がある
アポイントメント単価:1~5万円
受注単価:10~30万円
売上1歩合:0~30%
固定報酬型・事前に決まった報酬を毎月支払う
・費用が安定する
・成果に左右されない
月額:25万円~50万円

コミュニケーションの取りやすさ

営業アウトソーシングとこまめにコミュニケーションが取れないと、営業活動のブラックボックス化が起き、さまざまなデメリットが生まれる可能性があります。たとえば、アウトソーシング先の営業活動の内容が可視化されていないと、成果や費用が不透明になります。

ブラックボックス化が進むと、不正行為や情報漏えい、信頼関係の悪化などの問題が発生する場合があります。そのため、定期的なミーティングや情報共有を行えるなどのコミュニケーションが取りやすいアウトソーシング先であることが重要です。

営業アウトソーシングを依頼するまでの流れ

営業アウトソーシングを依頼する際は、自社の課題を洗い出し目的を明確にしたうえで、アウトソーシング先の候補をリストアップをしてから、実際に問い合わせを行うステップで進めます。ここでは、営業アウトソーシングを依頼するまでの流れについて解説します。

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自社の営業における課題を洗い出す

営業アウトソーシングを依頼する際、最初に行うことは、自社の課題の洗い出しです。自社の営業活動にはどんな問題があるのか整理したうえで、利用目的を明確にします。

たとえば、新規顧客開拓不足やテレアポの獲得件数不足など、課題を洗い出すことで、営業アウトソーシングの必要性が明確になります。自社の課題を理解することは、アウトソーシングの利用を成功させるために欠かせないステップです。

アウトソーシング先の候補を選ぶ

自社の営業における課題を洗い出したら、次のステップでは、適切なアウトソーシング先の候補を選びます。自社の課題が新規顧客開拓なら、それを得意分野とするアウトソーシング先をリストアップしましょう。

候補先は、実績・料金体系・スキル・業務範囲・セキュリティ対策などを基準に、自社のニーズとの一致を踏まえて選定します。また、選定の際には複数の会社を比較するのがおすすめです。

実際に問い合わせて依頼を検討する

アウトソーシング先の候補をリストアップできたら、実際に問い合わせしてみましょう。スタッフの質や実際の営業方法などは、問い合わせないとわからない場合も多いです。面談やトライアルを実施して、担当者のスキルや対応力を確認する方法も有効です。

また、赤字になってしまうリスクを避けるためにも、見積りなどをもとに費用対効果を算出しておくのもおすすめです。契約内容を事前にしっかりと確認し、候補の中から最も自社のニーズと合致するアウトソーシング先に依頼を検討してみましょう。

まとめ

営業アウトソーシングとは、自社の営業活動の一部、またはすべてを外部に委託することです。営業アウトソーシングを利用することによって、近年多くの企業が悩む人材不足を解消することができます。

営業アウトソーシングは、営業に関する専門的な知識やノウハウを持つ人材を即戦力として確保できるため、営業の質が高まります。また、自社で人材を育成するよりも時間やコストがかからないため、短期間での成果が期待できます。

しかし、利用の仕方によっては赤字のリスクがあったり、営業活動の進捗が把握できなかったりするなど、デメリットが発生する可能性もあります。また、情報漏えいリスクは常に存在するため、セキュリティ対策についても慎重な対策が必要です。

営業アウトソーシングを依頼する際は、自社の課題を洗い出し、ニーズに合った候補をリストアップして、複数の会社を比較して選定をします。営業活動の底上げをしっかりとサポートしてくれるアウトソーシング先を選定して、成果につなげましょう。

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