様式9とは?計算方法や勤怠管理システムの選び方をわかりやすく解説
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- 様式9は入院の届け出や管理に必要なもので、その計算は正確に行わなければならない
- 様式9の管理方法には、エクセルシートによるものや、ソフト・システムによるものがある
- 様式9に対応した勤怠管理システムを導入すると、業務を効率化することができる
様式9は入院施設基準の届出や勤務管理に必要不可欠なもので、厚生労働省より示されているものです。本記事では様式9についての解説や基本ルール・計算方法の他、様式9に対応した勤怠管理システムがおすすめな理由と、その選び方についてわかりやすく解説します。
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様式9とは
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様式9とは、入院基本料や特定入院基本料の請求のため、施設基準の届け出や日常管理を記録し提出する書類のことです。厚生労働省が用いるように通知した様式で、看護師の人数や勤務時間、患者数などを記録します。
様式9のデータは、看護師数や勤務時間などの入院基本料や特定入院基本料の点数を計算する要素に含まれ、書類には正確な記入が必要です。看護師の勤務時間を記録しますが、様式9には、看護管理を仕事とする看護部長や外来勤務などの病棟以外に勤務する看護師は記載しません。
様式9の基本ルールと計算方法
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様式9には、データを正確に記入しなければいけません。入院基本料金の保険点数は、看護師の数に影響を受け、施設基準には、一か月間で看護師が夜勤勤務できる上限時間も定められています。ここからは、様式9の基本ルールと計算方法を解説します。
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様式9の基本ルールと計算方法
「病棟日勤」時間数の出し方
病棟日勤時間の出し方は、複雑なものではありません。22時から翌日の5時までを含む時間帯に16時間の夜勤枠を設定し、この夜勤枠以外の病棟勤務時間を病棟日勤時間とします。しかし、日勤勤務でも夜勤時間が発生するので、様式9を難しく感じる方も多いでしょう。
日勤時間を8:00~17:00まで、夜勤時間を16:30~翌8:30までと設定している場合、日勤したとしても、8:00~8:30と16:30~17:00の時間帯にできる30分間は夜勤時間扱いです。看護師がこの勤務時間に病棟日勤したすると、病棟日勤時間は8で病棟夜勤時間は1になります。
「病棟夜勤」時間数の出し方
上述のように、病棟夜勤時間数の出し方ははじめに夜勤枠を決めます。22時から翌日5時までが含まれている時間帯に16時間の夜勤枠を設定します。この定めた夜勤枠内に病棟勤務した時間が、病棟夜勤時間です。
夜勤時間帯の設定は任意で、16:30〜翌日8:30まで、17:00~翌日9:00までなど、設定した夜勤枠16時間に22時から翌日5時までが含まれていれば自由に決めて構いません。
「総夜勤」時間数の出し方
入院基本料の施設基準では、全病棟の看護師1人当たりの1か月間における夜勤勤務時間が72時間以下でなければいけません(72時間ルール)。このため、病棟夜勤時間と病棟以外で勤務した夜勤時間の総夜勤を別々に求め、72時間以内とわかるように記載する必要があります。
夜勤枠が9:00~17:00まで、日勤時間が8:30~17:30までに設定されていたとしましょう。日勤勤務で8:00~11:00まで外来で勤務し、その後に病棟勤務に戻り定時まで働きました。
この場合、8:30~9:00と17:00~17:30は夜勤勤務扱いです。病棟に戻ってからの0.5時間は病棟夜勤で、総夜勤は、病棟以外の外来で勤務した0.5時間と病棟勤務0.5時間を合わせて1になります。
参考:入院基本料の通則 「看護職員の 月平均夜勤時間72時間要件」について|厚生労働省・公益社団法人 日本看護協会
72時間ルールとは
72時間ルールとは、看護師1人当たりの上限を定めるものではなく、「夜勤従事者の延べ夜勤時間数」を「夜勤をする従事者数」で割った月平均の夜勤時間数が、72時間以内にならなければならないというものです。
これらは看護師の労働時間を適切に管理し、疲労を軽減し患者の安全を守ることを目的としています。
参考:入院基本料の通則 「看護職員の 月平均夜勤時間72時間要件」について|厚生労働省・公益社団法人 日本看護協会
72時間ルールの罰則
72時間ルールに反した場合、病院に支払われる入院基本料が20%減らされるという罰則があります。72時間を超えてしまわないよう、勤務体制を組んでおきましょう。
ただし、対象となる病棟は入院基本料を届け出ている病棟に限ります。特定入院料を届けている病棟は対象から外れます。
様式9の作成方法
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様式9を手作業で管理するのは非常に労力がかかります。このため、様式9の作成には、エクセルや様式9に対応した勤怠管理システムが用いられることが多いです。ここからは、様式9の作成方法について解説します。
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様式9の作成方法
エクセルシートによる自動計算
様式9の作成方法で、一般的なのはエクセルシートによる自動計算です。各医療関係団体のホームページで、様式9の書式に合わせて作成されたエクセルのテンプレートが無料で配布されており、現在も大いに活用されています。
エクセルで作成された様式9のテンプレートには、看護師や准看護師といった職種、氏名、病棟日勤時間数や病棟夜勤時間数などの項目が記入できるようになっています。数値を入力すると、月平均の夜勤時間数や看護師比率などを自動計算できるので非常に便利です。
エクセルシートによる自動計算は便利ですが、人の手で数値を一つひとつ入力するため、ヒューマンエラーも起こり、看護師数が多いと入力作業や確認に時間を取られるといったデメリットもあります。
専用ソフトやシステムの導入
様式9を自動で作成できる勤怠管理システムを導入している医療機関もあります。様式9対応の勤怠管理システムでは、勤務表を作成して看護師の勤怠を管理し、ボタンをクリックするだけで、自動計算された様式9のエクセルシートが出力されるものもあります。
医療機関向けの勤怠管理システムでは、看護師がスマートフォンやPCから希望を申告すると、シフト表を作成してくれる機能や電子カルテとの連携機能など、さまざまな便利な機能が利用できます。
ただし、勤怠管理システムは人が管理しなくてはいけないため、うまく運用できないと機能しません。自動計算をしてくれるものの、データを手入力しなければいけない製品もあります。
様式9に対応した勤怠管理システムがおすすめな理由
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様式9の記録にエクセルシートを使うと、一つのシートに19項目を手入力していく必要があり、ケアレスミスが発生しやすい難点があります。そこで、おすすめなのが様式9に対応した勤怠管理システムです。
様式9に対応した勤怠管理システムは、ボタン操作一つで定められた書式のエクセルシートを出力できるため、手入力は不要になります。ここからは、様式9を作成する上で勤怠管理システムがおすすめな理由を解説します。
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様式9に対応した勤怠管理システムがおすすめな理由
コスト削減
様式9に対応した勤怠管理システムを用いることで、人的コストを削減できるメリットがあります。勤怠管理システムには、様式9を自動計算して出力できる機能が備わっています。このため、様式9の記帳に人員を配置する必要がなく、人的コストを削減できます。
業務の効率化
様式9対応の勤怠管理システムは、エクセルシートを使って様式9の記帳するよりも業務を効率化できます。勤怠管理システムを導入すると、看護師の人数や病棟日勤、病棟夜勤、総夜勤などの数値を手入力する必要がありません。
勤務表を作成し、このデータから、ボタン操作一つで自動計算された様式9のエクセルシートが出力されます。手入力時に起こりがちなヒューマンエラーリスクの軽減もでき、計算した数値が正しいかどうかの確認作業の負担も減らせます。
複数の打刻方法に対応
様式9対応の勤怠管理システムは、ICカードやパソコン、スマホなどの複数の打刻方法に対応しています。カードのタッチ決済のように端末にICカードを触れさせ打刻する、パソコンやスマホからインターネット経由で打刻するといったことが可能になります。
医療現場は入院している患者のため24時間体制で対応しており、シフトが複雑で正確な勤怠管理は非常に困難です。しかし、勤怠管理システムを導入すると、医師や看護師、病院スタッフの正確な勤務時間を把握できます。
リアルタイムでの勤務時間の把握
様式9作成機能付きの勤怠管理システムを導入すると、リアルタイムで職員の勤務時間を把握できるようにもなります。勤怠管理システムに実装されているデジタルの打刻方法は、部署ごとや職員ごとに、リアルタイムで労働時間と残業時間を記録します。
システム管理者が、スタッフの労働時間や残業時間をチェックし、管理することで、長時間労働や残業時間過多といった看護師の働き過ぎを防げるでしょう。
急なシフト変更に対応できる
勤怠管理システムを導入すると、急なシフト変更にも対応できるようになります。上述のように、勤怠管理システムを導入すると、部署ごと、職員ごとの労働時間を逐一チェック可能です。
病院内で勤務している人員の過不足をリアルタイムでチェックできるため、人手が足りている部署から人手が足りない部署に人員を充てられます。勤怠管理システムの中には、スマホアプリでヘルプ申請が可能な製品もあります。
勤務形態に合わせたカスタマイズできる
勤怠管理システムは、勤務形態に合わせたカスタマイズができる点も特徴です。勤務形態に合わせて、連続勤務日数や連休、勤務間隔などの条件を設定できます。さらに細かく、グループの組合せや禁止グループの組合せなども設定できる製品もあります。
医療機関向け勤怠管理システムの選び方
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様式9作成機能付きの勤怠管理システムは非常に有用です。しかし、病院に合った勤怠管理システムを選ばないと、望むような効果は得られません。ここからは、医療機関向け勤怠管理システムの選び方を解説します。
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医療機関向け勤怠管理システムの選び方
さまざまな勤務形態に対応できるか
導入する勤怠管理システムが、さまざまな勤務形態に対応できるかどうか確認しましょう。医療機関の勤務形態は多様です。看護師は3交代勤務、一般職員は日中勤務、訪問医療や介護は直行・直帰など、医療機関の職員は部署ごとに勤務形態が異なります。
このため、多様な勤務体系に対応できない製品を導入しても良い結果は得られません。勤怠管理システムを選ぶときは、夜勤や当直、直行・直帰などの複雑な勤務体系に対応している製品を選びましょう。
シフト作成機能があるか
シフト作成機能があるかどうかも確認したいポイントです。看護師の仕事は、日勤と夜勤がある3交代制の複雑な勤務体系のため、看護師からの勤務希望と法律で定められた労働環境に合致するシフトを作成するのは大変です。
しかし、様式9に対応し、かつシフトを自動で作成してくれる勤怠管理システムを導入すると、シフト作成の負担を大幅に軽減できるでしょう。シフト作成機能を搭載した勤怠管理システムは、看護師達がPCやスマホで勤務希望日を申請できます。
看護師たちが申請した希望を元に自動でシフトを作成できるため、シフト管理者の作業は、確認と手直しをするだけになります。看護師の勤務状況をリアルタイムで正確に記録しているので、人員の過不足にも素早く対応できるようになるでしょう。
様式9に対応しているか
様式9に対応している勤怠管理システムかどうかも大切なポイントです。様式9に対応していない場合、提出書式に合ったエクセルシートを用意し、勤怠管理システムからデータを出力して取り込んだり、数値を手入力したりする必要があります。
エクセルで様式9の書類を作成した後は、数値が正確かどうか確認しなければいけません。この一連の作業で間違いが起こる可能性もあります。ヒューマンエラーを減らし、効率よく書類を作成できるように、勤怠管理システムが様式9に対応しているか確認しましょう。
サポート体制が整っているか
トラブルが起こったときのサポート体制が整えられているかどうかも確認しましょう。勤怠管理システムは、職員全員が毎日必ず使用する重要な基幹システムのため、トラブルが起きたときに素早く対応できるシステムやベンダーを選びましょう。
不具合が起きたときに迅速に対応できるよう、チャットのサポートを設け、顧客からの連絡にリアルタイムで回答するサポート形式が多いです。
クラウド型の勤怠管理システムの場合、CSV形式などでローカルに勤怠管理情報を保存できる製品がおすすめです。通信障害でネットワーク経由でシステムにアクセスできない場合にも、ローカルにデータを残しておけると、トラブル解消後は迅速にシステムを復旧できます。
まとめ
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様式9は医療機関の施設基準に関する書類の一つで、看護師の人数や勤務時間、患者数などを記録するように厚生労働省が示しています。様式9のデータは、基本入院料の診療報酬にもかかわる重要なデータのため、数値は正確に把握する必要があります。
様式9の記録には、一般的にエクセルシートが利用されていますが、記入ミスの多発や記録・管理の労力に頭を悩ませている方も多いです。このような記録ミスや職員の負担を軽減したい方に、様式9に対応した勤怠管理システムの導入がおすすめです。
様式9に対応した勤怠管理システムは記号を入力したり、ボタンをクリックしたりするだけで、自動的に様式9のエクセルシートを作成できます。このため、ヒューマンエラーを低減でき、コスト削減と業務効率化も実現できます。
勤務形態に合わせたシフトのカスタマイズも可能で、ICカードやスマホなどのデジタル打刻で記録されたデータから、リアルタイム職員の勤務状況を把握できるため、急なシフト変更にも対応できるようになるでしょう。
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