経費精算書とは?経費精算書の書き方や作成する際の注意点を解説

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  • 経費精算書とは、従業員が立て替えた経費を、会社が精算するための書類である
  • 経費精算書で認められている経費には、消耗品費や通信費などがある
  • 経費精算書を作成する際は、領収書やレシートを必ず用意し、早めに作成・申請を行う

経費精算書とは、従業員が立て替えて支払った消耗品費や旅費などの経費を、会社が精算するために用いる書類です。本記事では、経費精算書で認められている経費や経費精算書の書き方、経費精算書を作成する際に気をつけるべきポイントを解説しています。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

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  1. 経費精算書とは
  2. 経費精算書で精算できる経費・できない経費
  3. 経費精算書の書き方
  4. 経費精算書作成のポイントと注意点
  5. 経費精算システムで業務を効率化
  6. まとめ

経費精算書とは

経費精算書とは、従業員が業務のために立て替えた経費を、会社側に請求するための書類です。会社は、従業員が提出した経費精算所をもとに、内容に不備がないか、不正がないかなどを確認して経費を精算します。

経費精算書での精算が認められている経費には、消耗品費・通信費などがあり、経費精算書を作成する際には、店舗から発行された領収書・レシートの添付が必須です。他にも、経費精算書の書き方には、守らなくてはならないルールがいくつか存在します。

経費精算書は、会社の費を適切に管理し、不正な支給を防止するのに役立つ重要な書類です。この記事では、経費精算書の基本的な知識や、適切な経費精算を行うためのポイントを解説します。

精算書と領収書の違い

精算書と領収書は、どちらも経費を精算する際に必要な書類ですが、それぞれ役割が異なります。精算書は、社員が立て替えた金額を会社側に精算してもらうための書類です。会社側で用意されている所定のフォーマットを用いて、社員が自分で作成します。

一方、領収書は、店舗で商品を購入したり、サービスを受けて料金を支払った際に、店舗側から発行される書類です。領収書は、金銭を支払った側が確実に代金を支払ったという証明、金銭を受け取った側が確実に代金を受け取ったという証明になります。

基本的に、精算書の提出には領収書の添付が必須で、領収書と精算書を照合することで、精算書の記載内容が事実かどうかを判定します。

経費精算書の種類

経費精算書にはいくつか種類があり、その中でも主要なものは「仮払経費申請書」「仮払経費精算書」「出張旅費精算書・旅費精算書」の3つです。以下で、その3つの特徴について詳しく解説します。

仮払経費申請書

仮払経費申請書は、従業員がこれから業務上で必要になる経費を、一時的に会社が前払い(仮払い)するための申請書です。これにより、従業員は自分のポケットマネーで経費を立て替えることなく、会社から支払われた経費を使って支払いができます。

また会社側も、仮払経費申請書を確認することで、経費の正当性や必要性を事前に確認し、従業員に金銭を支払えます。これにより、従業員の業務における経費負担を軽減し、適正な経費管理と精算を実現することが可能です。

仮払経費精算書

従業員が、仮払い経費申請書を使用し、会社から経費の前払いを受けた後に、実際にかかった費用を精算する目的で会社に提出する書類です。仮払経費精算書は、経費の管理を円滑に行うと同時に、経費の透明性と公平性を確保します。

仮払経費精算書を使用すれば、会社は経費の不正使用を防ぎ、経費を適切に管理することができます。仮払経費精算書は、経費精算において重要な役割を果たす書類です。そのため、正しく作成・提出することが求められます。

出張旅費精算書・旅費精算書

従業員が出張した場合、出張先までの移動で使用した交通費や、ホテルなどに宿泊する費用が発生します。出張旅費精算書・旅費精算書は、従業員が出張中に立て替えたそれらの経費をまとめ、会社に対して請求するための書類です。

出張旅費は、承認されると会社が規程に基づいて処理し、実際に利用した分の金額を従業員に返金します

経費とは?経費計上するメリット・デメリット、税金についても解説

経費とは、事業を行うために支払った費用のことです。旅費交通費や通信費、接待交際費などがあります。この記事では経費計上するメリット・デメリット、経費になるもの・ならないもの、税金は経費になるのかなどについて初心者にも分かりやすく解説します。

経費精算書で精算できる経費・できない経費

経費精算書で精算できる主な経費には、消耗品費・接待交際費・旅費交通費・通信費などがあります。会社によっては、精算できる経費の範囲や上限が定められている場合があるため、事前に会社に確認しておきましょう。

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消耗品費

消耗品費は、会社で使うものの中で、使用していくうちに消耗する事務用品・備品の費用が該当します。文房具や、金額によってはパソコンも消耗品費として計上できます。

文房具は、事務作業や業務の遂行のために必要な用品です。ボールペン・鉛筆・消しゴム・ノート・ファイル・クリップなどは、使用するたびに消耗し、定期的な補充が必要です。消耗品費には、文房具の購入費だけでなく、補充費用も含まれます

また、仕事や勉強に必要な10万円以下のパソコンの代金も、消耗品費として認められます。

接待交際費

接待交際費は、顧客や取引先などとの関係構築・コミュニケーションなど、ビジネスや業務上の目的で接待する際に発生する飲食費です。

接待交際費には、飲食代のほか、テーブルチャージ料・サービス料・会場費・取引先の業務や行事開催の際の差入弁当代・接待を行う飲食店などで販売されているお土産代なども含まれます。

一方、接待をともなう飲食であっても接待交際費に該当しないのは、ゴルフ・観劇・接待を行う飲食店への送迎費・飲食物の詰め合わせなどの贈答費用です。また、企業によっては、接待交際費は営業費や交際費の一部として会計処理され、経費として計上される場合もあります。

旅費交通費

旅費交通費は、出張や業務に関連して発生した宿泊費・交通費が該当します。宿泊をともなう出張で使用した宿の宿泊費のほか、出張先までの移動に使用したバス・電車などの公共交通機関の運賃、タクシー代、社用車・自家用車のガソリン代や駐車料金も含まれます。

経費の基準は、業務に関連しているか否かです。出張に伴う宿泊であっても、宿で食べる食事は業務に関連しません。そのため、食事付きプランの利用を経費として認めない企業もあります。特別な事情がなくタクシー移動した際の代金も、一般的には経費として認められません。

何を経費として認めるかの法律はなく、決めるのは会社の判断です。そのため、会社は何を経費とするか、明確に定めておく必要があります。

福利厚生費

福利厚生費は、会社が給与以外で社員のために支出する費用のことです。業務には直接関係しないもので、健康診断や社員旅行などのモチベーションアップ、社内コミュニケーションの円滑化を目的とするものが例としてあげられます。ただし福利厚生費と認められるためには一定の要件を満たす必要があります。

通信費

通信費は、企業や個人が通信サービスを利用する際に発生する費用です。主に、固定電話・携帯電話を使用した通話料金やデータ通信料金、インターネットサービスプロバイダーの月額料金・データ通信の料金などインターネット接続に関連する費用が該当します。

細かいところでは、ビデオ会議システムの利用料金、クラウドストレージの利用料金、電子メールのサービス料金なども通信費の扱いです。

その他にも、スマホやタブレットで契約しているデータプランの料金・通話料金・メッセージングサービスの料金や、FAXの送受信にかかる通信費や用紙代、郵送物の送料などが通信費に含まれます。

会議費

会議費は、業務に関する会議を行った際に発生した会場費用や飲食代のことです。経費精算する場合は通常の経費と同様にかかった費用の領収書を発行してもらい、会議の参加者や人数、会議で使用した資料など開催を証明する情報も添付する必要があります。

精算できない経費

法人税・法人住民税

法人税や法人住民税は、会社の経費にはなりません。ですが、法人事業税は経費として損金算入が可能になります。従業員が直接会社の税を扱うことはないかもしれませんが、経費になる税金、ならない税金は把握しておきましょう。

スーツや衣類の購入費

仕事中に着用するスーツなどの衣類費用ですが、スーツはプライベートでも使用できるという観点から経費として認められません。業務中のみで着用する制服や作業着であれば、従業員に支給する際に福利厚生費として経費とみなされます。

経費精算書の書き方

税法上、経費として認められるものには、一定の条件が定められています。そのため、経費精算書を作成する場合には、会社の規程や税法に準拠した書き方が求められます。

経費精算書の書き方に不備があると、経費が認められなかったり、税務調査で指摘されたりすることがあります。経費精算書の書き方は、会社により多少異なりますが、一般的には下記項目の記載が必要です。以下で、経費精算書の書き方のポイントを解説します。

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精算期日に合わせて月ごとに領収書をまとめる

経費精算では、精算期日に合わせて月ごとに領収書をまとめる必要があります。なぜなら、企業の会計業務には「発生主義の原則」の概念があるからです。

発生主義の原則では、財務状況を適切に把握するために、経費が発生したら速やかに精算し、すべての費用・収益を発生した期間に精算します。そのため、経費精算では、精算期日に合わせて月ごとに領収書をまとめておくのが重要です。

領収書を適切に保管しておけば、経費精算がスムーズに行え、税務調査にも備えられます

各科目ごとに金額を集計

経費精算書は、消耗品費・接待飲食費・旅費交通費・通信費など、科目ごとに金額を集計します。これは、科目ごとの金額を把握して、経費の管理をしやすくするためです。また、経費の種類ごとの支出額が把握できるので、経費の削減にも役立ちます。

経費精算書は、税務申告の際にも重要な役割を果たします。税務上の規則や制度に従って、経費の科目別集計を行えば、税務上のトラブルを招くリスクを低減できます。経費の透明性や正確性を確保し、効果的な経費管理を行うためには、科目ごとの金額集計が重要です。

経費精算書を作成

経費精算書の記載項目は、会社によって異なりますが、一般的には以下のような項目の記載が必要です。

  1. 申請日
  2. 支払日
  3. 支払先
  4. 用途
  5. 金額
  6. 申請を行う社員の情報

経費精算書における「用途」とは、経費が発生した目的や理由を具体的に記載する項目です。経費の用途を明確にし、経費の正当性や必要性を確認するために必要な情報になります。

経費精算書の「用途」欄に、経費の用途を簡潔に記載し、用途が複数ある場合はそれぞれ記載します。用途が正確に記載されていると、経費精算がスムーズに進められます。「用途」の記入法がわからない場合は、会社側に確認し、正確な記入を心がけましょう。

申請を行う社員の情報とは、氏名・社員番号・所属部署などが該当します。

上司に承認を得る

経費精算書は、上司の承認を得る必要があります。上司の承認が得られなければ、経費精算書を経理部門に提出することはできません。

上司は、経費申請書に記載された支払先・金額・用途・領収書などの添付書類を確認し、経費が正当なものであるか・金額や使用目的に間違いがないか・添付書類に不足がないかなどを確認します。間違いや不備がなければ、承認印を押し、経理部門に回します。

上司の承認印をもらって、はじめて正式な経費精算書としてみなされます。上司の承認印がない経費精算書は、経理部門に渡しても経費精算してもらうことができません。

経理担当者に提出・承認

上司の承認を得たら、次は経理部門に経費精算書を提出します。経理担当者は、経費精算書の記載内容と添付された領収書などを確認し、承認作業を行います。問題がなければこのまま承認し、記入漏れやミスがあれば、従業員に差し戻します。

差し戻された経費精算書は、経理担当者より指摘された箇所を従業員が訂正し、再提出します。

精算

立替金の支払い方法は、会社により異なります。一般的には、現金・銀行振込で支払うことが多いです。現金の場合は、支払う際に、証明として精算を行った社員に受領印を押してもらいます。

銀行振込の場合、受領印を押してもらう必要はありません。しかし、給与と合算して支払うのは避けましょう。給与には所得税が課税されますが、立替金は非課税です。混同しないよう、給与と別に振込手続きをすることで、トラブルを回避できます。

経費精算書作成のポイントと注意点

経費精算書の作成には、押さえておくべきポイントと、いくつかの注意点があります。スムーズに経費精算書を作成するためのポイントと注意点を、以下で詳しく解説します。

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テンプレートをダウンロードする

経費精算書を作成するのが手間だという場合は、ビジネス用の書類テンプレートを配布しているサイトなどから、無料ダウンロードが可能です。

経費精算書の作成は、時間と手間がかかります。テンプレートをダウンロードすれば、経費精算書の作成時間を省けます。また、テンプレートには、経費精算書の作成に必要な項目がすべて記載されているため、経費精算書の作成ミスを防げます。

さらに、テンプレートを使用すると、経費精算書のフォーマットが統一されるため、経理担当者の作業負担が軽減されます。テンプレートは、なるべくシンプルなレイアウトを選ぶと、見やすくおすすめです。

経費精算書の書き方・記入例を社内で共有

経費精算書の書き方がバラバラだと、経理担当者の負担が増え、ミスにつながる可能性が

あります。そのため、誰が経費精算書を作成しても同じ記入方法になるよう、わかりやすい記入例を作成するようにしましょう。

それにより、従業員全体が統一された書き方やフォーマットを把握でき、一貫性を保てるほか、経費精算書の承認や処理の効率化も図れます。

領収書やレシートを用意する

領収書やレシートは、実際にお金を支払ったことを証明する重要な証拠となります。経費精算書には、正確な金額を記載する必要があり、領収書やレシートはその金額の裏付けとなります。

領収書やレシートは、税務申告の際にも必要になります。正確な経費の記録と、それを裏付ける領収書やレシートは、ともに会計の透明性や法的な要件を満たすための重要な資料です。

そのため、領収書やレシートは、紛失しないように注意しましょう。紛失すると、経費精算が認められない場合もあります。

領収書が紛失・発行されない場合の対処法

領収書の発行者は、領収書を再発行する義務がないため、面倒な領収書の再発行を拒否できます。また、領収書を二重発行すると、経費を二重計上するなど不正利用されるケースがあるため、発行者が領収書を再発行しないケースは多いです。

しかし、領収書を紛失してしまっても、レシートがあれば代用可能です。レシートは、取引日や金額、発行元がわかるため、証拠書類として機能し、経費精算に使用できます。他にも、クレジットカードの利用明細や電子マネーの取引記録も、支払いの証明になります。

また、自動販売機などそもそも領収書やレシートが発行されないものに関しては、「出金伝票」に記録します。出金伝票には、「支払先の名称」「取引日」「金額」「内訳」4項目を必ず記載するようにしましょう。

但し書きは明確であるか

但し書きとは、領収書に「但し 〇〇代として」などと記載されている項目のことです。但し書きは、領収書が何の対価として発行されたのか、内容を明確にするために必要です。

但し書きが記載されていないと、経理担当者はどの科目で経費の計上を行えばいいか判断がつきません。消費税法上でも、取引内容の記載は領収書の必須事項となっているので、但し書きがないものは、正式な領収書として認められません

中には、領収書の但し書きを「品代」で依頼する方がいますが、「品代」では何に対しての支払いかが不明で、本当に必要な経費なのか判別できません。税務調査で不正を疑われる可能性もあるため、具体的な品目を記載してもらうようにしましょう。

公私混同がないか

経費精算では、仕事に関連する経費のみが精算対象です。経費の公私混同は、会社のお金を私用のために使う行為で、会社のお金を不正に横領したとみなされます。たとえば、友人との個人的な会食費用は、経費として認められません

しかし、プライベートで親交のある友人との会食でも、友人の勤務先が自社の事業に関連する商品を取り扱っているなど、事業に関する会食であれば、接待飲食費として認められます

友人との会食を、取引先との会食と偽って申告をすることは私文書偽造罪となり、業務上横領罪にもとわれる可能性があります。そうならないために、公私混同がないかを事前にしっかり確認することが重要です。

早めの作成・申請を意識する

経費精算書の作成は、手間がかかる作業ですが、後回しにしていると領収書を紛失するリスクが高まったり、精算期日を過ぎてしまう可能性があります。そのため、なるべく早めの作成・申請を意識するのが大切です。

経費精算システムで業務を効率化

手書きやエクセルでの経費精算は、時間がかかる・手間が多い・転記ミスや入力ミスなどの人為的ミスが発生しやすい・承認までに時間がかかるなど、多くのデメリットを抱えています。

経費精算システムを導入すれば、出張先でもパソコンやスマホを使って、オンラインフォームから経費情報を入力し送信できます。これにより、従業員は迅速に経費を申請でき、経理担当者は経費データを効率的に処理することが可能です。

経費精算書の作成の自動化により、人為的ミスも減らせます。また、承認ワークフローの可視化で、申請から承認までの作業もスムーズです。経費精算システムの導入は、申請する従業員側にとっても、処理する経理部門側にとっても、大きなメリットがあります。

経費精算システムのおすすめ6選を比較|選び方のポイントも解説

経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

まとめ

経費精算書は、従業員が立て替えた経費を精算するための大切な書類です。スムーズかつ正確な精算業務には、経費精算書の適切な運用が重要になります。

経費精算システムを導入すれば、経費精算の申請から承認、支払いまでのプロセスを自動化することができます。これにより、経費精算にかかる時間と手間を大幅に削減可能です。さらには、経費精算のミスも防げます。

また、経費データの可視化は、経費の無駄を見直したり、不正を防ぐのにも役立ちます。経費精算の効率化と、透明性・正確性を確保するために、経費精算システムの導入を検討してみましょう。

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