出金伝票とは?出金伝票を利用できる場面や書き方、注意点を解説

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  • 出金伝票とは、企業から現金が出ていった際の記録・整理を行うための書類である
  • 出金伝票を作成する際は、どんな取引かわかるよう日付や勘定科目、金額を正確に書く
  • 出金伝票の保管期間は、法人税法上では7年、会社法上では10年である

出金伝票とは、企業から現金が出ていった際の記録・整理を行うための書類です。出金伝票は領収書を発行できない・紛失してしまった際など多くの場面で役立ちます。本記事では、出金伝票の書き方やどこで入手できるか、保管期間などの注意点を解説しています。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

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  1. 出金伝票とは
  2. 出金伝票を使う場面
  3. 出金伝票の書き方
  4. 出金伝票の入手先
  5. 出金伝票の注意点
  6. まとめ

出金伝票とは

出金伝票は、製品やサービスの購入などに対して現金で支払った場合に起票される伝票です。出金伝票は、会計上の取引の中で現金支出を記録するために使用されます。出金伝票には、支払い日付や支払先、支払金額、支払の目的など、必要な情報が記入されます。

また、適切な勘定科目や摘要の記入も必要であり、会計処理や、確定申告の証拠書類としても有効です。出金伝票は、会社や個人の財務状況を把握し、経費の管理に役立つ重要な情報源です。

出金伝票と入金伝票の違い

入金伝票は、商品やサービスの販売などにおいて、現金が入ってきた場合に起票される伝票です。入金伝票の正確な作成と管理は、企業の財務状況の把握や、収益の計上に重要な役割を果たします。

一方、出金伝票は、商品やサービスの購入などにより、現金を支払った際に起票する伝票です。現金が減少する際に作成され、出金を記録します。

出金伝票と領収書・振替伝票の違い

出金伝票と領収書の違いは、書類の発行元です。出金伝票は自分で、領収書は取引先などの相手方が発行します。

振替伝票は、複数の勘定科目間での振替や調整を行う際に使用され、現金以外の取引や仕訳のバランス調整に使用します。一方、出金伝票は、具体的な現金支出を記録するための伝票であり、現金や銀行口座からの出金に関する情報を管理します。

出金伝票を使う場面

出金伝票は、会社や組織が現金や資金を支払う際に使用される伝票です。さまざまな場面で出金伝票が必要とされますが、ここでは、領収書がない場合の支払いについて、出金伝票を使うケースについて解説します。

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交通費の精算

電車やバスなどの、領収書が発行されない公共交通機関を利用した際に、出金伝票を起票します。出金伝票には、出金日付や支払い先である交通機関の詳細、支払った金額、および勘定項目に「交通費」として記入します。

冠婚葬祭の慶弔費の精算

一般的に、結婚式のご祝儀や、葬式の香典など冠婚葬祭に関する支払いは、領収書が発行されません。冠婚葬祭の慶弔費は、出金伝票を使用して、経費として処理することができます。

出金伝票には、招待状や結婚式関連、会葬御礼などの資料を参考にして、必要な詳細情報を正確に記入しておきましょう。また、そのような資料は、監査や税務調査に対して証拠資料となるので、出金伝票と一緒に保管することをおすすめします。

割り勘した接待交際費の精算

割り勘した接待交際費の精算でも、出金伝票で計上することができます。例えば、取引先との食事会で複数人が割り勘で支払った場合、領収書は1枚しか発行されません。しかし、支払った金額や詳細を出金伝票に記録することで、経費として計上できます

自動販売機の利用

自動販売機での支払いは、領収書が発行されませんが、出金伝票を利用することで、経費として計上することができます。出金伝票には、自動販売機の利用日時や場所、支払金額、購入した商品、使用用途などを明記しましょう。

領収書の紛失

万が一領収書を紛失してしまった場合でも、出金伝票は支出の記録として重要な役割を果たします。ただし、ただし、出金伝票は領収書としての代用としては、客観性に欠ける場合もあるので、領収書の再発行を最優先に検討し、正確な経費管理を心掛けましょう。

出金伝票の書き方

出金伝票は、日付、支払先、支払金額、勘定科目、摘要、金額を正確に記入する必要があり、正確な情報を記入することで、会社や組織の明瞭な経費管理が行えます。ここでは、それぞれの項目の書き方について、詳しく解説していきます。

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出金伝票の書き方

  1. 日付
  2. 支払先
  3. 勘定科目
  4. 摘要
  5. 金額

日付

出金伝票の日付欄には、支払いが実際に行われた日付を記入します。注意点として、正確な日付を記入することですが、一般的には、和暦・西暦、年月日の順に記入します。西暦か和暦を記入しますが、省略した記入は、認められない場合があるので、注意しましょう。

また、過去や未来の日付を誤って記入しないように気を付けてください。正確な日付の記入は、会計処理の正確性と経費管理の信頼性に関わるので、慎重に行いましょう。

支払先

出金伝票の支払先欄には、支払いをしたお店や会社名などを記入します。注意点として、支払い先の正確な名称や、名称の略語を適切に記入することです。また、必要に応じて、住所や連絡先などの補足情報を追記することも大切です。

勘定科目

出金伝票の勘定科目欄には、支出の性質に応じた適切な勘定科目を記入します。一般的な勘定科目として「旅費交通費」「接待交際費」「図書印刷費」「諸会費」「消耗品費」「慶弔費」などがあります。

注意点としては、会社によって独自の勘定科目を使用することもあるので、経理担当者に会社の経費計上ルールを確認しておきましょう。

摘要

出金伝票の摘要欄には、支出の目的や内容を簡潔に記入します。具体的な説明や詳細情報は必要ありませんが、分かりやすく明確にすることが大切です。注意点としては、曖昧な記述を避け、具体的な事項や用途を記載するようにしましょう。

摘要欄の適切な活用により、経費の内容や背景を把握することができ、経費管理や会計報告の精度向上につながります。記入時には簡潔かつ具体的に情報を記載し、必要な詳細を適切に伝えるようにしましょう。

金額

出金伝票の金額欄には、実際に出金した金額を正確に記入します。重要な注意点は、記入する金額が出金した現金の金額と一致していることを確認することです。金額の誤りがあると、会計処理や経費管理において正確さや信頼性に欠けることになります。

差額や記入ミスを防ぐために、金額欄への記入は慎重に行い、確認を怠らないようにしましょう。また、金額欄は、改ざんが疑われやすい項目です。訂正する場合は、修正テープではなく、二重線を引き、追記で記入をしましょう。また訂正印も必須となります。

出金伝票の書き方とは?勘定科目・経費精算する際の注意点も解説

出金伝票とは、現金で支払った取引を記録するための伝票です。主に交通費や慶弔費といった領収書がもらえない場合の証拠として使われています。この記事では、勘定科目を含めた出金伝票の書き方・経費として精算する際の注意点などを詳しく解説します。

出金伝票の入手先

出金伝票は、文房具店やホームセンターなどで購入でき、Web上のテンプレートをダウンロードしたものや、ExcelやWordで自作した伝票も使用できます。ここでは、出金伝票を入手する方法について解説します。

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店舗で購入

出金伝票は、文房具店やホームセンター、100円ショップ、書店などの身近な店舗で販売しています。インターネット通販でも販売しており、まとめて注文すれば、比較的安く購入できます。

テンプレートをダウンロード

出金伝票は、テンプレートをダウンロードして、入手することも可能です。テンプレートを使用すると、手書きの手間を省くことができます。特に繁忙期の経理作業では、テンプレートを利用することで効率的に作業を進めることができます。

手書きが煩わしい方や効率的な経理処理を望む方には、テンプレートをダウンロードして出金伝票を入手することをおすすめします。

エクセルやワードで自作

出金伝票は、エクセルやワードで自作した伝票を利用することも可能です。しかし、自作には手間がかかります。出金伝票のフォーマットや計算式を作成する必要があり、また、デザインやレイアウトの面でも調整が必要となります。

効率性や正確性を求める場合は、専用のソフトウェアやテンプレートを利用することがおすすめです。

出金伝票の注意点

出金伝票の正確な記録と処理は、経費処理において重要な作業です。出金伝票の処理にはいくつかの注意点があります。これらの注意点を遵守することで、正確な経費処理と財務管理を実現できます。以下では、2つの出金伝票の注意点を解説していきます。

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多用に注意する

出金伝票の注意点の一つは、多用に注意することです。出金伝票の適切な使用と証拠資料の管理は、経費処理において重要なポイントですが、出金伝票の多用しすぎると客観性を欠き、経費管理の信頼性を損ねる可能性があります。

また、多数の出金伝票を処理することは手間がかかり、管理にミスが起こる可能性もあります。そのため、出金伝票は必要な場合にのみ使用し、他の証拠資料と併せて経費の正確な管理を行うことが重要です。

正確な出金伝票の記録と管理は、企業や組織の財務管理や会計報告の信頼性を高めるために不可欠です。信頼性の高い経費処理は、法的規制や監査の要件を満たすことにもつながります。

法的に定められた保管期間を守る

出金伝票保管のポイント

  1. 法人税では、帳簿と取引等に関して作成または受領した書類を7年間保存
  2. 会社法では、契約上のトラブルに対応できるよう事業に関する重要な資料とともに10年間保存

出金伝票の注意点の一つは、保管期間を守ることです。出金伝票の、領収書・レシートと同じ保管期間で、法人税法においては、出金伝票を含む会計帳簿や、関連書類の保管期間は通常7年とされています。また、会社法では、一般的には10年間が推奨されています

個人事業主の場合、伝票や総勘定元帳の保管期間は法的には、7年間とされています。将来の税務上の問題や証拠提出のために必要となるため、正確な記録と保管を行うことが求められます。

保管期間を守ることは、法令遵守の一環として重要です。将来の監査や税務調査に備えるためにも、正確な財務情報の保持が求められます。出金伝票は、取引の証拠となる重要な文書です。適切な保管と管理を行い、財務情報の信頼性と透明性を確保しましょう。

また法人法では、青色申告書を提出して欠損金額が生じた事業年度、青色申告書を提出せず災害損失金額が生じた事業年度においては10年間の保存が求められます。

参考:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁

税率ごとに伝票を区分する

出金伝票を使用する場合は、軽減税率を考慮し税率ごとに伝票を区分するよう習慣づけましょう。軽減税率と標準税率で扱う金額も大きく異なってくるため、税率ごとに取引伝票を分けたり、税率が異なる旨をメモするのも有効的です。

インボイス開始後の出金伝票の扱いに注意

インボイス制度導入前であれば、取引金額3万円未満の場合は請求書や領収書がなくても、帳簿に決定事項を記載し保存することで、仕入税額控除が可能でした。しかし2023年10月1日以降は3万円未満の取引への特例もなくなるため、一部の例外を除き出金伝票を用いた仕入税額控除が認められないので注意が必要です。

まとめ

出金伝票は、支出に関する詳細情報を記録する伝票で、経費処理における重要な書類です。主な項目としては、日付、支払先、金額、勘定科目、摘要が含まれます。出金伝票は、経費の管理や経理業務において不可欠なツールであり、正確な記録と処理が求められます。

出金伝票は様々な場面で活用されますが、特に領収書が発行されない場面で使用されます。例えば、公共交通機関の交通費や冠婚葬祭の慶弔費、割り勘した接待交際費の精算、自動販売機での購入、また領収書の紛失時には、領収書の代替として使用することができます。

出金伝票の注意点として、過度な使用を避けることが挙げられます。過剰に使用すると信頼性が低下する可能性があります。また、保管期間も重要です。法人税法では通常7年間、会社法では一般的に10年間の保管が求められます。

出金伝票の適切な処理は、経費の追跡や会計報告の正確性を保証する重要な経理業務です。正確な情報の記入と適切な保管、法的要件の遵守を忘れずに行い、財務管理の信頼性を高めましょう。

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