出金伝票の書き方とは?勘定科目・経費精算する際の注意点も解説

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  • 出金伝票とは、現金で支払った取引を記録するための伝票である
  • 出金伝票を起票するときは、勘定科目・支払先・金額などを間違いなく記入する
  • 出金伝票を経費精算する際は、保管期間や改ざん防止対策などに留意する

出金伝票とは、現金で支払った取引を記録するための伝票です。主に交通費や慶弔費といった領収書がもらえない場合の証拠として使われています。この記事では、勘定科目を含めた出金伝票の書き方・経費として精算する際の注意点などを詳しく解説します。

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経費精算システムは、経費申請・承認業務を効率化してくれるツールです。しかし、さまざまな製品があるため、どのシステムを選べばよいのかわからないというケースも多いでしょう。この記事では、経費精算システム選びのポイントやおすすめのシステムを紹介します。

目次

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  1. 出金伝票の書き方
  2. 出金伝票とは
  3. 出金伝票・入金伝票・振替伝票・領収書の違い
  4. 出金伝票はどんなときに使うか
  5. 出金伝票を経費処理する際の注意点
  6. 出金伝票は手書きでもPC入力でも問題ない
  7. 経費精算システムで出金伝票作成の手間を軽減できる
  8. まとめ
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出金伝票の書き方

出金伝票は、現金支出の記録に使用する重要な文書です。正確な情報を記入することで、会社や組織の経費管理として有効です。ここでは、出金伝票の書き方を詳しく解説します。

1.日付を記入する

出金伝票の書き方として、まずは、日付を記入します。日付は、支出が行われた実際の日付を記載しましょう。出金伝票は、日付の正確性が重要であり、取引が行われた日にちを明確に示すことが求められます。

2.支払先を記入する

出金伝票を書く上で、支払い先を記入する際は、支払いが行われた相手や組織の名前や詳細な情報を記載します。正確な情報を記載することで、支払い先が明確になり、後から確認や整理がしやすくなります。

3.勘定科目を記入する

出金伝票を書く上で、勘定科目を記入する際は、支出の内容に適した勘定科目を明確に記載しましょう。例えば、交通費ならば「交通費」、経費の一般的な場合は「経費」といった具体的な科目名を使用します。

4.摘要を記入する

出金伝票を記入する上で、摘要欄は支出の目的や内容を簡潔に記載する箇所です。摘要は具体的な取引の要点を表し、支出の目的を明確に示す必要があります。例えば、接待費の場合は「取引先との接待費」などの摘要を記入すれば、経費精算の目的が明確になります。

支出に関連する詳細な情報を追記することで、より詳細な支出の内容を把握することができます。摘要欄は適切な情報を簡潔に伝えるために活用しましょう。

5.金額を記入する

出金伝票を書く上で、金額欄は、支出の具体的な金額を記入する重要な項目です。金額は、支出した合計金額を、正確に表す必要があります。金額の計算には丁寧に取り組み、計算ミスがないように注意しましょう。

6.起票者を記入しハンコを押す

出金伝票を書く上で、起票者欄は、伝票を作成した人の氏名や所属を記入する項目です。起票者は、伝票の作成責任を持ち、正確な情報を伝える責務を担っています。起票欄には自分の氏名や所属部署、役職などを明記します。

また、企業によっては、ハンコを使用する場合もあります。ハンコを押すことで、起票者の承認や確認が示されます。起票者欄とハンコは出金伝票の作成者を明示し、責任の所在を明確にするために重要です。

出金伝票とは

出金伝票は、会社が現金を支払ったときに作成される伝票で、会計上の取引の中で現金支出に関する情報を記録するために使用されます。出金伝票には必要な情報や勘定科目などが記入され、仕訳帳の代わりに現金取引の動きを管理する役割を果たします。

このように出金伝票を使用することで、会社の財務状況や資金の流れを正確に把握し、適切な会計処理を行うことが可能となります。

個人事業主の確定申告でも証拠書類になる

個人事業主の確定申告において、出金伝票は、証拠書類として利用できます。これにより、慶弔費や、電車やバスなどの交通費など、領収書のない経費を計上することができます。

出金伝票には日付、支払先、支払内容、金額を記入し、帳簿にも詳細な情報を記載します。

これにより、確定申告時に経費として認められる、出金の正当性や適正性を証明するための証拠となります。

出金伝票・入金伝票・振替伝票・領収書の違い

出金伝票、入金伝票、振替伝票は、会計上の取引を記録するための文書ですが、それぞれ異なる目的や内容を持っています。ここでは、出金伝票と入金伝票、振替伝票の違いについて解説します。

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出金伝票・入金伝票・振替伝票の違い

  1. 入金伝票とは
  2. 振替票とは
  3. 領収書とは

入金伝票とは

入金伝票は、現金や資金が入ってくる取引を記録する伝票で、企業や組織の会計取引を記録する際に使用され、収入や資金の増加を表します。顧客からの売上や、受け取った資金などが該当し、現金や銀行口座への入金を記録します。

一方、現金や資金が出て行く取引を記録する伝票で、出金伝票は、支出や資金の減少を示し、現金や銀行口座からの出金を記録します。

振替票とは

振替伝票は、銀行振込や振込手数料などの、現金以外の取引を記録するための伝票です。現金の入出金以外の取引では、仕訳の借方・貸方の両方に、現金が関与しない場合に使用されます。一方、出金伝票は、現金の支出を表す伝票です。

領収書とは

領収書とは、取引によって発生した金銭のやり取りを証明するものです。内容としては法人名に加え金銭授受日、売上金額などが記載されます。出金伝票との異なる点は発行元で、出金伝票は自分、領収書は相手方に発行してもらいます。

出金伝票はどんなときに使うか

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電車代などの交通費を精算するとき

出金伝票は、領収書が発行されない、電車代や交通費などの経費を精算する際に使用できます。例えば、従業員が業務で電車を利用した場合、出金伝票には出金日付、支払い先(交通機関)、金額、目的(交通費)などの情報が記入されます。

慶弔費を払ったとき

出金伝票は、慶弔費を払ったときにも利用できます。一般的に、冠婚葬祭の支払いは、領収書が発行されません。そのため、出金伝票を使用して支払いを記録し、経費として計上します。

出金伝票には、必要事項を詳細に記入し、客観性を担保します。例えば、結婚祝いの場合は招待状や結婚式関連の資料を参考にして、金額や目的を明確に記載し、香典の場合は、会葬御礼などを参考にして記録します。

自動販売機を利用したとき

領収書が発行されない、自動販売機を利用した支払いにおいても、出金伝票を活用することができます。出金伝票には自動販売機の利用日時や場所、支払った金額、購入した商品、使用用途などを明記しましょう。

これにより、自動販売機での支出を正確に記録し、経費精算や確定申告時の証拠として活用することができます。

食事代などの接待費を割り勘で支払ったとき

食事代などの接待費を、割り勘で支払ったときも、出金伝票を活用することができます。例えば、喫茶店などで取引先と打ち合わせをした場合、割り勘で支払った場合でも、領収書は1枚しか発行されません。

そこで、自分が支払った金額や詳細を出金伝票に正確に記録し、経費精算や確定申告時の証拠として活用できます。効果的な経費管理のために、出金伝票を適切に活用しましょう。

領収書を紛失したとき

領収書を紛失した場合でも、出金伝票を活用することができます。可能な限り正確かつ詳細に情報を記入し、経費の証拠として出金伝票を使用します。

ただし、出金伝票の領収書としての代用は、客観性に欠ける面もあるので、できるだけ領収書の再発行を依頼することをおすすめします。

出金伝票を経費処理する際の注意点

経費処理において、出金伝票の正確な記録と処理は重要です。出金伝票を適切に処理することで、企業や組織の財務管理や会計報告の信頼性を確保することができます。以下は、出金伝票を経費処理する際の注意点を、6つの項目に分け解説します。

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多用しない

出金伝票を経費処理する際に注意すべき点の一つは、出金伝票の過度な使用を避けることです。出金伝票は、自社で発行できる伝票のため客観性が担保されません。また、多数の出金伝票を処理することで、支出の管理が煩雑になり、経費処理の効率性が低下します。

出金伝票だけでなく、証拠資料を適切に管理して経費処理を行うことが大切です。経費処理においては、出金伝票の適切な使用と、合理的な管理が重要です。必要な場合にのみ使用し、効率的かつ正確な経費の管理を実践しましょう。

法的に定められた保管期間を守る

出金伝票を経費処理する際の注意点の一つは、保管期間を守ることです。法人税法においては、出金伝票を含む会計帳簿や関連書類の保管期間は通常7年と定められています。また、会社法に基づく規定では、会社の経理書類の保管期間は一般的に10年間とされています

保管期間を守ることは、法的要件を遵守するだけでなく、将来の監査や税務調査に備えるためにも重要です。出金伝票は、財務情報の一部であり、取引の正確な記録を保持することが必要です。長期的な保管は、証拠の提出や問題の解決に役立ちます。

経費処理においては、適切な文書管理を行いましょう。出金伝票や関連する領収書、請求書などの証拠資料を整理し、安全かつアクセス可能な場所での保管が必要となります。適切な文書管理をし、財務情報の信頼性と透明性を確保しましょう。

証拠も一緒に保管しておく

出金伝票を経費処理する際の重要な注意点は、証拠を一緒に保管することです。領収書や請求書がない場合でも、証拠となる情報を保持することで、支出の妥当性を裏付けることができます

たとえば、出張中の移動費や交通費としてICカードを使用した場合、利用履歴を出金伝票と一緒に保管することで、支出の明細や詳細な情報として提供できます。

また、結婚式の招待状や参加者リストも有効な証拠です。接待費や結婚祝いとしての支出があった場合、招待状や参加者リストは、その目的を明確にする上で重要な情報となります。

領収書や請求書が発行されない場合でも、他の文書やデータを活用して財務情報の信頼性を確保しましょう。適切な証拠の保管は、将来の監査や税務調査に対応するために収容な情報となります。

改ざんを防ぐため記入方法を統一・周知する

出金伝票を経費処理する際の注意点として、改ざんを防ぐために正確な記入方法を統一・周知することが重要です。例えば、出金伝票には、起票者の署名と承認者の署名を求めましょう。これにより、記入内容の正当性や責任の所在が明確になります。

また、記入後に誤りを発見した場合は、修正テープではなく、正しい情報を追記する方法を選びましょう。訂正箇所は、二重線を引き、訂正印も必要です。出金伝票の正確な記入方法の周知は、組織内で一貫して実践することで、出金伝票の改ざんを防ぐことができます。

異なる税率の出金伝票は区分する

出金伝票を使用する際には、消費税法に基づいた区分を行うことが重要です。特に、軽減税率への対応は重要です

例えば、小売店経営では、商品によって税率が異なる場合や、飲食店では、店内とテイクアウトの販売に異なる税率が適用されることもあります。8%と10%の税率が混在するお店での商品の購入は、正確な区分が必要です。

出金伝票を作成する際には、まず取引内容を明確に把握し、適用される税率を判断します。その後、異なる税率の取引に応じて、出金伝票を区分することが重要です。税率毎に区分を行うことで、税務上のリスクを軽減し、税務申告の正確性を確保することができます。

インボイスとしては発行できない

出金伝票を経費処理する際の注意点として、出金伝票は、インボイスとしては発行できません。そもそもインボイスは、売り手が買い手に発行するものなので、出金伝票は、要件に合いません。

インボイス制度とは、正式名称は、適格請求書等保存方式で、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式です。この制度では、売り手が一定の要件を満たした適格請求書を買い手に発行し、双方が適格請求書を保存することで、消費税の仕入税額控除が適用されます。インボイス導入後からは取引価格3万円未満の特例もなくなったため注意しましょう。

出金伝票は手書きでもPC入力でも問題ない

出金伝票は手書きである必要はありません。近年はデジタル化が進み、表計算ソフトや経費管理アプリを利用して、出金伝票を入力することも一般的です。デジタル入力のメリットは多くあります。

まず、正確な金額計算や自動集計が可能です。また、データのバックアップや検索が簡単にできるため、情報管理が効率的に行えます。さらに、デジタル入力ならば文字の読み取りが容易で、分かりやすいレポートを作成することも可能です。

ただし、デジタル入力でも必要事項を漏れなく記入し、慎重に処理することが重要です。情報の正確性と保管の注意を守りながら、自身に最適な入力方法を選択しましょう。

経費精算システムで出金伝票作成の手間を軽減できる

出金伝票の作成には、経費精算システムをおすすめします。経費精算システムは、多くのメリットを提供します。まず、領収書のない交通費や小額経費でも、システム上で出金伝票を作成できます。これにより、紙の出金伝票を作成する手間や管理の手間を軽減できます

また、デジタル化により、情報の入力や処理が簡単で迅速に行えます。経費データの自動集計や精算レポートの自動作成も可能で、経理業務の効率化を図ることができます。さらに、データの保存やバックアップもシステム上で行えるため、情報の保管や検索も容易です。

さらに、経費精算の精度や透明性も向上し、ヒューマンエラーを減らすことができます。経費精算システムの導入により、効率的な経費管理が実現され、業務の効率化とコスト削減に貢献します。

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まとめ

出金伝票は、現金の支出を記録する伝票です。書き方としては、日付、支払い先、勘定科目、摘要、金額、起票者の記入が必要です。

出金伝票を経費処理する際の注意点として、過度な使用は避けることや、保管期間を守り、必要な証拠も一緒に保管しておくことが重要です。

さらに、改ざん防止のための適切な記入方法の周知や、軽減税率への対応も必要です。出金伝票は、経費管理の基本的なツールであり、正確な情報入力と法令遵守を守ることが求められます。

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