クラウドPBXと複合機のFAX機能は併用可能か|クラウドFAXも解説

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  • クラウドPBXと複合機のFAXを併用するには対策が必要
  • 複合機が必要ない場合、クラウドFAX機能付きのクラウドPBXが便利
  • クラウドFAXとは、インターネット回線でFAXの送受信を行える機能

クラウドPBXと複合機のFAX機能は基本的に使用する回線が違うため、そのままでは併用できません。また、クラウドPBXにはクラウドFAX機能がついたものもあります。本記事では、クラウドPBX導入後に複合機のFAX機能を使う方法やクラウドFAXについて解説します。

目次

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  1. クラウドPBXと複合機のFAX機能は併用できるのか
  2. クラウドPBX導入後にFAXを使う方法
  3. 近年主流になりつつあるクラウドFAXとは
  4. まとめ

クラウドPBXと複合機のFAX機能は併用できるのか

近年、クラウドPBXを導入する企業は増えています。しかし、同時に複合機のFAX機能が使用できなくなるのではないかと懸念して導入を悩んでいる企業も多いです。

クラウドPBXと複合機のFAX機能は異なる通信回線を使用しているため、クラウドPBX導入後、そのままでは複合機のFAX機能は利用できません。ただし、対策を取ることで複合機のFAX機能を引き続き利用できます。

また、一部のクラウドPBXに備わっているクラウドFAX機能を活用してFAXを利用することも可能です。本記事では、クラウドPBX導入後に複合機のFAX機能を使う方法やクラウドFAXについて解説します。

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そもそもクラウドPBXとは

クラウドPBXは、インターネットを通じたオフィス向け電話サービスのことです。従来のビジネスフォンが電話回線を使用し、オフィス内の主装置に電話機を接続していたのに対し、クラウドPBXでは、インターネットを介して複数の電話機を接続できます。

そのため、離れた場所にあるオフィス・自宅・外出先などでも、PCや社用スマホを使って、外部からかかってくる電話を受けたり内線をつなげたりすることが可能です。

PBXの種類は、クラウドPBXの他にレガシーPBX・IP‐PBXがあります。それぞれメリットやデメリットがあり、使用環境に応じて選択する必要があります。

クラウドPBXと複合機のFAX機能の回線の違い

オフィスに設置されている一般的な複合機のFAX機能は、アナログ回線に対応しています。これに対して、クラウドPBXはIP回線や光回線を主に使用し、通信はインターネットを経由します。

クラウドPBXと複合機のFAX機能は基本的な対応回線が異なるため、クラウドPBX導入後、対策なしでは複合機のFAX機能は使用できません。企業がクラウドPBXを採用する場合には、FAX機能の利用方法を検討し、対策を講じる必要があります。

クラウドPBX導入後にFAXを使う方法

クラウドPBX導入後にFAXを使うには、以下のような方法があります。既存の複合機を使い続ける場合と、複合機のFAX機能を使うのをやめてクラウドFAXに切り替える場合とで異なるため、どちらが良いか検討しましょう。

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既存の複合機を引き続き使用したい場合

従来のFAX機能を変更したくない、データを紙で確認・保管したい場合は、交換アダプターの使用や光回線対応の複合機導入といった対策が有効です。

ここでは、クラウドPBX導入後にFAXを使う方法のうち、既存の複合機を引き続き使用する方法を詳しく解説します。

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変換アダプターを使用する

クラウドPBX導入後も複合機のFAXを引き続き利用する方法として、変換アダプターの使用があります。変換アダプターとは、デジタル信号をアナログ信号に変換する機器です。

変換アダプターを使うことで、クラウドPBXの通信と既存の複合機が利用していたアナログ回線を結びつけ、従来通り複合機のFAX機能を使用できます。クラウドPBX導入後も大きなストレスなく複合機のFAXを使い続けられるため、多くの企業で採用されている方法です。

FAX専用のアナログ回線を残す

既存のFAX機能を使い続ける方法として、FAX専用のアナログ回線を残す手段もあります。

クラウドPBXを導入したからといって、従来の電話回線を解約しなければならないわけではありません。アナログ回線を残せば、複合機のFAX機能を使い続けることができます。

既存の電話回線をそのまま活用するため、特別な工事が不要でコストが抑えられるメリットがあります。ただしこの方法はNTTのアナログ回線でのみ利用できるため、注意が必要です。

光回線に対応した複合機を導入する

クラウドPBX導入後、光回線に対応した複合機を導入する方法もあります。一部の複合機は光回線に対応しており、これをクラウドPBXが使用する光回線に接続することで、FAX機能を継続して利用できます。

ただし、この方法には新規導入のコストがかかるほか、対応機種が限られるなどのデメリットがあります。また、クラウドPBXと複合機の両方が光回線に対応している必要があります。検討段階では、新規導入に伴うコストや機器の適合性を確認しましょう。

新規でFAX用の電話番号を取得する

これまでに解説した3つの方法で対応できない場合、新規でFAX用の電話番号を取得して、転送する方法がおすすめです。この場合、複合機の操作性は変わらずにFAXを利用できます。ただし都度転送料金がかかる点は注意が必要です。

転送には、1通信あたり約8円の通信料がかかります。通常の受信が無料であることを考えると、都度の転送料金が発生する点がデメリットです。

利用頻度や送信量によってはコストが膨らむ可能性があるため、企業がこの方法を検討する際には継続的な利用コストを考慮する必要があります。

複合機のFAX機能が必要なければクラウドFAXがおすすめ

複合機のFAX機能が必要ない場合は、クラウドFAX機能が組み込まれたクラウドPBXを選ぶことがおすすめです。クラウドPBXのFAX機能は、インターネットを通じてFAXデータをやり取りできる機能で、スマートフォンやPCを使って取引先にFAXを送受信できます。

このシステムを利用することで、オフィスに複合機を設置する必要がなくなり、業務効率向上と同時にペーパーレス化が進みます。また、紙ではなくデジタルでデータを送受信できるため、営業先などオフィス外であっても利用可能です。

クラウドPBXのFAX機能により、場所やデバイスを問わずスマートに業務を遂行、同時に環境にも配慮できます。

近年主流になりつつあるクラウドFAXとは

近年主流になりつつあるクラウドFAXは、インターネットFAXとは異なります。インターネットFAXは、主にパソコンやスマホからFAXを送受信する機能が中心です。

それに対して、クラウドFAXはその機能に加えて、クラウド上でデータを管理・保存できる点が大きな特徴です。場所を問わずアクセスが可能で、複数人での共有も容易になります。

クラウドFAXは、送信者がFAX機で原稿を送信すると、クラウド事業者がそのデータをPCで閲覧可能な形式に変換し、それが受信者に送信される仕組みです。ここからは、クラウドFAXについて注目し、詳しく解説します。

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近年主流になりつつあるクラウドFAXとは

  1. クラウドFAXのメリット
  2. クラウドFAXの注意点

クラウドFAXのメリット

クラウドFAXには、どこでも送受信できる・FAX番号を変更する必要がない・コストを削減できるなど、多くのメリットがあります。ここからは、クラウドFAXのメリットについて詳しく解説します。

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場所を問わずFAXを送受信できる

クラウドFAXは、インターネット環境があれば、場所を問わずに受信したFAXを確認できます。たとえば、オフィス外や自宅からでも簡単にFAXの送受信が可能です。

もちろん商談中の現場や出張先などでも同様で、スマホやPCがあればオフィスにいる時と同じようにFAXを送受信できます。そのため在宅勤務やテレワークをはじめとする多様な働き方を推進したい企業にもおすすめです

FAX番号を変更する必要がない

通常のインターネットFAXでは、FAX番号が変わることが多いです。しかしクラウドFAXを利用すると、専用のアダプターを接続するだけで、既存のFAX番号をそのまま使い続けられるケースがあります。

既に取引先や顧客などに知られているFAX番号を変更すると、それを知らせるための連絡業務が発生してしまいます。また、番号の変更を知らずにFAXを送ってくる先方もいるかもしれません。そのため、同じFAX番号をそのまま使用できるのは大きなメリットです。

複合機そのものやインク・用紙にかかるコストを削減できる

クラウドFAXは、オフィスに複合機を設置する必要がなく、導入やメンテナンスにかかる諸経費を削減できます。

また通常のFAXでは、受信時には印刷が必要でしたが、クラウドFAXでは受信したデータをデジタルで保管でき、必要な場合にのみ印刷することが可能です。従来のようにすべてのFAXを紙に印刷する必要がなくなり、用紙やインクのコスト削減も期待できます。

これにより、オフィス環境での資源使用の最適化が実現され、同時に環境にもやさしい選択肢となります。

データ共有が円滑になる

クラウドFAXは、FAXで送受信したデータを共有できる機能も持っています。受信したFAXデータはデジタル形式でクラウド上に保存され、メンバー間でスムーズに共有可能です。

紙に印刷して配布したり保管したりする必要がなくなり、共有だけでなく書類管理の手間も削減されます。またペーパーレス化されるため、物理的な紙を保管するスペースやコストも不要となります。

セキュリティが向上する

クラウドFAXにより、社内におけるセキュリティ向上も期待できます。従来の紙のFAXでは、物理的な破損や紛失のリスクがありましたが、クラウドPBXはデータでやり取りするため、その心配がありません。

企業のFAXでは、機密情報や個人情報を送受信することも多々あります。万が一紛失や流出が起これば、自社の信頼を失う可能性もあります。クラウドPBXでペーパーレス化を進め、セキュリティを強化しましょう。

停電時も対策次第で使用可能

クラウドPBXは、BCP(事業継続計画)に対する有効な対策と言えます。BCPとは、自然災害や緊急事態に備え、事業の継続を確保する計画です。従来型のPBXは停電時には利用できないのに対し、クラウドPBXは対策次第で停電時でも利用可能です。

停電時は、バッテリーバックアップや発電機の活用などで対策を行えます。これにより、電力供給が途絶えても一定の間クラウドPBXを稼働させることができます。従業員がオフィスに出社できない状況でも、自宅からFAX業務や電話応対が可能です。

電話回線と違い、インターネット回線は災害に強く、停電時でも利用できるメリットがあります。このような柔軟性と頑健性から、クラウドPBXは様々な状況に対応でき、事業の持続性を確保する優れた選択肢となっています。

クラウドFAXの注意点

クラウドFAXには上述のようなメリットがありますが、インターネット環境の影響を受けやすいなどのデメリットについても把握しておく必要があります。ここでは、クラウドFAX導入時に知っておきたい注意点を解説します。

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インターネット環境の影響を受けやすい

クラウドFAX利用時は、インターネット環境の整備が重要です。クラウドPBXはインターネット回線を通じて通信を行うため、回線の速度や安定性が通信品質に影響を与える可能性があります。

現在では多くの企業がインターネット環境を整えていますが、その品質や速度が適切でない場合は見直さなければなりません。特に、テレワークや外出先からアクセスする場合は十分な考慮が必要です。

複合機のFAX機能は使用できなくなる

クラウドPBXを導入し、そのFAX機能を活用する際には、従来の複合機のFAX機能は使用できなくなります。これは、クラウドPBXが通信にインターネットを経由する一方で、複合機はアナログ回線を使用しているためです。

基本的には、クラウドPBXが提供する新しいFAX機能を導入し、利用することになります。クラウドFAXは、外出先からもFAXデータの送受信ができ、新しいビジネススタイルに適しています。

FAX可能な枚数や印刷設定が制限される場合がある

クラウドFAXを利用する場合、利用するサービスや料金プランによりますが、一度に送受信できる容量や印刷設定が制限される場合があります。

通常、クラウドFAXは従量課金制度を採用しており、送信するFAXの枚数に応じて料金が発生します。また、一定の受信枚数を超える場合には、超過料金が発生することもあります。これらの制限は各サービスで異なるため、利用前に確認が必要です。

クラウドFAXを導入する際には、事前に各サービスの仕様や契約条件を確認し、適切なプランを選択しましょう。

手書きのFAXはスキャンが必要

クラウドFAXでは、手書きの紙に関しては一度スキャンしてデバイスに取り込む必要があります。ビジネスシーンではPCで作成した文書をFAXで送るケースが多いですが、時には手書きの図面や申込書などを作成することもあるでしょう。

手書きの場合、不鮮明な文字や細すぎる線は読みにくくなってしまう場合もあるため、作成時は注意が必要です。できるだけ太いペンで、文字を大きめに書くのがポイントです。

まとめ

クラウドPBX導入後は基本的に、複合機のFAXが使えなくなります。使い続けるには、変換アダプターの利用や光回線に対応した複合機導入などの対策が必要です。

おすすめは、クラウドFAXを利用する方法です。クラウドFAXは外出先でも手軽にFAXデータの送受信ができ、紙での確認や保管が不要になるなどの利点があります。また、複合機の購入やメンテナンスにかかるコストも削減できます。

ただし、クラウドFAXはインターネット環境に通信品質が左右されやすいという注意点もあります。導入時には安定したインターネット回線を整備することで、クラウドFAXのメリットを最大限活用できるでしょう。

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