PBXをリプレイスするタイミングとは?移行時の比較ポイントも解説

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  • PBXは経年劣化し長期間使うと故障しやすくなるため、定期的なリプレイスが必要
  • 耐用年数を超えたときやベンダーのサポート終了時がPBXリプレイスのタイミングである
  • PBXリプレイスの際は、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXから最適なものを選ぶ

PBXは経年劣化するものであり、定期的なリプレイスが必要です。しかし「まだ使えるのでいつ交換すべきかわからない」という企業も多いかもしれません。この記事では、PBXをリプレイスすべきタイミングやPBX移行時の選定ポイントなどを解説します。

目次

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  1. PBXは定期的なリプレイスが必要
  2. PBXのリプレイスを検討するタイミングとは
  3. リプレイス時は自社に合ったPBXを導入しよう
  4. 近年はクラウドPBXが主流に
  5. まとめ

PBXは定期的なリプレイスが必要

PBXとは「構内交換機」を意味し、複数の電話機を一元管理して、外線電話の発着信を制御したり、外線電話や内線電話を効率よく接続したりするためのシステムです。

PBXを利用する際は、専用機器を社内に設置することが多いです。専用機器は使用を続けると経年劣化していき、長期間が経過すると故障やトラブルのリスクが高まります。電話業務に支障を来さないためにも、PBXは定期的なリプレイス(交換)が必要です。

本記事では、PBXのリプレイスのタイミングや、リプレイス時のPBXの選び方を解説します。

PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。

PBXのリプレイスを検討するタイミングとは

PBXのリプレイスは、経年劣化以外の要因で行うべき場合もあります。ここでは、PBXのリプレイスを検討すべきタイミングについてご紹介します。以下のポイントを踏まえ、自社にとって最適なタイミングでのリプレイスを行いましょう。

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法定耐用年数を超えたとき

基本的には、法定耐用年数を超えたときがPBXのリプレイスを行うべきタイミングです。法定耐用年数とは、固定資産に対して定められた法的な使用期間で、簡潔にいえば、その機器本来の機能を問題なく使用できる期間です。

PBXの法定耐用年数は6年です。なお、法定耐用年数を超えてもすぐにPBXが故障するわけではありません。しかし、使用期間が長くなるほど経年劣化が進行し、それに伴って故障やトラブルのリスクは高くなります。

重大なトラブルを未然に防ぐために、法定耐用年数を超えたPBXはリプレイスすることが望ましいでしょう。

参考:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

経年劣化の症状

法定耐用年数を超えたPBXは、経年劣化により次のような症状が起こりやすくなります。

  1. 唐突なシステムダウン
  2. 通話中に接続が切れる
  3. コールが鳴らない
  4. 音声が小さく聞こえづらい
  5. 電話機のランプが点灯しない
  6. 電話機の液晶表示がつかない

また、経年劣化とはやや異なるものの、古いPBXは最新機種に比べると、機能面や処理速度で劣ることが多いです。そのため、リモートワークなどの新しい働き方に対応できない可能性があり、企業の柔軟性や成長性を失う原因となります。

このようなリスクを低減するために、法定耐用年数を超えた古いPBXはリプレイを検討しましょう。

ベンダーのサポート期間が終了したとき

PBXサービスを契約すると、ベンダーによるサポートサービスが受けられることが多いです。サポートサービスには、例えば次のようなものがあります。

  1. 新規販売
  2. 部品提供
  3. 増設対応
  4. 保守対応

サポートサービスの利用期間が終了した時点で、PBXのリプレイスを検討するのがおすすめです。サポートが切れたPBXは、部品の製造終了などにより、故障時の修理ができない可能性があるためです。

あるいは、高額な修理費用を請求される恐れもあります。なお、ベンダーのサポート期間は、法定耐用年数と同じく6年で設定されていることが多いです。つまり、故障のリスクが高くなるタイミングでサポートも終了することになります。

PBXを安心して利用し続けるためにも、サポート終了時点でのリプレイスが望ましいでしょう。

オフィスを増設・移転するとき

社内に専用機器を設置するPBXの場合は、オフィスの増設や移転のタイミングでリプレイスを検討するのがおすすめです。その理由は、PBXの移設工事の費用が発生することが多いためです。

PBXの中でもクラウドPBXやインストール型のIP-PBXなどは、大掛かりな設備工事をせずに利用できます。工事費用を支払って古いPBXを移設するよりも、このようなPBXに乗り換えるほうが、かえってコスト節約できる可能性があります。

ランニングコストを削減したいとき

PBXの運用では、保守管理費用などのランニングコストが発生します。特に古いPBXは、サポート期間終了などに伴い、維持費が高額化する傾向があります。あるいは、機能の拡張や電話機の増設のたびに、高額なオプション料金が発生するケースも多いです。

このようなランニングコストを負担に感じる場合は、より低コストで運用できるPBXへのリプレイスがおすすめです。例えば、クラウドPBXなどは、機能の拡張やライセンスの増設にも柔軟に対応でき、ランニングコストを抑えた運用が可能です。

従業員の働き方を見直したいとき

従来のPBXは、新しいタイプに比べると機能面や処理速度で劣ることが多いです。そのため、リモートワークなどの新しい働き方に対応できない可能性があり、企業の柔軟性や成長性を失う原因となります。

従業員個人に付与するスマートフォンや携帯電話の内線化、在宅勤務などリモートワークの導入といった業務のやり方、働き方を見直したいときには、これから紹介するクラウドPBXといった新しいタイプのPBXも検討するのがおすすめです。

リプレイス時は自社に合ったPBXを導入しよう

リプレイスする際は、コスト削減や利便性の追求のために、自社に適した種類のPBXを選ぶことが大切です。なお、PBXの導入形態には、「レガシーPBX」「IP-PBX」「クラウドPBX」の3種類があり、それぞれ特徴・メリット・デメリットが異なります。

ここからは、PBXの主な種類について解説していきます。

種類特徴メリットデメリット
レガシーPBX社内に専用機器を設置し、電話回線を利用して通信する通話品質やセキュリティ性が高い工事費用が莫大になりやすい
IP-PBX社内に専用機器を設置し、IPネットワークを利用して通信するスマートフォンやタブレットなどの社外端末を内線化できる通信障害やサーバーダウンの影響を受けやすい
クラウドPBX社内に専用機器を設置せず、クラウド上のPBXを利用して通信する初期費用が比較的安く、導入・運用に手間がかからない通信障害やサーバーダウンの影響を受けやすい

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レガシーPBX

レガシーPBXとは最もオーソドックスなPBXで、電話回線を利用して通信回線を構築するのが特徴です。インターネット回線を利用しないため、安定した動作と高いセキュリティ性が見込めます。通話品質の向上や顧客情報の保護を狙う企業におすすめです。

一方で、電話回線の開設や専用機器の設置工事のために、初期費用が莫大になりやすい点に留意が必要です。また、内線通話ができるのは電話回線が届く範囲内であり、遠隔地の拠点同士の通話には適していません。

IP-PBX

IP-PBXは、通信回線にIPネットワークを利用する導入形態です。LANケーブルを通じて通信網を構築するため、固定電話機以外でも内線通話ができるのが特徴です。例えば、通信網へのアクセスを許可されたスマートフォンなどを内線電話機として利用できます。

IP-PBXには、ハードウェア型とソフトウェア型があります。ハードウェア型は、専用機器を社内に設置して利用する形態で、高い通話品質を見込めます。

対してソフトウェア型は、サーバーなどにソフトウェアをインストールして利用する形態です。電話機の増設や機能の拡張は、ライセンスの追加やアップデートで簡単に行えるのが特徴です。

IP-PBXは、通信距離に関わらず通話料金が一定のため、通話料を抑えたい企業におすすめです。また、スマートフォンなどを内線化できることから、固定電話機を削減したい企業にも適しています。

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クラウドPBX

クラウドPBXは、インターネット上に設置されたクラウドPBXを利用する形態です。インターネット環境さえあればすぐに利用できるため、導入費用が比較的安いのがメリットです。

また、インターネットを介して様々な機能を利用でき、通話データの管理や電話業務の効率化を図ることもできます。システムのメンテナンスもベンダー側が実施するため、自社が耐用年数や劣化を心配する必要はありません。

一方で、インターネット回線を利用するため、データ漏洩やハッキングなどのセキュリティリスクがある点に留意が必要です。また、通信障害やサーバーダウン時は、通話環境を良好に維持するのは難しいです。

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近年はクラウドPBXが主流に

近年はクラウドPBXが主流になっています。その背景として、前述した働き方の見直しや災害対策への意識の高まりが挙げられます。

クラウドPBXは、インターネット環境さえあれば場所にかかわらず電話業務を行えるため、リモートワークにも柔軟に対応できます。拠点の分散や追加を行いたい時も、拠点ごとに物理的なPBXを設置する必要がないため、対応しやすいです。

また、クラウドPBXは、データをクラウド上のサーバーに保管するため、物理的なデータ破損の心配がありません。そのため、災害対策としてクラウドPBXを導入する企業も増えています。

クラウドPBXを選ぶ際のポイント

クラウドPBXにも、さまざまな製品(サービス)があります。選定の際は、以下のポイントに着目して比較すると良いでしょう。

  1. 機能:それぞれ搭載機能は異なるため、自社のニーズに合っているか確認
  2. コスト:料金体系・プランを確認し、トータルコストで比較
  3. 通話品質:無料トライアルなどで音声の聞き取りやすさなどを確認
  4. 他システムとの連携性:自社で使用しているCRMなどと連携できるか
  5. セキュリティ:どのような対策が取られているか、自社のセキュリティポリシーに合っているか
  6. サポート:ベンダーによる導入時・導入後のサポート内容・サポート料金など

公式ホームページを見たり、資料請求や問い合わせをするなどして自社に合うクラウドPBXを導入し、電話業務の最適化を目指しましょう。

まとめ

PBXは外線電話と内線電話を制御し、電話業務を効率化するシステムです。PBXの専用機器は、経年劣化によって故障などのリスクが高まるため、一定のタイミングでのリプレイスを検討しましょう。

具体的な交換時期としては、法定耐用年数の6年を超えた時・ベンダーのサポート期間の終了時点・オフィスの増設や移転などのタイミングが挙げられます。既存のPBXのランニングコストに負担を感じる場合も、最新機種へのリプレイスを検討するのがおすすめです。

PBXには、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXの3種類があります。それぞれの特徴を理解し、適切なタイミングで自社に適したPBXを導入しましょう

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