PBXの保守契約とは?必要性や内容・申込時の注意点を解説

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  • PBXの保守契約を結ぶことで、万が一の通信トラブル時も業務へのダメージを軽減できる
  • PBXの保守契約の内容としては、定期点検・スポット点検・故障時の対応などがある
  • PBXの保守契約は、電話が使用不可になった場合に即日復旧が必要な企業などにおすすめ

PBXを利用する際は、保守契約の申し込みも検討しましょう。保守契約により、万が一の通信トラブル時にも業務の安定稼働を保ち、経済的負担を軽減できます。本記事では、PBXにおける保守契約の必要性や保守契約がおすすめな企業、申し込む際の注意点などを解説します。

目次

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  1. PBXの保守契約とは
  2. PBXで保守契約が必要な理由
  3. PBXにおける保守契約の主な内容
  4. PBXの保守契約がおすすめな企業
  5. PBXの保守契約を申し込む際の注意点
  6. 保守契約で工事費用が割引になる場合も
  7. まとめ

PBXの保守契約とは

PBXとは、企業や組織内で使用される内線電話システムのことです。このシステムによって、外線と内線の電話通信がスムーズに行われ、コミュニケーションの効率化を図ることができます。

ただし、PBXのシステムは複雑であることから、万が一通信トラブルが発生すると、業務に大きな影響を及ぼす可能性も持ち合わせています。そこで、リスクを軽減するためには、PBXの保守契約が非常に重要です。

PBXの保守契約とは、通信システムの定期点検、スポット点検、故障時の迅速な対応などを含むサービスを指します。保守契約を結ぶことで、システムの安定稼働を保ち、万が一のトラブル発生時にも迅速に対応できるため、業務の途絶を最小限に抑えることが可能です。

PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。

PBXで保守契約が必要な理由

PBXのシステムは、故障や障害が生じやすいリスクがありますが、保守契約を結ぶことにより、予期せぬ問題が生じた際に迅速な対応が行えます。その結果、企業のコミュニケーション基盤を守ることができます。ここでは、PBXで保守契約が必要な理由を解説します。

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通信トラブルに備えるため

PBXは、日々の業務で欠かせないコミュニケーションの要となっていますが、システムの故障や災害など予期せぬ事態はいつでも起こりうる可能性があります。そして、仮に通信の断絶が発生すると、企業活動に大きな影響を与えかねません。

特に、システムの故障は突然発生することが多く、業務遂行のためには迅速な対応が求められます。また、災害時には通信手段の確保が困難になることが多いです。そのため、事前に保守契約を結んでおくことで、災害発生後の迅速なシステム復旧期待できます。

高額な修理負担を避けるため

PBXシステム故障時には、予想外の高額な修理費用が発生することがあります。この費用は、小規模から中規模の企業にとって大きな負担となります。しかし、保守契約を結んでおくことで、突発的な経済的負担を避けることが可能です。

保守契約では、故障や不具合が発生した際の修理費用部品交換費用が保証されるため、予期せぬ出費を抑えられます。さらに、定期的なメンテナンスが含まれている場合も多く、システムの安定した稼働が実現します。

定期的なメンテナンスによって、小さな問題が早期に発見・修されるため、大規模な故障に発展する前に対処することが可能です。このような予防的なアプローチによって、長期的な視野で見れば、企業の財務的負担を大きく軽減することができるでしょう。

人材不足に対応するため

システムが故障した際、自社内だけで解決しようとすると、専門的な知識を持った人材の確保が必要であり、常に常駐させておかなければなりません。しかし、近年の深刻な人材不足の環境下では、特定の人材を保有するのは困難です。

そして、限定的なサポートのためだけに人件費を払い続けるのも、企業側の負担が多くなるため、PBXの利用時には保守契約は必須であるといえます。

PBXにおける保守契約の主な内容

PBXの保守契約は、システムの適切な運用に加え、万が一の事態に備えたサポートを提供するためのものです。主な保守契約の内容には、定期点検、スポット点検、災害や故障時の迅速な対応、重要なデータの保管が挙げられます。

保守契約の内容を通じて、企業はPBXの安定運用とリスク管理を効果的に行うことができます。

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PBXの定期点検

PBXの定期点検には、ハードウェアの状態チェック、ソフトウェアのアップデート、通信品質の確認などが含まれています。ハードウェアの点検では、PBX機器自体の物理的な損傷や摩耗をチェックし、必要に応じて部品の交換・修理を行います。

また、ソフトウェアのアップデートは、セキュリティの強化やシステムの最適化を図り、システムの安全性と効率性を高めるために重要です。通信品質の点検では、通話のクリアさや遅延、断続的な接続問題などのチェックが含まれ、通信の安定性と品質を保証します。

スポット点検

スポット点検は、特定の問題や疑わしい動作が発生した際に行うメンテナンスです。この点検では定期的なメンテナンスは含まれず、システムの突発的な不具合やパフォーマンスの低下へ迅速に対応するために行われます。

具体的な問題の診断と解決が主な目的であり、ハードウェアの故障やソフトウェアのバグ、設定の誤りなど、さまざまな原因に対処します。ただし、場合によっては別途修理費用が必要となるため注意しましょう。

また、問題が解決された後もシステムの監視を続け、問題の再発防止策を講じることが大切です。

災害・故障時の対応

災害や故障時の対応は、予期せぬ事態が発生した際に、迅速に問題を解決することを目的としています。災害や大規模な故障が発生した場合、システムの迅速な復旧作業によって企業の通信能力を維持し、業務の中断を最小限に抑えることが必要です。

保守契約では、緊急時に技術サポートチームが即座に対応し、システムの復旧作業にあたります。なお、保守点検やスポット点検よりも料金が高額なケースが多いため、慎重な検討が求められます。

また、サポートの迅速な対応だけでなく、適切な予防措置と準備も重要です。例えば、災害対策として、システムのバックアップや冗長化設計を事前に計画しておきましょう。

データの保管

データの保管は、PBXの設定データを安全に保存し、故障や移転時のデータ移行を容易にします。設定データには、通話ルーティングの情報やユーザー設定、セキュリティポリシーなどが含まれ、システムの運用に不可欠なものです。

データ保管サービスにより、このような情報が常に最新の状態で安全にバックアップされ、必要に応じて迅速に復元できます。また、システムの故障時や移転時に、データ移行を行ってくれるサービスもあり、PBXを使用できない期間を最短に押さえることが可能です。

PBXの保守契約がおすすめな企業

PBXの保守契約は、特定のニーズや状況を持つ企業にとって価値のあるサービスです。特に、故障時に即日復旧が必要な企業、機器の増設や移転が頻繁に行われる企業、LAN設備と電話回線で同じ業者を利用している企業におすすめです。

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故障時に即日復旧が必要な企業

故障時に即日復旧が必要な企業にとって、PBXの保守契約は業務の連続性を維持する上で重要です。特に、顧客サービスや緊急対応、大量の通信が日々の業務における中心となる企業では、電話システムのダウンタイムが業務上の大きな障害となります。

本来の業務時間内に電話が使用できなくなる、顧客満足度の低下利益の喪失企業の信頼性に対して、損害をもたらす可能性があります。保守契約を結ぶことで、専門的なサポートを受けられるため、故障発生時にも迅速に通常業務に戻ることができます。

機器増設・移転が頻繁にある企業

機器の増設や移転が頻繁に行われる企業では、PBXの保守契約がおすすめです。こうした企業では、組織の拡大や業務の変化に伴い、通信システムの拡張移転が定期的に必要になります。

しかし、移転のプロセスは複雑であり、専門的な知識と技術が求められるため、保守契約を通じて技術サポートを受けることが推奨されます。保守契約により、機器の追加や移転に伴う技術的な課題を専門家に委ねることが可能です。

また、システムの拡張や移転が迅速に行われるため、常に最新の通信インフラを維持し、ビジネスの成長に伴うニーズに柔軟に対応できるようになります。

LAN設備と電話回線で同じ業者を利用している企業

LAN設備と電話回線を同じ業者から提供されている企業では、サービスを一元管理できる保守契約を結ぶことがおすすめです。同一業者による統合された保守契約を利用することで、通信インフラの管理が大幅に簡素化されます。

そして、企業は複数のサービスプロバイダーとの調整や、契約管理に関連する個別の管理が必要ありません。また、一元化された保守契約により、それぞれのシステムに最適化されたサポートが提供されるのもメリットです。

例えば、LANとPBXの間で問題が発生した際、統合された保守契約では両方のシステムに精通した技術者が調整し、問題を効率的に解決できます。

PBXの保守契約を申し込む際の注意点

PBXの保守契約を申し込む際には、契約期間や障害対応時間の確認などが必要です。契約期間については、ビジネスの将来的なニーズや成長予測を考慮しながら、適切な期間を選択することが重要です。

また、業務の性質や緊急性を考慮し、障害対応時間が企業の要求を満たしていることを確認しましょう。ここでは、PBXの保守契約を申し込む際の注意点を解説します。

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契約期間を確認する

契約期間は、ベンダーやプランによって1年〜6年と大きく異なります。短期間の契約は柔軟性が高く、ビジネスの急激な変化に対応しやすいのがメリットです。しかし、契約更新時の価格変動や、サービスの変更点に注意を払う必要があります。

一方、長期契約はコスト効率の良さから価格が安定していますが、技術の進化やビジネスニーズの変化に対応する柔軟性が制限される可能性が高いです。

そのため、契約期間の選択は、企業の現在と将来の運用ニーズ、予算、市場環境の変化に向けた対応能力を慎重に検討した上で行う必要があります。

料金体系を確認する

PBXの保守契約を結ぶ際、もちろんサービス内容も重要となりますが、どのような料金体系であるかを十分に確認しましょう。例えば、ベンダーと契約したビジネスフォンにしか対応しなかったり、修理には別途高額な費用が発生したりすることも考えられます。

一見、非常にリーズナブルな価格設定であるように見えても、保守費用として別のプランが用意されていることもあります。よって、ベンダーごとに異なる保守契約の料金体系を比較しつつ、想定されるトラブル時の費用についても算出して検討するのがおすすめです。

障害対応時間を確認する

ベンダーやプランによって、サポートの提供時間が平日の9時〜17時までのものから、24時間365日対応のものまで幅広く用意されています。そして、ビジネスの種類や運用スタイルによっては、夜間や休日も含めた常時対応が必要なケースもあります。

したがって、契約する際には、自社の業務時間と通信システムの重要性を照らし合わせ、適切な障害対応時間を提供するサービスを選ぶことが重要です。

例えば、顧客サービスやeコマースなど24時間運営されるビジネスでは、いつトラブルが発生してもすぐに対応してもらえる、24時間体制のサポートが必須です。一方、通常のオフィス時間内での運用が中心の場合は、標準的なサポート時間内で十分な場合もあります。

保守契約で工事費用が割引になる場合も

PBXの保守契約では、工事費用の割引が含まれる場合があります。通常、システムの拡張やアップグレード、不測の修理などの工事には高額な費用が発生しますが、保守契約によって割引が適用されることで、コストを大幅に節約できる可能性が考えられます。

そのため、定期的なシステムのメンテナンスやアップグレードが予想される場合、財務面での負担を軽減するためにも、保守契約は有益な選択肢です。

まとめ

PBXの保守契約は、企業の通信インフラを維持し、ビジネスの継続性を保証するために重要です。この契約は、故障時の即日復旧、機器の増設や移転時のサポート、LAN設備と電話回線の一元管理など、さまざまな面でビジネスに利益をもたらします。

特に、故障時に即日復旧が必要な企業、機器の増設や移転が頻繁にある企業、LAN設備と電話回線を同じ業者から利用している企業におすすめです。契約する際は、契約期間や障害対応時間の確認を行いましょう。

PBXの保守契約は、コスト効率の良い運用、通信インフラの信頼性向上、将来的な拡張やアップデートに対する柔軟性などのメリットがあり、ビジネスの成長と発展に不可欠です。

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