PBXのIVR機能とは?IVR機能を使う方法や利用メリットを解説

Check!

  • PBXには、IVR機能(自動音声案内システム)が利用できるものもある
  • IVR機能を使うには、IVR機能が備わったPBXもしくはCTIを導入する必要がある
  • PBXでIVR機能を利用することで、業務の生産性アップや効率化に繋がる

PBXには、IVR機能が利用できるものもあります。IVRとは「自動音声案内システム」のことを指し、活用することで業務効率化や生産性向上に繋がります。この記事では、PBXでIVR機能を使う方法やIVR機能を利用するメリットなどを解説します。

目次

開く

閉じる

  1. PBXのIVR機能を活用しよう
  2. PBXでIVR機能を使う方法
  3. PBXでIVR機能を利用するメリット
  4. PBXでIVR機能を利用するデメリット
  5. IVR機能を導入する際に確認しておきたいこと
  6. まとめ

PBXのIVR機能を活用しよう

PBX(Private Branch eXchang)とは、電話交換機のことです。電話通信機器において、外線の振り分けや内線同士の転送を効率的に行うことを目的としたシステムです。コールセンターなど、電話業務が多い企業で使われています。

PBXを用いて複数台の電話機やデバイスを繋げることで、本来であれば電話番号1つにつき1台の電話機が対応するところを、複数の機器に着信を分けたり転送したりできるようになります。

PBXには、このような基本機能に付随してさまざまな便利機能も搭載されていることもあります。その1つが、「IVR機能」です。本記事では、このIVR機能について掘り下げていきます。

PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。

そもそもIVRとは

IVR(Interactive Voice Response)とは自動音声応答のことであり、顧客から着信があった際に予め用意しておいた音声で、自動的にガイダンスを行う仕組みです。

自動音声案内に沿って顧客が番号入力を行うと、担当のオペレーターへ繋がる仕組みになっています。通常ならオペレーターが担う振り分け業務を代わりに行ってくれる大変便利な機能です。

IVRは、営業時間内のオペレーターへの着信振り分けの他にも、営業時間外の着信への応対などにも使われています。

IVR(音声自動応答システム)とは?メリット・デメリットと選び方を解説

IVRとは、コンピューターによる音声自動応答システムのことです。営業時間外も顧客に応対することができ、コールセンターや宅配便の再配達など幅広い場面で活用されています。こちらの記事では、 IVRシステム導入のメリット・デメリットと選び方のポイントを解説します。

ACD(着信呼自動分配)との違い

IVRと混同されやすい機能に、「ACD(Automatic Call Distributor)」があります。ACDは、あらかじめ設定されたルールに基づいて着信をオペレーターに振り分ける機能です。

振り分けという点ではIVRと似ていますが、ACDの場合は音声ガイダンスで番号入力を促すことはありません。そのため、「ただいま大変混雑しています。」といった音声を流すことはあっても、用件まで把握することはできません。

ACDでは、手が空いているオペレーターに優先的に電話を割り振る、経験の浅いオペレーターには少なく割り振るなど、オペレーターの状況に合わせた振り分けを行うことができます。

ACD(着信呼自動分配装置)とは?できることや注意点などを解説

ACDとは、日本語で「着信呼自動分配装置」を意味し、顧客からの入電を自動でオペレーターに振り分けるシステムです。コールセンターで活用することで、業務効率化による対応時間の短縮につながります。本記事では、ACDのできることやメリットなどを解説します。

PBXでIVR機能を使う方法

PBXでIVR機能を使うには、主に「IVR機能付きPBXの導入」「IVR機能付きCTIの導入」の2つの方法があります。それぞれについて、詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

IVR機能付きのPBXを導入する

PBXでIVR機能を使う方法の中で最も簡単なのは、IVR機能が備わったPBXを導入することです。顧客から入電の際にはPBX経由でIVRサーバーが起動し、自動案内後の入力番号に基づいて担当オペレーターへ繋げる仕組みになっています。

クラウドPBXにはIVRが搭載されていることが多い

クラウドPBXにはIVR機能が標準搭載されていることが多いため、新たにIVR機能を搭載したPBXの導入を検討する場合にはおすすめです。

クラウドPBXとは、従来は物理的な構内交換機で提供されていたPBX機能をクラウド上構築し、インターネットを介してユーザーに提供するシステムです。

インターネットが繋がれば場所を問わず電話環境を整えることができるため使い勝手がよく、機器の設置など工事費用が必要ないため、導入コストも抑えることができます。

クラウドPBXとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

クラウドPBXとは、インターネットに接続して利用できるオフィス向け電話システムです。クラウドPBXの導入で、社外からでも会社宛の電話に出られたり、通話料の削減ができたりします。本記事では、クラウドPBXを導入するメリットや選び方などをわかりやすく解説します。

IVR機能付きのCTIを導入する

CTI(Computer Telephony Integration)にIVR機能が搭載されていることも多いです。CTIとは、日本語で「コンピューターと電話の統合を意味し、複数のシステムを連携させてコンピューター上(パソコン上)で電話業務を管理するためのシステムを指します。

例えば、通話中に顧客の過去の対応履歴を確認する、ボタン1つで発信する、といったことがCTIによって可能になります。PBXはCTIに統合されるシステムの1つなので、IVR機能付きのCTIを取り入れるのであれば、IVR搭載のPBXは不要です。

 CTIシステムとは?導入のメリット・デメリットと選び方を解説

CTIシステムとは、電話やFAXとコンピュータを連携させることで、 CTIシステムには電話がかかってきた際に相手の名前や購入履歴などを表示させる機能があります。この記事では、 CTIシステムの導入のメリット・デメリットと比較ポイントを解説します。

PBXでIVR機能を利用するメリット

PBXでIVR機能を利用することで、業務の生産性が高まったり、リモートワーク時にも電話対応が可能になったりと、さまざまなメリットがあります。ここからは、これらの利点について詳しく解説していきます。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

業務の生産性が向上する

IVR機能を使用すると、顧客から問い合わせ等の電話があった際に、自動的に第一次対応をしてくれます。そのため、取次作業を行う人員を配置する必要がなくなり、より重要な業務に従業員を集中させることができます

会員情報の確認や住所・道順の案内など、用件によっては自動音声だけで問題を解決することも可能で、従業員が介入する案件を減らすこともできます。

また、IVR機能を導入することによって、間違い電話や営業目的の電話に対応する回数が減るといった効果もあり、これらの理由からも業務生産性の向上が期待できます。

電話番号を1つに統一できる

PBXでIVR機能を使うことで、窓口を1つにしてもその用件によって適切な部署へ割り振れるので、部署ごとの電話番号を設定する必要がなくなります

そのため、会社の電話番号を1つに統一することができ、番号管理の手間を抑えられたり、顧客に電話番号を覚えてもらいやすくなったりといったメリットがあります。HPやパンフレット、名刺など外部向けの媒体への記載も簡単になるでしょう。

顧客満足度の向上に繋がる

IVR機能は、オペレーターへ繋ぐ前に顧客の要件を番号で入力してもらえる仕組みになっているため、その後の対応をするのに十分な知識や対応レベルを持った、最適なオペレーター・担当者へスムーズに繋げることができます。

知識不足などにより対応に時間がかかったり、何度も対応者が変わって用件を繰り返し伝えたり、といったことがなくなり、顧客としても満足度が高まります。IVR機能によっては折り返し電話の予約ができる場合もあります。

営業時間外にかけてしまっても自動音声で適切なメッセージが流れれば、顧客も「電話が繋がらない」「誰も出ない」という不安を抱くことがなくなり、安心できるでしょう。

スマホやPCでも利用可能

クラウドPBXなどの場合は、スマートフォンやパソコンを電話機の代わりとして使うこともあります。IVR機能はスマートフォン・パソコンにも対応しているため、このような場合も問題なく業務を行うことができます。

従業員がスマートフォンやパソコンを使って在宅勤務をする場合であっても、IVR機能を使ってオフィスと変わらない電話応対業務が可能になりま

PBXでIVR機能を利用するデメリット

IVRを導入することで、多くのメリットが得られます。一方で、しっかりと注意して導入しないと、IVRがむしろデメリットにつながる可能性もあります。ここでは、予測されるデメリットを紹介します。

適切に設定しないと顧客にストレスを与え

顧客にとっての必要な情報が長い自動音声の終盤に読みあげられる場合、最後まで音声を聞かないと次の段階に進めず、顧客はわずらわしさを感じてしまいます。そのため、まずは簡潔でわかりやすい音声ガイダンスを作成することが不可欠になります。

音声の読み上げスピードやリズムにも気を配る必要がありますし、ボタンの押し間違いなどの対策として、ガイダンス中にボタンの入力ができたり、ボタンプッシュの分岐数をできる限り少なくしたりすることも大切です。

初期費用や維持費などコストがかかる

IVRを導入するには、初期費用と月々の維持費がかかります。導入するシステムの種類や規模によるため、ひとくちには言えませんが、IVRが搭載されているシステムの初期費用は10万円〜50万円程度、維持費は2万円〜が相場です。

IVRの導入でコストカットできる分を超える支出になるケースもあるため、導入前には費用対効果をよくシミュレーションしておく必要があります。

IVR機能を導入する際に確認しておきたいこと

PBXでIVR機能を使う方法は2通りあると解説しましたが、どちらの場合も製品によってIVR機能の詳細は異なります。特に、設定の柔軟性と追加コスト発生有無はよく確認しておきましょう。

営業時間内と時間外で音声の切り替えができるか、本社代表番号・サポート窓口など番号ごとに異なる音声を設定できるか、といった設定の柔軟性は、製品ごとに異なります。どの程度の性能をIVRに求めるのか、事前にイメージしておきましょう。

また、IVR機能は通常料金で使える標準搭載ではなく、有料オプションとして提供されている場合もあります。そのため、IVR導入によってトータルでどのくらいの費用がかかるのかをしっかり確認する必要があります。

まとめ

PBXは、外線の振り分けや内線の転送などを効率的に行うことができる電話交換機システムです。複数台の電話機やデバイスを繋げることで、1つの電話番号を複数の機器で着信できるようになります。このPBXの中には、IVR機能が使えるものもあります。

IVR機能とは、顧客から電話があった際に予め用意しておいた音声で、自動的に受付を行う自動音声応答のシステムです。案内に沿って番号入力を行うことで振り分けを行い、担当の部署等へ繋がる仕組みとなっています。

IVR機能を活用することで、従業員の手間を省くことができ、企業においては人件費を削減することができます。また、顧客からの一定のパターンに対する電話受付がよりスムーズになり、業務の効率や生産性の向上が期待できます。

Share

top