PBXの価格相場を種類別に解説|費用を安く抑えるポイントも

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  • レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXのどれを選ぶかで価格相場が異なる
  • 3つのPBXの種類の中で、初期費用を最も安く抑えられるのはクラウドPBXである
  • 費用は選ぶシステムによって異なるため、複数の見積もりを取って比較する

PBXには、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXの3つの種類があり、種類によって必要な費用や価格相場が異なります。本記事では、PBXの価格相場や費用を左右する要素について種類別に解説し、費用を安く抑えて導入するポイントも紹介します。

目次

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  1. PBXの価格は種類によって異なる
  2. PBXの種類別の価格相場
  3. 費用を抑えてPBXを導入するためのポイント
  4. まとめ

PBXの価格は種類によって異なる

PBXは、電話回線を相互に接続して内線通話や外線発着信を制御する装置です。導入には当然のことながら費用がかかりますが、その価格はPBXの種類によって異なります。

PBXには大きく分けて、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXの3つの種類があります。まずは、それぞれの特徴について確認していきましょう。

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レガシーPBXとは

レガシーPBX(オンプレミス型PBX)とは、物理的な専用機器とアナログな電話回線利用する従来の電話交換機です。機器を事業所内に設置する必要があり、導入コストやレイアウト変更・移転時のコストは高くなる傾向にあります。また、設置スペースの確保も必要です。

しかしながら、通話の安定性やセキュリティ面が優れているというメリットがあり、セキュリティを重視する企業に適しています。

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IP-PBXとは

IP-PBXは、インターネット回線を利用した電話交換機です。既存のインターネット環境を活用できるため、レガシーPBXと比べて導入コストを抑えることができます。電話回線を用いないため、複数拠点の管理もしやすいです。

専用機器を設置するハードウェアタイプと、自社サーバーにインストールするソフトウェアタイプがあり、ニーズに合わせて選ぶことができます。また、パソコンと連携して通話以外の機能も実装することができます。

導入コストを抑えられ、環境構築の柔軟性も高いことがメリットですが、停電によりシステムが停止するリスクがある点には注意が必要です。

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クラウドPBXとは

クラウドPBXは、クラウド上でPBXの機能を提供するサービスです。インターネットを介して機能を利用できるため、機器の設置もソフトウェアのインストールも必要なく、導入時のコストや手間を大幅に抑えられます。

また、インターネット環境があればどこからでも利用できるのも大きなメリットです。近年はリモートワークのニーズが高まっていることから、クラウドPBXの需要は増しています。

ただし、ユーザー数や機能に応じて月額料金がかかること、セキュリティレベルはベンダーに依存することに注意が必要です。

クラウドPBXとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

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PBXの種類別の価格相場

ここからは、レガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXの価格相場をそれぞれ解説していきます。費用の内訳ごとに相場を知って、PBXの導入・運用における費用感を掴みましょう。

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レガシーPBXIP-PBXクラウドPBX
初期費用数百万円~数千万円数万円~百万円無料~数十万円程度
本体価格50万円〜数百万円10万円~数百万円(ハードウェアタイプ)無料
月額利用料数万円~数十万円1回線あたり5,000円〜2万円1回線あたり2,000円〜4,000円
通話料(月額)数万円~数十万円数千円~数万円1回線あたり数千円
メンテナンス費用(月額)数万円~数十万円数千円~数万円数千円~数万円
オプション料金(月額)数万円~数十万円数千円~数万円数千円~数万円
トータルコスト数百万円~数千万円数万円~百万円内線数や同時通話数によって異なる

レガシーPBXの価格相場

レガシーPBXの価格相場は、初期費用が百万円〜数千万円、月額利用料が数万円~数十万円程度です。初期費用は、PBX本体の購入費と設置工事費の2つに分かれます。初期費用相場は、本体が50万円~数百万円程度、設置工事費は1台1万〜2万円の場合が多いです。

月額利用料は、回線使用料とメンテナンス費用の2つに分かれます。回線使用料は、アナログ回線やデジタル回線の契約によって異なり、月額数万円〜数十万円程度が相場です。

価格を左右する要素としては、PBXの機能・規模・回線の種類・メンテナンスの委託先などが挙げられます。機能が豊富で規模が大きいほど、費用が高額になります。メンテナンスを業者に委託する場合は、月額費用が発生します。

IP-PBXの価格相場

IP-PBXの価格相場は、初期費用が十万円〜数百万円、月額利用料が月額数千円〜数万円程度です。初期費用はレガシーPBXと同じく、PBX本体の購入費と設置工事費の2つに分かれ、初期費用の相場は十万円〜数百万円と、レガシーPBXよりも低めです。

費用の総額は、接続する台数・回線容量・機能などによって大きく変動します。接続する台数が多く、回線容量の大きいものは費用が高額になります。また、設置場所や配線の状況によっても、費用が変動する場合があります。

クラウドPBXの価格相場

クラウドPBXの価格相場は、初期費用は無料〜数十万円、月額利用料が内線1回線あたり2,000円〜4,000円程度です。初期費用については、主に自社専用サーバーの構築費やシステム設定費などがかかり、月額利用料は内線数や同時通話数などによって大きく変動します。

従来のPBX導入では欠かせなかった機器設置や配線工事が不要なため、初期費用を抑えられる点が大きな特徴です。内線数・同時通話数・機能によって費用が変動するため、自社に必要な機能を見極め、適切なものを導入しましょう。

費用を抑えてPBXを導入するためのポイント

費用を抑えてPBXを導入するためのポイントとしては、複数のシステムの見積りを取ったり、中古品を視野に入れたりすることが挙げられます。以下で、詳しい内容を解説します。

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初期費用を抑えられるのはクラウドPBX

レガシーPBXやIP-PBXは、PBX本体の購入費や設置工事費などによって、初期費用が高額になります。一方のクラウドPBXは、本体の購入や設置が不要であり、初期費用を抑えられるのが大きなメリットです。

クラウドPBXの初期費用は、サーバー構築費やシステム設定費など、数万円程度が相場です。そのため、ほかの種類に比べて初期費用を抑えやすく、総額も安価で済む可能性があります。特に、規模がそれほど大きくない中小企業にはおすすめです。

既存の設備を活用できるPBXを選ぶ

レガシーPBXの場合は電話回線が、IP-PBXの場合はインターネット回線が社内に整備されている必要があります。また、クラウドPBXを使うには、社内でも社外でもインターネット環境が必要です。さらに、利用できる電話機の種類もそれぞれ異なります。

必要なインフラや電話機がない場合には、一から回線工事などが必要になり、初期費用は膨らみます。インフラ設備や電話機にも費用がかかるため、できるだけ安く抑えるには既存のものを活用することが大切です。現在の環境を活かせるPBXの種類を選びましょう。

複数のシステムの見積もりを取って比較する

同じ種類のPBXでも、選ぶシステムによって費用が大きく異なります。各社によって料金体系や機能が異なるため、複数のシステムの見積もりを取り、比較検討することが大切です。

複数社を比較検討すれば、より費用を抑えた導入が可能になります。まずは、2~3社程度に絞り、見積りを取った上で比較検討しましょう。

候補となるPBXを選ぶ際のポイント

PBXを選ぶ際に価格以外でまず注目したいのは、搭載機能です。録音機能や自動応答機能、音声のテキスト化といった便利機能は、PBXによって有無が異なります。安い製品はシンプルな機能構成である場合が多いので、特に欲しい機能がある場合は要注意です。

また、クラウドPBXの場合は通話品質に差が生じる場合があります。無料トライアルを提供しているベンダーも多いので、音声に問題がないか事前に確認しておきましょう。

これまでの支出を参考にする

PBXを乗り換える場合には、過去の支出と乗り換え後に予想される支出を見比べるのがおすすめです。これまでのPBXと比べてどれだけコストを削減できるかが、新しいPBX選びのポイントとなります。

また、PBXは利用規模によっても価格が変動します。そのため、これまでの電話料金の明細書を用意し、過去の使用状況から最適なPBXを選ぶのがおすすめです。明細書に記載されている回線数や通話時間などの詳細な情報は、どの製品・プランが最適か見極めるのに役立ちます。

明細書から得た詳細な情報は見積もりの精度も高めてくれるため、時期による変動も把握できるよう直近1年分など明細書を用意しておきましょう。

中古品も視野に入れる

PBX本体や電話機は、中古品も流通しています。新品に比べて価格が安いため、費用を抑えることが可能です。ただし、安さだけで選ぶとリスクも大きいことは覚えておきましょう。

中古品は古さや状態で価格が左右されるケースが多いため、格安なものはサポート期間が終了している可能性があります。また、中には状態が良くないものがある可能性もあるため、耐用年数なども確認し、十分注意しながら選ぶことが重要なポイントです。

オーバースペックな導入を避ける

PBXは、台数や機能などが多ければ多いほど高額になります。電話機を購入する場合は、台数が少ないほどコストを抑えられ、クラウドPBXは内線数や同時通話数などを必要最低限にすることで不要なコストの発生を防げます。

例えば、同時にかかってくる電話の数が5件程度の場合、20件や30件といった同時通話数はオーバースペックであると言えます。また、内線数に関しても従業員数よりも多い数は基本的には不要です。

同時にかかってくる電話の件数や社内状況によって適切な数は異なりますが、コストを抑えるにはオーバースペックにならないように注意する必要があります。

おすすめのPBX10選|選び方のポイント・導入の流れも解説

社内の電話業務を効率化させるには、PBXの導入がおすすめです。しかし、PBXには複数の種類があり機能もさまざまなため、選定に迷う方も多いでしょう。この記事では、おすすめのPBXや選ぶ際のポイント、導入の流れなどを解説します。

まとめ

PBXは、企業の電話システムを統合する装置です。PBXの価格については、種類・規模・機能・オプションの有無などによって大きく変動します。特に、PBXはレガシーPBX・IP-PBX・クラウドPBXといった種類によって、費用のかかり方が大きく変わります。

初期費用を抑えたい場合は、クラウドPBXがおすすめです。また、より費用を抑えるなら、中古品も視野に入れながら検討しましょう。価格だけでなく、必要な機能・規模・運用方法なども考慮して、最適なPBXを選ぶことが大切です。

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