中小企業におすすめのナレッジマネジメントツール3選|選び方も解説
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- 業務の属人化が課題となっている中小企業に、ナレッジマネジメントツールが推奨される
- 中小企業に導入することで、業務効率化や生産性向上、コスト削減の効果に期待できる
- 中小企業がナレッジマネジメントツールを選ぶ際は、機能と費用のバランスを考慮する
ナレッジマネジメントツールは、中小企業にも導入が推奨されます。特に、業務の属人化が問題となっている中小企業では利用するメリットが大きいです。本記事では、中小企業におすすめのナレッジマネジメントツールや、選ぶ際のポイントなどをわかりやすく解説します。
目次
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中小企業におけるナレッジマネジメントの課題
ナレッジマネジメントの「ナレッジ」の語源は英語の「knowledge」で、知識や知見といった意味を持っています。ビジネスで使われる場合の「ナレッジ」は、有益な情報や付加価値のある知識・経験のことを指し、それらを管理するのがナレッジマネジメントです。
ビジネス上のナレッジには、個人が経験から得た技や勘などの言語化されていない暗黙知と、マニュアルのように文章や図表で説明されている形式知の2種類があります。ナレッジマネジメントでは、暗黙知を形式知に転換して誰もが共有できるようにします。
企業におけるナレッジは、企業の利益向上につながる大きな資産であり、企業規模に関わらず企業が成長する基盤となるものです。そのため、現在では多くの企業でナレッジマネジメントに基づいた経営が行われています。
しかし、中小企業でナレッジマネジメントを行うには、中小企業ならではのクリアしなければならない課題があります。ここでは、中小企業が抱える4つの課題について解説します。
ナレッジマネジメントツールとは?導入のメリットや選び方を解説
ナレッジマネジメントツールとは、社員が持つ知識や経験などを社内で共有するためのツールです。本記事では、ナレッジマネジメントツールをよく知らない方・導入を検討している方のために、ナレッジマネジメントツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。
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中小企業におけるナレッジマネジメントの課題
業務が属人化している
日本の中小企業は、従業員数が少ない中でも優れた技術を持つ職人が多く、日本産業を支えています。しかし、優れた職人の技術は昔からあるような徒弟制度のように、口頭と体験の中で伝えられる暗黙知のナレッジが多く、業務が属人化していることが多いです。
1人の従業員のみで担当する業務が多い中小企業では、属人化が進みやすい傾向にあります。属人化の状態が続くと、対象の担当者が退社することで企業全体の技術レベルが下がったり、業務に遅滞が生じたりします。
人材の長期確保が難しい
現代では、働き方改革を含めた時代背景から、新規採用者の転職率が上昇傾向にあり、人材が1つの企業に定着しづらくなっています。この課題は、採用コストや教育コストに十分な資金と時間を投資できない中小企業にとって、非常に大きな問題です。
長期的な人材確保が難しい中小企業では、現有の従業員が持つ優れたナレッジを企業の資産として継承していく取り組みが、将来を見据えた企業成長においても重要といえます。
管理が煩雑になっている
中小企業では、人事や経理のIT化が徐々に進んでいます。しかし、ナレッジマネジメントに関わる情報管理部門のIT化の進みは鈍く、紙ベースで行っている企業が多いのが現状です。紙ベースでのナレッジ管理は、煩雑で効率が悪く十分な効果に期待できません。
また、Excel(エクセル)やスプレッドシートでナレッジマネジメントを行っている企業もあります。紙ベースより管理しやすくなりますが、管理するナレッジが多くなると管理や運用が複雑化します。
DX化に取り組めていない
AI技術やIT技術の発展により、社会全体でのDX化が急速に進んでいます。例えば、日本国内では電子帳簿保存法やインボイス制度など、大企業・中小企業関わらず、企業にはDX化に向けた取り組みが義務化されています。
したがって、企業内の適切な管理体制を敷くためにも、ナレッジマネジメントの必要性が高まっています。国内市場が減少傾向にある中、グローバル展開を意識した事業展開を試案する際にも、DX化に向けた取り組みが重要です。
中小企業にナレッジマネジメントツールを導入するメリット
中小企業のさまざまな課題を解決するには、ナレッジマネジメントツール(ナレッジマネジメントシステム)の導入がおすすめです。ナレッジマネジメントツールとは、従業員個人の持つナレッジを社内で共有するためのツールです。
個人の持つ、言語化されていない暗黙知のナレッジを可視化してツールに登録し、他の従業員と共有できるようにします。ここでは、ナレッジマネジメントツール導入のメリットを解説します。
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中小企業にナレッジマネジメントツールを導入するメリット
業務が効率的になる
紙ベースでのナレッジの作成は、資料作成・ファイリング・管理に手間がかかるとともに、必要な資料を探し出すのにも時間を要します。これらは、ナレッジマネジメントツールを使うことで大幅に削減できます。
中小企業は人的リソースが限られているため、ナレッジマネジメントに割ける人手や時間が不足していることが多いです。しかし、ナレッジマネジメントツールなら、工数を抑えてナレッジの可視化と管理を行えます。
ナレッジの共有が進む
ナレッジの管理や検索が容易になると、ナレッジの効果的な活用が進みます。ナレッジマネジメントツールには、部門・部署に関わらず社内すべてのナレッジが集約されるため、部門・部署を超えた情報共有も活発化します。
その結果、属人化の防止と生産性の向上という、ナレッジマネジメントが果たすべき目的が達成されやすくなります。
配置換えや1人で業務を担当していた従業員が退社することがあっても、ツール上にナレッジがまとめられています。よって、スムーズに業務の引継ぎができ、業務の停滞を最小限に抑えられます。
人材育成のコストを抑えられる
中小企業にとって人材育成は重要な課題です。新人を短期間で独り立ちできる人材に育て上げ、既存従業員のスキル向上にも努めなくてはなりません。
ナレッジマネジメントツールは、効果的でコストを抑えた人材育成を行うことも可能です。ナレッジが日頃から体系的に整理されていれば、研修用の資料を1から作成したり、先輩従業員が新人に付きっきりで教えたりせずに済みます。
また、ナレッジマネジメントツールの中には、eラーニング機能を搭載したものもあります。この機能を活用して、新人教育や従業員の業務の見直しに役立てている企業も多いです。
中小企業向けナレッジマネジメントツールの選定ポイント
ナレッジマネジメントツールは製品によって機能がさまざまで、高機能な製品ほど高額になる傾向があります。そのため、特に予算の限られた中小企業では、機能と費用のバランスを考えた導入が必要です。
機能が豊富なのは良いことのようにも思えますが、使いこなせなければ費用が無駄になります。そのため、予算の限られた中小企業では、機能と費用のバランスを考えた導入が必要です。
無料トライアルで試せるツールも多数存在するため、自社にはどのような機能があると良いのか、画面の見やすさ・操作のしやすさといった操作性も確認しましょう。
中小企業におすすめのナレッジマネジメントツール3選
GOOD
ここがおすすめ!
- 誰でも簡単に投稿・編集でき、無駄のないUIで手軽に続けられる
- マニュアルや社内設備情報の共有により、社内問い合わせの手間を軽減
- 国際標準規格『ISO 27001』認証・ISMS認定を取得し、セキュリティ面も安心
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ここが少し気になる…
- 支払いは基本的にクレジットカードで、銀行振込の場合は年払い
GOOD
ここがおすすめ!
- テンプレート機能を搭載しており、日報や議事録を統一できる
- 記事は新着順に並び見やすく、社外への共有も可能
- メンションやコメント機能を備え、コミュニケーション不足を解消
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ここが少し気になる…
- 18人以降は1ヶ月あたり655円かかり、企業によってはコスパが悪い場合も
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ここがおすすめ!
- 「Qast AI」を搭載し、サマリやこましりの質問文を自動生成!
- 情報共有だけでなく有識者が回答できるFAQツールとしても利用可能
- ファイルの添付が可能かつ、投稿内でプレビュー確認ができる
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ここが少し気になる…
- 各プランの費用は問い合わせる必要があり、初期費用もかかる
その他のナレッジマネジメントツールの選び方
多くの製品の中から、1つのナレッジマネジメントツールに絞るのは難しい作業です。選択に迷った場合は、前述した機能や費用以外にも下記のようなポイントに注目して選ぶのがおすすめです。
【重要なポイント3つ】
- 社員全員が容易に操作できるか
- 自社の目的に合ったタイプを確認する(社内Wikiタイプ・FAQタイプなど)
- スマホやタブレットに対応しているか
【その他の比較ポイント】
- セキュリティ対策を確認する
- 利用規模や機能を拡張できるか
- 他システムと連携できるか
中小企業がナレッジマネジメントツールを利用する際の注意点
中小企業がナレッジマネジメントツールを利用する際には、費用対効果の高い利用方法を検討することが重要です。そのためには、下記の4点に注意してツールを運用する必要があります。
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中小企業がナレッジマネジメントツールを利用する際の注意点
蓄積するナレッジを確認する
ナレッジマネジメントツールは、貴重なナレッジが数多く登録されることで、費用対効果が高まります。しかし、何が貴重なナレッジかは、企業の業種や特性によって異なるため、自社に必要なナレッジを確認することが大切です。
特に、暗黙知のナレッジの収集が重要ですが、本人にとっては当たり前のこととして認識しており、重要なナレッジであると把握できない場合も考えられます。
そのため、まずはナレッジマネジメントツールに登録するべきナレッジの種類や、登録すべきかどうかを判断する基準などを定める必要があります。
ナレッジの共有を促す工夫をする
従業員がナレッジを共有する意義を理解できていないと、ナレッジの収集は進みません。主に、インセンティブが与えられている営業職などでは、ナレッジの提供は自分にとって不利なことであると従業員が判断する恐れがあり、収集が困難なケースも存在します。
したがって、ナレッジマネジメントを導入する目的やメリットを社内にしっかり周知することが重要です。そして、ナレッジを収集しやすい環境の構築が求められます。
例えば、ナレッジの登録を業務フローに組み込んだり、ルールを設けて、有益なナレッジを共有した人の評価が上がるような仕組みを作ったりなど、従業員が無理なくナレッジを共有できる工夫をしましょう。
常に新しいナレッジに更新する
蓄積されたナレッジは、従業員にとって有用なものでなくてはなりません。しかし、ツールを長年運用していると、使われていない古いナレッジがあり、欲しいナレッジが存在しない場合が出てきます。そのため、定期的なナレッジの削除・更新を行う必要があります。
ナレッジ見直しの際には、各ナレッジの利用度や最終更新日などを調べたり、従業員の欲しいナレッジの調査を行ったりしましょう。ナレッジの分類方法の改善、ナレッジの修正・新規登録などを行い、常に使いやすい状態を保つのが大切です。
長期的な視野で運用に取り組む
ナレッジマネジメントの効果を発揮するには、ある程度の量のナレッジが集まらなければなりません。ナレッジは一度に多くの量を集めてしまうと、適切に分類するのは難しいため、計画的に段階を踏んで集める必要があります。
なお、ツールを導入した直後は扱い方に慣れず、思ったように運用が進まないことも考えられるため、準備を十分に行った上で、長期的な視野で取り組みましょう。定期的な効果測定で問題点を確認したら、原因を明らかにして迅速な改善を図りましょう。
まとめ
ナレッジマネジメントツールは、有益な情報や付加価値のある知識・経験(ナレッジ)を管理するツールです。中小企業の課題の1つである業務の属人化を防ぎつつ、技術やスキルを企業の資産として伝承しやすくします。
ナレッジマネジメントツールは、ナレッジの蓄積ばかりでなく、業務の効率化や人材育成のコスト削減にもつながります。中小企業にとって魅力的なツールですが、導入の際には機能と費用のバランスを考慮して、費用対効果の高いツールを導入しましょう。