勤怠表とは?勤怠表の目的や勤怠表作成のメリット・デメリットを解説

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  • 勤怠表とは、従業員の出勤・退勤時刻や労働時間など勤務状況を記録した書類である
  • 勤怠表の適切な管理は法律で義務付けされており、給与計算も関係するため重要性が高い
  • 勤怠表の作成方法は、エクセル作成や無料テンプレートにはデメリットが多い

勤怠表とは、従業員の出勤・退勤時刻や労働時間など勤務状況を記録した書類を指します。勤怠表の記録・保管は法律で義務付けされており、勤怠管理における勤怠表の管理は重要性が高いです。本記事では、勤怠表の目的や勤怠表作成のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

目次

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  1. 勤怠表とは
  2. 勤怠表の目的と必要性
  3. 勤怠表に記載する項目
  4. 勤怠表を作り方とメリット・デメリット
  5. おすすめの勤怠管理システム3選
  6. まとめ
  7. 勤怠業務を効率化!関連サービスはこちら

勤怠表とは

勤怠表とは、勤怠管理表や勤務実績表とも呼ばれ、従業員の出勤・退勤の時刻や、休日出勤・欠勤・休暇など勤務状況を記録する書類を指します。勤怠表をもとに給与が決定するため、企業・従業員双方にとって重要な書類のひとつです。

勤怠管理を行ううえで、勤怠表の取り扱いは法律にも大きく関わり、記録・一定期間の保管義務があります。記録・保管の義務を怠った場合は、法律に反して罰せられるケースもあるため、勤怠表は重要性の高い書類としての認識が必要です。

勤怠表と勤務表の違い

勤怠表と似て非なるものに勤務表があります。勤怠表は従業員の出退社時刻・休日・欠勤など実際の勤務状況を記録するものです。一方勤務表は、従業員の出勤日や休日などの予定を記載したものを指します。シフト表とも呼び、誰が出勤しているか把握する書類です。

勤怠表と出勤簿の違い

勤怠表・勤務表とならび語られることの多い出勤簿ですが、勤怠表とほぼ同じで、呼び方の違いだけです。しかし、企業によっては、勤怠表は残業の算出のために、出勤簿は出勤の確認に利用するなど、勤怠表・出勤簿の目的を分ける場合もあります。

勤怠表の目的と必要性

勤怠表は、法定労働時間などの法律に沿った勤務を行い、適正な給与計算や支払いを行うために作成する目的があります。項目ごとに具体的に解説します。

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法律を厳守するため

勤怠表は、労働基準法のなかでも複数の法律に関わる重要な書類です。企業は法律に沿った適正な労働時間を管理する義務があり、勤怠表は労働基準法第108条内の「賃金計算の基礎となる事項」が記録された重要な書類に当たります。

また、この記録義務を怠った場合は、賃金台帳調整義務違反となり罰則の対象になります。さらに、記録義務を怠ったうえに、残業代の未払いや有給休暇を従業員に付与しなかった場合は、さらに重罰の懲役や罰金の対象になるケースもあります。

参考:労働基準法 | e-Gov法令検索

参考:労働者名簿及び賃金台帳の調製と記録の保存(第107条~第109条)|愛知労働局|厚生労働省

従業員の勤務状況を把握する義務

企業は、従業員の出勤時間・退社時間・休日・欠勤・休暇など実際の勤務状況を把握する義務があります。勤怠表はこれらの事項すべての記録が必須項目であり、記録を怠ると罰則の対象になりかねません。

勤怠表は、給与算出のベースとなる重要な書類であるため、適正な賃金の支払いのためにも重要不可欠です。

参考:労働時間の適正な把握のために|厚生労働省

参考:労働基準法 | e-Gov法令検索

勤怠表を保管する義務

労働基準法109条「労働関係の重要な書類を最低5年保管しなければならない」という定めがあり、2020年4月1日の法改正から、従来の保管期間3年間か5年間に延長されました。保管期間の起算日は、その勤怠の対象となる給与が支払われた日になります。

以前の法改正前は、最後に記録した日が起算日でしたので、注意が必要です。また、派遣社員の場合は、契約終了日が起算日となるなど、雇用体系により起算日が異なるケースもあります。

参考:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準|厚生労働省

法定労働時間を管理する

勤怠表は、労働基準法で定められている1日8時間、週40時間以内の法定労働時間を管理することが最大の目的です。法定労働時間を超えて残業を行う場合は、労働基準法第36条に定められている「36(サブロク)協定」を労働基準監督署に届け出る必要があります。

勤怠表を記録することで、36協定や法定労働時間に反していないか管理することが可能です。

参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針|厚生労働省

法律を守らなかった場合の罰則

勤怠表は労働基準法第108条内の「賃金計算の基礎となる事項」に当たる、出退社の時間や欠勤などの勤怠状況が記された、給与のベースとなる書類です。勤怠表の記録を怠った場合、30万円以下の罰金が課せられるケースもあります。

また、勤怠表の保管を怠った場合も労働基準法違反となり、30万以下の罰則対象になる可能性もあります。

参考:労働基準法 | e-Gov法令検索

給与計算のため

勤怠表は、給与計算のベースとなる書類です。勤務表をもとに出勤時間・退社時間から、勤務時間の確認をします。時間外労働が発生した場合、残業代の算出も必要です。また、欠勤・有給休暇など基本給の増減の計算も必要に応じて発生します。

また、2023年4月1日より、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が引き上げられました。対象となるのは、中小企業で割増賃金率は50%になります。以前の割増賃金率は大企業が50%、中小企業は25%でした。引き上げに伴い、就業規則の変更も必要です。

参考:月60時間を超える時間外労働の 割増賃金率が引き上げられます|厚生労働省

給与未払いを防ぐため

勤怠表は、従業員との給与未払いなどのトラブルを防ぐ証拠書類の役目もあります。正しく勤怠表が記録されていれば、従業員の申告と相違があった場合、解決に結びつける確認書類となります。

勤怠表に記載する項目

勤怠表に記載する項目は以下の内容になります。主に労働時間や休日など実際に勤務した日や時間を記録するものです。記載する内容の項目ごとに、どのような内容なのか簡単に説明します。

項目内容
出勤・退勤時刻勤務開始時刻と、退社時刻を記録する
労働時間出勤・退勤時刻から休憩時間を除いた時間
残業・深夜残業時間所定労働時間を超えた勤務時間・その時間が深夜まで及んだ場合の残業時間
休日労働時間法定休日に出勤した場合の勤務時間
早退・遅刻定刻よりも早く退勤した場合・定刻よりも遅れて出勤した場合
欠勤日数出勤日に出勤せず、勤務していない日数
休日労働時間法定休日に出勤した場合の勤務時間
有給の取得日数有給休暇を取得した日数
出勤日と休日の区別出勤日と休日の区別をわかりやすく記載する

勤怠表を作り方とメリット・デメリット

勤怠表は、特に決まったひな形がないため、記載すべき項目が入っていれば、企業ごとに使いやすい仕様で作成できるのがメリットです。しかし、作成方法によってはデメリットが発生する可能性もあります。作成方法別にメリット・デメリットについて解説します。

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無料テンプレートを活用する

勤怠表を作成する際、無料でダウンロードできるExcelのテンプレートを活用できます。出退社を入力するだけで、自動的に残業時間や残業手当を算出できるものもあるため、Excelの知識が少ない方でも、手間やコストをかけなくても勤怠表の管理が可能です。

しかし、勤務時間の入力のたびにExcelを開いたり、操作ミスでテンプレートに組み込まれている計算式などにエラーなどが発生すると、知識が少ない方が操作する際に、修正が難しくなるのがデメリットです。

メリットデメリット
コストを抑えられる入力のたびにExcelを開く必要がある
Excelの知識が少なくても作成可能エラーが発生すると修正が難しい

エクセルで勤怠表を作成する

勤怠表は、Excelで簡単に作成することが可能です。自社の使いやすい様式で自由にカスタマイズでき、何よりコストがかからないのがExcel勤怠表のメリットです。タイムカードで従業員に打刻させている企業はそのままタイムカードを継続使用できます。

しかし、Excelでの勤怠表は誤入力など、人為的なミスが発生しやすいのがデメリットで、従業員数の多い企業では、入力に手間がかかるため向きません。また、労働時間の適切な記録に求められている、客観的記録とはみなされない可能性もあります。

メリットデメリット
コストを抑えられる入力ミスをしやすい
自由度が高い従業員数が多いと手間がかかる
打刻はタイムカードを使用できる客観的記録とみなされない

勤怠管理システムを活用する

勤怠管理システムは、導入することにより多くのメリットを得られ、手作業による勤怠表作成と比較しても法律に適切に対応ができます。また、リアルタイムで従業員の労働時間を把握できるため、過重労働の防止が可能です。

従業員の打刻により、残業時間や休日出勤など給与に関わる計算も、オートメーション化されるため、勤怠管理に関わる業務を軽減できるのもメリットです。しかし、導入や運用までに多くのコストは発生するため、費用対効果を考慮する必要があります。

システムの導入のために、自社の就業規則に沿った運用が可能かどうか、事前に確認することも重要です。また、社内のシステム環境を整え、運用ルールや操作方法など従業員へ研修し、周知させる必要があります。

しかし、作業効率やセキュリティ面などの観点から、適切な勤怠表の作成や管理には、勤怠システムの導入はベストな選択です。

メリットデメリット
従業員の正確な勤怠管理が可能運用して軌道に乗るまで時間がかかる
勤怠管理に関わる業務の軽減自社の就業規則に対応できない場合がある
労働時間の把握が可能導入・運用コストが発生する
法改正もアップデートで対応可能

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まとめ

勤怠表の作成は、法律に従い、適切な労働時間を管理するために重要な業務です。給与計算にも関わるため、従業員とのトラブル防止のためにも正しい勤務表の作成・管理が求められます。

勤怠表は、決まったひな形が特段なく、無料テンプレートやExcelで簡単に作成も可能です。しかし、手作業の勤怠管理は工数が多く、人為的ミスの発生リスクもあります。勤怠管理を適切に行うには、法律に沿って業務を軽減できる勤怠管理システムの導入が有効です。

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