PBXの故障原因と対処法|未然に防ぐためのポイントも解説
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- PBXが動作しなくなる原因として、ケーブル接続不良や機器の故障、通信障害などがある
- 故障時は再起動が有効だが、データ消失のリスクがあるため手順をメーカーに確認する
- PBXは定期的に入れ替えを行い、適切な環境で使用することで故障を防げる
PBXは精密機器であるため、故障することもあります。故障すると業務に多大な影響を及ぼすため、事前に対策を知っておくことが重要です。この記事では、PBXが故障する原因やその対処法、また故障を防ぐためのポイントなどを解説します。
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PBXの故障に備えよう
PBXとは、複数の電話機をつなぐための電話交換機です。複数の電話回線を1つの電話番号にまとめて発着信や転送先などを制御でき、外線の着信を内線で転送したり、内線から外線へと発信したりすることもできます。
PBXはオフィスやコールセンターなどビジネスシーンで使用されることが多いため、故障した場合、業務に多大な影響を及ぼします。そのため、PBXが故障した際にどのように対処すべきかを知っておくことが重要です。
本記事では、PBXが正常に動作しない場合の原因と対処法に加え、故障を防ぐためのポイントや保守契約などについても解説します。
PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説
PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。
PBXの故障で起こり得る症状
PBXが故障した場合、内線・あるいは外線が繋がらないといった不具合が発生します。PBXは外線や内線を制御しているため、それが上手くいかなくなると受信・着信ができない状態になり、通話不能になります。
また、音声が良く聞こえない、音が聞こえるが雑音が入って聞き取れない、といった症状が表れる可能性もあります。症状の程度によってはそのまま業務を続けることができる場合もありますが、スムーズな会話が難しくなります。
PBXに不具合が生じた際にまず確認すべきこと
PBXに不具合が見られる場合は、その原因を究明するためにまず以下のことを確認しましょう。
- 不具合の範囲
- 内線と外線どちらに問題があるのか
- エラーメッセージなどの表示
- いつから不具合が発生しているか
すべての電話機で不具合が発生しているのか、特定のグループで発生しているのか、1台のみなのか、といった不具合の範囲を確認することで、不具合の原因や場所をある程度絞り込むことができます。
さらに、内線と外線どちらで問題が見られるのか、電話機のエラーメッセージなど通常と異なる表示が見られないか、不具合が発生したタイミングはいつかを明確にすることが、スムーズな原因究明に繋がります。
PBXが正常に動作しない原因と対処法
ここでは、PBXが正常に動作しない具体的な原因と対処法を解説します。最初からPBX単体に問題を絞るのではなく、「ネットワークのどこに問題があるのか」を探る視点を持つことが大切です。
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PBXが正常に動作しない場合の原因と対処法
ケーブルの接続不良・ショート
ケーブルの接続不良やショートが起こると、回線が遮断され、組織内の特定グループが通話できない状態になります。問題が起きているケーブルの箇所によっては、1台のみまたは全台が通話不能になる可能性もあり得ます。
そのため、どの台が通話不能になったとしても、ケーブルの接続不良・ショートが原因である可能性があります。
ケーブルの接続不良・ショートへの対処として、以下のような方法が挙げられます。
- PBXの電源周りやケーブルを確認する
- PBXに電源が供給されているかブレーカーも含めて確認する
- PBXに問題がない場合、通話不能の台から問題箇所の範囲を絞る
- 問題の範囲内にあるケーブルやルーター周りの配線関係を確認する
- 問題箇所を特定したら、端子の抜き差しで改善できるか確認する
- 問題箇所が目に見えない場合は、ケーブルを交換しながら状態の変化を確認する
上記の補足として、単にケーブルが外れている場合は問題が目に見えやすいですが、断線やショートは目に見えない場合が多いです。ケーブル交換で試してみるのが1つの方法ですが、ネットワーク構築の担当者や販売店・メーカーに確認するのも有効です。
機器の故障
PBXに限らず、ネットワークを構成する機器に不具合が発生している場合、どの機器が不具合を起こしているかによって症状は異なります。例えば、1台の電話のみが使用できない場合、その電話機が不具合を起こしている可能性が高いです。
電話機以外にもルーター・ハブスイッチ・ゲートウェイなど、不具合が発生する機器によっては、特定のグループや全台が使用不能になる可能性もあり得ます。
以下に機器の故障への対処法の例を挙げます。
- 通話不能の台から問題箇所の範囲を絞る
- 問題の範囲内にある機器の状態を確認する
- 機器の再起動で状態が改善できるか確認する(※メーカーに要確認)
- 機器とケーブルのどちらに問題があるか特定するためにケーブル交換を試してみる
軽微な原因の場合、機器の再起動で不具合が改善される場合があります。また、各機器の設定が通常とは異なる設定に変わっている可能性もあります。PBXの設定の中には発信を制御する設定もあるため、念のため確認しておきましょう。
ケーブルだけでなく、機器の故障に関してもネットワーク構築の担当者や販売店・メーカーへ問い合わせることは、解決の有効な選択肢になります。
再起動の手順はメーカーに要確認
PBXやネットワーク機器の電源の入れ直しは、1つの不具合改善方法として有効です。しかし、再起動の方法や手順を間違えるとデータが消失したり、新たな不具合が生じたりする原因となるため、電源を切る前に必ずメーカーに手順を確認しましょう。
通信障害
ケーブルや機器が不具合の原因ではない場合、通信障害の可能性を疑いましょう。ただし、通信障害に関しては、特定のグループや1台のみが通話不能になっていることは考えにくいため、全台が通話不能の場合に考慮すべき可能性です。
回線のサービス提供元やビル設備でメンテナンス作業を行っていないか、大雨や落雷などの悪天候の可能性はないか、原因を探します。
通信障害が起こった場合、通常サービス提供元で障害の状況を把握しており、顧客向けの情報発信を行っていることが多いです。インターネットや電話などで、公式の情報を確認しましょう。
ただし、原因がわかっても通信障害の復旧のために自社側でできることはなく、復旧を待つしかないことに留意しましょう。
PBXの故障を防ぐためのポイント
PBXやネットワーク機器は、大きな故障につながらないように普段から適切な環境を整え、計画的に管理することが大切です。ここでは、PBXの故障を防ぐためのポイントを解説します。
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PBXの故障を防ぐためのポイント
適切な環境で使用する
PBXは精密機器であり、高温多湿・埃に弱かったり、放熱や振動・衝撃の影響を受けたりするため、使用環境に配慮する必要もあります。
以下にPBX周辺の環境に配慮するポイントをまとめます。
- PBXや機器周辺に物を置かない
- 機器の放熱部分を塞がないようにする
- 機器が落下したり振動・衝撃を受けたりするような場所は避ける
- ケーブルが絡まないように、バンドや専用ケースを活用する
- 機器周辺に埃が溜まらないようにする
- 日が当たる場所や暖房器具の近くを避けて設置する
- 機器周辺に水気・湿気のあるもの(飲み物や加湿器など)を置かない
異常を感じたらすぐに修理を依頼する
PBXの不具合には、早めに対処することが大切です。ノイズ程度の軽微な異常でもメーカーに問い合わせて、必要に応じて修理を依頼するようにします。これは、決して大げさなことでなく、症状が軽いうちに対処すれば修理費用を安く抑えられる可能性も高くなります。
「軽度な異常はあるが十分に使える」と考えて、そのまま使い続けてしまうと、修理不可能な故障に至り、高額な費用負担が発生する恐れがあります。
定期的に入れ替える
PBXを始め、ネットワークを構成する機器は経年劣化を避けることができません。簡単な修理や部品交換なら、大きく業務に支障が出ることはありませんが、ネットワークの中枢での不具合の場合はその対応のために業務が停止するリスクがあります。
業務上、大切な時期やタイミングで不具合が生じることがないよう、計画的・定期的に機器の入れ替えを行うことが推奨されます。
PBXの法定耐用年数は6年
国税庁の「主な減価償却資産の耐用年数表」を参考にすると、PBXの法定耐用年数は6年です。表の<器具・備品>のうち、PBXは「事務機器、通信機器」に当てはまります。
法定耐用年数はあくまで目安なので6年で必ず買い替えなければならないというわけではありませんが、この年数を大幅に超えて使用していると、経年劣化によるリスクが高まります。
また、部品製造が終了するなどして、故障した際にメーカーに対応してもらえなくなる可能性もあります。
古いPBXはビジネスの成長も妨げる
古いPBXは、ビジネスの成長に伴って変革する現場のニーズに対応しきれなくなる可能性があります。例えば、受電体制の変化などにより、今の機能では不便になることもあるでしょう。
ニーズに合っていないPBXを利用し続けることで業務が非効率的になり、余計な負担や人件費が発生するなどして生産性が悪くなることもあります。近年ではリモートワークの需要も高まっていますが、古いPBXでは対応が難しい場合もあります。
業務フローや人員配置を最適化し、ビジネスの成長に貢献していくためには、新しいビジネスニーズに合わせて開発されたPBXを使う必要があります。
PBXをリプレイスするタイミングとは?移行時の比較ポイントも解説
PBXは経年劣化するものであり、定期的なリプレイスが必要です。しかし「まだ使えるのでいつ交換すべきかわからない」という企業も多いかもしれません。この記事では、PBXをリプレイスすべきタイミングやPBX移行時の選定ポイントなどを解説します。
クラウドPBXへの移行を検討する
PBXの故障リスクを軽減する方法として、クラウドPBXへ移行するという方法もあります。クラウドPBXは、クラウド上に設置されたPBXをインターネット経由で利用できるサービスです。インターネット環境があれば、オフィス外からでも利用できます。
社内に物理的なPBXを設置していると、年月が経つに伴って老朽化するため、定期的に入れ替えを繰り返さなければなりません。その点、クラウドPBXならシステム自体のメンテナンスはサービス事業者が行ってくれます。
経年劣化の心配がなく、PBXの機器と機器周辺の管理も必要ないため、故障のリスクが軽減されるとともに自社の負担も軽くなります。クラウドPBXは導入にかかるコストや工数も少ないので、比較的簡単に利用開始できるというメリットもあります。
クラウドPBXとは、インターネットに接続して利用できるオフィス向け電話システムです。クラウドPBXの導入で、社外からでも会社宛の電話に出られたり、通話料の削減ができたりします。本記事では、クラウドPBXを導入するメリットや選び方などをわかりやすく解説します。
万が一の故障に備えて保守契約を検討しよう
保守契約とは、ベンダーによる保守点検を受けられるサービスです。PBXの保守点検では以下のようなことが確認されます。このような点検を行うことは、予期せぬシステムダウンのリスクを低下させることにつながります。
- 機器の動作確認
- 障害の有無
- 電圧チェック
- データのバックアップ
- 通信状態の監視によって異常や負荷の大きい箇所を特定
- ソフトウェアアップデート
- セキュリティ機能
- 通話品質の確認
なお、PBXの保守契約は、契約会社によって内容や料金が異なります。月額料金で定期的に保守点検を行ってくれる場合もあれば、トラブル時のみ有料で対応してくれる場合もあります。
どのような内容の保守点検を受けられるかについては、ベンダーのホームページや問い合わせなどで確認しましょう。
PBXを利用する際は、保守契約の申込も検討しましょう。保守契約により、万が一の通信トラブル時も業務へのダメージを軽減できます。この記事では、PBXにおける保守契約の必要性や保守契約がおすすめな企業、また申し込む際の注意点などを解説します。
まとめ
PBXは複数の電話機をつなぎ、音声通話による組織内外の連絡を効率化します。コールセンターなどでは顧客対応業務に必要不可欠な機器で、PBXが故障すると業務が停止して大きな損害を被るリスクがあります。
PBXの不具合の原因は、ケーブルの不具合・機器の不具合・通信障害に大別できます。しかし、中には目には見えない問題が発生している可能性もあるため、販売店・メーカーに問い合わせることも有効な選択肢になります。
PBXは精密機器であり、経年劣化は避けられません。重要なことは、業務に支障が出ないように計画的に点検・修理・交換を行うことです。また、PBX周辺の環境に配慮することも大切です。本記事を参考に、PBXが故障した際の対処や故障防止対策を行いましょう。
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