CMSの仕組みを解説|CMSの概要やタイプによる仕組みの違いも
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- CMSは、保管している情報をテンプレートに当てはめてページを生成する仕組み
- CMSのページ生成の仕組みは、動的生成・静的生成による違いがある
- CMSの仕組みは、保管・配信方法の違いにより3つのタイプに分類される
CMSとは、専門知識を持たない人でもWebサイトの作成・編集を行えるシステムです。CMSはコンテンツ保管・配信の仕組みの違いにより、3つのタイプに分類されます。本記事では、CMSの仕組みの違いについて、特徴・メリット・デメリットを交えて解説します。
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CMSとは
CMSとは、コンテンツ・マネージメント・システムの略称で、Webサイトの構築を容易にするために開発されたソフトウェアのことを言います。CMSはテキストや画像、デザイン、レイアウトなどを一元的に保存し、管理できる優れたソフトウェアです。
CMSを利用することで、Webサイト構築の知識がなくても、ホームページの作成や更新、運営が比較的簡単にできます。ここからは、数多くの企業がWebサイト構築の際に利用しているCMSのメリットとデメリットを解説します。
CMSとは?導入のメリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説
CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システムの略称で、Webサイトの専門知識がない人でもコンテンツの編集・更新ができるシステムのことです。本記事では、CMSの概要・メリット・デメリット・選定ポイントなど、CMS導入を検討している方に向けて詳しく解説します。
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CMSが注目される背景
Webサイトの構築・運営のために、CMSを導入する企業が増加しています。インターネットの普及により、消費者はインターネット検索やSNSなどから、情報を取得するようになりました。Webサイトも消費者の情報の取得先として、重要な地位を占めています。
また、見込み顧客獲得を期待できるオウンドメディアによる情報発信も、重要性を増しています。このような背景もあり、従来の方法よりも簡単に充実したWebサイトを構築でき、インターネット上でタイムリーに情報を発信できるCMSは注目されるようになりました。
CMS導入のメリット
CMSを導入し、Webサイトやオウンドメディアを構築・運営することで、さまざまなメリットを享受できます。CMSを導入するメリットには、以下に挙げるような点があります。
- Web制作の知識が不要
- デザインに統一感を持つサイトを構築でき、デザインの変更も容易
- Webサイトの運営を分業できる
- SEO対策ができる
- スマートフォンなどのマルチデバイスに対応できる
- SNSと連携できる
- 機能の追加が容易
- 404のリンク切れエラーを防げる
CMSの最大のメリットは、Webサイトの構築・更新作業に、Webサイト制作の知識や経験が不要という点です。CMSの利用には、プログラムなど特別な知識が不要で、CMSの使用方法を把握していればWebページの更新ができます。
複数のアカウントで共同編集もでき、デザイン変更や機能の追加も容易なところもCMSの優れている点です。CMSは関連するページ同士を紐付けやすく、検索エンジンにサイトの構造を把握させやすいなどSEO対策にも効果を発揮します。
CMS導入のデメリット
CMSは、Webサイト制作に関する専門的な知識を必要とせず、複数人で同時にWebサイトの共同編集もできる便利なソフトウェアです。しかし、CMSの導入には、以下に挙げるようなデメリットもあります。
- セキュリティリスクがある
- 既存のWebサイトからCMSに移行する際は移行作業を要する
- CMSの操作方法に慣れるまでに時間が必要
- 利用するCMSによって機能に制限がある
- ローカルにデータが残らない
CMSはサーバーにアクセスし、インターネット上でWebサイトの更新を行う形態のものが多いです。そのため、CMSを利用する際には、不正アクセスのリスクに常にさらされています。
また、既存のWebサイトをCMSに変更する際には、データの移行作業が必要です。CMSの利用経験がない場合、作業に大幅に時間がかかる可能性もあります。CMSを使用して、Webページの更新する作業に慣れるまでには時間も必要です。
サーバー上でWebサイトを更新・編集する仕組みのCMSを利用すると、ローカルにデータも残りません。CMSを選定する際は、自社のセキュリティポリシーに合致した製品を選び、データは定期的にバックアップをするようにしましょう。
CMSでできること
CMSにはテンプレートが用意されており、全体的に統一感のあるWebサイトを作成できます。Webサイト全体のデザインやレイアウトは、一括で編集・変更可能です。そして、CMSに搭載されるエディタで文章や画像を追加し、Webページを作成していきます。
また、ユーザー管理機能も搭載されており、メンバーの権限設定が可能で操作履歴も保存されます。ユーザー管理で複数のアカウントに編集権限を与えたり、あるコンテンツは特定の人物だけに付与したりすることも可能です。
CMSには、マーケティング機能も備わっています。アクセス機能では、訪問したユーザーの履歴や行動履歴を検証できます。さらにユーザーが過去にチェックした商品や、関連商品をWebページに表示させるレコメンド機能も搭載されています。
CMSにはアクセス解析ツールと連携できる機能もあり、ページのアクセス状況を分析し、サイトの改善も行えます。他にもSNSと連携させたり、LPO機能でランディングぺージを分析したりなど、効果的なSEO対策を取れる機能があるツールも多いです。
機能 | 概要 |
---|---|
新規コンテンツ作成 | テンプレートからWebサイトのデザイン・レイアウトを設定 |
コンテンツ管理・編集 | 文章や画像・動画を使用したWebページの作成・編集 |
ユーザー管理 | 編集権限の付与・制限 |
マーケティング | 訪問したユーザーの履歴や行動履歴の検証ユーザーが過去にチェックした商品や関連商品をWebページに表示 |
SEO対策 | アクセス解析ツールとの連携SNS連携、LPO機能などSEOを支援する機能も搭載 |
CMSの仕組み
CMSは、文字や画像などのコンテンツ情報をデータベースに格納し、このデータにテンプレートを適用してWebページを生成します。ここからは、CMSの仕組みをさらに詳しく解説します。
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CMSの仕組みを知るための前提知識
Webサイトの構築・運営に利用されているCMSは、どのような仕組みでWebサイトを生成しているのでしょうか。CMSを利用する前に、その全体像を把握しておきましょう。ここからは、CMSの仕組みを知るために必要な前提知識を解説します。
Webページの生成に必要な3つの要素
CMSでは、コンテンツデータ・テンプレートデータ・ナビゲーションデータの3つの要素を使って、Webページを生成しています。文章や画像、動画などがコンテンツデータにあたり、テンプレートデータはWebサイト全体のデザインを表示する際の型のことを言います。
ナビゲーションデータは、Webページ上に表示されるTOPやヘルプ、コンテンツなど、ユーザーが目的のページに辿り着くための役割を果たすメニューボタンを生成する際に必要です。
CMSは、コンテンツデータとナビゲーションデータをデータベースに格納し、蓄積されたデータにテンプレートを適用して体裁を整え、Webページの生成を行いWebサイトを構築するシステムになっています。
動的生成とは
動的生成とは、ユーザーがWebページを閲覧する際にページを生成する方式のことです。動的生成では、ユーザーがWebページにアクセスしてから、データベースに格納しているコンテンツデータに対し、設定したテンプレートを適用してページを生成しています。
そのため、ユーザーや時間などに合わせてWebページの内容を変更できます。動的生成ならユーザーに合わせた広告表示もでき、ページ更新の際にWebページ全体を変更する必要もありません。CMSの多くは、動的生成でWebページを作成しています。
静的生成とは
静的生成は動的生成と異なり、HTMLファイルでWebページをあらかじめ作成します。この完成したWebページをサーバーにアップロードし、作成した形のまま公開する方式のことです。
静的生成で作成されたWebサイトは、セキュリティが比較的高く、表示スピードが速い、ユーザー増加の際にもサーバーに負担がかからないなどのメリットがあります。しかし、静的生成は、ユーザーに合わせたWebページの表示はできず、専門知識が必要です。
3タイプ別のCMSの仕組み
CMSは、Webページの編集方法やデータの格納場所などの違いから3種類に分類できます。以下の表に、CMSの3種類のタイプであるWebアプリケーションタイプとCMSサーバータイプ、PCアプリケーションタイプそれぞれの概要、メリットとデメリットをまとめました。
タイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
Webアプリケーションタイプ | CMSをサーバーにインストールし、実装される機能を利用 | ・PCにインストール不要 ・容量が大きく堅牢 | 専門知識、サーバーが必要 |
CMSサーバータイプ | CMSをサーバーにインストールし、実装される機能を利用 | ・複数人で編集・更新作業を行える ・堅牢なWebサイトを作れる | サーバーが必要 |
PCアプリケーションタイプ | PCにCMSをインストールして利用 | ・PCで編集したWebページが自動的に更新される ・PCにコンテンツデータが保存されている | 製品が少なく選択肢の幅が狭い |
Webアプリケーションタイプ
Webアプリケーションタイプは、複数人が同時アクセスしても安定しやすく、規模の大きなWebサイトの構築に向いています。Webアプリケーションタイプは、サーバーにCMSをインストールして利用するため、容量が大きくシステムが強固です。
しかし、Webアプリケーションタイプは、サーバーが必要です。サーバーにCMSインストールする際に、個別設定やセキュリティ対策をする必要があるため、専門の知識を持つ人物が社内にいない場合、外部の技術者に依頼する必要もあります。
CMSサーバータイプ
CMSサーバータイプは、Webアプリケーションと同様に複数人が同時アクセスし、Webページの管理業務を行えます。また、Webページの動的生成にも対応しており、サーバーを利用するため、規模が大きく堅牢なWebサイトを作れる点がメリットです。
CMSサーバータイプも、WebブラウザでサーバーにインストールしたCMSにアクセスし、Webサイトの管理を行います。CMSサーバータイプには、静的なWebサイトしか制作できない製品もあり、自社サーバーやレンタルサーバーの用意が必要な点もデメリットです。
PCアプリケーションタイプ
PCアプリケーションタイプは、ユーザーのPCにCMSをインストールして利用します。Webページの編集作業を行うと、更新ファイルがサーバーに自動転送され、Webサイトに反映される仕組みです。
PCアプリケーションタイプは、PC上にWebサイトのデータが保存されるため、トラブルに強い点が特徴です。しかし、Webアプリケーションタイプは市場に展開されている製品が多くなく、選択肢が少ない点がデメリットです。
CMSを導入していないWebサイトとの違い
CMSは、CMSを導入していないWebサイトよりもWebページの更新が簡単です。CMSを導入していないWebサイトは、Webページ更新の難易度が非常に高く、マークアップ言語やプログラミング言語を使用してコードを書き、1ページずつ作成しなければなりません。
そして、完成したWebページをサーバーにアップロードして公開するため、非常に手間がかかります。一方CMSは、エディタでWebページの更新に必要な情報を入力し、公開ボタンを押すだけで更新できます。
まとめ
近年、インターネット検索やSNSで情報を取得する方法が広く普及し、Webサイトやオウンドメディアは重要性が増しています。このような背景から、Webサイトを構築・運営の支援するソフトウェアであるCMSに注目が集まっています。
CMSには、セキュリティリスクや、既存のWebサイトからの移行には作業が必要、CMSの操作に慣れるまで時間を要するなどのデメリットもあります。しかし、CMSは従来よりも比較的簡単に、充実したWebサイトを構築できる優れたソフトウェアです。
CMSは、ユーザーがWebページを訪れた際に、データベースのコンテンツデータにテンプレートを適用し、動的なWebページを生成します。このため、Webページに訪れた閲覧者に合わせて内容の変更や、個々のユーザーに向けた広告も表示可能です。
CMSは、Web制作の知識がなくても使えたり、統一感のあるデザインのWebサイトを構築できたりなどのWebサイトの構築・運営に大いに役立つメリットを数多く持っています。CMSを利用して、充実したWebサイトを作成しましょう。
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