グループウェアの導入目的とは?注意点や運用のポイントを解説

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  • グループウェアの導入目的には情報共有の迅速化やコミュニケーション活性化などがある
  • 部門や役職をまたぐコミュニケーションが目的の場合は、グループウェアは推奨されない
  • グループウェアを導入する際は、目的に合った機能の有無や導入形態を確認する

グループウェアとは、企業の業務を効率化させる複合的な機能を持ったソフトウェアのことであり、グループウェアの導入により、情報共有やコミュニケーションの円滑化が図れます。この記事では、グループウェアの導入目的やその目的を達成させるためのポイントなどを解説します。

目次

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  1. グループウェアとは
  2. グループウェアの導入目的
  3. グループウェアの導入に関する注意点
  4. 目的達成に近づくグループウェア運用5つのポイント
  5. まとめ

グループウェアとは

グループウェアとは、企業内のコミュニケーション活動を活性化し、業務の効率化を推進するソフトウェアです。しかし、ここで扱うコミュニケーションは、情報伝達や共有の迅速化を目的とするもので、一般に使われるコミュニケーションとは少し意味合いが違います。

企業の業務には、チームを組んで取り組むものも多く、中にはプロジェクトのような重要かつ有期性を背負った業務もあります。このようなチームで行う業務では、チームワークの良さが業務に影響します。

このチームワークの強化にグループウェアが役立ちます。グループウェアによりチームのコミュニケーションの円滑化が進み、業務を効率的に遂行できます。以下の表に、グループウェアの基本的な機能とその役割をまとめました。

【グループウェアの基本機能とその役割】

機能概要
スケジュール管理個人やチームのスケジュールを管理・共有することで、チーム全員がそれぞれの業務の把握ができ、日程調整などをスムーズに行える
タスク管理個人やチームのタスクを管理・共有することで、タスクの進捗状況を把握し、無駄のないタスクの進行を支援する
ファイル共有業務に必要な文書や画像などの電子データを一括管理し共有することで、ほかのメンバーのデータを自分の業務に活かせるようにする
チャット・掲示板メンバー同士のコミュニケーションを活性化し、リアルタイムで業務報告・連絡・相談・意見交換などが行える
設備予約会議室やプロジェクターなどの予約や予約状況の把握がシステム上で行える
ワークフロー機能上司の承認が必要な各種申請などをシステム上で行える

\より詳しいグループウェアの解説はこちら/

グループウェアとは?機能やメリット・デメリットをわかりやすく解説

グループウェアとは、スケジュールや会議資料などの情報共有や社内のコミュニケーションに活用できるソフトウェアです。業務効率化やテレワークでのコミュニケーション不足解消にも繋がります。本記事では、グループウェアの機能やメリット、選び方などを解説しています。

グループウェアの導入目的

グループウェアを導入している目的は企業ごとに異なるものの、搭載された機能に伴い導入目的には一貫性があります。どういった目的でグループウェアを導入し、企業課題を解消しているのか、自社も同様の課題を抱えていないか、あわせて確認してみましょう。

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情報共有の迅速化

グループウェアの強みは、チームでリアルタイムな情報を共有できることであり、チームの全員が最新の情報を持って各自の業務が行えます。そのため、情報共有の迅速化を導入目的の1つに置く企業は多いです。

情報共有の迅速化は、プロジェクトなどのチームでの取り組みだけでなく、所属部署内の業務効率化にも効果的です。従来では部署に戻らなければ知り得なかった情報を、グループウェアでは出先で知ることができるようになります。

社内のコミュニケーション活性化

営業などの外回りの多い部署などでは、社内での従業員同士のコミュニケーションが取りにくく、業務が個人プレーになりがちです。そのような企業では、部署内のコミュニケーション活性化を目的に、グループウェアを導入して成功しているケースが多くあります

多くのグループウェアに搭載されているチャット機能を使えば、リアルタイムで特定の個人やグループでの情報・意見交換ができ、新人でも安心して業務が進められます。また、Web会議機能搭載の製品もあり、メンバーが集合しなくてもミーティングの開催が可能です。

業務効率化

働き方改革が進められる中、業務の効率化は企業において大きな課題です。グループウェアは業務の効率化も図れるソフトウェアであり、グループウェアによって業務を少人数で行うことができ、働き手不足の解消や業務拡大の対応にも効果があります。

グループウェアを使うことで、社内ミーティングの回数を減らすこともでき、出先への直行や直帰もしやすくなります。しかし、社内ミーティングの減らし過ぎは、業務の属人化が進む恐れがあるため、注意が必要です。

また、業務の効率化には、各種の申請や承認の効率化が図れるワークフロー機能を搭載したものがおすすめです。ワークフロー機能では、書類を電子化して承認者全員が共有することで、承認者がどこにいても書類確認・承認を可能にします。

ペーパーレス化の促進

グループウェアでは、さまざまな情報を電子化して共有できます。したがって、今まで紙媒体で共有していた情報をグループウェアに書き込むことで、時間や場所を問わず共有でき、多くのシーンでのペーパーレス化を可能にします。

企業のペーパーレス化は、コスト削減や業務の効率化ばかりでなく、環境保護を進める企業としてのイメージの向上にも有効です。

リモートワークの推進

少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児や介護との両立などの働く人のニーズの多様化から、企業には働き方改革への対応が求められています。その要求に応える手法の1つが、リモートワークを可能にするグループワークです。

リモートワークでは、チャットや掲示板での連絡・報告や、Web会議で顔を見ながらの相談など、社外にいながらメンバーとのコミュニケーションが図れます。それにより、リモートワーク推進の弊害であった意思疎通の欠如に対する解決が可能です。

グループウェアの導入に関する注意点

グループウェアで行うコミュニケーションの活性化の目的は、情報伝達や共有の迅速化で、一般的なコミュニケーションツールとは異なります。ここでは、グループウェアの導入に関する注意点を2つ解説します。

部門や役職を超えたコミュニケーションには向かない

グループウェアはチーム内での活用に特化した設計がされているため、部門や役職をまたいだコミュニケーションには不向きです。

また、グループを作成するには管理者の承認が必要であり、従業員が自由にグループを作成することはできません。そのため、部門や役職を超えたコミュニケーションだけでなく、流動的にチームメンバーの増減が行われる場合もグループウェアは不向きと言えます。

自社が求めているコミュニケーションがグループウェアで実現できるか入念に確認した上で、導入に移りましょう。

コミュニケーションの円滑化以上の目的には機能不足

グループウェアは、コミュニケーションを円滑にすることであらゆる業務を効率化するツールです。情報伝達や共有がスムーズになった結果として業務が効率化するのであって、グループウェアが直接的に効率化を実現しているわけではありません。

グループウェアは非常に多機能であり、さまざまな業務の効率化に役立つ機能が搭載されていることから勘違いしやすいですが、特定の業務に特化してはいないため、導入目的がグループウェアで実現できるか入念に確認しましょう。

目的達成に近づくグループウェア運用5つのポイント

業務効率化といってもさまざまな分野に枝分かれし、その分野に適した形でグループウェアは展開されています。

数あるグループウェアから自社の課題に合ったものを選び、目的達成を行うためにはどこに着目するべきなのか、今回は5つのポイントに絞って解説していきます。

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目的に合った機能があるか確認する

グループウェアは、多くのベンダーからさまざまな製品が提供されていますが、製品によって搭載されている機能は大きく異なります。したがって、導入目的を達成するための機能が搭載された製品の選択が重要です。

また、予算と機能のバランスの取れた費用対効果の高い製品であることも条件となります。導入目的を達成する機能を持った費用対効果の高い製品を選ぶには、自社が抱えている課題から自社に必要な機能を洗い出して、機能選択を行うのがおすすめです。

導入目的・ルールを周知する

グループウェアを実際に使うのは従業員です。したがって、導入前に従業員に何を改善するために導入するのかなどの導入目的を周知し、理解してもらうことが重要です。理解がないままの導入は、効果的な利用に至らず、活用度が下がって導入失敗の原因になります。

また、グループウェアを最大限活用するには、運用ルールの策定・周知と見直しも必要です。ルールでは、件名やタイトルの付け方、メールやチャットの使い分け方などを指定しましょう。ただし、厳しすぎるルールは、活用を阻害するリスクもあり注意が必要です。

自社に合った導入形態を選ぶ

グループウェアの導入形態は、大きく分けてクラウド型とオンプレミス型の2種類があります。クラウド型は、ベンダーのサーバーにあるソフトウェアをインターネットを介して利用する方法で、オンプレミス型は自社のサーバーで運用する方法です。

それぞれに、メリットとデメリットがあるため、よく検討して自社に合った導入形態を選びましょう。

クラウド型オンプレミス型
特徴ベンダーのサーバーで運用する自社のサーバーで運用する
メリット・導入コストが抑えられる
・システム管理の必要がない
・カスタマイズ性が高い
・自社に合わせたセキュリティ対策ができる
デメリット・月々の使用料が必要
・自由なカスタマイズができない
・セキュリティ対策はベンダーに依存
・導入費用が高額
・システム管理が必要
・自社でサーバーの整備が必要
おすすめな企業・一度に大きな予算化ができない企業
・システム管理を行う人材がいない企業
・簡単にモバイル端末を活用したい企業
・一度に大きな予算化が可能な企業
・システム管理に詳しい人材がいる企業
・セキュリティ対策を強化したい企業
・自社独自の機能を充実させたい企業

操作が簡単なものを選ぶ

グループウェアは、チーム全員が利用することで大きな効果を発揮します。チームの中には、IT機器の扱いに慣れた人から、取り扱いが苦手な人までいることもあります。そのため、操作が簡単で誰でも使いこなせるグループウェアを選ぶ必要があります

操作が簡単なものを選ぶ際には、直感で操作できるものがおすすめです。特にスマートフォンからのアクセスも可能なグループウェアでは、老眼の従業員がいることも想定して、見やすい文字の大きさであることも確認しましょう。

無料トライアルで比較してから導入する

グループウェアには、無料トライアルで実際に操作感や機能を体験できる製品が多くあります。無料トライアルの期間はベンダーによって異なりますが、実際に体験してみて初めてわかることも多いため、積極的な利用がおすすめです。

ただし、グループ数や参加人数などに制限が設けられていることもあり、規定内での利用に限られることに注意しましょう。

おすすめのグループウェア10選|選び方や導入フローも解説

グループウェアとは、組織内のコミュニケーションや情報共有を円滑化するためのツールです。業務効率化に効果が期待できますが、多数の製品や機能があり、どれを選ぶべきか迷う企業も多いでしょう。この記事では、おすすめのグループウェアや選ぶ際のポイントを解説します。

まとめ

グループウェアとは、企業の業務を効率化させる複合的な機能を持ったソフトウェアのことで、情報共有の迅速化やコミュニケーションの活性化などを目的として、多くの企業で導入されています。自社に導入する際には、自社に最適なグループウェアの選択が重要です。

しかし、製品によって搭載機能の違いが大きく、製品選びが難しい場合も多いです。そのため、導入の際には、導入目的達成のために必要な機能の選択を慎重に行う必要があります。上手く運用できれば、業務の効率化や働き方改革など多方面の課題への対応が可能です。

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