社内SNSが盛り上がらないのはなぜ?失敗の原因と盛り上げ方を解説

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  • 社内SNSを導入しても、利用する人や頻度が少なく導入効果が出ないこともある
  • 導入目的や使い方がわからない、上司の目が気になるといった原因が考えられる
  • 従業員に対して研修を行い、気軽に利用できる環境づくりに取り組むことが有効

社内SNSは社内のコミュニケーションを活性化させるのに非常に有用なツールですが、一方で「導入したものの盛り上がらない」といった失敗事例も多く見られます。本記事では、社内SNSが盛り上がらない原因と、盛り上げるための施策・ツールの選び方について解説します。

目次

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  1. 社内SNSを導入したものの盛り上がらない
  2. 社内SNSが盛り上がらない原因
  3. 社内SNSが盛り上がるメリット
  4. 社内SNSを盛り上げる方法
  5. 社内SNSを盛り上げるためのツール選定のポイント
  6. まとめ

社内SNSを導入したものの盛り上がらない

社内SNSとは、利用者を企業内に限定したSNSであり、従業員間のコミュニケーションの活性化や業務の効率化を目的として、多くの企業で導入されています。また、ナレッジの蓄積や従業員エンゲージメントの向上、人材の定着などの効果にも期待できます。

しかし、社内SNSを導入したにも関わらず、思ったほどの盛り上がりが見られず、効果も感じられない企業も少なくありません。そればかりか、従業員に煩わしく思われてしまうこともあります。

それらの失敗事例では、下記にあるような3つの状況になっていることが多いです。これらの原因を把握し解決することで、社内SNSの活用度を高め効果が得られるようになります。ここからは、下記の3つの状況が起こる原因について解説します。

社内SNSとは?メリット・デメリット、ツールの機能や選び方を解説

社内SNSとは、社内限定で利用できるビジネス用SNSのことです。社内のコミュニケーション不足の解消や迅速な情報共有の手段として役立ちます。本記事では、社内SNSをよく知らない方・導入を検討している方のために、社内SNSのメリットや機能、選び方を解説しています。

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利用する人や頻度が少ない

社内SNSが盛り上がらない状況の一つに、利用している人や投稿数が少ないことがあります。このような社内SNSは、新たなナレッジの獲得が期待できず、従業員にとって魅力がありません。そのため、さらに投稿数が減るなどの悪循環に陥ります。

この状況を解消するには、従業員が投稿しにくい雰囲気や理由がないかの点検が必要です。上司の目やほかのコミュニケーションツールの存在など、多方面から社内SNSの活用を阻害している要因を探す必要があります。

投稿内容にバリエーションがない

投稿内容が特定方面に偏ってしまう状況も失敗事例にはよく見られます。特にひどい場合は、従業員同士の私的な連絡が多くなったり、定例の業務報告に終始したりする現象が見られる場合があります。社内SNSで重要なのは、従業員同士の有益なナレッジの共有です

この原因には、社内SNS導入目的や運用ルールが従業員に浸透しておらず、何を投稿していいかわからなくなっている可能性があります。また、管理者側からバリエーションが広がる投稿をすることも必要です。

投稿に対するリアクションがない

一般のSNSも同様ですが、社内SNSでも投稿に対するリアクションが少ないことは、SNSが盛り上がらない原因となります。投稿にリアクションがないと、必要な事項であっても次の投稿を行う意欲がそがれてしまいます

日常的にSNSを利用している人はリアクションの大切さを理解していますが、従業員の中には、慣れていない人もいます。また、慣れた人でも上司に対するリアクションの方法に迷う場合もあります。リアクションについても、ある程度ルール化が必要です。

社内SNSが盛り上がらない原因

社内SNSが盛り上がらない状況が起こるにはさまざまな原因があります。その原因を突き止めて、それを解決すれば徐々に効果が出始めます。ここでは、よくある原因と解決法について解説します。

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導入目的や必要性が周知されていない

まず、社内SNSを導入する際に重要なのは、従業員が導入目的や必要性を理解することです。このステップが確実に実行されていないと、一般で利用されているSNSと社内SNSの違いが明確にならず、社内SNSの積極的な利用につながりません。

社内SNSの主な目的は、ナレッジの共有と新しいナレッジの創造、従業員同士の素早い情報共有、社内のコミュニケーションの活性化です。そして、社内SNSを導入して、何をどのように改善したいのかを明確にして、従業員に理解してもらうことが重要です。

操作方法や利用シーンが理解できていない

日常生活でSNSを十分に活用している従業員もいますが、年齢の高い層の従業員には、操作方法や利用シーンが理解できていない場合も多いです。しかし、優良なナレッジを持っている高年齢層の社内SNSの活用が広まらないと、十分な導入効果が見込めません

したがって、操作方法を初めてSNSを利用する従業員にもわかりやすく伝える必要があります。また、利用シーンなどの例示や好ましくない投稿などを明確にしておくと、社内SNS活用方法の理解につながります。

既存のツールから移行できていない

既に従業員のコミュニケーションツールとして、メールやチャット・テレビ会議などが定着している企業では、社内SNSを導入しても使い慣れた既存ツールへの依存度が高くなり、社内SNSが利用されないツールになってしまう場合があります。

したがって、社内SNSの導入前に、社内で利用されているコミュニケーションツールの現状を把握する必要があります。もし、既存のツールで社内SNSの導入目的が達成されているのであれば、社内SNSを導入する必要はありません。

既存のツールでは不十分な部分を補うために社内SNSを導入するのであれば、各ツールの使用目的を明確にして、それぞれのツールの住みわけを行いましょう。また、既存ツールを廃止して、社内SNSに移行するという方法もあります。

社内SNSの運用ルールがない

社内SNSの運用ルールを定めることは、上記の原因の発生防止になるほか、あらゆる面で社内SNSの活用を活発化させることにつながります。運用ルールがないと、「使っても使わなくてもいいツール」と認識されて、盛り上がりに欠ける社内SNSとなりがちです。

ルールには、利用時間制限・アイコン設定・リアクション・投稿内容・既存ツールとの使い分け・プライベート利用の禁止などが考えられます。基本は、誰でも投稿しやすく親しみやすい運用ルールにすることです。

プライベートな投稿が多い

運用ルールがないことと関連していますが、業務には関係のないプライベートな投稿が多い場合は社内SNSの盛り上がり方が誤っていると言えます。業務連絡だけを行うのであればSNSを導入する必要はなく、プライベートな投稿も社内SNSには必要です。

しかし、プライベートな投稿が多すぎると業務に関する情報が埋もれてしまい、業務の効率化が図れません。交流を深めるためだけに社内SNSを導入するのであれば、プライベートな投稿が多くても導入目的は果たせます。

一方で、コミュニケーションの活性化と業務の効率化の両方を実現したい場合は、プライベートな投稿と業務に関係する投稿のバランスが重要です。

投稿に関する制約が多い

運用ルールの策定は重要ですが、厳しすぎて使いにくい社内SNSになってしまうことも多く見られます。社内SNSは、従業員の自由な意見交換により新たなナレッジを生み出す場です。そのため、従業員が意見を出しやすい環境づくりが大切です。

しかし、ルール以外にも目に見えない制約がかかっている場合も多く、上司の投稿がこれに該当しやすいです。上司が1つの意見として投稿するのは従業員にとって有益な情報ですが、一方的な否定は従業員にストレスがかかり、投稿しなくなる原因になり得ます。

一般のSNSでは投稿者の上下関係はあまり見られませんが、社内SNSでは投稿者の上下関係は特に大きく影響します。社内SNSの投稿は、上の立場の人ほど配慮する必要があります

経営陣や上司の目が気になる

先に解説したように、投稿者の上下関係は社内SNSの活性化に大きく影響します。特に経営陣や上司に監視されている雰囲気があると、投稿数が減るばかりでなく、投稿があっても当たり障りのない内容となり、盛り上がりに欠けた社内SNSとなります。

特に社内SNS上で誰かが上司から叱責されたような例があると、多くの従業員がストレスを感じ萎縮してしまいます。その結果、社内SNSの必要性を感じなくなります

しかし、社内SNSは経営陣や上司が従業員とコミュニケーションがとれ、上手に利用すれば、現場の声を経営に反映できるいい機会となります。SNSは文面だけのコミュニケーションで誤解も生まれやすいことを承知して、伝え方に注意しましょう

社内SNSが盛り上がるメリット

従業員が持つナレッジは、企業の資産です。しかし、特定の個人だけが持つノウハウなどのナレッジは企業資産とはならず、継承もできません。これらを企業資産に変化させられるのが社内SNSです。

ナレッジを企業資産にするには、優れたノウハウを蓄積している年齢層でも気軽に投稿できる社内SNSにする必要があります。これにより、伝承されたナレッジが部下たちの手で新たなナレッジへと生まれ変わり、企業資産として蓄積されていきます。

また、経営陣にとっては、経営ビジョンを従業員に直接伝えられる場となります。そして、投稿に対して従業員が反応することで、従業員へのビジョンの浸透が期待できます。そのためにも、従業員が経営陣の投稿にコメントできる気軽さが社内SNSには求められます。

社内SNSは、所属する部署にかかわらず従業員同士のコミュニケーションが図れるため、今までとは異なった面からの意見が聞けるのも大きなメリットです。それにより、幅広く考えることのできる従業員の育成ができ、業務の遂行もスムーズになります。

社内SNSを盛り上げる方法

ここからは、社内SNSを導入した成功事例や失敗事例から導き出された、社内SNSを活性化するためのさまざまな手法を解説していきます。

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社内SNS導入後のビジョンを明確にする

まず、社内SNS導入後のビジョンを企業が明確に持つことが重要です。そして、そのビジョンと目指す方向性が全従業員に浸透し共有できれば、企業全体が足並みをそろえて動き始め、従業員の社内SNS活用のモチベーションが上がります。

しかし、ビジョンの共有には時間がかかります。そのため、ビジョンが従業員に浸透する前に導入されると、従業員は「また手間のかかることを始めた」といった印象が強くなり、ビジョンの浸透を阻害します。よって、ビジョン浸透の作業は導入前から行いましょう。

従業員が扱いやすいツールを選ぶ

SNSの活用への慣れ不慣れや年齢層、ITツールへの親和度などを考慮し、誰もが扱いやすいツールの選択が社内SNSを盛り上げるには必要です。扱いやすいツール選びでは、まず直感的に操作ができることを重視するのがおすすめです。

閲覧までのステップが少ない方が、投稿やリアクションが気軽にできます。また、老眼の従業員も多い場合は、スマートフォンで利用する際の文字の見やすさも重要です。希望者には、文字の大きさの変更方法を教えられる体制も必要です。

導入目的や利用方法を研修で伝える

社内SNSが盛り上がりに欠ける原因には、企業が社内SNSで行おうとしていることや、利用方法がわからないことにある場合も多いです。このような企業では、導入目的や利用方法の研修が行われていなかったり、研修が失敗していたりする可能性があります

研修では、目的やビジョンを伝えるとともに、利用方法や運用ルールに関する内容も必要です。操作方法は、簡単でシンプルなツールが選択されていれば、それほど難しくはありません。研修では、従業員の社内SNS活用のモチベーション向上に重点を置くのが効果的です。

最近では、一斉に従業員を集める研修でなく、e-ラーニングやビデオ会議システムなどを利用した社内セミナーの開催が増えています。研修で聞きもらしたところを見直せる利点もあり、おすすめの研修方法です。

管理者や問い合わせ窓口を設置する

社内SNSの利用に不安がある従業員でも安心して利用できるように、社内SNSの管理者や問い合わせ窓口を設置するのも盛り上げるために効果的です。また、トラブルがあった場合にも早期発見・早期対応できるのも窓口設置の利点です。

管理者は、従業員間の適正なコミュニケーションを見守る役割も果たします。時には、投稿トピックの提供による投稿内容の偏りの改善や、ディスカッションの活発化を促進する役割も担うことから、管理者の存在は社内SNSの活発化に大きな影響を与えます

運用ルールやガイドラインを明確に定める

ルールがないまま社内SNSを運用すると、一般のSNSと同じような投稿が多くなり、一部の従業員のみが利用するSNSになるなどの弊害が起こります。そのため、社内SNSには必ず運用ルールやガイドラインを定め、周知することが必要です。

そして、運用ルールやガイドラインの制定は、活用方法が明確化され、誰でも利用しやすい環境づくりにつながります。ルールの中に、個人のプライバシーを暴いたり、個人や集団を誹謗中傷したりする投稿の禁止など、従業員を守る事項を含めることも大切です。

また、運用ルールには、誰でも投稿しやすいように投稿の文体や、利用できる絵文字の制限なども必要です。しかし、ルールが多いことで、締め付けや強制が感じられるようなルールは従業員の投稿を阻害するため、注意が必要です。

経営陣や上司が積極的に環境づくりを進める

社内SNSを活性化させるためには、経営陣や上司が積極的に環境づくりを進めることが大切です。経営陣が目的やビジョンを立て、研修会を開くなどして社内SNS活性化のための環境をつくりましょう。

しかし、経営陣や上司の役割はそれだけではありません。経営陣や上司が率先して社内SNSを利用することも、活性化に必要なことです。社内SNSは、経営陣や上司が従業員とコミュニケーションが図れる場を提供するツールです。

たとえば、経営陣が施策立案のためのアイデアを募集したり、自分の考えに対する従業員の意見を聞いたりすることで、従業員はより深く経営陣の考えを理解できます。実際に施策を出した際にも、それを実行するモチベーションが高まります。

ただし、社内SNSを利用する以上、経営陣や上司にも運用ルールは適用されます。また、個人を中傷したり、高圧的な物言いをしたりする投稿は逆効果となるため、細心の注意が必要です。

導入効果を定期的に確認して改善を図る

社内SNSを導入したら、画面上で確認できる投稿やリアクションだけでなく、より深い部分での導入効果の測定をして改善を図ることも重要です。効果の確認には、アクセス解析機能を搭載したツールの導入がおすすめです。

アクセスツールでは、ページ・部署ごとのアクセス数・時間とアクセス数の関係・各機能の利用状況などがわかり、改善箇所や起こすアクションの明確化ができます。効果測定を定期的に行うことで、徐々に盛り上がる社内SNSに育ちます。

社内SNSを盛り上げるためのツール選定のポイント

社内SNSを盛り上げるには、自社に適した社内SNSツールを導入する必要があります。自社とマッチしていないツールを導入した場合、扱いにくさなどの問題が生じ、盛り上がらないという結果になりやすいです。

自社に適した社内SNSツールを選定するには、以下の4つのポイントを確認しましょう。これらを確認することで、自社に適した社内SNSツールがどうか見極められます。

  1. 導入目的に適した機能が搭載されているか
  2. 年齢や部署を問わず全社員にとって使いやすいか
  3. 既存のシステムと連携できるか
  4. セキュリティ対策に不足はないか

まとめ

社内SNSは、社内のコミュニケーション活性化に非常に有用なツールです。しかし、「導入したものの盛り上がらない」といった失敗事例が多いのも事実です。その原因には、導入目的や操作方法がわからないことや、上司の目が気になるなどの原因が考えられます。

それらを解決して社内SNSを盛り上げるには、従業員に対しての研修や、気軽に利用できる環境づくりが重要です。また、従業員を委縮させない適度な運用ルールの策定も重要であり、社内SNSを盛り上げるためのポイントです。

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