モバイルデバイス管理(MDM)にかかる費用|料金体系や価格相場を解説

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  • 一般的に、モバイルデバイス管理(MDM)ツールには初期費用と月額費用がかかる
  • デバイス・OSの種類や機能によって複数の料金プランに分かれるMDMツールが多い
  • MDMツールを選ぶ際は無料トライアルなどを活用し、価格以外も確認することが重要

モバイルデバイス管理(MDM)を行うには、MDMツールの導入が必要です。しかし、ツール導入には費用がかかるため、慎重な検討が求められます。この記事では、MDMツールの料金体系や価格相場について、注意点なども交えてわかりやすく解説します。

目次

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  1. モバイルデバイス管理(MDM)ツールには費用がかかる
  2. MDMツールの料金体系と価格相場
  3. オンプレミス版は料金体系が異なる
  4. 無料のMDMツールの注意点
  5. MDMツールを少しでも安く導入するポイント
  6. MDMツールを選ぶ際は価格以外にも注目
  7. まとめ

モバイルデバイス管理(MDM)ツールには費用がかかる

モバイルデバイス管理ツールとは、業務用に支給されている従業員のスマホ・iPhone・タブレットなどのモバイル端末を一元管理するツールです。なお、モバイルデバイス管理は、英語では「Mobile Device Management」といい、頭文字をとって「MDM」と呼ばれます。

MDMツールの導入によるメリットは、各従業員のデバイス・アプリの一元管理や盗難対策、不正利用の防止を実現できることです。

一方で、MDMツールの導入には、初期費用・ランニングコストなどの諸経費がかかります。MDMツールは長期間の運用を前提とするため、費用は特に重要なシステム選定基準です。

本記事では、MDMツールの価格相場や、コストを下げるためのポイントなどをご紹介していきます。

MDMとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

MDMとは、スマホやタブレットなどのモバイル端末を一元管理・運用できるソフトウェアです。合わせてセキュリティの維持・強化もでき、情報漏洩の防止にも役立ちます。本記事では、MDMのメリット・デメリットや機能、選び方を解説しています。

MDMツールの料金体系と価格相場

MDMツールには、「初期費用」と「月額費用」などのコストがかかります。また、製品によっては複数の料金プランや有料オプションが用意されており、ツール選定の際は、自社の予算と比較することが大切です。

ここでは、MDMツールの一般的な料金体系と価格相場をご紹介します。

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初期費用と月額費用

MDMツール導入には、初期費用と月額費用の2種のコストが発生します。初期費用の内訳としては、入会金・導入サポート料金・アカウント登録料などが代表的です。製品によっては、初期費用が無料のものもあります

一方、月額費用は、いわゆる「システム利用料金」にあたります。月額費用には、端末台数ごとに料金が発生する「月額従量制」が採用されていることが一般的です。ただし、月々一律の利用料金が発生する「月額固定制」のMDMツールもあります。

それぞれの費用の相場は次のようになっています。

初期費用の相場月額費用の相場
0円~50,000円(1端末あたり)150円~2,000円

複数の料金プラン

MDMツールサービスの中には、複数の料金プランが用意されているものもあります。各プランによって、次のような項目で差が出るため、自社の要件に合ったプランを選択しましょう。

デバイスやOSの種類

MDMツールで管理するデバイス・OSの種類によって、料金プランが変動します。たとえば、低料金のMDMツールの場合、 iOSとAndroidにのみ対応したスマートフォン専用のものが多いです。

一方で、やや高額なプランは、上記に加えてWindows・Macにも対応しており、パソコンも管理できます。ただし、具体的な料金や対応可能デバイス・OSは、製品や提供会社によって異なるため、確認が必要です。

デバイスやユーザーの数

月額固定制が採用されているプランの場合、管理できるデバイス数・ユーザー数によって料金が変動することが多いです。たとえば無料プランは5名まで、有料プランは30名までのような設定がされています。

管理すべきデバイスやユーザー数が多いほど、MDMツールには、複雑なセキュリティ機能や権限管理機能が求められるため、料金が高額になりやすい傾向にあります。

管理機能の範囲

管理機能の範囲によって、料金プランが細分化されている場合もあります。MDMツールの管理機能とは、たとえばコンテンツやアプリケーションの設定、接続可能なインターネットの指定、遠隔操作による端末のロック機能などです。

一般的には、複雑な管理機能を備えた製品ほど、月額料金が高額になります。ツールを選定する際は、自社が求める管理機能を明確にし、料金と搭載機能が見合っているか検討することが大切です。

有料のオプションやサポート

MDMツールによっては、有料のオプション機能やサポートサービスが用意されています。オプション機能としては、ウイルス対策機能やWebフィルタリング機能などが代表的です。

一方、サポートサービスには、導入支援や活用方法のアドバイス、トラブル対応などが含まれます。これらの料金設定は、製品やプランによって異なりますが、次のような形態が一般的です。

  1. オプション機能:月額払い
  2. サポートサービス:都度払い/年額払い

MDMツールを導入する場合は、これらの費用も見積もっておく必要があります。

オンプレミス版は料金体系が異なる

MDMの多くはクラウド型ですが、中にはオンプレミス型の製品もあります。クラウド型とオンプレミス型では、料金体系が異なる点に留意しましょう。

一般的なオンプレミス型の料金体系は、「初期費用」と「ライセンス費用」の2種類で、クラウド型のような「月額費用」は発生しません。

また、オンプレミス型は、MDMツール導入にあたってIT環境を自社で整備しなければならないため、クラウド型に比べて、初期費用が高額になりやすい点にも留意が必要です。

クラウド型とオンプレミス型の違い

クラウド型とオンプレミス型の違いは、サービスの利用時にインターネットを経由するかどうかです。

クラウド型は、インターネット上に設置されたシステムにアクセスして利用する形態です。そのため、サービスの利用には通信環境が必須となります。

一方、オンプレミス型は、自社サーバーにソフトウェアをインストールして利用する形態のため、サービスはオフラインでも利用可能です。

クラウド型オンプレミス型
利用形態インターネットに接続してサービスを利用する自社サーバー経由でサービスを利用する
特徴初期費用が比較的安いランニングコストがかかる通信環境が必須運用・保守は提供会社が行う初期費用が高額になりやすいランニングコストが比較的安いオフラインでも利用できる運用・保守は自社で行う

無料のMDMツールの注意点

MDMツールの中には、無料プランが用意されているものや、オープンソースのMDMツールも存在します。ただし、無料のMDMツールには注意点があるため、十分な理解が必要です。

まず、無料プランのMDMツールは、有料ツールに比べて機能数や管理できる端末の台数が少ないことが一般的です。また、製品によっては、ずっと無料で使い続けられるわけではなく、一定期間を過ぎると有料プランへの切り替えが必要になります。

一方、無料のオープンソースのMDMツールは、原則として永続的に無料で利用可能です。ただし、システムの開発・運用を自社で行う必要があり、この作業には多くの時間・手間がかかるほか、専門的な人材の確保が必要になります。

さらに、MDMツール運用の証明書として、MDM用のPush証明書などの取得が必要であり、この手間や手数料がかかる点にも留意しておきましょう。これらの注意点を考慮したうえで、利便性やスムーズな運用を求めるなら、有料プランの検討をおすすめします。

MDMツールを少しでも安く導入するポイント

ここまで、MDMツールの価格相場や料金形態について解説してきましたが、なるべく安く導入したいと考える方も多いでしょう。ここでは、MDMツールを少しでも安く導入する方法を2つ解説します。

無料トライアルを活用する

有料のMDMツールの中には、30日~60日程度の無料トライアルが可能なものがあります。無料の利用期間に制限はあるものの、利用することで様々なメリットが期待できます。

たとえば、トライアルの実施により、ツールの操作性自社フローとの相性などを確認可能です。あらかじめツールを試験的に運用しておくことで、新ツールの本格導入後も現場での混乱が起こりにくくなり、スムーズなスタートが期待できるでしょう。

万が一、ツールが自社に合わないと感じる場合も本契約前に断れるため、費用面での損失を最低限に抑えられます。このようなメリットがあることから、MDMツールの無料トライアルは積極的な活用がおすすめです。

管理する端末の台数を見直す

コストを抑える上で、管理する端末の台数の見直しや削減は、最も効果的な方法です。MDMツールの料金形態として一般的な月額従量制では、端末の台数に応じて一台ごとに一定の月額費用がかかるため、台数を減らせばその分コストを削減できます

そのため、MDMツールの導入前に管理する予定の端末の使用状況を確認しておきましょう。具体的には、複数の端末を所持している社員がいないか、使用されていない端末がないか、を確認することにより、コスト削減が見込めます。

MDMツールを選ぶ際は価格以外にも注目

MDMツールは長期的な運用が前提であることから、費用面は特に重要なポイントです。ただし、価格のみに注目すると、必要な機能が利用できない恐れや、求めるレベルのサポートサービスが受けられない可能性があります。

そのためMDMツールを選ぶ際は、価格だけでなく、自社が求める機能・サービスを備えているかも重要な基準となります。また、プランによっては、最低利用台数や最低利用期間が設けられていることもあるため、こちらも忘れずに確認しましょう。

まとめ

MDMツールは、従業員が保有するモバイル端末を一括管理するためのツールです。一般的なMDMツールの利用には、「初期費用」と「月額費用」の2種類のコストが発生します。

また、MDMツールは、プランによって利用できるデバイス・OSやユーザー数、管理機能の範囲が異なり、これに応じて料金が変動する点に留意しましょう。さらに、オプション機能やサポートサービスなどの別途料金が発生することもあります。

MDMツールの中には、無料プランや無料で利用できるオープンソースのものもあります。ただし、これらは機能や利用期間が制限されているほか、システムの開発・運用などを自社で行うことが前提です。

このように、MDMツールは、機能・サポートサービス内容・利用プランによって価格が大きく変動します。そのため、MDMツールの選定では、価格だけでなく、価格に見合った機能・サービスが利用できるかどうかを確認することが大切です。

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