Web会議の事前準備・進行方法を解説|参加者の注意点・マナーも

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  • コミュニケーションが取りづらいWeb会議において、事前準備は重要である
  • 参加者のIT知識の差や会議内容の理解度を確認して、配慮する必要がある
  • 発言方法・ミュート設定など参加者のマナー意識も重要である

近年需要が高まるWeb会議は、場所を選ばず参加できる利便性の高さが魅力です。しかし相手の反応が見えにくいなどリモート特有の懸念点もあります。本記事では、スムーズにWeb会議を行うため、事前準備・進行方法・参加者の注意点などを解説します。

目次

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  1. 近年需要が高まるWeb会議とは
  2. Web会議進行の流れとポイント
  3. 会議の参加者が守るべきマナーや注意すべきポイント
  4. Web会議をスムーズに行えるシステムを導入する
  5. まとめ

近年需要が高まるWeb会議とは

Web会議(オンライン会議)は、インターネットを通じてビデオや音声を使って会議を行う方法です。最近では、その需要が急速に高まっています。その理由の1つに、場所に関わらずさまざまな人々が参加できる利便性があります。

以前は会議を行う場所に人々が集まる必要がありましたが、Web会議であればオフィスや自宅など、どこからでも参加できます。しかし、Web会議にはいくつかの懸念点も存在します。まずは、Web会議のメリット・デメリットから確認していきましょう。

Web会議のメリット

Web会議は、インターネット環境と端末があれば場所を選ばずに参加できる形式の会議です。これにより、遠方の支社や異なる国にいるチームメンバーも容易に参加できるため、時間や距離の制約を超えて会議を行うことが可能です。

また、従来の対面式では会議室の手配や会議資料の用意に手間がかかりましたが、オンライン会議ではシステム上で会議室を用意し、資料も電子化されたものを事前に送信するだけで済みます。これにより、手間やコストの削減と同時に、効率的な情報共有が実現されます。

Web会議のデメリット

Web会議のデメリットは、直接顔を合わせないために細かな表情や雰囲気を読み取りにくいことです。対面ではないため、微妙なニュアンスや表情の変化が見えづらく、意思疎通が難しくなることがあります。

そのため、コミュニケーションの齟齬や誤解が生じることもあります。さらに、インターネットの通信状況が悪いと、会議が途切れたり、音声や映像が乱れたりする可能性があります。これにより、議論が途切れることや参加者が不満を抱くこともあります。

Web会議進行の流れとポイント

Web会議のデメリットを払拭し、スムーズに進行するためには、Web会議の特性を把握して適切な手順に沿って行う必要があります。以下では、基本的なWeb会議の進行手順とポイントについて解説します。

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事前準備のポイント

オンライン会議の成功には、事前の準備が非常に重要です。対面での会議でも事前準備はもちろん重要ですが、Web会議では対面とは必要な準備が多少異なります。気軽に開催できるゆえに、見落としがちなポイントもあります。以下では、具体的なポイントを解説します。

会議の参加者や進行シナリオをよく確認する

Web会議を開催する側は、会議を滞りなく進行するために、参加者や進行シナリオを事前によく確認しておきましょう。

入室確認や会議中の発言促進のためだけでなく、参加者に過不足がないか事前に確認する意味でも参加者の確認は重要です。たとえば、発言はせず聞くだけの傍観者(オブザーバー)が増えすぎると、発言者が話しにくくなる可能性があります。

また、参加者の中にはITツールに慣れていない人もいるかもしれません。可能であれば、会議本番前にサポートをしておくと良いでしょう。

同時に、進行シナリオを用意してシミュレーションを行っておくことも重要です。時間内に議論をゴールに導くことも開催側の司会者の役目であるため、準備は入念に行いましょう。

会議の目的・議題は事前に共有する

会議の前に目的や議題を共有するのは、参加者が準備を行いやすくするだけでなく、会議全体の効率を上げるためにも重要です。参加者が会議の目的や議題を把握していると、会議中により集中でき、具体的な提案や議論がしやすくなるためです。

さらに、事前に資料を配布することで、会議で焦点を合わせるべき点や議論する内容を把握できます。会議の円滑な進行や効果的な議論を促進するために、これらの情報を共有することが大切です。

参加者は事前に配られた資料を通じて会議内容についての考えを整理し、会議に集中できるよう準備ができます。

接続テストは余裕を持って行う

実際の会議が始まる前に接続状態を確認することで、問題やトラブルを事前に発見し対処できます。接続テストでは、カメラやマイクの動作確認だけでなく、画面表示の切り替えや音声のオン・オフなど、会議中に必要な機能をテストしておきます。

このテストを疎かにしてしまうと、会議中にトラブルが発生するリスクが高まります。時間に余裕を持って接続テストを行うことで、環境設定や操作に問題があれば修正できます。

併せて、参加者に対しても初めて利用するWeb会議システムの場合や接続環境が今までと変わった場合には、事前にテストを行うよう呼びかけましょう。たとえば、自分の声が聞こえない、カメラが映らないなどの問題は、テスト中に発見して解決することができます。

スケジュール・入室URLはリマインドする

スケジュールや入室URLをリマインドするのは、会議参加者が確実に会議に参加するために大切です。忙しいスケジュールの中で、会議の日程やURLを忘れてしまうことがあります。

リマインダーを送ることで、参加者は会議の予定を再確認でき、会議に参加する準備を整えられます。URLや日程をリマインドされることは、会議の目的や内容を忘れないようにするのにも役立ちます。

サブファシリテーターを任命する

ファシリテーターは、会議を円滑に進行させる司会者のことです。一方、サブファシリテーターはその補助役で、参加者全体のスムーズな参加やコミュニケーションの円滑化をサポートする役割を担います。

たとえば、接続トラブルや音声の問題など、急なトラブルが発生した際に即座にサポートを行います。また、チャット機能などを使って重要な情報のアナウンスを行ったり、参加者同士のコミュニケーションを促進したり、会議の活性化を図ります。

サブファシリテーターが参加者のサポートや場の雰囲気作りを行うことで、会議全体の円滑な運営を支えます。

司会進行者は早めに入室する

司会進行者が早めにログインすることで、他の参加者が安心できる環境を整えることができます。技術的な問題や接続トラブルが発生した場合も、それらに対処できる時間を確保できます。

参加者が不安なく会議に参加できる環境を整えることで、会議がスムーズに進行します。技術的な問題や接続トラブルがあっても、司会進行者が準備万端であれば、問題を修復してから会議をスタートできます。

また、司会進行者が一番最初に入室して参加者を迎える態勢をとることで、参加者も安心して入室・待機することができます。特に初対面の人の場合は相手の不安も大きいので、こうした細かな配慮が大切になってきます。

会議中の進行のポイント

会議中においても、開催側が気をつけるべきいくつかのポイントがあります。以下では、会議中の進行に関するポイントを解説します。

参加者が発言しやすい雰囲気を作る

Web会議では、参加者が発言しやすくするための雰囲気作りが重要です。そのために、「チェックイン」と呼ばれる手法が効果的です。これは、会議の冒頭で参加者が簡単な挨拶と自己紹介をし、今の気分などを共有する方法です。

初対面の場では短い自己紹介をし合い、定期的な会議ではその日の気分や最近の関心事を話し合います。これにより、参加者同士の緊張がほぐれ、コミュニケーションがスムーズに進みます。

チェックインは心理的距離が遠くなりがちなオンライン会議で特に有効で、参加者同士の関係性を築きながら、会議全体の質を向上させます。

会議の目的・ゴール・ルールを共有する

Web会議では、会議の目的やゴール、そして進行ルールを共有することが非常に重要です。これによって、参加者全員が会議の方向性を把握し、円滑な進行が可能となります。

たとえば、発言しないときはマイクをミュートにすることで、ノイズを抑えて会話をクリアに保ちます。他の人の発言を途中で遮らないことも大切で、互いに尊重し合い、意見を聞き合うことができます。

事前に挙手をしたり、名前を名乗ってから発言したりすることで、会話が混乱することを防ぎます。発言者は「以上です」とコメントして発言を終えると、次の発言者にスムーズにバトンを渡すことができます。

さらに、カメラのオン/オフに関するルールも必要です。質問や意見を述べる際に、カメラをオンにするかオフにするかをルール化することで、参加者同士のコミュニケーションや議論が円滑に行えます。

参加者紹介と各自の役割共有をする

Web会議では、参加者が誰であり、どのような役割を担っているのかを共有することが重要です。自己紹介や役割共有は、会議全体の円滑な進行と参加者同士の理解を深めるために欠かせません。

特に、リモート環境では同じ空間にいないために参加者同士の把握が難しいことがあります。誰が参加しているのかよくわからなかったり、自分の存在感が薄かったりすると、発言も消極的になってしまいます。

そのため、会議の始めに参加者全員の紹介(名前や所属など)と役割共有を行うことが重要です。これにより、参加者同士が信頼関係を築きやすくなり、発言も促進させることができます。

ホワイトボードやチャットを積極的に活用する

Web会議において、ホワイトボード機能やチャット機能など補助的な機能の使用には大きな利点があります。

ホワイトボードでは、参加者全員が同じ画面を見ながら、アイディアを共有したり整理したりできます。たとえば、アイディアを書き出して、議論を促進させる場面で活用されます。

一方、チャット機能は静かに質問やコメントを送れるので、議論の途中で発言するのが難しい場合や、多くの人数での会議で発言のタイミングが被るのを避けたい場合に便利です。

チャットを通じての質問やコメントを活用することで、会議の進行をスムーズにし、発言機会が限られている人でも議論に参加しやすくなります。

全員が内容を理解しているか確認する

Web会議中には、参加者が内容を理解しているかどうかを確認することが大切です。リモート会議では、表情やちょっとした動きが見えづらいために参加者のリアクションがわかりにくいことがあります。

この問題に対処するため、ファシリテーターは途中で定期的なチェックポイントを設けるのがおすすめです。会議の進行の中で「これまでの内容を振り返りましょう」といった形で、参加者全員が内容を把握しているかを確かめる時間を作るのです。

このようなフォローアップは、参加者が議題を理解し、議論に参加できるようにするための手法です。参加者の理解度や疑問点を把握することで誤解を防ぎ、全員が意見を出し合いやすい状況を作り出します。

このチェックポイントを設けることで、議題の把握が不十分な場合には追加の説明や補足を行い、全体の理解を深めることができます。

会議終了時のポイント

会議終了時には議論を整理し、次のアクションを確定することで、会議の成果を最大限に活かすことができます。ここからは、会議終了時のポイントを解説します。

会議を振り返り今後のスケジュールを共有する

会議終了時に振り返りと今後のスケジュールを共有することは、次の段階へスムーズに進むために大切です。振り返りでは、何が議論されたか、どのような結論に至ったかを明確にします。これにより、議事録の作成もしやすくなります。

そして、今後のスケジュールを共有することで、次回会議やタスクの締め切り、各自がとるべきアクションなどが明確になります。

振り返りは議論の結果を整理し、議事録作成や参加者全体の理解を助ける役割を果たし、スケジュールの共有は議論の結果を踏まえてその後のタスクや責任を明確化する役割を果たします。

参加者から感想をもらう

会議終了時に参加者から感想をもらうことは、会議の充実度を向上させるためにとても大切です。これを行う方法の一つが「チェックアウト」です。これは、会議の最後に参加者が自由に意見や感想を述べる時間を設けるものです。

この時間を設けることで、参加者は自分の考えを述べるチャンスを得ます。感想をシェアすることで、参加者同士のコミュニケーションの機会も増えます。

また、参加者の声を聞くことで、会議の改善点、課題も把握しやすくなります。フィードバックを通じて会議の進行やルール、盛り上げ方について新たな視点を得て、次回の会議をより良く進めるためのヒントをつかむことができます。

会議の参加者が守るべきマナーや注意すべきポイント

ここまでWeb会議開催側のポイントについて解説してきましたが、参加者側にも守るべきマナーや注意すべきポイントがあります。会議への参加は単なる出席だけでなく、積極的に貢献し、効果的なコミュニケーションを図る機会でもあります。

ここでは、会議への参加者が意識すべきポイントや注意すべき点について掘り下げて解説します。

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カメラはオンにして表情・相づちで反応する

Web会議でカメラをオンにすることには、大きなメリットがあります。カメラをオンにすることで、参加者同士がお互いの表情や反応を見ることができます。

顔が見えることで会話がよりリアルになり、参加者同士がお互いの表情や反応から、相手の気持ちや理解度を推し量ることが可能です。これにより、コミュニケーションがより深まり、会議の進行がスムーズになります。

進行役も参加者の理解度やリアクションを見て、会議を進めやすくなります。

マイクは発言時以外はミュートにする

Web会議では、発言時以外はマイクをミュートにすることが重要です。複数のマイクが同時にオンになると、雑音や不要な声が入り込んでしまい、会議全体の音質や聞き取りに支障をきたす可能性があるためです。

途中で余計な音声が入ってしまうと、話が途切れたり理解しづらくなったりすることもあります。そのため、自分が発言する際にマイクをオンにすることで、会議をよりスムーズに進行することができます。

もし参加者が自身のマイクがオンになっていることに気付いていない場合、ファシリテーターはその参加者のマイクを強制的にミュートにすることができます。

発言の最初と最後を分かりやすくする

Web会議での発言は、分かりやすくするために最初と最後に一言添えることが大切です。リモート環境では、発言のタイミングが難しいことがあります。そのため、自分の発言が明確に分かるよう、発言をはじめる時は自分の名前を名乗ることも大事です。

同様に、発言が終わったら「以上です」といった形で締めることで、他の参加者が自分の発言の範囲を理解しやすくなります。また、発言内容は簡潔にまとめることが大切です。特にWeb会議では、長い発言は相手に負担をかけることになります。

そのため、発言が長くなる場合は、最初に「少々長くなりますが…」などと伝え、重要なポイントをまとめた後、「以上ですが、要点はこちらです」と明確に示すと良いでしょう。

内職せず会議に集中する

リモート会議では、画面上で参加者の見える範囲は限られていますが、他の参加者からの視線や関心は感じられます。しかし、会議中に内職をすることは、集中力の分散や議題からの逸脱を招く可能性があります。そのため、会議中に他の業務を行うのは避けましょう。

他の参加者に敬意を示し、議題に注力することが重要です。たとえば、ノートや手元のメモを取ることは、会議の議題に集中する手助けになりますが、他の作業やスマートフォンを使った別の仕事は控えた方が良いでしょう。

内職をすることで、会議の議題から逸れてしまい、他の参加者に失礼にあたる場合があります。集中して議論に参加するためにも、他の業務は後回しにして、会議に真剣に取り組みましょう。

周辺環境にも配慮する

Web会議はインターネットを通じてどこからでも参加できるのが大きな利点です。しかし、自分の周りの環境についてはある程度配慮しなければなりません。

雑音が多い場所では自分の声が上手く伝わらなかったり、他の人の発言を雑音が邪魔してしまったりする可能性があります。また、オフィスの自席で参加する場合などは、周りの席にいる人の迷惑にならないようイヤホンやヘッドフォンを使うなどの配慮が必要です。

できれば、雑音も周りにいる人も気にならないような個室ブースなどから参加するのがベストだと言えるでしょう。

Web会議をスムーズに行えるシステムを導入する

Web会議を行うのに必要なのがWeb会議システムです。多種多様なシステムがありますが、それぞれ特徴が異なるため自社に合った機能・仕様のシステムを選びましょう。

たとえば、会議での画面共有やチャット機能の重要度は、企業や会議の性質によって異なります。ある企業ではリアルタイムのファイル共有が重要である一方、別の企業ではスムーズなビデオ通話や画面共有が中心になるかもしれません。

また、操作方法もわかりやすいものが良いでしょう。無料トライアルなどで事前に試し、開催者・参加者ともに使いやすい操作性かどうか確認しておくのがおすすめです。

自社に適したシステムを選択することで、会議の円滑な進行や効果的なコミュニケーションが実現できるでしょう。

WEB会議システムとは?主な機能や導入の際の比較ポイントも解説

WEB会議システムとは、パソコンやスマートフォンを使い、インターネット上で会議を行うシステムのことです。この記事では、Web会議システムの主な機能、システム導入によるメリット・デメリットだけでなく、導入の際の比較ポイントなどについても詳しく解説していきます。

まとめ

ここまで、Web会議の進行に必要なコツやポイントを紹介してきました。最近ではテレワークが一般的になり、多くの企業がWeb会議を活用しています。最初はやることが多く感じられるかもしれませんが、慣れてくると自然な流れで行えるようになるでしょう。

なお、Web会議システムは柔軟性や機能性などを吟味し、自社の業務やコミュニケーションスタイルにマッチするWeb会議システムを選択することが重要です。使用目的や参加者のニーズに適合したシステムを選ぶことで、Web会議の利点を最大限享受できます。

初めてWeb会議を開催、またはWeb会議に参加する際は、本記事で解説したポイントを参考に、参加者全員が快適に参加し、有意義な会議になるよう心がけましょう。

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