Web会議における音質の重要性|悪化の原因と改善対策も解説
Check!
- Web会議の音質の悪さは、参加者のストレスや疲労、業務効率低下を招いている
- Web会議の音質は、通信状態やマイクスピーカーの音声周波数などに左右されている
- Web会議の音質を改善するには安定した通信環境を用意し、はっきり話すように心がける
リモートワークの普及などの影響により、Web会議を導入する企業が増えています。しかし、「声が聞き取りにくい」「音がこもる」など音質が悪く、Web会議中にストレスが生じるケースも多いようです。この記事では、Web会議の音質が悪くなる原因やその対処法を解説します。
おすすめ記事
Web会議における音質の重要性とは
Web会議とは、インターネットを介してデバイスの画面上で行う会議であり、インターネット環境とデバイスがあればどこにいても参加できます。近年の働き方の多様化で、会議や打ち合わせをWeb会議で行う企業も多くなり、会議の効率化とコスト削減を図っています。
しかし、Web会議の参加者の中から、「声が聞き取りにくい」「音がこもったりする」などの声も聞きます。Web会議は映像と音声で成り立っていますが、画質の悪さよりも音質の悪さの方が参加者にかかるストレスに影響するといわれています。
そのため、Web会議をスムーズに開催するためには、マイクやスピーカー・ヘッドセットなどを充実させる必要があります。特に、パソコンの内蔵マイクや内蔵スピーカーでは良い音質は期待できません。ただし、音質の悪さにはそれ以外の原因もあります。
本記事では、Web会議の音質が悪くなる原因と、音質改善を実現するための対策について解説します。聞きやすい音声で、より効果的なWeb会議を行いましょう。
Web会議とは?メリットやテレビ会議との違い、必要なものも解説
Web会議とは、インターネット環境とPC・スマホなどのデバイスを利用して行う会議のことです。いつどこからでも会議に参加でき、コスト削減に繋がります。この記事では、Web会議のメリット・デメリットやテレビ会議との違い、実施に必要なものなどを解説します。
Web会議の音質が悪くなる原因
Web会議の音声の悪さには、音声が途切れる・音がこもる・映像と音声にタイムラグがあるなどがあります。これらの現象は、マイクやスピーカーの性能の悪さもありますが、それ以外の原因もあります。ここでは、音質が悪くなる原因について解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
Web会議の音質が悪くなる原因
通信が不安定
会議中に音声が途切れたり映像が止まったりする場合は、ネットワーク帯域幅不足でインターネット回線が不安定になっていることが原因の可能性が高いです。ネットワーク帯域幅とは、1秒間に送信可能なデータの最大容量のことで、単位は「bps」です。
bpsの数値が大きいほど回線速度は速く、スムーズなWeb会議を行うには、上り・下りともに十分な回線速度が必要です。ただし、会議中にファイルを共有したり、ほかのアプリを利用したりする場合は、より高速であることが望ましいです。
ただし、ネットワーク帯域幅は、LAN回線の一番幅の狭い帯域が最大値となります。したがって、契約している回線の帯域幅の改善だけでなく、自社のLAN回線を点検してボトルネックを改善しなければ、音質の改善につながらない場合があります。
発話者の声が小さい・マイクから離れすぎている
全ての人の音声が小さいのであれば、自分側のサウンド出力レベルが不足している可能性があります。しかし、特定の人だけの音声が小さい場合は、発話者のマイクのボリュームレベルが低く設定されている可能性が高いです。
また、マイクから離れて話しているといったケースも考えられます。これらの問題はマイクを近付けたり、ヘッドセットやピンマイクを利用したりすることである程度解決できますが、その人の話し方に問題がある場合もあります。
発話者がマスクをしている
発話者がマスクをしていると声がマスク内にこもってしまい、音声が聞き取りにくくなります。マスクは対面でも聞き取りにくくなるため、Web会議ではより聞き取りにくく感じます。
ハキハキと話しても声がこもることから何度も聞き直しが必要となり、Web会議の進行を妨げる原因になります。また、マスクは表情もわかりにくくするため、好印象を与えたい取引先とのWeb会議でマスクを着用するのはおすすめできません。
環境音を拾っている
環境音は聞き手にとってノイズとして聞こえ、音声を聞き取りにくくする原因となります。出先の場合は車の走行音や周囲の人の話し声などが環境音となりますが、エアコンの稼働音やパソコンの冷却ファンの音など、環境音は自宅にいても多くあります。
サーキュレーターや扇風機などのささいに感じる環境音でも、環境音と発話者の声が重なると複数人が同時に話しているのと同じ状態となり、聞き取りにくくなります。
声がエコーとしてキャンセリングされている
Web会議中に複数の人が同時に話すとエコーキャンセラーが働き、聞こえにくくなる場合もあります。エコーキャンセラーは多くのマイクスピーカーに標準搭載されているエコーを除去して聞き取りやすくする機能ですが、複数人が同時に話す場合は注意が必要です。
1人の話し手の声とスピーカーから出たほかの人の声が同時にマイクに入ると、機器がエコーとして処理を行い、一部の音声を消去してしまいます。エコーキャンセラーは音質を良くする機能ですが、大人数など状況によってはかえって音声を聞き取りにくくします。
マイクスピーカーの音声周波数が低い
音は空気の振動で伝わり、その振動が遅ければ低い音、速ければ高い音になります。1秒間の空気の振動数は「周波数」と呼ばれ、単位は「Hz(ヘルツ)」で表されます。音声周波数は、音声を伝送するときに使用される周波数の幅のことをいいます。
音声周波数が、人の声の周波数帯域をカバーできていないと不自然な音声となり、高音域が足りないとこもったような音声になります。Web会議では高音域がカットされている場合が多く、システムやマイク・スピーカーの音声周波数の確認が必要です。
Web会議の音質を改善するための対策
Web会議の音質が悪くなる原因を解説してきましたが、ここからは音質を改善するための方法を解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
Web会議の音質を改善するための対策
安定したインターネット回線を用意する
まず第一に、インターネット回線速度と安定性を確保することが重要です。Web会議ではお互いにやり取りを行うため、上り・下り両方において回線速度を確保する必要があります。Web会議では、下り10~30Mbps・上り1Mbpsが目安となります。
回線速度が測定できるWebサイトなどを活用し、回線速度を確認しましょう。インターネットの契約で十分足りているのに速度が出ない場合は、企業内のLAN回線にボトルネックがあるか、デバイスやアプリが対応していない可能性が高いです。
安定的にインターネット接続するなら有線接続がおすすめですが、やむを得ず無線接続する場合は、高速通信が可能で複数の端末が同時通信しても速度が落ちにくいWi-Fi6での接続がおすすめです。ただし、デバイスとルーターがともに対応している必要があります。
マイクの近くではっきり発話する
原因がその人の話し方にある場合は、機器での対応には限界があります。特に1人でWeb会議に参加する場合や近くに家族がいる場合は、口にこもったような話し方になりやすいため、マイクを口に近付け、はっきりとした発話を心掛けましょう。
話すときには姿勢を正し、口角を上げることを意識して話すと、普段より高めの聞き取りやすい声になります。また、早口になると相手が聞き取りにくくなるため、落ち着いた口調で話すことも大切です。
1人ずつ話すようにする
相手の発言が終わる前に話し始めてしまうのは、通常の会議でも好ましくありません。その上Web会議の場合は、エコーキャンセラーが働いて、聞き取りづらくなるとともに画像と音声にタイムラグが生じる場合もあります。
Web会議では、相手の発言を最後までしっかりと聞いて、少し間を開けてから話し始める心掛けが大切です。発言しないときには、自分の声や周りの音がマイクに入らないように、マイクをミュートにしておきましょう。
マイクやスピーカーの位置・環境を考慮する
複数のデバイスを近付けてWeb会議を行うと、ハウリングを起こして不快な音が出る場合があります。したがって、一人ひとりが十分な間隔を取ってWeb会議をする必要がありますが、ヘッドフォンやイヤホンを利用して解決する方法も効果的です。
また、1つのデバイスに無指向性のマイクと多少出力の大きなスピーカーつなぎ、それ以外の人のマイク設定をミュートにすることでも解決できます。この場合、複数の人が同時に発言すると、エコーキャンセラーが働き聞き取りにくくなるため、注意が必要です。
音声周波数の高いマイクスピーカーを使用する
ノートパソコンなどに内蔵されているマイクやスピーカーは、一部の音質重視の製品を除いて低品質である場合が多く、Web会議では音声が聞き取りづらい場合があります。そのため、可能であれば高い音声周波数を持つマイクやスピーカーを用意しましょう。
個人差はありますが、人間が聞き取れる周波数は20Hz~20 kHzで、低音域は聞き取りにくく高音域ほどクリアに聞こえます。したがって、Web会議では人の発する声の周波数も考えて、高音域を重視した14kHz以上のものがおすすめです。
しかし、Web会議システムがその音声周波数に対応していなければ、マイクやスピーカーの性能は発揮できません。Web会議を始める前の音声周波数の確認は、システム・マイク・スピーカーの3つをセットで行いましょう。
有線のマイクスピーカーを使用する
マイクやスピーカーとデバイスを接続する方法には、有線と無線の2種類があります。Web会議では、遅延が発生しにくく充電の必要がない有線のマイクがおすすめです。
無線のマイクやスピーカーは、ケーブルが邪魔にならず置き場所を選ぶ必要がないため、便利です。しかし、何らかの原因で通信状態が悪くなり、音声が途切れてしまう場合や映像と音声にタイムラグが発生して聞き取りづらくなる恐れがあります。
また、充電式のものは使おうと思ったときに充電されていなかったり、会議中に充電が切れたりすることも考えられます。
高音質のWeb会議システムを導入する
Web会議システムとは、Web会議をスムーズに開催するためのシステムです。ビデオ通話ができるコミュニケーションアプリと違って、資料共有・画面共有・映像録画・アンケートなど、企業がWeb会議を行うために必要な機能が多く搭載されています。
中には、周りの音を拾わないノイズキャンセリング機能が搭載されていたり、高周波数をカバーしていたりと音質にこだわった製品もあります。
ストレスのないWeb会議をスムーズに開催したい場合は、無料トライアル期間や無料プランなどを利用して、試してみるのがおすすめです。
WEB会議システムとは?主な機能や導入の際の比較ポイントも解説
WEB会議システムとは、パソコンやスマートフォンを使い、インターネット上で会議を行うシステムのことです。この記事では、Web会議システムの主な機能、システム導入によるメリット・デメリットだけでなく、導入の際の比較ポイントなどについても詳しく解説していきます。
まとめ
リモートワークの普及などの影響で、Web会議を導入する企業が増えています。しかし、「声が聞き取りにくい」「音がこもる」などの音質の悪さが原因で、参加者のストレスや疲労による業務効率低下を招いているケースも多くあります。
Web会議の場合は、参加者のストレスは画質の悪さよりも音質の悪さが大きく影響するといわれています。音質の悪さは、通信状態やマイクスピーカーの音声周波数などに左右される場合が多いですが、話し方も重要な要素です。
しかし、話し方やマイク・スピーカーを改善しても、Web会議システムが高音質処理に対応していなくてはなりません。マイクやスピーカーと同時に、高音質な再生を可能にしているWeb会議システムの導入がおすすめです。
この記事に興味を持った方におすすめ