エクセルを活用したナレッジ共有方法|自作・テンプレートについて解説
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- エクセルでナレッジ共有を行うと、低コストでスモールスタートできるメリットがある
- エクセルを活用したナレッジ共有は、セキュリティ対策や管理の難しさに課題がある
- エクセルでのナレッジ共有が上手くいかない場合は、社内Wikiや専用ツールに移行する
エクセルは馴染みのあるツールのため企業でも広く使われており、ナレッジ共有にも活用できます。本記事では、エクセルでナレッジ共有を行うメリット・デメリット・注意点を踏まえて、フォーマットを自作する方法、テンプレートを活用する方法などについて解説します。
目次
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エクセルでナレッジ共有は可能か
ナレッジとは、「知見」や「知識」の意味を持つ「knowledge」が由来の和製英語であり、ビジネスシーンにおいては、社員個人が体験や経験から得たスキルやノウハウを指します。
つまり、ナレッジ共有は、個人が持つ仕事に関するノウハウや情報を共有し合うことです。エクセルはこのナレッジ共有にも利用できます。
本記事では、エクセルでナレッジ共有を行うメリット・デメリット、エクセルでナレッジを共有する方法や注意点について解説します。
ナレッジ共有とは?共有のメリットや共有する際のポイントも解説
ナレッジ共有とは、個々の社員が持つ知識やスキルを組織全体が使えるように共有する取り組みのことです。ナレッジ共有により、業務効率化や属人化解消といった効果が期待できます。この記事ではナレッジ共有のメリットやフレームワーク、共有する際のポイントなどを解説します。
エクセルでナレッジ共有を行うメリット
エクセルは多くの人が使い慣れた無料のツールで、導入済みの場合には追加の費用なしで利用可能です。ここでは、エクセルでナレッジ共有を行うメリットについて詳しく解説します。
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エクセルでナレッジ共有を行うメリット
コストを抑えてスモールスタートが可能
エクセルは、一般的なオフィスソフトとして広く普及しており、使い慣れている人が多いため、低コストで手軽に利用できます。ほとんどのコンピューターに標準でインストールされているため、追加の費用をかけることなく利用できるのが魅力です。
専用のナレッジマネジメントツールを導入する場合に比べると、初期投資やライセンス料などのコストが抑えられます。そのため、小規模な情報共有や簡易なデータ管理には、低価格かつ使い勝手の良さからエクセルが選択されることが多いです。
多くの社員が使い慣れたツールである
エクセルは多くの人が日常的に利用しているため、新たなナレッジ共有手法への移行に対する抵抗感が少ないのが特徴です。既存のツールとして浸透しており、使い慣れていることから、社員たちは変化に柔軟に対応できます。
そのため、エクセルを使ったナレッジ共有は、組織内での導入が比較的スムーズです。このツールが広く使用されていることで、ナレッジ共有の初期段階から始められ、徐々に改良を重ねていくことが可能です。
エクセルを活用したナレッジ共有では、まず組織内の情報共有を開始し、その過程で必要な機能や改善点を洗い出しつつ、効果的な情報共有を進めることができます。
表計算・マクロ機能が充実している
エクセルのナレッジ共有には、表計算やマクロ機能が非常に重要です。エクセルは数値計算やデータ整理に非常に優れており、その機能の幅広さが大きな利点です。
たとえば、関数を使った数値計算やデータの集計を得意としています。これによってナレッジを整理し、重要なポイントを要約する際に非常に役立ちます。さらに、マクロ機能を使えば、繰り返し行う作業を自動化できます。
同じ手順を何度も繰り返す場合でも、マクロを使ってそれらの操作を1つにまとめることで、作業効率が飛躍的に向上します。これにより、大量のデータや情報を効率的に処理し、ナレッジをより有効に管理できるのです。
エクセルでナレッジ共有を行うデメリット
エクセルを使ったナレッジ共有にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。特にセキュリティのリスクや管理上の難しさが挙げられます。ここからは、エクセルでナレッジ共有を行うデメリットについて解説します。
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エクセルでナレッジ共有を行うデメリット
複数人で管理するのが難しい
複数人でエクセルファイルを共有すると、混乱やトラブルのリスクが高まります。エクセルでは、複数人で同時にファイルを編集することができません。それぞれのパソコンで編集されたファイルがバラバラの状態になり、最新の情報がどれなのかが判別しづらくなります。
また、同時に編集を行った場合、他の人の変更内容を保存せずにファイルを閉じてしまう可能性もあります。その結果、古い情報と新しい情報が混在したファイルが複数存在し、混乱が生じるリスクがあります。
これらのトラブルはファイルを共有する際に頻繁に起こり、正確な情報を追跡することが困難になる可能性があります。
権限を細かく設定できない
エクセルでは、情報へのアクセス権限を設定する際、「全てを閲覧可能」または「全て閲覧不可」といった2つの選択肢しかありません。
たとえば、特定の情報を管理職のみに限定したり、一部のユーザーだけが閲覧できるようにしたりするような、詳細なアクセス制限はできません。機密性の高い情報や特定の役職だけが必要な情報を管理する際は、エクセルは向いていないため注意しましょう。
作り込むとメンテナンスが困難になる
エクセルを使ったナレッジ共有の大きな課題は、作り込むほどメンテナンスが困難になることです。手軽で使いやすい反面、マクロ機能や複雑な関数を使い込むと共有する情報が複雑化し、メンテナンスが困難になります。
たとえば、マクロ機能や複雑な関数を使って情報を整理・表示すると、そのファイルのメンテナンスが複雑になります。ナレッジが蓄積される一方で、古い情報が更新されずに増え続けることがあり、最新の情報を見分けるのが難しくなる可能性もあります。
エクセルでは、高度な機能を使い込むとエラーが発生しやすく、エラーが起きた場合にデバッグするのに時間がかかります。
セキュリティが弱い
エクセルでナレッジを共有する際のセキュリティ上のリスクは重要です。エクセルはパスワード設定が可能ですが、このパスワードを解析するツールが存在するため、簡単に解除される可能性が高いです。
ファイルのコピーも容易であり、機密情報や個人情報を含むデータの漏洩リスクが高まります。エクセルでナレッジを共有する際は、セキュリティ上の問題や情報の改ざん、誤りに対するリスクを適切に評価し、厳格なセキュリティ対策とともに注意深い管理が必要です。
データ破損のリスクがある
ナレッジの蓄積に伴って、エクセルファイルのデータ量も増加します。この増加が過剰になると、エクセルが思わぬエラーを引き起こしたり、ファイルが正常に立ち上がらなかったりする可能性が高まります。
たとえば、データが増えすぎてファイルが重くなり、エクセルが突然強制終了することがあります。また、膨大なデータがエクセルファイルに保存されると、ファイル自体の破損や消失も起こり得ます。
さらに、誤ってデータの削除や誤操作を行うと、重要な情報が失われる可能性もあります。これらの事象は、ナレッジ共有におけるデータの安全性を脅かすものであり、特に大量の情報を扱う際には慎重さが求められます。
ナレッジの検索性が低い
エクセルの検索はあくまで基本的なキーワードや値を元に行われるため、専門ツールのように複雑な検索条件や高度なフィルタリングを行うのは難しいです。
エクセルでナレッジを共有する場合、大量の情報を効率的に探し出すためには、より高度な検索機能を持つツールやシステムを検討する必要があります。情報の迅速な検索と取得が重要な場合には、より適したツールの利用が求められます。
エクセルを使ったナレッジ共有方法
エクセルによってナレッジを見える化しておくことにより、業務対応のクオリティの均一化や重要事項の抜けもれなどを防ぐことに役立ちます。以下では、エクセルを活用したナレッジ共有の方法について解説します。
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エクセルを使ったナレッジ共有方法
管理する項目を決める
社内でナレッジを共有するには、管理する項目を決定することが大切です。エクセルを使えば、この項目を自由に設定できます。管理において用いられる項目は、以下のようなものが多いです。
- 記入日
- 分類
- 概要
- 関連部署
- 担当者
- 内容
- 更新履歴
これらの項目は、ナレッジ共有の特性や目的に合わせて、柔軟に追加や削除が可能です。ナレッジ共有において重要なのは、チームや組織にとって有益な情報を効率的に整理し、必要な情報を素早く見つけられるようにすることです。
フォーマットを整備する
ナレッジ共有を行うためのフォーマット整備は重要です。エクセルを使って情報を整理する際は、最初に必要な項目を1行目に明確に記入します。これによって情報が整理され、見やすくなります。
また、情報の可読性を高めるために、必要に応じてフォーマットを工夫します。たとえば、重要な項目名は太字にしたり、各項目を区切るために罫線を利用したりすることが有効です。
さらに、色を使って重要な部分の強調や、情報の分かりやすさを高めることも可能です。見出しや区切りを使って情報を整えることで、情報の追加や参照がスムーズになり、ナレッジ共有の効果的な運用が可能になります。
必要に応じて共有設定にする
エクセルファイルを共有設定にする目的は、複数の人が同時にファイルを開いて編集できるようにすることです。デフォルトでは、誰かがファイルを開いていると他の人が同じファイルを編集できないため、編集の順番待ちやナレッジの遅延が生じる可能性があります。
共有設定にすることで、複数の担当者が情報を記入・編集できます。これにより、情報が迅速に共有され、更新されたナレッジに即座にアクセス可能となります。また、誰がどの部分を編集中かが明確にわかるため、重複した作業を避けることもできます。
特に、チームメンバーが時間を待たずにナレッジを記入できるように設定することで、情報の漏れや遅延を防ぎ、効率的なナレッジ共有を実現します。
共有設定にするメリット・デメリット
共有設定にするメリットは、リアルタイムでの同時編集が可能になることです。複数の人が同じエクセルファイルを開いて、それぞれが同時に編集できます。これにより、チーム全体がナレッジを迅速に更新し、リアルタイムで情報を共有できます。
しかし、共有設定にすることで、複数の人が同時に編集するため、一部の機能に制約が生じることもあります。たとえば、同じセルを複数の人が同時に変更すると、どちらの変更を採用するかを判断する必要が生じます。
また、一部の機能や特定の操作が、同時編集中に一時的に利用できなくなることもあります。
メリット | デメリット |
---|---|
リアルタイムで同時編集が可能 | 一部の機能に制限がかかる |
チーム全体が迅速に情報を更新・共有可能 | 同時編集による整合性の問題が発生する可能性がある |
ナレッジ共有用のエクセルテンプレートもある
インターネット上には、様々なナレッジ共有用のエクセルテンプレートが存在し、自社のニーズや特定の目的に合致するテンプレートを選択できます。これらのテンプレートを使用する主なメリットは、手間を省くことができる点です。
通常、エクセルシートを新規に作成する際には、レイアウトや関数を設計し、全てをゼロから記述する必要があります。しかし、テンプレートを使用することで、その手間が大幅に削減されます。
事前に整備されたフォーマットや基本的な機能が組み込まれているため、効率的に実務に適用できます。
ナレッジ共有をエクセルで行う際の注意点
ナレッジ共有をエクセルで行う際には、いくつかの重要なポイントに留意する必要があります。エクセルを使用したナレッジ共有は便利ですが、特定の注意点を押さえておくことで、効果的な情報共有が可能となります。
ここからは、ナレッジ共有をエクセルで行う際の注意点について解説します。
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ナレッジ共有をエクセルで行う際の注意点
ナレッジ検索がしやすい仕組みを作る
ナレッジ共有をエクセルで行う際は、ナレッジ検索がしやすい仕組みを整えることが重要です。分類の数を最小限に抑えることは、検索性を高めるために必要です。しかし、過剰な分類は逆効果であり、検索や整理が困難になります。
たとえば、ナレッジを細かく分類しすぎると、特定の情報を探す際に多くのカテゴリを見回る必要が出てきます。これでは情報の把握や検索が煩雑になり、本来の目的である効率的なナレッジ検索が難しくなります。
最小限の分類を持つ仕組みを構築することで、ナレッジの分類や検索が簡素化され、必要な情報を素早く見つけることができます。
書き込みやすい簡単なフォーマットにする
シンプルでわかりやすいフォーマットは、誰もが手軽に使うことができるため、情報の共有を促進し、組織全体でナレッジを有効活用できる点が大きな利点です。
書き込みやすく、統一されたフォーマットを採用することで、ナレッジ共有の成功に不可欠な土台を築くことができます。そのため、誰もが扱いやすいフォーマットを整えることは、ナレッジの有効な共有と活用にとって重要です。
必要に応じて編集できるユーザーを制限する
ナレッジ共有を行う際は、必要に応じて閲覧や編集できるユーザーを制限しましょう。特に機密情報や特定部署向けの情報など一部のユーザーにだけアクセスを許可したい場合は、この制限が非常に重要です。
特定のシートやファイルにパスワードを設定することで、閲覧や編集を制限できます。これによって、パスワードを知っているユーザーだけが、該当のシートやファイルにアクセスできるようになります。
そのため、機密性の高い情報や特定ユーザー向けの情報を適切に管理できます。ただし、パスワードを使った制限はあくまでも基本的なセキュリティ手段であり、完全なセキュリティを提供するものではないことを考慮しましょう。
ナレッジを記載したら全体に周知する
ナレッジをエクセルに記載しても、それが社内で共有されなければ、その価値は失われます。そのため、ナレッジを記入したら、全体に周知させる仕組みを整える必要があります。
これには、アナウンスや定期的な情報共有の会議などが有効です。チーム全体に通知する方法や定期的なミーティングを通じて、新しいナレッジが追加されたことを共有することで、情報の流通を確保します。
これによって情報の流通を確保して、ナレッジが埋もれることなく全体に浸透します。
共有するべきナレッジの基準を定める
ナレッジ共有には幅広い情報が必要です。専門的な知識だけでなく、ビジネスマナーや基本的な業務手順など、あらゆるレベルのナレッジが重要です。ただし、あまりにも多くの情報を共有すると管理が煩雑になり、必要な情報を見つけることが難しくなります。
そのため、ナレッジ共有用のエクセルを活用する際は、どのようなナレッジを共有するのか、どのレベルの情報まで含めるべきかを明確に定める必要があります。
効果が得られているか測定する
ナレッジ共有の実効性を知るために、社員の声を取り入れることが重要です。そのためには、アンケートの活用がおすすめです。このアンケートでは、共有されたナレッジが業務にどれだけ役立っているか、情報を見つけるのが容易かなどを社員に評価してもらいます。
ナレッジ共有を実行する際は、まずは目標や期待される成果を設定して、その達成度を定期的に測定することが重要です。定期的に社員にアンケートを行うことで、取り組みの進捗状況を把握し、改善点を見つけることができます。
エクセル以外でナレッジを共有する方法
エクセルなど既存のツールでナレッジ共有が上手く機能しない場合、他のツールへの移行がおすすめです。エクセルは手軽で広く利用されていますが、大規模な情報共有や効果的な検索、アクセス権の管理など特定のニーズへの対応には限界があります。
ここからは、エクセル以外のツールを用いてナレッジを共有する方法について解説します。
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エクセル以外でナレッジを共有する方法
チャットボット
チャットボットとは、ユーザーが質問をすると自動で適切な回答をテキストベースで提供するツールです。24時間365日対応できるため、担当者の負担を軽減しながら、ユーザーは欲しい情報を即座に得られます。
ツールによっては、テキストだけでなく画像や動画で情報を提供するものもあり、人材育成にも活用できます。ただし、効果的に活用するためには、チャットボットの精度を向上させる必要があるため、上手く運用するには時間がかかる点に留意しましょう。
社内Wiki
社内Wikiとは、ユーザーが自由にノウハウや経験、知識などを簡単に更新できるツールです。社員全体で情報共有を行うことができ、部署やプロジェクトチーム別でナレッジの分類や閲覧制限を設けることもできます。
複数人で同時編集することができますが、誤って削除してしまうリスクも伴うため、編集・更新に関するルールを策定することが重要です。
ナレッジマネジメントツール
エクセルなど既存のツールでナレッジ共有が上手く機能しない場合、ナレッジマネジメントツールへの移行がおすすめです。ナレッジマネジメントツールは、専用の機能や柔軟なカスタマイズができ、複数ユーザーによる同時編集や、高度な検索機能などを備えています。
また、ナレッジ共有推進チームがリードし、組織全体にツールの利用方法や恩恵を周知徹底することで、効果的なナレッジ共有の実現につながります。ツールの効果を理解し、全体への導入を促進することで、より効果的なナレッジ共有が可能になります。
ナレッジマネジメントツールとは?導入のメリットや選び方を解説
ナレッジマネジメントツールとは、社員が持つ知識や経験などを社内で共有するためのツールです。本記事では、ナレッジマネジメントツールをよく知らない方・導入を検討している方のために、ナレッジマネジメントツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説しています。
まとめ
エクセルは柔軟性や手軽さから、小規模な情報共有に適しています。しかし、大規模な情報や多数のユーザーを扱う場合、編集の競合やセキュリティの課題などが浮上します。こうした課題に直面した場合は、ナレッジマネジメント専用ツールの導入が有益です。
これらのツールは専門機能を備えており、リアルタイムな共有やアクセス制御が可能で、大規模な情報共有に適しています。専用ツールは企業内でのナレッジ共有をより効果的にし、効率性やセキュリティを高めます。
しかし、導入やトレーニングにはコストや時間がかかることに留意が必要です。組織の規模やニーズに応じて、エクセルや専用ツールの利用を検討し、最適なナレッジ共有手法を選択しましょう。
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