コンテンツマーケティングの効果測定は難しい?測定のポイントを解説
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- コンテンツマーケティングでは継続的な改善が重要なため、効果測定が必要である
- マーケティングファネルを基に、最終ゴールから逆算すると目標を立てやすい
- コンテンツマーケティングでは短期的な効果には期待せず、中長期的な視野を持つこと
コンテンツマーケティングは、現代の情報社会においてメリットの大きいマーケティング手法ですが、効果測定が難しいという課題に悩む企業も多いです。本記事では、コンテンツマーケティングにおける効果測定で重要な目標設定や、測定における注意点について解説します。
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コンテンツマーケティングには効果測定が必要
コンテンツマーケティングは、現代のデジタル情報社会においてメリットの大きいマーケティング手法として、多くの企業に注目されています。この手法を成功させるためには、継続的に効果測定を行い、その結果をコンテンツに反映し、改善していくことが重要です。
また、新しいコンテンツを発信する際も、過去の効果測定結果を参考にして作成する必要があります。ただし、効果測定を行う場合には、何をどのように始めればよいのか、迷ってしまい不安になるという声も多いです。
そこで、本記事では、コンテンツマーケティングの効果測定の必要性、難しい理由、目標・指標の設定方法、効果測定における注意点、ツールを活用などについて、分かりやすく解説します。
コンテンツマーケティングの効果測定が難しい理由
コンテンツマーケティングにおいては、継続的な効果測定を行うことが重要です。測定によりコンテンツの効果を分析し、ユーザーの反応や動向を把握することで、内容のリライトなどの改善を行うことができ、コンテンツの強化と最適化に役立ちます。
一方、効果測定を行う場合には、具体的に何をすれば良いのかが明確でなく、結果として、測定は難しいという壁にぶつかるケースも多いようです。ここでは、コンテンツマーケティングの効果測定が難しいとされる理由について解説します。
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コンテンツマーケティングの効果測定が難しい理由
何を指標とすれば良いのか分からない
コンテンツマーケティングの効果測定には、KGIやKPIの設定が効果的です。KGI(Key Goal Indicator)とは、ビジョンや最終目標を示す戦略的な指標を指します。例えば、企業ブランドの認知を向上させ、市場シェアの拡大を目指す指標として設定されます。
KPI(Key Performance Indicator)とは、具体的な活動やプロセスのパフォーマンスを測定するための指標です。例えば、オンラインブランド認知を向上させるためのコンテンツマーケティング戦略では、ウェブサイト訪問数やページの閲覧数などが該当します。
しかし、KGIやKPIの手法を使って何を指標とすれば良いのか、どのように設定するのか、具体的によく分からないという点が、コンテンツマーケティングの効果測定が難しいといわれる理由になっています。
目標を数値化するのが難しい
コンテンツマーケティングの効果測定において、目標の数値化の難しさが効果測定を難しくしている理由の一つです。
例えば、「コンテンツの質を上げる」や「ユーザーからの評価を上げる」といった目標は主観的であり、異なる人々が異なる基準でそれぞれ評価します。そのため、これらを具体的な数値で表現するのは困難であり、それが効果測定を難しくしています。
目標を数値化する際は、具体的で測定可能な要素を考慮し、それに基づいて指標を設定することが重要です。また、定期的な評価と修正を繰り返しながら、目標に向けた進捗を追跡することが効果測定の課題に対処する手段となります。
成功か否かの判断がしにくい
効果測定を行って数値が出たとしても、それが設定した目標とどれだけ関連しているかが明確でないことがあります。ある指標が向上したからといって、ビジネスの主要な目標や戦略的な成功に直結しているのかが不透明であることが理由です。
また、測定された数値そのものには常に背景や状況があり、単独で見た場合には正確な評価が難しいことがあります。例えば、クリック率が上がったとしても、それが本当に質の高いトラフィックにつながっているかどうかは不明です。
さらに、効果測定が短期的なものになる傾向があり、コンテンツマーケティングの長期的な効果を正確に評価することの難しさも挙げられます。加えて、市場動向や競合状況などの要因が効果測定に影響を与えることがあり、これも測定を難しくする要因です。
コンテンツマーケティングにおける目標・指標の設定方法
コンテンツマーケティングにおける目標・指標の設定方法として、マーケティングファネル(Marketing Funnel)の手法があります。この手法は、ファネル(漏斗)のように上の方が大きな入口になっていて、下の最終ゴールに向かって徐々に狭くなっています。
ファネルの手法では、最初に商品に対して興味や注意を向ける見込み客が「探す、調べる」「他社と比較、検討する」といった段階を踏みます。最終的に購買にいたる顧客に絞り込まれていき、「漏斗」のように全体像が分かりやすくなっています。
効果測定の例として、KPIをWEBサイトのアクセス数に設定し、「探す、調べる」段階では商品紹介ページのアクセス数など細分化した目標をKPIとして設定します。そして、最終売上額などの数値をKGIとして設定します。
最終ゴールから逆算する
マーケティングファネルの手法では、KGIにより設定された売上額などの最終ゴールから逆算して、各段階の目標をKPIとして設定する方法が、一般的な戦略として知られています。
このアプローチでは、ビジネスの戦略的な目標や成功基準を特定します。これが最終ゴール(KGI)となります。例えば、具体的な売上額、市場シェアの拡大、顧客満足度の向上などが挙げられます。
最終ゴールを達成するために必要な顧客数や取引数などを逆算し、各段階での目標(KPI)を設定します。そのために、トラフィック数、リード生成数、コンバージョン率、顧客満足度など、それぞれの段階に応じた数値をKPI指標として設定することが必要です。
現状を把握してから目標を設定するのがおすすめ
コンテンツマーケティングにおける目標を設定する場合には、現状を把握してから目標を設定することをおすすめします。現状ではどのくらいの数値が出ているのか把握するためには、アクセス解析ツールなどを用いることが効果的です。
解析ツールとしてよく用いられるGoogleアナリティクスは、無料で使えるGoogle提供のアクセス解析ツールです。ユーザーの行動や属性を可視化できる強みを持っており、幅広いデータの計測と解析が行える特徴により、多くの企業が活用しています。
コンテンツマーケティングでよく用いられるKPI
コンテンツマーケティングでよく採用されるKPIについては、マーケティングの初期の集客段階、次フェーズの認知・拡散段階、そして最終段階のフェーズ毎に対象となる指標が異なります。ここでは、各フェーズにおけるKPIの指標について解説します。
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コンテンツマーケティングでよく用いられるKPI
集客におけるKPI
初期の集客段階では、顧客の意識を高め、ブランドに関心を持ってもらい、新たな見込み顧客を引き込むことが重要です。そのため、コンテンツ数、ページビュー数、ユニークユーザー数、セッション数などが、KPIの指標となります。
コンテンツ数 | オウンドメディアのコンテンツの数 |
コンテンツの検索表示順位 | Googleなど、検索サイトで検索画面に表示される順位 |
PV(ページビュー)数 | ページごとの閲覧数 |
UU(ユニークユーザー)数 | サイトを訪問したユーザーの数 |
セッション数 | ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの回数 |
認知・拡散におけるKPI
認知・拡散段階では、顧客は商品やサービスの検討をし認知します。さらに、競合他社と比較し、商品に対して高評価の場合、口コミや「いいね」などで拡散します。この段階でのKPIの指標は、滞在時間、直帰率、回遊率、遷移率、再訪率など多岐にわたります。
滞在時間 | ユーザーがサイト内に滞在した時間 |
スクロール率 | ユーザーがページ全体をどこまで閲覧したかを測定する指標 |
直帰率 | ユーザーが最初に訪問したページから移動せずに離脱した割合 |
回遊率 | ユーザーが1回の訪問で閲覧したページ数 |
遷移率 | 特定のページから他のページに遷移する割合 |
再訪率 | ウェブサイトやアプリを再び訪れるユーザーの割合 |
SNSシェア数 | ウェブサイトやコンテンツがSNS上でシェアされた回数 |
いいね数 | ウェブサイトやSNS上で「いいね」を受けた数 |
コンバージョンにおけるKPI
コンテンツマーケティングにおいて、最終的な成果を測定する場合に鍵となるのが「コンバージョン」です。コンバージョンとは、ユーザーが特定の目標やアクションに到達することを指します。
例としては、製品の購入、メール購読、フォームの送信、無料トライアルの申し込みなど、ビジネスが求める具体的な成果を指します。この段階でのKPIとしては、問い合わせ数、資料請求数、登録者数、ダウンロード数、購入・契約数、コンバージョン率などがあります。
問い合わせ数 | 問い合わせフォームを通じて送信された問い合わせの数 |
資料請求数 | 製品やサービスに関する詳細な情報・資料が請求された数 |
登録者数 | ウェブサイトに新しく登録したユーザー数 |
ダウンロード数 | ウェブサイトから提供される資料やコンテンツがダウンロードされた数 |
購入・契約数 | 商品やサービスの購入または契約が成立した数 |
コンバージョン率 | 購入などに至るまでのユーザーの変換率 |
コンテンツマーケティングの効果測定における注意点
コンテンツマーケティングはブランドの知名度向上や顧客の獲得において優れた手段となっています。ただし、その成果を正確に測定することは簡単ではありません。そのため、効果を早急に求めるのではなく、中・長期的な期間で捉えることが重要です。
また、コンテンツの測定数値だけでなく質的な側面、コンテンツごとの役割を理解することも求められます。さらに、本質的な成果として投資対効果(ROI)を正確に把握することも重要です。ここでは、効果測定における注意点について、詳しく解説します。
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コンテンツマーケティングの効果測定における注意点
中長期的な視野を持つ
コンテンツマーケティングは、ブランドの知名度の向上や顧客との信頼関係を築くプロセスです。しかし、この効果が発揮されるまでには一定の時間が必要であり、短期間の効果測定だけでは全体像を把握し、理解することは難しいことに注意が必要です。
短期的な成果や数値だけに着目すると、コンテンツマーケティングの真の効果が見えにくくなります。特に、ブランドの認知度向上や顧客のロイヤリティ構築などは、時間がかかるため、その成果を具体的な数値で正確に計測することは難しいです。
そのため、効果の測定結果の短期的な数値だけでなく、長期的な目標を指標として、ブランド認知向上率、長期顧客獲得率なども含めて効果を測定するKPIを設定することが重要です。
コンテンツごとの役割を理解する
コンテンツマーケティングは、ブランドの構築からリード獲得、最終的なコンバージョンまで、複数のフェーズで構成されています。各フェーズにおいて、コンテンツが果たすべき役割は異なり、それに応じて効果を測定する指標も変化します。
例えば、ブランドの知名度向上や信頼構築のフェーズでは、ページビュー、SNSシェア数、ブランド検索頻度などがKPIの指標となります。また、見込み客の興味を引き、関心を喚起するフェーズでは、コメント数、シェア数、クリックスルーレートなどが指標です。
詳細理解フェーズでは、製品に関する詳細な情報を提供し、資料請求数、ダウンロード数、フォーム送信数などがKPI指標となります。さらに、コンバージョンフェーズでは、最終的な行動に導くことになり、コンバージョン率、購入数、契約締結数などが指標となります。
投資対効果(ROI)も重視する
コンテンツマーケティングを成功に導くためには、その実現のための予算とリソースが必要となります。コンテンツ制作、プロモーション、広告、効果測定などにかかる費用を正確に把握し、それに見合ったROIを確認することは、戦略を実践する上で不可欠です。
ROI(Return on Investment)とは、「投資利益率」などと訳され、特定の投資や事業活動に対する収益性を評価するための指標です。計算方法は、「利益÷投資額×100」となります。
ROIが高いほど、投資や事業が効果的であると見なされます。コンテンツ制作においては、記事、動画、インフォグラフィックなどの作成にかかる費用があり、コンテンツ制作やSEO最適化のために外部専門家へ依頼する場合は、その費用も発生します。
ROIを理解することで、どのコンテンツやプロモーションが最も効果的かを把握し、予算を適切に配分できます。効果測定においては、費用とROIのバランスを確保し、投資した資源に対してどれだけの価値が生まれたかを見極めることが成功の鍵です。
マーケティングの流れに沿わせる
マーケティングで成果を得るためには、進行の流れに応じた目標設定や効果測定を行う必要があります。マーケティングの進行の流れは、大きく分けて「集客」「顧客の育成」「コンバージョン獲得」の3段階です。
これらのそれぞれの段階で効果測定を実施する目的や測定するべき項目が異なるため、流れに沿って変化させていきましょう。以下の表で詳しく解説します。
マーケティングの流れ | 目的 | 効果測定を行う項目 |
---|---|---|
①集客 | ・コンテンツを発信して、潜在顧客を収集する ・効果測定により集客効果の有無を見極める | ・コンテンツの発信数 ・検索結果の表示順位 ・ユーザーの流入数 |
②顧客の育成 | ・商品やサービスに対する理解や信頼を獲得して、潜在顧客を見込み顧客に育成する ・効果測定によりユーザー行動を知る | ・滞在時間 ・再訪問率 |
③コンバージョン獲得 | ・見込み顧客をコンバージョン獲得に繋げる ・効果測定によりコンバージョンに至る割合を測る | ・コンバージョン数 |
測定結果を活かして改善を行う
効果測定において最も重要なことは、測定結果から効果を発揮していないコンテンツを見つけ出し、改善に繋げることです。効果測定を行うだけでは成果には繋がらないため、表示順位が低いなど課題が見つかったコンテンツはリライトを行いましょう。
改善は、PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Action)の最終段階である「Action」を指します。改善を行った後は、また最初の「Plan」に戻り、サイクルを繰り返すことでマーケティング効果の最大化を図れます。
コンテンツマーケティングツールを活用しよう
コンテンツマーケティングの測定を成功させるためには、アクセス解析ができるツールの積極的な活用がおすすめです。これらのツールは、単なるページビューやクリック数だけでなく、ユーザーの行動や嗜好を理解するための多岐にわたるデータを提供します。
コンテンツマーケティングツールにより、ページの閲覧履歴や滞在時間、コンバージョンまでのフローを可視化し、ユーザーの行動パターンを把握できます。また、どのコンテンツが好まれているかを把握できるので、より効果的なコンテンツ制作の戦略が策定できます。
ツールは単なる効果測定だけでなく、コンテンツ作成やマーケティング戦略の構築においても大いに役立ちます。コンテンツマーケティングツールの活用は、データに基づいたアプローチを強化し、競争激化する市場での成功に繋がります。
まとめ
コンテンツマーケティングの効果を正確に測定することは、成功を評価し持続可能な戦略を構築するために不可欠です。ブランド構築からコンバージョンまで、各フェーズで異なるKPIを見極め、目標に合致する成果を測定する必要があります。
また、コンテンツマーケティングにかかる費用を正確に理解し、その対価としてのROIを計算することが戦略の効果的な評価につながります。さらに、コンテンツ制作、プロモーション、広告などにかかる費用を考慮し、投資対効果を見極めることが必要です。
コンテンツマーケティングの効果測定においては、自社のWEBサイトのコンテンツをフェーズごとに分けて、的確なKPIを指標にして、正確で効果的な測定をしましょう。
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