URLパラメーターを活用したアクセス解析法|種類・メリットも解説

Check!

  • URLパラメーターには、パッシブパラメーターとアクティブパラメーターの2種類がある
  • URLパラメーターを設定すると、流入経路や広告の効果を正確に分析できる
  • URLパラメーターを生成するには、URLの後に「?」から始まる値を付けること

Webサイトのアクセス解析をする際は、URLパラメーターを設定するのが便利です。URLパラメーターは、アクセス解析や広告の効果解析に利用されます。本記事では、URLパラメーターの種類や設定方法、Googleアナリティクスで成果を確認する方法について解説します。

目次

開く

閉じる

  1. アクセス解析に役立つURLパラメーターとは
  2. URLパラメーターを設定するメリット
  3. URLパラメーターの種類
  4. URLパラメーターを生成する方法
  5. Googleアナリティクスで成果を確認する方法
  6. URLパラメーターがSEOに与える影響
  7. 自社に合ったアクセス解析ツールの導入を
  8. まとめ

アクセス解析に役立つURLパラメーターとは

URLパラメーターは、WebページのURLに追加される特定の情報を表すものです。Webサイトのアクセス解析をする際は、URLパラメーターを設定するのが便利です。URLパラメーターは、アクセス解析や広告の効果解析に利用されます。

例えば、広告やキャンペーンごとに異なるパラメーターを設定することで、どの広告からサイトに訪れたのか、どのキャンペーンが成果を上げているのかを特定できます。

本記事では、URLパラメーターの種類や設定方法、Googleアナリティクスで成果を確認する方法について解説します。

URLパラメーターを設定するメリット

WebページのURLにパラメーターを追加することで、多くの利点が生まれます。まずは、URLパラメーターを設定するメリットを詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

ユーザーの流入経路を正しく把握できる

URLパラメーターを設定することで、ユーザーがWebページにアクセスする際の経路やコンテキストを正確に分析することが可能になります。

パラメーターがない場合、広告キャンペーンやSNSのリンクを通じてWebサイトにアクセスしてきたユーザーを、どこから訪れたのか正確に識別するのは困難です。

しかし、URLパラメーターを使用すれば、異なるキャンペーンやソースからのトラフィックを区別できるので、ユーザーの流入経路を正確に把握できます。

広告の効果を正しく計測できる

URLパラメーターは、広告の成果や費用対効果を把握するためにも必要不可欠です。例えば、複数の有料広告を同時に展開している場合、それぞれの広告に固有のURLパラメーターを割り当てることで、効果を個別に計測できます。

「どの広告から、どれだけのアクセスがあり、コンバージョン数はどれだけあったのか」といった詳細な分析も可能です。URLパラメーターを利用すれば、広告の効果を正しく計測できるので、効率的な広告運用につながります。

リスティング広告と自然検索の判別が可能になる

リスティング広告とは、検索キーワードに連動してテキスト表示される広告です。同じページにリスティング広告と自然検索の結果が表示されると、ユーザーがどちらからアクセスしたのか判別ができなくなってしまいます。

しかし、URLパラメーターを設定すれば、リスティング広告からのアクセスか、自然結果からのアクセスかが判別可能になるため、広告運用方針の見直しにもつながるでしょう。

URLパラメーターの種類

URLパラメーターには「アクティブパラメーター」と「パッシブパラメーター」の2種類があります。ここからは、それらの種類について詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

パッシブパラメーター

パッシブパラメーターは、URLに含まれる特定の情報で、Googleアナリティクスなどで主にトラッキング用に使用されます。コンテンツ自体には影響を及ぼさないため、ダミーパラメーターとも呼ばれることがあります。

一般的には、このパラメーターはコンテンツ自体には影響を与えませんが、Web解析やマーケティングの観点からは極めて重要です。以下では、5種類のパッシブパラメーターについて解説します。

utm_source(必須)

「utm_source」は、Webサイトへのトラフィックがどこを参照元としてアクセスして来たのかを示すために用います。ユーザーがWebページにアクセスするために使った検索エンジンやSNSなどを表します。

検索エンジンから流入した場合、「utm_source」の後に検索エンジン名が付いて「utm_source=google」、SNSの場合はSNS名が付いて「utm_source=facebook」などとなります。

このパラメーターの設定は、以下の「utm_medium」と関連しています。「utm_medium」と合わせることで、自然検索なのか、広告経由なのかなどを識別できます。

utm_medium(必須)

「utm_medium」は、トラフィックがどのようなチャネルから来たのかを示すために使われます。広告、自然検索、メールマガジンなど、Webページへのアクセスの方法を特定するのに利用されます。

たとえば、「utm_medium=cpc」という値はリスティング広告からのトラフィックを示し、「utm_medium=organic」という値は自然検索からのトラフィックを示します。「utm_source=google&utm_medium=organic」なら、Googleでの自然検索ということになります。

この情報を正確に把握することで、どの宣伝手法がWebサイトに最も有益なトラフィックをもたらしているかを評価できます。マーケティング戦略の最適化に役立つでしょう。

utm_campaign(必須)

「utm_campaign」は、キャンペーンやプロモーションのトラッキングに使用され、その効果を分析するために設定されます。たとえば、期間限定のセールなどのキャンペーンに対してこのパラメーターを設定します。

このパラメーターは、広告キャンペーンや商品などの名称を識別するためのものです。「utm_campaign=summer_sale」など、一つのキャンペーンに対しては、それに適した名称を設定することが重要です。

このパラメーターを正しく設定することで、キャンペーン施策がどの程度の効果をもたらしたのかを判断できます。

utm_term

「utm_term」は、検索キーワードを特定するために使われます。このパラメーターを設定することで、リスティング広告など有料検索広告において流入キーワードごとに効果を測定できます。

「utm_term」パラメーターを使って、キーワードごとの広告のクリック数やコンバージョン率を測定できます。ただし、全てのキーワードにこのURLパラメーターを設定するのは、手間がかかるという注意点があります。

そのため、リスティング広告などで特に重要なキーワードや重要なキャンペーンに対してのみ、設定することが一般的です。

utm_content

「utm_content」は、広告のコンテンツを識別するためのURLパラメーターです。このパラメーターは広告を複数のバージョンで出稿したり、1つのリンク先に複数の異なるリンクを設定したりするケースのほか、A/Bテストを行う際に利用されます。

たとえば、同じ内容の広告バナーを複数のバージョンで配信している場合や、メールマーケティングで複数のリンクを1つのメール内に含んでいる場合に、それぞれのコンテンツを区別するために利用されます。

このパラメーターは「utm_term」と同じように必須の設定ではなく、広告コンテンツの違いによる効果を比較する場合にのみ利用されます。

アクティブパラメーター

アクティブパラメーターは、URL内の特定のパラメーターの値に応じて、Webページの内容が動的に変化するタイプのパラメーターです。主にECサイトやブログなどの動的ページで活用されます。

たとえば、アパレルのオンラインストアでは、製品カテゴリや色、サイズなどの情報をURLにパラメーターとして付与することで、ユーザーが見たい商品をわかりやすく表示することができます。ユーザーが特定の条件で商品を絞り込んだり、検索したりする際に便利です。

URLパラメーターを生成する方法

URLパラメーターを生成する方法は、Web上のトラフィックを追跡し、効果的なマーケティング戦略を展開する上で極めて重要です。以下では、URLパラメーターを容易に生成する方法について詳しく解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

URLパラメーターを生成する方法

  1. 自作する
  2. キャンペーンURLビルダーを利用する

自作する

URLパラメーターは自分で生成することができます。作る際の基本的なルールと注意点については、以下で解説します。

基本的なルール

URLパラメーターを生成する際の基本ルールは、比較的シンプルです。まず、URLパラメーターを付け加える際には、URLの末尾に「?」を追加します。その後、パラメーターとその値を「パラメーター=値」という形で追加していきます。

複数のパラメーターを追加する場合は、各パラメーターを「&」でつなぎます。このような形式を使うことで、異なるパラメーターを追加しつつ、それぞれに対応する値を付与することができます。

パラメーターとその値のセットは一つずつ設定し、URLに追加するために組み合わせます。この基本ルールに従って、必要なパラメーターと値を追加していくことで、目的に合わせたURLパラメーターを自作することができます。

注意点①

URLパラメーターを自作する際には、URL内に日本語を含めることはできません。日本語をURLに直接含めると、正しく解釈されず、エラーを引き起こす可能性があります。

そのため、日本語を使用する場合は、URLエンコードを行って、特殊な文字コードに変換する必要があります。

注意点②

URLパラメーターには、空白スペースや「&」「?」を含めることもできません。空白スペースがあると1つのURLとして認識されなくなるため、単語を区切る場合はハイフン「-」やアンダーバー「_」を使って区切るようにしましょう(「summer_sale」など)。

また、URLにおいて「&」はパラメーター同士を繋ぐ記号、「?」を元のURLとパラメーターを繋ぐ記号として使われています。そのため、パラメーター内にこれらの記号があると、正しく認識されなくなる恐れがあります。

注意点③

URLパラメーターでは、同じ文字列でも大文字表記と小文字表記は別のものとして認識されます。たとえば、「summer_sale」と「Summer_sale」は別物になってしまいます。

そのため、大文字・小文字を間違えると正確に成果計測ができなくなってしまいます。基本的には全て小文字で表記するのがおすすめです。

注意点④

複数のパラメーターを追加する場合、アンカーリンク(リンク内の特定の場所を指し示すリンク)は、URLの最後に追加する必要があります。

これらの注意点を守ることで、正しい形式でURLパラメーターを生成し、問題なく使用することができます。

キャンペーンURLビルダーを利用する

キャンペーンURLビルダーは、Googleが推奨する無料ツールで、URLパラメーターを自動的に生成してくれます。URLパラメーターを設定する際には、特定の数値やデータを追加する必要があり、そのために手間がかかることがあります。

そこでキャンペーンURLビルダーを利用すると、目的に合わせたURLパラメーターを手軽に設定できます。このツールを使えば、URLパラメーターの設定作業が簡略化されます。

また、記述ミスや間違いを防ぐことができるため、正確な情報を追跡し、正確な分析を行うことができます。担当者は簡単にURLパラメータを設定し、キャンペーンに関連するデータを効果的に追跡することが可能です。

参考:キャンペーンURLビルダー|Google Analytics

Googleアナリティクスで成果を確認する方法

Googleアナリティクスを使用することで、URLパラメーターを設定した各施策の成果を追跡し、詳細なデータを取得することが可能です。以下では、Googleアナリティクスで成果を確認する方法を詳しく解説します。

参考:Google アナリティクス

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

Googleアナリティクスで成果を確認する方法

  1. キャンペーンで広告効果を分析する
  2. ユーザーの流入元を分析する

キャンペーンで広告効果を分析する

Googleアナリティクスの「キャンペーン」機能は、広告やマーケティングキャンペーンの成果を分析するためのツールです。この機能では、特定の広告グループやキャンペーンが、Webサイトにどのような影響を与えたのかを詳細に把握できます。

この機能を使うと、広告のクリック数やCTR(クリック率)、コンバージョン率など、さまざまな指標を追跡することができます。広告がどの程度のトラフィックや成果をもたらしたかを把握し、得られるデータを元に戦略を改善できます。

ユーザーの流入元を分析する

Googleアナリティクスの「参照元/メディア」機能は、Webサイトに訪れたユーザーの流入元を詳細に分析するためのツールです。ここでは、ユーザーがどのような方法でWebサイトに到達したのか、その情報を提供しています。

具体的には、検索エンジン、ソーシャルメディアプラットフォーム、他のWebサイトからのリンクなど、ユーザーがサイトにアクセスする際の経路を示します。

この機能を使うと、特定のソースからのトラフィックがWebサイトにどの程度の訪問者をもたらしたかを把握できます。

URLパラメーターがSEOに与える影響

URLにパラメーターを設定しても、正しくインデックスされていれば、基本的にSEOには影響しないと言われています。ただし、パラメータが付いたURLと通常のURLが、類似のコンテンツを表示する場合、Googleはこれを重複コンテンツとみなすことがあります。

また、無意味なパラメーター付きURLをクロールすることで、重要なページのクロールが後回しにされることも考えられます。

重複コンテンツや無駄なクローリングは、SEOの評価を下げる要因です。そのため、SEOへの影響が大きいと感じる場合は、canonicalタグの設定や、URLパラメータツールの活用などの対策を講じる必要があります。

自社に合ったアクセス解析ツールの導入を

アクセス解析ツールは、Webサイトに訪れたユーザーの動向を詳細に把握できるツールです。Googleアナリティクスは最もよく使われる無料ツールですが、有料のアクセス解析ツールも多数存在します。

アクセス解析ツールは、自社のニーズや目的に合わせて選ぶことが重要です。Googleアナリティクスは初心者にも扱いやすい一方で、有料の解析ツールは高度な機能や詳細な分析が可能です。

また、競合他社の分析ができるものもあります。自社サイトだけでなく、他社サイトの動向も把握することで、市場動向やユーザーの嗜好を理解し、自社の戦略に適応させることができます。

ツールによってアクセス情報がどこまでわかるかは異なるため、それぞれのツールの特性を理解し、自社の目標に最適なツールを選ぶことが重要です。

おすすめのアクセス解析ツール10選|選び方のポイントや注意点も解説

アクセス解析ツールとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を分析するツールです。Webサイトの改善に欠かせないものですが、多数の製品があり、どれが自社に適しているかわからない方も多いでしょう。この記事では、おすすめのアクセス解析ツールや選び方を解説します。

まとめ

アクセス解析におけるURLパラメーターの設定は、ユーザーの行動を詳細に追跡するために不可欠です。これらのパラメーターは、Webサイトへのユーザーアクセス経路を識別するのに役立ちます。

ただし、正確な設定が重要です。設定を誤ると、データの正確性が損なわれ、マーケティング戦略にも悪影響を及ぼす可能性があります。URLパラメーターの設定は簡単に見えますが、誤った設定や不適切な使用は深刻な問題を引き起こすことがあります。

URLパラメーターの設定に自信がない場合は、ツールの導入がおすすめです。より簡単にパラメーターの設定が可能になるほか、情報の取得や分析も効率的に行うことができます。自社に合ったツールを選定して導入しましょう。

Share

top