URLパラメーターを活用したアクセス解析法|種類・メリットも解説

Check!
- URLパラメーターには、パッシブパラメーターとアクティブパラメーターの2種類がある
- URLパラメーターを設定すると、流入経路や広告の効果を正確に分析できる
- URLパラメーターを生成するには、URLの後に「?」から始まる値を付けること
Webサイトのアクセス解析をする際は、URLパラメーターを設定するのが便利です。URLパラメーターは、アクセス解析や広告の効果解析に利用されます。本記事では、URLパラメーターの種類や設定方法、Googleアナリティクスで成果を確認する方法について解説します。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
アクセス解析に役立つURLパラメーターとは

URLパラメーターは、Webページの通常のURLに追加される特定の情報を表す文字列です。Webサイトのアクセス解析をする際は、URLパラメーターを設定するのが便利です。URLパラメーターは、アクセス解析や広告の効果解析に利用されます。
例えば、広告やキャンペーンごとに異なるパラメーターを設定することで、どの広告からサイトに訪れたのか、どのキャンペーンが成果を上げているのかを特定できます。
本記事では、URLパラメーターの種類や設定方法、Googleアナリティクスで成果を確認する方法について解説します。
URLパラメーターを設定するメリット

WebページのURLにパラメーターを追加することで、多くの利点が生まれます。まずは、URLパラメーターを設定するメリットを詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
URLパラメーターを設定するメリット
ユーザーの流入経路を正しく把握できる
URLパラメーターを設定することで、ユーザーがWebページにアクセスする際の経路やコンテキストを正確に分析することが可能になります。
パラメーターがない場合、広告キャンペーンやSNSのリンクを通じてWebサイトにアクセスしてきたユーザーを、どこから訪れたのか正確に識別するのは困難です。
しかし、URLパラメーターを使用すれば、異なるキャンペーンやソースからのトラフィックを区別できるので、ユーザーの流入経路を正確に把握できます。
広告の効果を正しく計測できる
URLパラメーターは、広告の成果や費用対効果を把握するためにも必要不可欠です。例えば、複数の有料広告を同時に展開している場合、それぞれの広告に固有のURLパラメーターを割り当てることで、効果を個別に計測できます。
「どの広告から、どれだけのアクセスがあり、コンバージョン数はどれだけあったのか」といった詳細な分析も可能です。URLパラメーターを利用すれば、広告の効果を正しく計測できるので、効率的な広告運用につながります。
リスティング広告と自然検索の判別が可能になる
リスティング広告とは、検索キーワードに連動してテキスト表示される広告です。同じページにリスティング広告と自然検索からのアクセスがあると、ユーザーがどちらからアクセスしたのか判別ができなくなってしまいます。
そこで、URLパラメーターを設定すれば、リスティング広告からのアクセスか、自然結果からのアクセスかが判別可能になるため、広告運用方針の見直しにもつながるでしょう。
URLパラメーターの種類

URLパラメーターには「アクティブパラメーター」と「パッシブパラメーター」の2種類があります。ここからは、それらの種類について詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
URLパラメーターの種類
パッシブパラメーター
パッシブパラメーターは、URLに含まれる特定の情報で、Googleアナリティクスなどで主にトラッキング用に使用されます。コンテンツ自体には影響を及ぼさないため、ダミーパラメーターとも呼ばれることがあります。
一般的には、このパラメーターはコンテンツ自体には影響を与えませんが、Web解析やマーケティングの観点からは極めて重要です。以下では、5種類のパッシブパラメーターについて解説します。
utm_source(必須)
「utm_source」は、Webサイトへのトラフィックがどのメディアやサイトから来たのかを示すために用います。たとえば、SNSならFacebookやLINE、検索エンジンならGoogleやYahoo!などが挙げられます。
具体的にどのチャネルから来たのかを判別することで、特にアクセスの多いチャネルでの施策を強化したり、逆にアクセスの少ないチャネルの施策を改善したりすることができます。
このパラメーターの設定は、下記で解説する「utm_medium」とも関連しています。
utm_medium(必須)
「utm_medium」は、トラフィックがどのようなジャンルの媒体やチャネルから来たのかを示すために使われます。広告、自然検索、メール、ソーシャルメディアなど、媒体の種類を特定できます。
たとえば、「cpc」という値はリスティング広告からのトラフィックを示し、「organic」という値は自然検索からのトラフィックを示します。
つまり、「utm_source」がGoogle広告を示している場合、「utm_medium」は「cpc」と設定されます。また、「utm_source」がYahoo!検索を指名している場合は、「utm_medium」は「organic」となります。
utm_campaign(必須)
「utm_campaign」は、キャンペーンやプロモーションのトラッキングに使用され、その効果を分析するために設定されます。たとえば、期間限定のセールなどのキャンペーンに対してこのパラメーターを設定します。
このパラメーターは、広告キャンペーンや商品などの名称を識別するためのものです。「utm_campaign=summer_sale」など、一つのキャンペーンに対しては、それに適した名称を設定することが重要です。
このパラメーターを正しく設定することで、キャンペーン施策がどの程度の効果をもたらしたのかを判断できます。
utm_term
「utm_term」は、ユーザーが検索した際のキーワードを特定するために使われます。このパラメーターを設定することで、どのようなキーワードで検索した、つまりどのようなニーズを持ったユーザーがサイトにアクセスしたしているのかを追跡できます。
たとえば、「utm_term」パラメーターを使って、特定の広告キャンペーンにおける検索キーワードとの関係性を測定できます。ただし、関連する全てのキーワードにこのURLパラメータを設定するのは、手間がかかるという注意点があります。
そのため、リスティング広告などで特に重要なキーワードや、重要なキャンペーンに対してのみ、「utm_term」を設定することが一般的です。
utm_content
「utm_content」は、広告コンテンツを識別するためのURLパラメーターです。このパラメーターは広告を複数のバージョンで出稿したり、1つのリンク先に複数の異なるリンクを設定したり、A/Bテストを行う際に利用されます。
たとえば、同じ広告バナーを複数のバージョンで配信している場合や、メールマーケティングで複数の広告を1つのメール内に含んでいる場合に、それぞれのコンテンツを区別するために利用されます。
このパラメーターは設定が必須ではなく、特に広告コンテンツの違いを追跡したり、効果を評価したりする場合に利用されます。
アクティブパラメーター
アクティブパラメーターは、URL内の特定のパラメータの値に応じて、Webページの内容が動的に変化するタイプのパラメーターです。主にECサイトやブログなどの動的ページで活用されます。
たとえば、アパレルのオンラインストアでは、製品カテゴリや色、サイズなどの情報をURLにパラメーターとして付与することで、ユーザーが望む商品を特定して表示することができます。
これによって、ユーザーが特定の条件で商品を絞り込んだり、検索したりする際の利便性を高めることができます。
URLパラメーターの活用場面

ここまでの解説でもURLパラメーターの活用方法が何となくイメージできたかと思いますが、改めてどのような施策においてどのような活用のされ方をしているのか、代表的な活用場面を3つ紹介します。
SNSでの配信方法の改善
SNSからのアクセスを解析すれば、各SNSからどのくらいの流入があるのかだけでなく、どの時間帯で流入が多いのかなどもわかります。
これによって、配信する時間帯を調整したり、SNSによって配信方法を変えたりといった改善を行うことができます。
広告の費用対効果計測
広告施策は、大きなコストがかかることもあります。そのため、費用対効果の計測が非常に重要です。URLパラメーターによってWeb広告におけるアクセス状況や購入率などがわかれば、実際の収益が出るよりも早く効果を確認することができます。
上述したように、広告のパターン別にパラメーターを設定することなどもできるので、どの広告がどのくらいの費用対効果をあげているのかを可視化できます。
メルマガのアクセス傾向を解析
メルマガの配信はWeb施策の中でも代表的なものですが、メルマガに掲載するURLにもパラメーターを設定するのがおすすめです。メルマガの読者は、SNSのフォロワーや検索、広告から流入するユーザーとは異なる反応を示すこともあります。
メルマガの読者はどのようなアクセス傾向を示しているのかをURLパラメーターによって識別することで、メルマガ施策をより充実したものにすることができます。
URLパラメーターを生成する方法

URLパラメーターは、Web上のトラフィックを追跡し、効果的なマーケティング戦略を展開する上で極めて重要です。以下では、URLパラメーターを容易に生成する方法について詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
URLパラメーターを生成する方法
自作する
URLパラメーターは自分で作成することができます。作る際の基本的なルールと注意点については、以下で解説します。
基本的なルール
URLパラメーターを生成する際の基本ルールは、比較的シンプルです。まず、URLパラメーターを付け加える際には、URLの末尾に「?」を追加します。その後、パラメーターとその値を「パラメーター=値」という形で追加していきます。
複数のパラメーターを追加する場合は、各パラメーターを「&」でつなぎます。このような形式を使うことで、異なるパラメーターを追加しつつ、それぞれに対応する値を付与することができます。
パラメーターとその値のセットは一つずつ設定し、URLに追加するために組み合わせます。この基本ルールに従って、必要なパラメーターと値を追加していくことで、目的に合わせたURLパラメーターを自作することができます。
注意点①
URLパラメーターを自作する際には、URL内に日本語を含めることはできません。日本語をURLに直接含めると、正しく解釈されず、エラーを引き起こす可能性があります。
そのため、日本語を使用する場合は、URLエンコードを行って、特殊な文字コードに変換する必要があります。
注意点②
URLパラメーターには、空白スペースや「&」「?」を含めることもできません。空白スペースがあると1つのURLとして認識されなくなるため、単語を区切る場合はハイフン「-」やアンダーバー「_」を使って区切るようにしましょう(「summer_sale」など)。
また、URLにおいて「&」はパラメーター同士を繋ぐ記号、「?」を元のURLとパラメーターを繋ぐ記号として使われています。そのため、パラメーター内にこれらの記号があると、正しく認識されなくなる恐れがあります。
注意点③
URLパラメーターでは、同じ文字列でも大文字表記と小文字表記は別のものとして認識されます。たとえば、「summer_sale」と「Summer_sale」は別物になってしまいます。
そのため、大文字・小文字を間違えると正確に成果計測ができなくなってしまいます。基本的には全て小文字で表記するのがおすすめです。
注意点④
複数のパラメーターを追加する場合、アンカーリンク(ページ内の特定の場所を指し示すリンク)は、URLの最後に追加する必要があります。
これらの注意点を守ることで、正しい形式でURLパラメーターを生成し、問題なく使用することができます。
キャンペーンURLビルダーを利用する
キャンペーンURLビルダーは、Googleが推奨する無料ツールで、URLパラメーターを自動的に生成してくれます。URLパラメーターを設定する際には、特定の数値やデータを追加する必要があり、そのために手間がかかることがあります。
そこでキャンペーンURLビルダーを利用すると、目的に合わせたURLパラメーターを手軽に設定できます。このツールを使えば、URLパラメーターの設定作業が簡略化され、設定の正確性も向上します。
また、記述ミスや間違いを防ぐことができるため、正確な情報を追跡し、正確な分析を行うことができます。担当者は簡単にURLパラメータを設定し、キャンペーンに関連するデータを効果的に追跡することが可能です。
参考:キャンペーンURLビルダー|Google Analytics
Googleアナリティクスで計測結果を確認する方法

Googleアナリティクスを使用することで、URLパラメーターを設定した各施策の成果を追跡し、詳細なデータを取得することが可能です。以下では、Googleアナリティクスで成果を確認する方法を詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
Googleアナリティクスで成果を確認する方法
「キャンペーン」で広告効果を分析する
Googleアナリティクスの「キャンペーン」機能は、広告やマーケティングキャンペーンの成果を分析するためのツールです。この機能では、特定の広告グループやキャンペーンが、Webサイトにどのような影響を与えたのかを詳細に把握できます。
この機能を使うと、広告のクリック数やCTR(クリック率)、コンバージョン率など、さまざまな指標を追跡することができます。広告がどの程度のトラフィックや成果をもたらしたかを把握し、得られるデータを元に戦略を改善できます。
ユーザーの流入元を分析する
Googleアナリティクスの「参照元/メディア」機能は、Webサイトに訪れたユーザーの流入元を詳細に分析するためのツールです。ここでは、ユーザーがどのような方法でWebサイトに到達したのか、その情報を提供しています。
具体的には、検索エンジン、ソーシャルメディアプラットフォーム、他のWebサイトからのリンクなど、ユーザーがサイトにアクセスする際の経路を示します。
この機能を使うと、特定のソースからのトラフィックがWebサイトにどの程度の訪問者をもたらしたかを把握できます。
URLパラメーターがSEOに与える影響

URLにパラメーターを設定しても、正しくインデックスされていれば、基本的にSEOには影響しないと言われています。ただし、パラメーターが付いたURLと通常のURLが、類似のコンテンツを表示する場合、Googleはこれを重複コンテンツとみなすことがあります。
また、無意味なパラメーター付きURLをクロールすることで、重要なページのクロールが後回しにされることも考えられます。
重複コンテンツや無駄なクローリングは、SEOの評価を下げる要因です。そのため、SEOへの影響が大きいと感じる場合は、canonicalタグの設定や、URLパラメーターツールの活用などの対策を講じる必要があります。
自社に合ったアクセス解析ツールの導入を

アクセス解析ツールは、Webサイトに訪れたユーザーの動向を詳細に把握できるツールです。Googleアナリティクスは法人サイト、個人サイト含め最もよく使われる無料ツールですが、有料のアクセス解析ツールも多数存在します。
このツールは、自社のニーズや目的に合わせてツールを選ぶことが重要です。Googleアナリティクスは初心者にも扱いやすい一方で、有料の解析ツールは高度な機能や詳細な分析が可能です。
また、競合他社の分析ができるツールもあります。自社サイトだけでなく、他社サイトの動向も把握することで、市場動向やユーザーの嗜好を理解し、自社の戦略に適応させることができます。解析でどこまでわかるかはツールによって異なりますので、それぞれのツールの特性を理解し、自社の目標に最適なツールを選ぶことが重要です。

おすすめのアクセス解析ツール10選|選び方のポイントや注意点も解説
アクセス解析ツールとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を分析するツールです。Webサイトの改善に欠かせないものですが、多数の製品があり、どれが自社に適しているかわからない方も多いでしょう。この記事では、おすすめのアクセス解析ツールや選び方を解説します。
まとめ

アクセス解析におけるURLパラメーターの設定は、ユーザーの行動を詳細に追跡する際に不可欠です。これらのパラメーターは、Webサイトへのユーザーアクセス経路を識別するのに役立ちますが、正確な設定が重要です。
ただし、正確な設定が重要です。設定を誤ると、データの正確性が損なわれ、マーケティング戦略にも悪影響を及ぼす可能性があります。URLパラメーターの設定は簡単に見えますが、誤った設定や不適切な使用は深刻な問題を引き起こすことがあります。
URLパラメーターの設定に自信がない場合は、ツールの導入がおすすめです。より簡単にパラメーターの設定が可能になるほか、情報の取得や分析も効率的に行うことができます。自社に合ったツールを選定して導入しましょう。
この記事に興味を持った方におすすめ