FAQとは|FAQを活用することで得られる効果などを解説
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- FAQとは、顧客や従業員からのよくある質問と、それに対する回答を集約したものである
- FAQの活用により問い合わせ対応の工数を削減できるため、業務が効率化される
- FAQシステムを活用して顧客ニーズを分析することで、サービスの改善や開発に活かせる
FAQとは、顧客や従業員からのよくある質問と、その質問に対する回答を集約したものです。FAQを活用することで、これまで有人で行っていた対応を削減することができ、業務が効率化されます。この記事では、FAQの種類や効果、システム導入のメリットなどを解説します。
FAQとは
FAQとは「Frequently Asked Questions」の略で、「エフ・エー・キュー」や「フェイク」などと読みます。日本語では「よくある質問」を意味し、FAQは顧客や従業員からのよくある質問と、その質問に対する回答を集めたものを指します。
FAQを活用することにより、顧客からの商品やサービスに関する利用方法・使い方の問い合わせや、従業員からの人事や業務に関する問い合わせ件数を軽減できます。FAQにより、問い合わせを行う前に自己解決ができるため、対応にかかる手間やコストの削減が可能です。
また、FAQと似た言葉のQ&Aとの違い、FAQにチャットボットを活用できる点について、以下で具体的に解説します。
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FAQとは
Q&Aとの違い
FAQは問い合わせの多い「よくある質問」を意味する一方で、Q&Aは「Question and Answer」の略で、日本語で「質問と回答」を指します。FAQとQ&Aを同じ意味で認識する場合もありますが、FAQはQ&Aの中から頻繁に寄せられる質問と回答を集めたものです。
また、Q&Aには実際に寄せられていない質問と回答も存在します。質問されると予想された事項の質問と回答を事前に作ることで、問い合わせの件数を減らすためです。
FAQの場合、よくある質問のみの情報量であるのに対し、Q&Aは寄せられた質問や想定される質問を幅広く提示するため、情報量はQ&Aの方が多くなります。
チャットボットをFAQに活用する場合も多い
チャットボットとは、「チャット」とロボットの「ボット」を組み合わせた言葉で、自動的に会話を行うプログラムを指します。最近ではFAQにチャットボットを活用し、問い合わせ業務を効率化している企業も増えています。
チャットボットがユーザーが音声や文字で質問したキーワードから、検索意図にヒットする可能性のある回答を会話形式で提示できるため、FAQページの代わりに活用できます。
また、AIを搭載したチャットボットは、使えば使うほどFAQを機械学習するため、精度の高い回答を自然な会話形式で提供できるようになります。
FAQシステムとチャットボットの違い|向いている企業の特徴も解説
FAQシステムとチャットボットは、どちらも顧客の疑問に対して回答を提示するシステムですが、自社に合うシステムはどちらなのか分からない企業もあるでしょう。本記事では、FAQシステムとチャットボットの違いや、それぞれ導入が向いている企業の特徴を解説しています。
FAQの種類
FAQには、顧客向け・コールセンター向け・社内向けの大きく分けて3つの種類があります。それぞれ対象となるユーザーが異なるため、特徴や利用シーンも異なります。以下で3つの種類について具体的に解説します。
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FAQの種類
顧客向けのFAQ
顧客向けのFAQは、商品の使い方や修理・故障などの問い合わせに対し「よくある質問」を提示します。頻繁に寄せられる質問と回答の中に、顧客が求める情報が含まれていることが多く、問い合わせを行う前に自己解決できるのがポイントです。
コールセンターへの問い合わせは繋がりにくい時間帯などがあり、オペレーターとの会話に時間がかかることが多く躊躇されがちです。しかし、多くの問い合わせ内容は、FAQを確認すれば掲載されているケースが多いため、問い合わせ前に解決できます。
企業側も問い合わせが減ることで、コールセンターのコスト削減に繋がります。
コールセンター向けのFAQ
コールセンター向けFAQは、コールセンターのオペレーターが利用するFAQです。顧客からの問い合わせに対してスムーズな回答ができるように、マニュアルだけでなくFAQの中から適切な回答を選んで対応します。
新人オペレーターは経験も浅いため、さまざまな問い合わせ内容のパターンを把握できていない状態が多いです。FAQを参照することで、他のオペレーターと対応の差が生まれにくいため、属人化を防ぐ対策にもなります。
社内向けのFAQ
社内向けのFAQは、社内における人事関係の手続きやシステムの操作方法など、社員の「よくある質問」に対応するために、質問・回答を設置するものです。社員の問い合わせ窓口として、社内ヘルプデスクを設置している企業に有効です。
社内FAQを設置することで、社員の問い合わせ件数を減らせるため、ヘルプデスク業務の負担を軽減できます。また、在宅ワークの際や新入社員・中途社員の業務サポート、担当者が不在の場合に、別の担当者が代務する際にも役立ちます。
FAQを活用することで得られる効果
FAQを活用することで、さまざまな効果が得られます。自己解決できるため疑問の解決までの時間がかからず、ユーザー満足度が向上します。企業側も問い合わせ工数を軽減できるうえ、SEO対策の強化などサイトや企業全体の品質向上にも役立ちます。
ここからは、FAQを活用することで得られる効果について具体的に解説します。
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FAQを活用することで得られる効果
疑問解決までが早いため、ユーザー満足度が向上する
顧客が商品やサービスに関する問い合わせを行う際は、一般的にコールセンターやヘルプデスクを利用します。しかし、コールセンターは回線が混み合い、繋がりにくい状態があるなど、オペレーターと会話ができるまで時間がかかるケースが多い傾向があります。
顧客からのよくある質問としてFAQを設置することで、顧客は疑問点について似たような質問内容を確認できるため、コールセンターに問い合わせする前に自己解決することができます。容易に疑問解決に結びつくことから、ユーザー満足度の向上にも繋がります。
問い合わせ対応の工数を軽減することができる
FAQを活用することで、コールセンターやヘルプデスクの問い合わせ工数を軽減することができます。顧客は商品やサービスに対する疑問を解決するために、コールセンターへ電話をかけます。
顧客は商品やサービスに対する疑問を解決するために、コールセンターへ電話をかけます。コールセンターでは、頻繁に寄せられる内容の質問に対し、個々に対応を行う必要があり、オペレーターの人数を確保する必要があります。
そこで、FAQを設置することで、顧客は問い合わせを行う前に問題を自己解決することが可能です。そのため、コールセンターへ電話をする必要がなくなり、問い合わせ件数の削減に繋がります。
SEO対策の強化やサイトの評価向上に繋がる
顧客向けFAQページを企業のサイトに掲載する場合、SEOを強化することにより、顧客は検索エンジンからスムーズにFAQページへと辿り着くことができます。FAQページは、検索エンジンと相性が良いため、SEO対策としても活用することが可能です。
FAQページに顧客の求める情報として想定されるキーワードを盛り込むことで、サイト評価が向上し、検索順位を上げることが可能です。FAQページにスムーズに辿り着くことで、早い段階で顧客の疑問を自己解決へと導くため、ユーザー満足度のアップも期待できます。
ノウハウや情報を蓄積でき、サービス改善・開発にも活用できる
FAQを設置することでノウハウや情報を蓄積でき、今後のサービス改善・開発にも活用できます。FAQの蓄積によって、業務に関するノウハウや情報を業務マニュアルとして活用することができ、新人など従業員教育にも役立ちます。
また、FAQを共有することにより、担当者が不在の場合でも業務を行うことができるため、業務の属人化を防ぎます。蓄積されたFAQは、事例集として今後のサービスの向上や開発に活かせるため、企業全体の品質向上にも役立ちます。
FAQの作り方
FAQを作る際は、自社の目的に合わせて、顧客が利用しやすいFAQを作成することで、長期的に活用することができます。ここからは、FAQの作り方について解説します。
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目的に合わせて情報を収集する
まずは、目的に合わせて情報収集を行います。例えば、目的が顧客からの問い合わせに対するFAQであれば、既に寄せられた質問や回答の情報を集めます。問い合わせ履歴をデータで蓄積している場合は、スムーズに情報を収集できます。
データがない場合や情報量が少ない場合は、コールセンターなどのオペレーターに「よくある質問」についてのヒアリングを行うと良いでしょう。その際、顧客が納得できる回答のポイントなども合わせて収集することで、FAQの質を高める材料に活用できます。
集めた情報を整理する
過去のデータやヒアリングによって集められた情報は、問い合わせ頻度やカテゴリーなどによって分類・整理します。FAQの見出しにするために、問い合わせの多いものをピックアップしておきましょう。
問い合わせ頻度が多いものを上位に配置することで、顧客のニーズに合ったFAQページが完成します。顧客が求める回答をスムーズに見つけられるかどうかで、問い合わせ件数を左右することになります。
また、カテゴリー別に分類することで、関連する情報ページへと誘導できるなど、顧客が利用しやすいFAQページが作成できます。
レギュレーションに沿ってFAQを作成する
FAQを作成する際は、レギュレーションを設定してから作成します。用語にさまざまな呼称や専門用語が存在する場合、一つの呼称に揃えることが重要です。たとえば、「キャンセル」「返品」など同じ意味を持つ単語のいずれかに統一します。
さまざまな呼称でFAQを作成した場合、ユーザーの混乱や顧客満足度の低下を招く恐れがあります。そのため、表記のブレがないように確認しましょう。
FAQを作ることによって、ユーザー自身で回答に辿りつけるので、問い合わせ対応の工数を削減することができます。FAQは、顧客向けだけでなく、社内のヘルプデスクとしても活用することができます。この記事では、FAQの作り方や作成するメリット、注意点を解説します。
FAQを作成する際のポイント
FAQを作成する際は、ユーザーが見やすいページであるかや、専門用語の使用を避けることがポイントです。また、FAQシステムの導入によって効果的な作成が可能になります。ここからは、FAQを作成する際のポイントについて解説します。
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FAQを作成する際のポイント
使いやすく見やすいページを意識する
FAQのページは、見やすく使いやすいページを意識することが重要です。具体的には、質問と回答を検索できるようにすることや、PCでもスマートフォンでも見やすいようにレスポンシブデザインに対応するといった工夫を行いましょう。
これにより、ユーザーは素早く欲しい情報にたどり着くことができ、FAQの利用率や顧客満足度の向上に繋がります。また、FAQページは定期的に効果測定を行なって、改善を重ねることも大切です。
専門用語の使用を避ける
FAQを作成する際は、なるべく専門用語の使用は避けましょう。例えば、製品の初期設定や操作方法などにおいては、なるべく分かりやすい言葉に置き換えることで、ユーザーは混乱せずにスムーズに情報を得られます。
また、専門用語を多用すると、FAQを見てもユーザーは疑問を解決できません。これにより、オペレーターへの問い合わせが軽減されなかったり、顧客満足度の低下に繋がったりするなど、FAQの導入効果を得られない恐れもあります。
FAQシステムを導入する
FAQシステムとは、FAQを作成・検索できるように整備したFAQページを提供するシステムです。ユーザーが問い合わせを行う前に、疑問点を自己解決できるように導く役割を担います。システムの導入により、FAQの作成・運用においてさまざまなメリットが得られます。
FAQシステムでは、「よくある質問」の回答を作成するコンテンツ作成機能や、質問を探すための検索機能が備わっています。また、検索に用いられたキーワードや検索結果の表示などのレポーティングも行い分析を行う機能もあります。
FAQシステムとは?導入のメリットとシステムの比較ポイントを解説
FAQシステムとは、エンドユーザーからの「よくある質問」とその回答を作成し蓄積したものをWebページやアプリ内で検索できる機能です。この記事では、FAQシステムの機能やメリット・デメリットを踏まえ、選び方など導入前に抑えておきたいポイントを解説します。
FAQシステムを導入するメリット
FAQシステムを導入することで、FAQの作成・運用の容易化や情報の分析などが可能になります。ここからは、FAQシステムを導入するメリットについて解説します。
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FAQシステムを導入するメリット
FAQの作成・運用が簡単にできる
FAQシステムを導入することにより、FAQを簡単に作成することができます。多くのシステムでテンプレートが用意されているため、高度なITスキルがなくても直感的な操作でFAQを作成できます。
また、収集した問い合わせ内容のカテゴリ分けなどの作業も効率化することが可能です。運用においては、FAQを追加・削除したい場合でも簡単に操作できるため、更新など管理作業の効率化が実現し、FAQを最新の状態で保持することが可能です。
用途の異なるFAQを一元管理できる
顧客向け・社内向けなど用途の異なるFAQをどちらも設置する場合、FAQシステムを導入することで、これらのFAQを一元管理することができます。顧客向け・社内向けFAQを一元管理し、社内で共有することで業務の属人化を防ぐことが可能です。
また、社員が個々に持つ有効な情報やスキルをFAQに追加することで、より精度の高いFAQを提供できます。その結果、顧客満足度の向上や社員のスキルアップへと導くことが可能です。
よりスムーズに検索や対応ができる
FAQシステムには、ユーザーの使いやすさを重視した仕組みが整っているため、システムの導入によって顧客満足度の向上が期待できます。FAQシステムでは、ユーザーがスムーズにFAQを検索できるように検索精度が高く、操作も簡単なものが多いです。
コールセンター向けのFAQシステムの場合は、オペレーターが顧客情報を瞬時に表示し、閲覧しながら会話ができるため、適切な対応をスムーズに行うことが可能です。
また、経験の浅い新人のオペレーターでも回答するべきFAQをスムーズに検索して、参照しながら顧客対応を行うことが可能です。FAQを活用することで、他のオペレーターとの応対品質のバラつきを防ぎ、コールセンター全体の品質向上に役立ちます。
効率的に情報を収集・分析できる
FAQシステムを導入することで、よくある質問の情報収集を効率的に行えます。問い合わせ内容をデータ化している場合や、チャットボットを利用している場合は、連携により情報収集作業が効率化します。
また、ユーザーの検索回数や検索キーワードの分析を行うことも可能です。検索数が0に近いFAQは適宜削除を行い、検索数の多いFAQは、より早く自己解決へと導けるよう改善をすることで、顧客のニーズに合わせることが可能です。
さらに、分析結果はFAQを充実させるだけでなく、問い合わせの内容をもとに今後の商品・サービスの品質向上へと役立つ資料資産として活用することができます。
まとめ
FAQは顧客や従業員からの「よくある質問」と、その回答を集約したものです。FAQを活用することで、ユーザーは問い合わせの電話をする前に自己解決できるため、問い合わせの件数を削減できます。
問い合わせ業務を削減することで、コールセンターやヘルプデスクの業務負担が軽減し、人件費や通信費などのコスト削減に役立ちます。FAQには、主に顧客向け・コールセンター向け・社員向けがあり、いずれもユーザーの疑問点を自己解決に導くために設置されます。
FAQの内容を充実させることで、顧客満足度の向上や従業員内での業務の属人化が防止できます。また、担当者ごとに対応の差がなくなるため、企業の品質向上にも役立ちます。自社の業務効率化やサービスの改善・向上のために、適切なFAQを作成して活用しましょう。
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