動画配信システムの構築方法とは?仕組み・構築時のポイントも解説

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  • 動画配信システムは、フルスクラッチやパッケージ型・クラウド型の利用で構築できる
  • ストリーミング配信を行うには、ストリーミングサーバーの構築が必要である
  • 動画配信システムを構築する際は、会員管理・視聴制限などの機能を搭載するのが重要

動画配信システムとはインターネットを介して動画や音声を配信できるシステムのことです。動画配信システム・プラットフォームを構築することで、社内外へ自由にコンテンツを配信できるようになります。本記事では、動画配信システムを構築する方法や仕組みなどを解説します。

目次

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  1. 動画配信システムとは
  2. 動画配信システム・プラットフォームを構築するメリット
  3. 動画配信システム・プラットフォームを構築する方法
  4. 動画配信システムの仕組み・配信方式
  5. 動画配信システム・プラットフォームを構築する流れ
  6. 動画配信システムを構築する際に注意したいポイント
  7. まとめ

動画配信システムとは

動画配信システムとは、インターネットを介して動画を配信するシステムです。動画配信プラットフォームを構築することで、動画の配信や管理・運営が行えるようになります。しかし、動画配信システムと動画配信プラットフォームを同じ意味で使う場合も多いです。

動画配信システムには動画配信機能だけでなく、動画編集の機能や動画の複製を制限する機能など、動画配信をサポートするさまざまな機能が搭載されています。また、ストリーミング配信・ダウンロード配信・ライブ配信といった配信にも対応できます。

動画配信システムとは?導入のメリットや選ぶポイントなどを解説

動画配信システムとは、社内外に向けて企業が動画を配信したり、その動画を管理することができるシステムです。この記事では、動画配信システムの利用目的や種類、導入のメリットや実際に選定する際に気を付けたいポイントなどについて詳しく解説していきます。

動画配信システム・プラットフォームを構築するメリット

動画配信システムを利用すると、社内外に向けて自由に動画コンテンツの配信ができるため、各企業で幅広く活用されています。しかし、活用法によって必要な機能が異なることから、導入の際には活用方法の明確化が重要です。

ここでは、社外向け配信と社内向け配信における、動画配信システム・プラットフォームを構築するメリットを解説します。

社外向け配信のメリット

社外向け配信では、製品のPRや広報活動の動画配信、見込み顧客向けのWebセミナーの開催などで、顧客の購買意欲の向上に期待できます。また、採用活動において自社のアピール動画配信を行うことで、自社の印象を良くして優秀な人材の確保にもつなげられます。

その他にも、動画配信システムを有料動画の販売などに利用して、収益化することも可能です。この場合は、決済機能やユーザー管理・売上管理機能を搭載したシステムが便利です。

社内向け配信のメリット

社内向け配信では、従来まで従業員を一箇所に集め、一斉に行っていた研修やセミナーを動画配信で行うことができます。さらに、研修会場の確保や設営が不要になり、コスト削減が図れます。そして、毎年同じ内容で行う研修では、講師に依頼する費用も削減可能です。

このように、コスト面でのメリットに加え、知識やノウハウを動画コンテンツ・1つの資産として企業内に蓄積していけるのも大きな利点です。

動画配信システム・プラットフォームを構築する方法

動画配信システム・プラットフォームを構築する方法として、フルスクラッチ・パッケージ型・クラウド型が挙げられます。ここでは、それぞれの構築方法について解説します。

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動画配信システム・プラットフォームを構築する方法

  1. フルスクラッチで構築する
  2. パッケージ型を利用する
  3. クラウド型を利用する

フルスクラッチで構築する

フルスクラッチとは、自社に合わせた動画配信システムをゼロから構築する方法です。オーダーメイドで利用しやすいシステムの構築ができます。また、自社に合わせたカスタマイズをしながら、自社独自の機能を付け加えることで、他社との差別化も実現します。

ただし、高度な専門知識が必要なため、人材が確保できない場合は専門業者に制作を依頼しなければならず、高額の費用が発生します。そして、運用後の保守やセキュリティ対策を自社で行う必要があるため、大規模な動画配信プロジェクトの立ち上げに向いています。

メリット自社に合わせたオリジナルシステムの構築が可能
デメリット・費用が高額
・セキュリティ対策・メンテナンスは自社で実施
費用相場数百万円~数千万円、別途メンテナンスなどの管理費用

パッケージ型を利用する

パッケージ型は、製品として提供されている動画配信システムを購入してインストールする導入方法です。システム開発の必要がないため、フルスクラッチに比べて比較的早く導入・運用ができます。つまり、有料動画の販売で利用する場合は早期の収益化が可能です。

また、フルスクラッチには劣りますが、独自機能の追加やデザインのカスタマイズも可能です。なお、導入費用は少し抑えられますが、セキュリティ対策やメンテナンスはスクラッチでの構築と同じように自社で行う必要があります

パッケージ型は製品によって搭載する機能が大きく異なります。社内向けとして利用するのか、社外にも配信したいのか、有料動画配信サイトを立ち上げたいのかなど、自社の動画配信システムにおける活用方法に沿った最適なシステムの選択が重要です。

メリット・短期間で運用が可能
・スクラッチ型に比べて低価格
デメリット・カスタマイズ性や搭載機能が製品ごと異なる
・セキュリティ対策・メンテナンスは自社で実施
費用相場数十万円〜数百万円、別途インフラ維持管理費用

クラウド型を利用する

クラウド型の動画配信システムはベンダーのサーバーに構築されており、インターネットを介してシステムを利用する形態です。自社にサーバーを置く必要がなく、メンテナンスやバージョンアップはシステムを提供するベンダーが行うため、費用はかかりません。

ただし、セキュリティ対策はベンダーに依存するため、自社独自のセキュリティ対策は施せません。したがって、セキュリティ対策はシステム選択のポイントになります。なお、クラウド型では初期費用を抑えられますが、毎月の利用料が発生します。

近年では、豊富な機能を搭載した企業向けのシステムが数多く提供されています。そして、手軽に導入できることから中小企業でも多く採用されている方法です。サイトのデザインや機能に特段のこだわりがなければ、コストを抑えたプラットフォームの構築が可能です。

メリット・初期費用が安く、保守や維持費用が不要
・短期間で運用可能
デメリット・カスタマイズの自由度が低い
・セキュリティ対策が自由にできない
費用相場初期費用約10万円~数十万円、月額数万円〜

動画配信システムの仕組み・配信方式

動画配信システムの配信方式には3種類あり、プラットフォーム構築の際には目的に応じた配信方式の選択が必要です。ここでは、下記の3つの配信方式について解説します。

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動画配信システムの仕組み・配信方式

  1. ストリーミング配信
  2. プログレッシブダウンロード配信
  3. DRM配信

ストリーミング配信

ストリーミング配信とは、ユーザーが動画ファイルをダウンロードしながら、同時に再生できるストリーミングサーバーを使った配信方法です。動画ファイルは端末のメモリに一旦保存されますが、視聴後にデータが削除されるため端末に動画ファイルは残りません。

よって、不正ダウンロードや無断転載などを防ぎやすく、著作権や機密情報保護が必要なコンテンツの配信に適しています。視聴者のストレージを使用しないため、長時間の動画配信も可能です。

また、ストリーミング配信には、生放送で配信する「ライブ配信」と録画した動画を配信する「オンデマンド配信」があります。クラウド型の動画配信システムの多くは、ストリーミングサーバーが使えるようになっており、別途構築の必要はありません。

プログレッシブダウンロード配信

プログレッシブダウンロード配信は、ストリーミング配信と同様にダウンロードしながら再生が可能な配信方法です。しかし、ストリーミングサーバーを使用していないことから、ダウンロードされた動画は削除されずにユーザーの端末に残ってしまいます

また、プログレッシブダウンロード配信は、配信状況が悪いと再生が停止してしまいます。その際、ストリーミング配信では画質を落とした配信となり、画質が悪くなったりスキップしたりはしますが、停止はせずに再生が進みます。

DRM配信

DRMは「Digital Rights Management」の略で、日本語では「デジタル著作権管理」と呼ばれています。DRM配信は、違法コピーや流出を防ぐ著作権の管理技術が施された配信方法です。

著作権保護にはさまざまな技術がありますが、動画データを再生できないように暗号化して、再生するための複合化キーを発行する方法がよくとられています。DRM配信を行うことで、違法コピー防止をはじめ、再生回数や再生期間に制限を設けることも可能です。

無料で配信する機密性のないセミナー動画であれば、コストのかかるDRM配信の必要はありませんが、有料動画販売には最適な配信方法です。

動画配信システム・プラットフォームを構築する流れ

動画配信システム・プラットフォームを構築する際には、取り組むべき流れがあります。ここでは多くの企業で行われている一般的な構築の流れを解説します。

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目的・コンセプトを明確にする

まず、自社が動画配信システムを導入する目的を明確にしましょう。社内用なのか、顧客セミナー開催を含めた社外でも使いたいのか、有料動画販売サイトを構築したいのかを最低限決めておくことで、無駄なコストをかけずにシステム導入を行うことができます

特に、有料動画販売サイトの構築では目標設定が不可欠であり、他社との差別化を図らなければ激しい競争に勝てません。そのため、動画のジャンルや利用者のターゲット層、会員制の配信にするかどうかなどを明確にします。

要件定義をまとめる

目的やコンセプトが決まったら、それらを実現するための機能や性能を要件定義としてまとめます。特に、フルスクラッチで自社開発する場合や、専門業者に開発を委託する場合は、詳細まで定義しておく必要があります

具体的には、動画アップロード機能・動画再生機能・会員管理機能・決済機能・問い合わせ機能の必要性、必要な場合の細かな仕様などを定めます。なお、パッケージ型やクラウド型の導入では、必須機能とあると便利な機能を順位付けしてまとめておくのがおすすめです。

システム開発会社を探す

自社でシステム開発する場合は必要ありませんが、システム開発を外注する場合やパッケージ型・クラウド型で導入する場合は、システム開発会社を探す工程が非常に重要です。その際は、価格だけでなく、導入実績やサービスの充実度を含めて幅広く探しましょう

最初から1社に絞らず、できるだけ多くの会社に問い合わせし、複数社を比較検討するのがおすすめです。また、クラウド型の導入を考えている場合は、ベンダーのセキュリティ対策やアフターサービスの充実度も十分に考慮して選択することが大切です。

見積もりをとって比較する

自社にとって、より良いシステムが導入できそうな提供会社を絞り込めたら、見積もりをとって比較します。その際、自社のコンセプトや詳細に書かれた要件定義書を添付し、それにしたがって見積もりをするように依頼しましょう。

システムを実装する

見積もりを基に依頼するシステム会社と契約を交わしたら、実装に移ります。自社開発やシステム開発会社に開発を依頼する場合は、要件定義書の内容にもよりますが、数ヶ月かかる場合が多いです。そして、開発途中で動作チェックや確認を求められる場合もあります。

また、パッケージ型の場合も運用までに月単位の準備期間が必要になります。中でも、一番早く運用開始できるのがクラウド型であり、契約から比較的短期間で運用可能です。

動作テストを行いリリースする

フルスクラッチ型やパッケージ型の場合は、動作テストを行います。動作テストでは、事前に通知した要件定義書に沿ったシステムになっているか、使いやすさや見やすさなどを細かくチェックします。仮に不備があれば修正を依頼します。

特に、フルスクラッチ型の動画配信プラットフォームはバグが発生しやすいため、慎重なテストが必要です。パッケージ型の場合は、使いやすさやデザインなどを確認して変更しつつ、他システムと連携の確認も行います。

動画配信システムを構築する際に注意したいポイント

効果的な動画配信システムの運用を実現するためには、いくつかのチェックポイントがあります。ここでは、特に重要な下記のポイントについて解説します。

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会員管理・視聴制限の機能を搭載する

会員管理機能は、いつ・だれが・何を視聴したかなどデータを管理する機能です。会員への一斉メールやメルマガの送付などに利用できます。特に、企業の会員顧客への動画配信や動画販売サイトにおける重要なデータとなり、顧客のアップセルやクロスセルが狙えます。

また、有料動画を販売するサイトの運営では、視聴回数や視聴期間の設定ができる視聴制限機能があると収益を上げやすくなります。その理由は、視聴者は同じ価格帯を比較した際、何度も視聴できるサイトを選んで購入する傾向があるためです。

外部システムとの連携性をチェック

動画配信システムをより有効に利用したいなら、他の外部システムと連携できる動画配信システムがおすすめです。特に、顧客管理システムであるCRMとの連携はWebマーケティングに有効とされ、他サイトで取得したデータも動画配信システムで利用できます。

なお、すでに動画配信システム以外のシステムが導入されている場合は、それらのシステムと連携できる動画システムを選択するのがおすすめです。

動画を販売するなら決済機能も必須

有料動画を販売するサイトを運営するなら、決済機能の搭載は必須です。決済方法には、月額制・会員制で視聴動画数に関係ないもの・動画単位で課金して視聴する体系など、さまざまなパターンがあります。自社に合わせて課金パターンを設定できるものがおすすめです。

また、最近の決済方法はクレジットカードだけではなく、コンビニ決済・銀行振込・QRコード決済など多様化しています。そのため、できるだけ多くの決済方法に対応した動画配信システムの導入を検討しましょう。

セキュリティ対策を万全にする

動画配信システムのセキュリティ対策は、利用方法が社内・社外を問わず非常に重要です。社内であっても、機密情報が含まれた研修動画やノウハウ動画などを配信する場合があります。また、販売した動画が不正利用されないようなセキュリティ対策も必要です。

たとえば、限定した人だけに公開できる機能や、DRM配信・ストリーミング配信・IP制限・ワンタイムURLといった、セキュリティ機能を持つプラットフォームの選択が大切です。

その他にも、動画データの漏えい・消失、個人情報の流出を防止できるセキュリティ対策も求められます。

まとめ

動画配信システムとは、インターネットを介して動画や音声を配信できるシステムのことです。動画配信システム・プラットフォームを構築することで、社内外へ自由にコンテンツを配信できるようになります。

社内では研修動画やマニュアル動画などに、社外ではWebセミナーの開催や有料コンテンツの販売などに利用されています。プラットフォームの構築方法には、フルスクラッチやパッケージ型・クラウド型があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。

また、配信方法にはストリーミング配信・プログレッシブダウンロード配信・DRM配信があり、ストリーミング配信を行うには、別途ストリーミングサーバーの構築が必要となります。動画配信システムの活用法は幅広く、目的に応じたシステムの導入が重要です。

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