動画配信サービスを教育に活用|メリットやデメリット・選び方を解説
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- 動画配信サービスは、学校・塾・企業の研修や教育を含め、ノウハウ共有にも活用できる
- 動画配信は場所や日時に縛られず、繰り返しの視聴や欠席時にも対応可能な点などが利点
- 動画配信サービスに対応するデバイスの種類が多いと、利便性を向上させることができる
近年のリモート化によって、学校の授業や塾の講義、企業の研修といった教育で動画配信サービスを取り入れる事例が増えています。本記事では、教育で動画配信サービスを使うメリットや配信形式の違い、教育で配信サービスを活用する場面、配信サービスの選び方を解説します。
目次
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動画配信サービスを教育で活用するには
動画配信サービスとは、インターネットを介して動画を視聴・配信できるサービスです。教育面において、視聴者は学校の授業・塾の講義・企業の研修など、さまざまなコンテンツを学校や会社からだけでなく、自宅・外出先でもリモートで視聴することができます。
また、動画配信サービスは企業の研修や仕事のノウハウの共有にも活用できます。ここでは、動画配信サービスをどのように活用できるのかを解説します。
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動画配信サービスを教育で活用するには
学校や塾の学習ニーズに対応する
学校や塾で配信サービスを活用することで、休校時の臨時授業や欠席した生徒・遠方に住む生徒に対応できます。そして、対応幅が増えることにより、さまざまなニーズの生徒を獲得することが可能です。
また、LMSという学習者の管理や理解度の把握ができるシステムを利用することで、一人ひとりの学習状況の把握が容易に行え、生徒をフォローしやすい体制が構築できます。
企業の研修やノウハウ共有で使用する
企業の新人研修で教育を行う際には、動画配信サービスがあると情報共有がしやすくて便利です。例えば、実際の現場映像やアニメーションがあると仕事内容がイメージしやすくなり、知識や技能がない新人にもスムーズにノウハウを共有できます。
また、接客業では顧客対応を動画でマニュアル化することで、経験・スキルなどによる従業員ごとの生産性や能力のムラが減らせます。なお、従来まで紙ベースでマニュアルを作成していた場合は、ペーパーレス化の実現や理解度の高めやすさにもつながるでしょう。
動画配信サービスにおける配信形式
動画配信サービスの配信形式には、オンデマンド配信とライブ配信の2種類があります。ここでは、オンデマンド配信とライブ配信について、さらにオープン型とクローズド型の違いについても解説します。
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動画配信サービスにおける配信形式
オンデマンド配信
オンデマンド配信は、事前に収録・編集した動画をアップロードする方法です。アップロード前には、収録した動画の不要な部分をカットして見やすくしたり、ナレーション・テロップ・BGMを付けたりして、映像を見やすく加工できます。
ただし、ライブ配信とは異なりリアルタイムで質問・回答ができないため、視聴後に質問しやすい環境づくりが必要です。
ライブ配信
ライブ配信は、事前に決めた日時にリアルタイムで映像を届ける方法です。配信中に視聴者向けの質問やアンケートを行うことで、興味や理解の促進につなげられます。
しかし、事前の日時調整や参加者の確認などに手間が発生し、複数人が参加することでネットワークに負荷がかかり、音声や映像が乱れやすいといった課題があります。
なお、音声や映像が乱れる場合は、ネット回線の速度の見直しや無線接続を有線接続にするなどの対策をすると、改善することが多いです。
オープン型とクローズド型の違い
動画の配信形式には、オープン型とクローズド型の2種類があります。オープン型は誰でも自由に視聴できる配信形式、クローズド型は配信者側が動画を見る人を制限できる配信形式です。
オープン型は大衆向けに動画を配信したい方におすすめです。ただし、不特定多数の人が視聴するため、動画内容の炎上対策やセキュリティ対策を徹底する必要があります。
対して、クローズド型は限られたコミュニティに動画を配信したい方におすすめです。公開範囲の指定や視聴する際のパスワード設定もでき、情報漏洩の心配が少ないことが特徴です。
動画配信サービスを教育に活用するメリット
動画配信サービスには、場所や日時に縛られない、繰り返し視聴できるなどのメリットがあります。ここでは、動画配信サービスを教育に活用するメリットを詳しく解説します。
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動画配信サービスを教育に活用するメリット
場所や日時に縛られない
オンデマンド配信は視聴者の好きなタイミング・場所で視聴でき、ライブ配信においても遠方から参加することが可能です。このように、視聴者の任意の時間で参加できることにより、参加率向上につながりやすいです。
また、人数に合わせた場所の確保や日程調整にかかる手間を削減し、通院や子供の送迎など、視聴者の個人的なスケジュールとの折り合いをつけやすい点もメリットです。
繰り返し視聴できる
オンデマンド配信で繰り返し視聴することで、反復学習ができるため理解度の向上につながります。また、動画の再生・一時停止・巻き戻しができる点においても理解度を高めやすく、動画を1つのコンテンツとして他の場面で活用できる点も大きなメリットです。
1つのコンテンツ制作には、人手とスケジュールの確保などが必要となりますが、動画配信サービスを活用すれば負担軽減にも貢献します。
欠席時にも対応可能
任意の場所・時間に動画視聴できることにより、欠席時にも同一の内容が見れる点もメリットです。出席者と同一の内容が見れるため、欠席者への個別対応の手間も省けます。また、学校や塾などでは補講対策としても活用できます。
コスト削減につながる
企業の研修を対面式で行う場合は、会場のレンタル費や移動にかかる交通費など、関連する経費が必要です。しかし、動画配信では機材購入費を含めた初期投資のみで済むことが多いため、長期的に見た際には、動画配信の方がコスト削減につながる可能性が高いです。
また、動画配信サービスを活用することで、企業だけでなく学校や塾などでも人件費削減を実現できるメリットがあります。
内容にムラが出ない
対面式では講師によって内容の質が異なる可能性がありますが、動画配信では内容の質を統一化することができます。一定品質の動画を受講者全員に見せられるため、教え方や内容のムラ、理解度に差が出にくくなります。
動画配信サービスを教育に活用するデメリット
動画配信サービスにはさまざまなメリットがありますが、動画制作の手間や実技のトレーニングには不向きといったデメリットもあります。ここでは、動画配信サービスを教育に活用するデメリットを解説します。
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動画配信サービスを教育に活用するデメリット
動画制作の手間がかかる
オンデマンド配信における動画制作では、動画撮影や編集の手間がかかります。動画制作を外部に委託することも可能ですが、1本ごとに制作費が必要です。なお、手間や費用を減らしたい場合は、ライブ配信を活用することで編集・費用を削減することができます。
ただし、オンデマンド配信とライブ配信のどちらが良いかは、教育の目的や内容によって大きく異なるため、手間が少ないライブ配信が良いとは一概に言えません。
コミュニケーションが減る可能性がある
動画配信サービスを活用すると、対面で直接やり取りする機会が減るため、質問や情報交換の機会が減る点がデメリットです。そこで、オンライン上でのコミュニケーションツールの積極的な活用や、定期的な質疑応答の時間を設けることで対策ができます。
なお、サービスによっては、コメント投稿など双方向のコミュニケーションを取れる機能を備えているものもあります。
実技のトレーニングには不向き
動画配信サービスは実技の伝達には不向きです。なぜなら、動画では実際に器具を手にしたり動かしたりすることができないからです。よって、理論は動画配信で伝え、実技は対面で行う方法がおすすめです。
理論を事前に動画で学習しておくことで、実技トレーニングをスムーズに行うことができ、習熟度も迅速に向上します。
教育向けの動画配信サービス導入では目的を明確にする
動画配信サービスは教育面でも高い効果を発揮しますが、より効果的な導入につなげるためには目的を明確化することが重要です。サービス導入を検討する際には、以下の流れで目的の洗い出しをするようにしましょう。
- なぜ動画配信サービスを利用したいのか
- 現状のどのような課題を解決したいのか
- どこで利用することを考えているのか
- いつまでに利用を開始したいのか
- 受講対象者はどのような属性か
- 導入形態は何を選択するのか
特に重要なのは「なぜ動画配信サービスを利用したいのか」です。従来までの教育体制を改善し、管理者と受講者双方にとって効果的かつ効率的な教育体制を築くためには、導入前に未来像を明確にしておくことが求められます。
教育向けの動画配信サービスの選び方
動画配信サービスには豊富な種類が存在するため、自社に適したサービスの選択に迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、教育向けの動画配信サービスの選び方を解説します。
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教育向けの動画配信サービスの選び方
オンプレミス型かクラウド型か
現代では、インターネットを介してベンダーが提供するサービスを利用するクラウド型が主流となりつつあります。
しかし、自社独自の機能やオリジナル性を高めた動画配信を行いたい場合には、自社サーバーを設置してソフトウェアを導入するオンプレミス型も選択肢として挙げられます。
そのため、導入にかかるコストや自社が求める機能・運用体制に合わせて、オンプレミス型かクラウド型のどちらかを選択するようにしましょう。
対応できるデバイスの種類
動画配信サービスの利用には、パソコン・タブレット・スマートフォンなどのデバイスが必要です。サービスによっては対応デバイスが限定されている場合があるため、ユーザーニーズや使用可能なデバイスの種類を把握した上で選ぶことが重要です。
特に、視聴者の利便性向上を重要視する場合は、さまざまなデバイスに対応できるマルチデバイス対応のものを選びましょう。
視聴者数やデータ容量の制限
動画配信サービスごとに、動画の保存容量や視聴可能なアカウント数が異なります。そのため、動画の再生時間・視聴者数を把握しておく必要があります。動画をアップロードできる容量や転送量を確認しながら、最適なサービスを選びましょう。
また、サービス導入時だけでなく、将来的に視聴者数や動画数が増える可能性も考慮することが大切です。
使いやすさとセキュリティの高さ
サービスの導入においては、導入が簡単かどうか、使用者が直感的に扱えるか、管理ページが扱いやすいか、サポート体制は万全かなど、使いやすさの確認も重要です。
また、動画の安易なダウンロードや複製・改ざんの防止、個人情報の保護を強化できるようなセキュリティが確保されていると、安心して利用できます。URLへのアクセス回数や期間などが制限されているワンタイムURLに対応していると、情報漏洩を防ぎやすいです。
学習を支援する機能や仕組み
学習支援に活用したい場合は、LMS(Learning Management System)という学習管理システムに対応していることが望ましいです。LMSでは、生徒一人ひとりの学習履歴や理解度を把握できるため、フォローアップにつなげやすくなります。
また、文字や絵で情報共有できるホワイトボード機能や、質疑応答ができるチャット機能があると、より内容が理解しやすくなります。
費用と料金体系を予算と比較
動画配信サービスごとに費用や料金体系はさまざまです。動画容量や利用するユーザー数にも左右されますが、月額5千円〜10万円と幅があり、サービスによって初期費用が無料か有料かも異なります。
なお、無料のサービスは利用しやすいですが、サポートやセキュリティ面が脆弱な場合があるため、事前に確認が必要です。自社の使いたい用途と予算に合わせて比較検討しましょう。
まとめ
動画配信サービスは場所や日時に縛られず、繰り返し視聴できるなどのメリットがあります。教育に動画配信サービスを活用することで、フォローしやすい体制作りやムラの削減ができます。
ただし、視聴者の対応デバイスや費用など、使用状況に合わせたサービス選定が必要です。また、コミュニケーション機会を減らさないために、コミュニケーションツールの活用や質疑応答の環境作りを心掛けることが大切です。
配信サービスを導入する際は、本記事を参考にサービスの選定を行い、メリットを活かせる環境作りを行いましょう。
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