イベント業務管理士とは?資格試験の概要やメリットなどを解説
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- イベント業務管理士とは、イベント運営のプロフェッショナルを目指すための資格である
- イベント業務管理士の資格試験は2級・1級の2つで、主に公式テキストから出題される
- イベント業務管理士の資格試験に合格後は、合格登録の手続きと3年ごとの更新が必要
イベント業務管理士とは、イベント運営のプロフェッショナルを目指すための資格です。資格を取得することで、イベントを多角的にマネジメントする力が身に付きます。この記事では、イベント業務管理士の資格試験について、概要やメリット、申し込みからの流れなどを解説します。
目次
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イベント業務管理士とは
イベント業務管理士とは、様々な種類のイベントを計画し、イベント運営のプロフェッショナルを目指すための資格です。この資格を取得すると、イベント全体をコーディネートし、運営する能力が身に付きます。
この記事では、イベント業務管理士の資格試験について、概要やメリット、申し込みからの流れなどを解説します。
参考:イベント業務管理士資格試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
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イベント業務管理士とは
資格試験は2級と1級の2つ
イベント業務管理士の資格試験は、2級と1級に分かれています。イベント業務管理士の資格は、それぞれの段階で異なるスキルと知識を求められます。以下では、それぞれの試験について詳しく解説します。
イベント業務管理士2級試験
イベント業務管理士2級試験は、アシスタントディレクターを想定した試験です。受験資格としては、イベントの実務経験が3年以上あることが求められます。
試験はインターネットでの受付のみで行われ、出題形式は択一選択式で100問が出題されます。受験時間は120分間です。問題は実践的な事例や業務に関連する内容で構成され、イベント業界での知識や実務経験が問われます。
イベント業務管理士2級試験は、イベント業界でアシスタントディレクターとして活躍するための基礎知識やスキルを測定します。
試験内容 | 詳細 |
---|---|
受験資格 | 実務経験3年以上経験者 (アルバイトでの経験も含む) |
試験方法 | CBT方式による択一問題 ※CBT方式とは全国のテストセンターでパソコンを使った受験方式 |
問題数 | 100問 選択式 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 合格基準点 100点満点中70点以上 |
受験料 | 一般 16,500円(税込) 会員 14,850円(税込) |
参考:イベント業務管理士 2級試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
イベント業務管理士1級試験
イベント業務管理士1級試験は、イベントディレクターを想定した試験です。この試験では、イベント業務管理士2級に登録し、かつ実務経験が5年以上ある方が受験資格を得ることができます。
試験形式はCBT方式で行われ、全国のテストセンターでパソコンを使った受験が可能です。イベント業務管理士1級試験試験では、イベント業界におけるリーダーシップや戦略的な視点、さらにはイベント全体の企画から実行までの高度なスキルや知識が問われます。
合格基準は公表されておらず、非常に高い専門性と実務経験が求められるため、イベント業界での豊富な経験と深い理解が必要です。
試験内容 | 詳細 |
---|---|
受験資格 | イベント業務管理士2級登録者かつ実務経験5年以上経験者(アルバイト経験も含む)で「受験資格申請」を通過した方 |
試験方法 | CBT方式による記述式問題 ※CBT方式とは全国のテストセンターでパソコンを使った受験方式 |
問題数 | 9問 すべて記述式 |
試験時間 | 120分 |
合格基準 | 非公表 |
受験料 | 一般 22,000円(税込) 会員 19,800円(税込) |
参考:イベント業務管理士資格試験EXAMINATION|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
イベント業務管理士の業務内容
イベント業務管理士は、企業の展示会や音楽ライブ、博覧会、自治体のお祭りなど、大小さまざまな規模のイベントに関わる企画・運営をします。集客のためのプロモーション方法の検討や、スケジューリングなど、イベントに関わる業務全般を担当します。
企画の立案から、管理、運営なども行うため、達成感を味わうことができます。イベントに携わる仕事をしたいと考えている人にとってはピッタリの資格と言えます。
イベント業務管理士の将来性
現在、サービスが多様化し、SNSなども活性化していることから、多くの企業は他にはないイベントを打ち出したいと考えます。そのため、イベントプランナーの需要は高まっていると言えます。
しかし、イベントの運用だけでなく、イベントの対象となるジャンルでの専門的知識が求められることが多いため、イベント管理能力と専門性の両立が必要になります。
イベント業務管理士の資格試験内容
イベント業務管理士の資格試験は、主に『イベント業務管理士 公式テキスト 1級・2級共通』から問題が出題されます。この試験では、幅広い分野からの知識が求められますが、大まかには4つの分野に分けられます。
1級試験は記述式、2級試験は選択式で行われます。過去の問題は公表されていないため、試験を受ける際には公式テキストの内容をしっかり理解し、幅広い視野での知識を身につけることがポイントです。
問題 | 詳細 |
---|---|
イベント概論 | イベントと社会イベントの概念・構造・機能イベントの分類イベントの4大管理 |
イベントの企画 | イベントの企画と計画イベントの企画書の策定とプレゼンテーションイベントの告知・集客 |
イベントの制作と運営 | イベントプログラムの制作イベント会場の設営・施工イベントの運営の考え方イベント会場運営の実務 |
イベントマネジメント | イベントマーケティングプロジェクトマネジメントとリスクマネジメントイベントのコンプライアンスと関連法規ユニバーサルイベント |
オンラインの試験対策セミナーも
イベント業務管理士資格試験の対策セミナーは、オンラインで行われ、合格に必要な重要項目を解説し、実践的な学習ポイントを指導するものです。
このセミナーは公式テキストに基づいており、試験の合格に必要な知識だけでなく、実際の試験対策に役立つテクニックやノウハウを提供しています。オンデマンド配信の形式を取っており、受講者は配信期間中に何度でもセミナーを視聴できます。
自分のペースで学習できるため、都合の良い時間に何度でも復習できるメリットがあります。オンラインセミナーの受講料は、一般料金は27,500円(税込)、会員料金は24,750円(税込)です。
参考:イベント業務管理士 2級試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
参考:イベント業務管理士資格試験EXAMINATION|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
イベント業務管理士資格を取得するメリット
イベント業務管理士資格を持つことによって、イベントの企画や運営、マネジメントなど幅広いスキルを身につけることができます。ここからは、イベント業務管理士資格を取得するメリットに注目し、詳しく解説します。
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イベント業務管理士資格を取得するメリット
イベント管理に求められる総合的な能力が身に付く
イベント業務管理士資格を取得することで、イベント管理に必要な総合的な能力が身に付きます。イベントは、単なる経験や直感だけでは成り立たず、多角的な視点が求められます。
また、イベント業務管理士資格取得により、実務での経験に加えて、イベントを総合的にマネジメントするスキルを身につけられます。経験だけでは得られない、イベントを成功させるための総合的な能力を高めることができます。
資格試験を主催するJACEのHPによると、下記のような領域の能力を身につけることができます。
スキル | 詳細 |
---|---|
プロジェクトマネジメント | 何のためのプロジェクトか目的設定を明確にし、効果的・効率的な作業手順を策定することで、全体として確実に目標を達成していくこと |
リスクマネジメント | 自然災害や人的事故などの思わぬリスクを想定し、発生した場合には被害を最小限に抑え、速やかな復旧を図ること |
コンプライアンス | イベントマネジメントにおいては、「法令順守」という意味だけではなく「社会的規範・通念や理念」も含めた幅広い概念 |
ユニバーサルイベント | 年齢や障害の有無に関わらず、誰もが参加・体験できる普遍性を実現すること |
参考:イベント業務管理士資格試験|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
キャリアアップに繋がる
イベント業務管理士資格を取得することは、上記のようなイベントで求められる総合的な能力が身につくため、イベント業界や関連する職種でのキャリアアップにつながります。
資格取得者は、イベントの企画や運営に関わるさまざまなポジションでの就職や昇進の可能性が高まります。たとえば、イベント業界では資格保有者が求められる傾向にあります。
イベントの企画や運営における総合的なスキルや経験を持つことで、リーダーシップを発揮できるチャンスが増えます。資格取得により、責任あるポジションへのキャリアチャンスや、自己成長やスキルの発展につながることが期待されます。
JEDISの会員になれる
JEDIS(日本イベント業務管理士協会)への会員加入は、イベント業務管理士資格取得者にとって大きなメリットです。
JEDISは、イベントに関する唯一の国内資格である「イベント業務管理士」を持つ個人が、自身の専門性の向上や業界への貢献を目指して設立された団体です。この協会に参加することで、資格保有者同士のネットワーキングや情報共有が可能になります。
また、JEDISは、業界内の関係者とのつながりや新しいビジネス機会の創出、プロフェッショナルとしての信頼性の向上を図る場でもあります。この協会は、イベント業務におけるプロフェッショナリズムの強化をサポートしています。
参考:JEDISについて|JEDIS日本イベント業務管理士協会
イベント業務管理士資格試験の受験者数と合格率
イベント業務管理士資格試験は、年間を通じて数百人が受験しており、合格率は一般的な資格試験と比較して、それほど低くはありません。2級の合格率は比較的安定しており、8割を超えることが一般的です。
1級試験の合格率は2級よりもやや低くなる傾向がありますが、1級はより高度な知識や経験が要求されるため、受験者にとって難易度が高くなる傾向があります。それでも、一般的な資格試験と比較すると、7割程度の合格率は比較的高い部類に入ります。
受験者数 | 合格率 | |
---|---|---|
2022年度 | 2級:222人1級:51人 | 2級:67.6%1級:37.3% |
2021年度 | 2級:213人1級:85人 | 2級:84.5%1級:72.9% |
2020年度 | 2級:400人1級:75人 | 2級:86.8%1級:68.0% |
2019年度 | 2級:297人1級:97人 | 2級:81.1%1級:70.1% |
2018年度 | 2級:310人1級:134人 | 2級:76.1%1級:67.9% |
参考:イベント業務管理士 2級試験【2024年度前期】EXAM DETAILS
イベント業務管理士資格試験の申し込み・受験方法
イベント業務管理士の資格を取得するためには、申し込みや受験に関する手続きが重要です。ここからは、試験を受けるための手順や必要な準備について、解説します。
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イベント業務管理士資格試験の申し込み・受験方法
専用サイトから受験申し込みをする
イベント業務管理士資格試験の受験申し込みは、専用のウェブサイトを利用して行います。例年、2級試験は1年に2回、前期と後期に実施され、1級試験は1月頃に年に1度行われます。受験者はインターネットを通じての受付のみで、試験の申し込みが可能です。
申込後、受験日から3日後(例えば10日に申し込んだ場合、13日以降)、試験日程の予約が可能になります。初めて受験する方は受験者登録を行い、ログインIDとパスワードを取得する必要があります。
試験会場にて受験する
イベント業務管理士資格試験では、受験日時や会場の予約は、自分の都合に合わせて自由に選択できるのが特徴です。
ただし、希望する日時や会場が満席の場合もあるため、予約時には空き状況を確認する必要があります。受験する際には、本人確認書類が必要です。また、指定された時間の30〜5分前に受付を済ませる必要があります。
遅刻した場合は入室できませんので、時間に余裕を持つことが大切です。持ち物は全てロッカーに預け、会場で貸出されるメモ用紙とペンを利用します。試験は指定されたパソコンを使用して行います。
イベント業務管理士資格試験の合格後にやるべきこと
イベント業務管理士資格試験を受験し、合格した後にはそれぞれの試験レベルで異なる結果の取得方法があります。2級の試験では、受験後に即時判定が行われ、試験会場で結果がすぐに通知されます。
一方、1級の試験は後日、JACE(一般社団法人日本イベント産業振興協会)の公式ホームページ内で発表されます。ここからは、合格後のやるべきことについて解説します。
参考:日本イベント産業振興協会
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イベント業務管理士資格試験の合格後にやるべきこと
合格登録手続き
イベント業務管理士資格試験に合格したら、合格登録手続きが必要です。合格者はJACEのウェブサイトから登録手続きを行います。この手続きを完了することで、「登録番号」が発行され、名刺などに記載できます。
登録申請期間は約2か月で、この期限が過ぎてしまうと登録ができなくなってしまうため注意しましょう。登録料は11,000円(税込)です。
参考:イベント業務管理士試験 新規登録|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
3年ごとの登録更新手続き
資格の有効期限は取得日から3年間とされており、1級または2級を取得した後は、3年ごとの登録更新手続きを行う必要があります。ただし、1級を取得した場合、2級の更新手続きは不要です。
これらの手続きは、資格を有効に保ち、名刺などでの資格表示や業務での信用につながります。期限を守って手続きを行い、資格の更新を怠らないことが重要です。
参考:イベント業務管理士試験 登録更新|一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
受験資格が必要ない「検定」も
JACE主催の試験には、イベント業務管理士の資格試験以外にも3つの検定があります。これらの検定は、イベント業界における幅広い専門分野を対象にしています。
これらの検定は、幅広い専門領域における知識やスキルを求める人々に向けられ、イベント業界でのキャリアや専門性を高めることを目指しています。以下では、それぞれの検定について詳しく解説します。
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受験資格が必要ない「検定」も
イベント検定
イベント検定は、イベント業界で基礎的な知識を求められる資格試験です。この検定は、イベントの計画段階から実施・運営段階に至るまでの幅広い知識とノウハウが求められます。
受験者には特定の資格や実務経験が求められず、イベント業界に興味や関心を持つ人々にとって、基礎的な知識を得るための道筋となっています。検定の取得により、イベント業界における基本的な知識や理解を深めることができます。
スポーツイベント検定
スポーツイベント検定は、スポーツイベントを通じて自己実現や社会貢献ができる人材を育成するための資格試験です。この検定では、マネジメントやスポーツイベントの効果を体系的に学ぶことができます。
スポーツイベントの計画段階から実施、運営、評価に至るまで、幅広い知識やスキルを身につけることが目指されています。合格すれば、自分の名刺などに資格取得の証となるロゴや検定名を記載することができ、自己のスキルや専門性を証明することができます。
ユニバーサルイベント検定
ユニバーサルイベント検定は、イベントに誰もが快適に参加できるようにするための資格試験です。
この検定では、「ユニバーサル」という言葉が示す通り、高齢者、障がいを持つ人々、国籍や年齢、性別に関わらず、全ての人がイベントに参加しやすい環境を提供することが重視されます。
ユニバーサルイベント検定では、イベントが誰もが楽しめるような形になるための基本的な知識や、参加者がストレスなく参加できるような対応方法を学ぶことができます。合格すると、その証として名刺などに資格取得のロゴや検定名を記載することができます。
まとめ
イベント業務管理士資格は、イベントのプロフェッショナルを目指す人にとって貴重な資格です。2級・1級の試験を通じて、イベントの企画や運営に関する幅広い知識や技術を習得できます。
また、この資格を取得することで、イベントのマネジメント能力が向上し、キャリアアップに繋がる可能性があります。JEDISの会員として、業界の動向把握や専門知識の向上、人脈形成にもつながるでしょう。
合格後は、登録手続きを行い有効期限内に更新することで、資格を有効に活用できます。キャリアの発展やイベント業界での専門性を高めるために、イベント業務管理士資格を取得することがおすすめです。
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