ヒートマップとは?機能やメリット・デメリット、活用方法も解説

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  • ヒートマップでは、ユーザーのWebサイト上における行動を色分けなどで可視化できる
  • ヒートマップには、熟読エリア・終了エリア・クリックエリアを可視化する機能がある
  • ヒートマップの適切な分析は、ユーザーの利便性向上やコンバージョン改善につながる

ヒートマップとは、ユーザーのWebサイト上における行動を可視化できるツールです。ヒートマップで可視化された部分を分析することで、Webサイトの改善すべき点が明確になります。本記事では、ヒートマップの機能やメリット・デメリット、活用方法などを解説します。

目次

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  1. ヒートマップとは
  2. ヒートマップの機能
  3. ヒートマップのメリット
  4. ヒートマップのデメリット
  5. ヒートマップの活用例
  6. ヒートマップを活用する際のポイント
  7. ヒートマップの導入手順
  8. ヒートマップはアクセス解析ツールとの併用がおすすめ
  9. まとめ

ヒートマップとは

ヒートマップとは、数値を色や濃淡で可視化したグラフの1種で、金融・不動産をはじめとしたさまざまな分野で使われています。そして、Webサイトの運営においても、ユーザーの行動を分析するためにヒートマップを活用できます。

例えば、Webページ内で多くのユーザーから熟読されている部分は、ヒートマップでは赤く表示され、あまり読まれていない部分は青く表示されます。このような色分けされた可視化は、Webサイトの課題を見つけ出して改善する際に役立ちます。

ヒートマップの機能

ヒートマップはWebサイト上におけるユーザーの行動分析に役立ちますが、具体的には、ユーザーが操作する手元の動きを可視化します。どのような動きを可視化するかによって、3つの機能に分けられます。ここでは、それぞれの機能について解説します。

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熟読エリアの可視化

熟読エリアの可視化とは、Webサイトのどの部分がよく読まれているのかを可視化することです。熟読エリアを可視化する機能は、「注目」を意味する言葉を含めて「アテンションヒートマップ」と呼ばれます。

アテンションヒートマップでは、Webサイト上でよく読まれている箇所は赤く表示し、読まれていない箇所は青く表示します。熟読の度合いによって、暖色と寒色をグラデーションで表示させることも可能です。

また、よく読まれている箇所と読まれていない箇所は、基本的にPC操作におけるマウスのスクロールが止まった滞在時間で判断されます。滞在時間が長い箇所ほど、よく読まれている箇所であると認識します。

しかし、スクロールを止めた箇所でそのまま放置している可能性も考えられるため、クリックやマウスの動きなどの行動の有無も含めて、総合的に判断されます。

終了エリアの可視化

終了エリアの可視化とは、Webサイトがどこまで読まれ、どの部分でサイトから離脱しているのかを可視化することです。終了エリアを可視化する機能は、ユーザーのスクロール操作を見える化することから、「スクロールヒートマップ」と呼ばれます。

スクロールヒートマップでは、Webサイトの最上部を100%とし、最下部までに何%のユーザーが残っているかを色で表示できます。

Webサイトの最上部は赤く表示されますが、最下部へとスクロールしていく途中で、そのサイトから離脱したユーザーが増えると、表示される色は青に近くなったり、色が薄くなったりします。

クリックエリアの可視化

クリックエリアの可視化とは、Webサイト上でユーザーがどの箇所をクリックしたのかを可視化することです。クリックエリアを可視化する機能は、「クリックヒートマップ」と呼ばれます。

クリックヒートマップでは、クリックされた箇所を色で表示させられ、頻繁にクリックされている箇所は赤く表示されます。

一般的には、Webサイト上のリンク付けされた箇所が多くクリックされます。しかし、Webサイトに問題がある場合、想定よりもクリック数が少なかったり、リンクのない箇所がクリックされたりすることがあります。

ヒートマップのメリット

ヒートマップはWeb解析の1種ですが、通常の解析ツールでは行えないようなユーザー行動の可視化ができます。ここでは、ヒートマップのメリットについて詳しく解説します。

ユーザー行動を視覚的・直感的に把握しやすい

ヒートマップの最大のメリットは、Webページの具体的な箇所におけるユーザー行動が把握できることです。そして、現状の問題箇所の特定・分析にも活用できます。

さらに、実際のユーザーの動きや数値を色や濃淡によって視覚的に表現するため、ユーザー行動を直感的に把握しやすいのも大きなメリットです。つまり、感覚に左右されることなく、実数値から問題点の洗い出し・改善を行えます。

コンバージョン地点のユーザー行動が可視化できる

ヒートマップによるユーザー行動の分析に基づいて、Webサイトの問題点を特定し、改善策を講じることは、Webサイトの成果につながります。

Webサイトの成果を「コンバージョン」といい、Webページ上のコンバージョンに直結する箇所を「コンバージョン地点」といいます。例えば、ユーザーに商品を購入してもらうことを目的とするWebサイトの場合、ユーザーの購入手続きがコンバージョンです。

そして、Webページの中で購入手続きを行う箇所がコンバージョン地点となります。ヒートマップでは、コンバージョン地点におけるユーザー行動の可視化もできます。

ヒートマップのデメリット

ヒートマップでユーザー行動を可視化できる範囲は、1つのWebページです。複数のWebページで構成されるWebサイトの場合、一つひとつのWebページをヒートマップで分析することは可能ですが、Webサイト全体をまるごと分析することはできません

また、ヒートマップではユーザー行動を可視化することはできても、各ユーザー行動の裏側にある理由まではわかりません

そのため、Webページで何かしらの問題が発生している場合や、離脱率の改善にはどのような策を講じるべきかなどは、可視化されたユーザー行動から推測する必要があります。

適切に推測するためには、問題箇所だけで判断するのではなく、問題箇所と関連性のある箇所や、Webページ全体のユーザー行動から判断することが求められます。なお、その他の解析ツールの分析結果も踏まえて、総合的な判断が必要な場合もあります。

ヒートマップの活用例

ヒートマップを活用してWebサイトの問題を改善する際には、問題の原因を探ることが大切です。ここでは、ヒートマップの活用例と合わせて、問題の原因として考えられる可能性・対策例について解説します。

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重要なのに読まれていない箇所がある場合

熟読エリアの可視化において、重要な箇所が読まれていない場合、いくつかの原因が考えられます。以下に3つの例を挙げます。

  1. 内容がユーザーにとってわかりにくい
  2. 内容がユーザーの知りたい情報ではない
  3. 内容がWebサイトに流入するユーザーの興味に合っていない

これらは、いずれも重要な箇所の内容に関する原因です。対策としては、ユーザーにとってわかりやすい内容にするために、図・表・グラフ・写真などを使うことが考えられます。専門用語の多用を避け、文章が長くなり過ぎないようにすることも大切です。

また、分析ツールを使うのも内容の改善に役立つ場合があります。Webサイトへ訪れる際に、ユーザーがどのようなキーワードで検索したのか、主な流入経路はどこからかなどを知ることで、ユーザーの興味や知りたいことを推測しやすくなります。

多くのユーザーが離脱している箇所がある場合

終了エリアの可視化によって、多くのユーザーが離脱している箇所がわかった場合、原因としては以下の3つのケースが考えられます。

  1. 適切なリンクをクリックしてWebページから離脱(※サイトの目的に合った離脱)
  2. 画像の内容や表示速度に問題がある
  3. Webページの内容を見限られる

コンバージョン地点におけるリンクをクリックして、Webページから離脱した場合は、Webサイトの目的に合った離脱です。例えば、ユーザーが商品紹介ページから商品購入ページへと移動した場合です。

問題となる離脱は、画像の表示に時間がかかったり、画像の内容が不適切だったりする場合です。この場合は、Webサイトの表示速度を上げたり、画像を削除したりするなどの対策を行うことで、ユーザーの利便性を高められます。

また、Webページをスクロールする途中で「このページには自分の欲しい情報はない」と、見限られてしまうケースもあります。その場合、目次を設置してユーザーの欲しい情報がどこにあるかを示しておくことで、離脱を防げる可能性が高まります。

リンクがないのにクリックされている箇所がある場合

クリックエリアの可視化において、リンクがないのにクリックされている箇所がある場合の原因には、以下の2つのケースが考えられます。

  1. リンクがあるように見えている(※そのリンク先に飛びたいと思っている)
  2. 画像を拡大して見たいと思っている

Webページの中で目立つ箇所は、リンクがあると誤解されてクリックされることがあります。また、Webサイトを作る際にリンク先の指定を忘れている場合も考えられます。

いずれにしても、ユーザーは興味を持ってクリックしている可能性が高いため、クリックされている箇所に新しくリンクを貼るようにします。ユーザーが興味を持っているのにリンクがない状態を放置すると、コンバージョンの機会を逃すことにつながります。

画像を拡大しようとするニーズに関しても、画像を拡大表示できるようにすることで、ユーザーの関心を高められる可能性があります。

ヒートマップを活用する際のポイント

自社サイトでのユーザー行動を分析するために活用されるヒートマップですが、より効果的に活用するにはいくつかのポイントがあります。以下で詳しく解説します。

まずはファーストビューの分析を行う

ファーストビューとは、ユーザーがWebサイトを訪問した際に、スクロールせずに最初に表示される画面領域のことです。Webサイトの入り口部分であり、ユーザーが必ず目にする画面であるため、改善により多くの効果が期待されます。

そのため、まずはファーストビューから分析・改善を行うと良いでしょう。ファーストビューはユーザーがそのページを読み進めるか決める重要な画面であり、コンバージョン率向上に大きく貢献します。

ヒートマップツールを活用する

ヒートマップツールとは、特定のページにおけるユーザー行動をヒートマップを作成して可視化し、分析できるツールです。ヒートマップは、ヒートマップツールを導入することで活用できます。

ヒートマップツールにはさまざまな種類があるため、自社の導入目的に適したものを選ぶことが重要です。例えば、前述したアテンションヒートマップ・スクロールヒートマップ・クリックヒートマップなどを例とする、対応可能なヒートマップの種類を確認しましょう。

ツールに応じて対応しているヒートマップの種類や得意とする解析領域が異なります。また、ツールごとの特徴に注目し、A/B テストや EFOといった取り入れたい手法に対応したツールを選定することも重要なポイントです。

ヒートマップの導入手順

ヒートマップは、ヒートマップツールを提供するサービスに申し込むことで、導入できます以下に導入手順をまとめます。

  1. ヒートマップツールの利用を申し込む
  2. 分析を行いたいWebページにヒートマップの「計測タグ」を設置する
  3. ユーザーの行動データを蓄積する
  4. 蓄積されたデータをヒートマップツールの機能で分析する
  5. 分析を基にWebページの課題を特定し改善策の仮説を立てる
  6. 改善策を実行して再びユーザーの行動データを蓄積する
  7. 以降4~6の手順を繰り返す

導入時の重要なポイントは、1回の改善策で期待通りの効果を得られたとしても、継続的にヒートマップによる分析を行うことです。その結果、Webページの最適な状態を保ち続けられます。

ヒートマップはアクセス解析ツールとの併用がおすすめ

ヒートマップはWebサイトに関する分析方法の1種ですが、アクセス解析もWebサイトのコンバージョン増加に役立つ分析方法です。

アクセス解析では、Webサイトに訪れたユーザーの属性を分析できます。属性とは、性別・年齢・地域などです。ユーザーの属性を明らかにすることで、ターゲットユーザーに適したコンテンツを用意しやすくなります。

その他にも、アクセス解析ではユーザーの流入経路や、ユーザーによく見られているページはどれかなどを分析できます。アクセス解析がサイト全体を対象に定量的に解析を行うのに対し、ヒートマップは各ページを定性的に解析する点で、両者は異なります。

しかし、ヒートマップとアクセス解析はどちらも、より良いWebサイトへと改善するためのものです。したがって、2つを併用することでさらに精度の高い改善が可能になります。なお、アクセス解析ツールの中にはヒートマップ機能を利用できるものもあります。

アクセス解析ツールとは?ツールの機能やメリット・デメリットを解説

アクセス解析ツールとは、WEBサイト内でのユーザー行動を分析するツールを指します。アクセス解析ツール導入の目的は、自社サイトの効果測定やコンバージョン率向上に繋げるなど様々です。本記事では、アクセス解析ツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説します。

まとめ

ヒートマップは、Webサイト上のユーザー行動を可視化する分析手法です。機能は3つあり、熟読エリアの可視化、終了エリアの可視化、クリックエリアの可視化です。これらにより、Webサイトの問題点を明らかにし、改善に役立てられます。

改善後に期待通りの効果が得られた場合、サイト運営の成果を上げられる可能性が高まります。また、より高い精度でWebサイトを改善するためには、アクセス解析ツールとの併用がおすすめです。

アクセス解析ツールでは、Webサイト全体のユーザー行動や、ユーザーの属性まで分析できます。そのため、ヒートマップと併用してWebサイトの改善を行うことで、コンバージョン増加の可能性が高まります。

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