AI搭載型FAQシステムのメリットとは?注意点・選び方も解説

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  • AIを活用したFAQシステムには、チャット型・音声認識型などのタイプがある
  • AI型FAQシステムでは、顧客が打ち込んだ自然文から適切な回答を提示できる
  • AI型FAQシステムを選ぶ際は、操作性やカスタマイズ性を確認してから選ぶのがおすすめ

技術の進歩によりあらゆる分野でAIが使用されており、FAQシステムにも活用されています。AI搭載型のFAQシステムは、応対品質の向上や人件費の削減に貢献しています。本記事では、AI搭載型FAQシステムを導入するメリットや選ぶ際のポイントなどを解説しています。

目次

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  1. FAQシステムにもAIの導入がおすすめ
  2. AIを活用したFAQシステム
  3. AI搭載型FAQシステムを導入するメリット
  4. AI搭載型FAQシステムを導入する際の注意点
  5. AI搭載型FAQシステムを選ぶ際のポイント
  6. まとめ

FAQシステムにもAIの導入がおすすめ

AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語で「人工知能」を意味します。AIは人間の脳で行われる知覚・知性などの知的活動を、コンピューターが機械学習して実行するシステムです。

昨今、AIは技術の発展に伴い、さまざまな業界でAIの導入が活発化しています。精度の高さから業務の効率化や人件費削減などに役立つため、FAQシステムにも搭載されることが増えました。

FAQシステムは、Webサイト内のよくある質問の作成や更新などを支援するもので、ユーザー向けのWebサイトはもちろん、社内FAQとしてコールセンターなどでも使用されています。

問い合わせ業務をAIによって自動化することで、よくある質問に対する回答の効率化や営業時間外の対応が可能になるため、顧客満足度の向上も期待できます。

AIを活用したFAQシステム

AIを活用したFAQシステムには、チャット型・音声認識型・音声案内型の3つがあります。チャット形式で質問の回答を行うチャット型、音声を認識して文字に置き換えて対話する音声認識型、言語処理した音声で案内する音声案内型といった3つのタイプに分けられます。

以下で、種類ごとの特徴を具体的に解説します。

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チャット型FAQシステム

チャット型FAQシステムは、自然な会話のように質問の回答をチャットボットが提示する方式のFAQシステムです。顧客が入力した質問のキーワードから、よくある質問の回答をAIが選定を行い、適切な回答を提示します。

チャット形式でFAQのやりとりができるため、会話のように自然な応対が自動的に行えます。また、AIを活用することにより質問・回答の傾向を学習するため、質問が増えるほど精度の高い回答を提示できるようになります。

音声認識型FAQシステム

音声認識型のFAQシステムは、聞き取った音声を文字に置き換える「音声認識」の機能を活用し、置き換えられた文字を言葉として音声で回答する方式です。また、音声で質問を認識し、文章や参照Webサイトへの誘導により回答を提示するケースもあります。

回答を提示した際、顧客のアクションなど反応を音声認識し、分析レポートを作成をする機能が備わっているツールもあり、AIの機械学習による精度の向上やFAQの品質向上にも役立ちます。

音声案内型FAQシステム

音声案内型FAQシステムは、問い合わせ業務を自動化するタイプとは異なり、オペレーターのFAQ業務を効率化するためのFAQシステムです。音声案内型は顧客からの問い合わせ内容をAIが解析し、キーワードから問題点の解答となる情報を一覧表示します。

オペレーターは、自動的に表示された情報から解答を読み上げ回答を行うため、スピーディーな対応が可能です。特に、クレーム対応はスピード感と適切な解決策の提案が求められるため、オペレーターの業務をサポートする音声案内型FAQシステムが役立ちます。

AI搭載型FAQシステムを導入するメリット

AI搭載型FAQシステムを導入することにより、さまざまなメリットが得られます。顧客の質問の言葉を自然文検索することができ、検索意図を的確に捉えます。また、AIは使うほどに精度が上がり、自動化により人件費の削減や営業時間外の対応も可能になります。

以下では、AI搭載型FAQシステムを導入することで得られるメリットについて、具体的に解説します。

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自然文検索に対応できる

従来のFAQシステムは、質問文と回答文に含まれるキーワードが一致していることが条件である「単語完全一致型」が主流でした。そのため、一致したキーワードが多数ある場合でも、可能性のあるFAQがすべて表示されるため、さらに検索を行う手間がかかりました。

AI搭載型の場合、話し言葉や表記のゆらぎにも対応できる「自然文検索型」であるため、キーワードが曖昧でもAIが学習したFAQの傾向から、顧客のニーズに合ったより的確な回答を提供することが可能です。

顧客の検索意図を的確に捉えられる

AI搭載型FAQシステムは、AIが顧客の問い合わせ内容を先回りして予測するため、検索意図を的確に捉えられることがメリットです。顧客からの問い合わせで発生する検索キーワードは多種多様であり、表記のゆらぎなどもあります。

単語完全一致型では該当範囲が幅広く検索されてしまいますが、AI搭載型の場合顧客の検索意図をAIが理解するため、個性のあるさまざまなキーワードでも、的を絞った最適な回答を提供できます。

営業時間外でも対応できる

AI搭載型FAQシステムを導入することにより、問い合わせ業務を自動化できるため営業時間外の対応が可能になります。従来は早朝や深夜、年末年始など営業時間外は、オペレーターが不在となり、顧客からの問い合わせは対応不可できないケースがほとんどでした。

AI搭載型FAQシステムでは、24時間365日・営業時間外でもオペレーターに代わって顧客対応を行うことが可能です。

よくある質問だけでなく、顧客の多種多様な問い合わせに対し、精度の高い回答を提示します。そのため、顧客満足度の向上や機会損失を防ぐことが期待できます。

人件費の削減に繋がる

AI搭載型FAQシステムを導入することにより、コールセンターやヘルプデスクのオペレーター人数を最小限に抑えて運用できるため、人件費の削減に繋がります。AI搭載型の場合、FAQシステムの対応で多くの顧客の問い合わせ業務が完結できます。

オペレーターによる音声案内は、クレーム対応など人との会話が有効であるケースや、FAQシステムでは解決できない案件への対応のみに絞り込みができます。そのため、少ない人材での運用が可能になることから、オペレーターにかかる人件費の削減に繋がります。

使うほど精度が向上する

AI搭載型FAQシステムは、顧客の問い合わせの内容や検索結果をAIが機械学習を行うため、使い続けるほど精度が向上します。AI非対応型の場合、事前に登録したFAQのシナリオ通りのみの対応となり、顧客が求める回答を提供できないケースもあります。

AI搭載型の場合は、使えば使うほどAIが機械学習する情報量も増えるため、回答の精度が向上し品質の高いサービスが提供できます。そのため、顧客満足度の向上やコールセンター・ヘルプデスク全体の品質向上に繋がります。

更新作業の負担が軽減する

AIは頻出する質問や新たな問題点を自動で検出してくれるため、FAQの更新作業の負担が軽減します。従来のFAQの更新作業は収集したデータの整理や分析を行い、分析結果を基に質問と回答の追加や修正を行うため、時間と労力が必要でした。
AI搭載型FAQシステムは更新作業を部分的に代行してくれる機能が備わっているため、時間と労力がかかる更新作業が容易になり、担当者は他のコア業務に集中できるようになります。

AI搭載型FAQシステムを導入する際の注意点

AI搭載型FAQシステムは、導入コストが高額になることが多いです。そのため、自社の現状や課題を整理して検討することや、導入後にAIの学習期間を考慮することなど、注意すべきポイントがあります。以下で具体的に解説します。

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自社の現状・課題を整理しておく

AI搭載型FAQシステムは、導入費用や運用コストが高額なものが多い傾向にあります。システムの導入を検討する際は、自社の現状や課題を整理してからどのような機能を搭載したFAQシステムが適しているか、費用対効果を考慮する必要があります。

現状のFAQにはどのような課題があるのか担当者からヒアリングし、その課題を解決できるものを選びましょう。自社が抱える課題とシステムが持っている機能や特徴などがマッチしない場合、費用対効果が低くなってしまいます。

質問数が少ないとオーバースペックになる

AI搭載型FAQシステムは、非搭載のFAQシステムよりも高機能かつ高性能と言えます。そのため、利便性のためにAI搭載型FAQシステムを導入しても、質問数が少なければオーバースペックで無駄なコストが発生する可能性があります。

基本的に、AI搭載型FAQシステムは質問数が多いWebサイトなどに向いています。質問数が多ければ多いほどデータの収集や分析が困難になるため、AIによるサポートが非常に有効です。

反対に、質問数が数十件程度と少ない場合、AIのサポートがなくてもFAQ管理は適切に行えることが多いです。自社にとって本当にAIが必要なのかを十分に考慮し、適切なFAQシステムを選びましょう。

AIの学習期間を考慮する

AI搭載型FAQシステムの場合、導入後すぐには期待通りの回答が得られないケースがほとんどです。AIは機械学習を繰り返すことにより、精度の高い回答が実現します。AI搭載型FAQシステムで高精度を望むなら、AIの学習期間を考慮する必要があります

AI搭載型は使えば使うほど機械学習し精度が向上していくため、より多くのFAQパターンが必要です。事前学習済みのAIを搭載したシステムや、サポートにより導入後短い期間での効果を得られる場合もありますが、その分コストも高額になります。

AI搭載型FAQシステムを選ぶ際のポイント

AI搭載型FAQシステムを選ぶ際のポイントは複数あります。AIの性能や担当者・顧客が使いやすい操作性か確認が必要です。また、カスタマイズ性やベンダーのサポート体制についても確認しておきましょう。

以下で、AI搭載型FAQシステムを選ぶ際のポイントについて具体的に解説します。

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AIの性能を確認

AI搭載型FAQシステムを選ぶポイントとして、AIの性能を確認することが挙げられます。AIの検索結果の性能は基本的な検索結果のほか、自然文検索・表記のゆらぎからの対応結果を確認することが重要です。

また、顧客の検索ニーズに先回りし、検索意図を的確に捉えているか確認することも必要です。検索性能がどれだけ高いのかAIの性能を確認したうえで、自社が求める検索結果を提供できるシステムを選定しましょう。

担当者・顧客が利用しやすい操作性か

AI搭載型FAQシステムを選ぶ際は、実際に操作を行う担当者側と、問い合わせを行う顧客側のどちらも利用しやすい操作性であるかを確認することが重要です。AIが高性能であっても、操作が複雑だったり画面が見にくかったりすると、機能しない可能性があります。

担当者と顧客の双方が利用しやすいシステムのポイントとして、できるだけシンプルで操作が簡単かどうかや、操作画面の見やすさを重視することが挙げられます。利用しやすいことで、担当者の業務負担の軽減や顧客満足度の向上に役立ちます。

操作性は実際に使用してみないとわからないうえに使用者との相性もあるため、無料トライアルやデモなどを活用して確認するのがおすすめです。

カスタマイズ性を確認

AI搭載型FAQシステムを選ぶ際は、カスタマイズ性についても確認しましょう。自社の業務形態に合わせて柔軟にカスタマイズが可能なシステムであれば、使いやすさがアップするためより効率がよく、精度の高いFAQ業務が期待できます。

カスタマイズできる範囲は、FAQページやFAQの分類をカスタマイズできるシステムもありますが、機能のカスタマイズなど高度なカスタマイズを求めるなら、自社サーバーで運用を行うオンプレミス型の導入がおすすめです。

サポート体制が充実しているか

AI搭載型FAQシステムを選ぶ際は、導入・運用支援などのサポート体制が充実しているか確認することも重要です。導入する際の準備や運用、導入後の操作の仕方やトラブル発生時の対応の範囲などサポート体制について確認しておくと安心です。

また、実際にシステムを導入しても、運用がうまくいかないケースも考えられます。導入後も、定期的なフィードバックを行うなど、運用フォローを行ってくれるベンダーを選定することがおすすめです。

まとめ

AIを活用したFAQシステムには、音声認識型やチャット型などのタイプがあり、営業時間外でも顧客からの問い合わせに対応することが可能です。問い合わせ業務を自動化することにより少ない人材での運用が可能になるため、人件費の削減にも繋がります。

AI搭載型FAQシステムは、顧客からの多種多様な問い合わせでも、検索意図を的確に捉えて顧客のニーズに合った検索結果を提示できます。また、使えば使うほどAIが機械学習するため回答精度が向上するため、顧客満足度アップにも繋がります。

AI搭載型FAQシステム導入の際は自社の現状や課題を整理し、費用対効果を考慮して検討するのがおすすめです。

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