LPOのやり方｜施策の具体例や実施の手順などをわかりやすく解説

LPOは、Webサイトの特定ページを最適化し、訪問者のコンバージョン率を向上させるために重要な施策です。本記事では、LPOの目的と必要性を解説し、LPO施策の具体例のほか、施策を行うタイミングや改善施策実施の手順、LPOを行う際の注意点についても解説します。

目次

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1. そもそもLPOとは
2. LPOの目的と必要性
3. LPOにおける施策内容の具体例
4. LPOを行うタイミング
5. LPOを行う手順
6. LPOを行う際の注意点
7. 改善施策の実施にはLPOツールの活用がおすすめ
8. まとめ

そもそもLPOとは

LPOとは「Landing Page Optimization」の略称で、日本語で「ランディングページ最適化」などと言われています。訪問者のニーズに合わせて、ランディングページの構成やデザインなどを最適化する施策のことを指します。

ランディングページ（LP）とは、Webサイトへの訪問者が最初にアクセスするページのことです。そのページに至る経路はさまざまですが、広告などをクリックして最初に表示されるページを指すことが多いです。

広告などから遷移するページは、商品の購入・資料請求・会員登録など、訪問者が特定のアクションを起こすこと＝コンバージョンを目的に作られた専用のページであることが多いです。LPOは、このCVR(Conversion Rate：コンバージョン率)を上げるために行われます。

SEOやEFOとの違い

SEO(Search Engine Optimization：検索エンジン最適化)とは、検索エンジンに高く評価されるWebサイトにすることで、検索結果の上位にサイトの記事を表示させる施策のことです。

また、EFO(Entry Form Optimization：エントリーフォーム最適化)は、ユーザーがフォーム入力の途中で離脱するのを防ぐための施策を指します。

SEOはWebサイトへのアクセス数を増やしてリード獲得、ひいてはコンバージョン増加に繋げるために、EFOは確実にコンバージョンを実現するために行われるものです。LPO・SEO・EFOは異なる施策ですが、最終的にコンバージョン増加を目指す点は共通しています。

LPOの目的と必要性

LPOの大きな目的は、CVRを高めることです。LPを作ってアクセス数を獲得できても、コンバージョンに繋がらなければ意味がありません。そこで、LPOによってユーザーがランディングページ上でスムーズにコンバージョンに辿り着けるよう、誘導するのです。

Web広告などには費用もかかるため、費用対効果を高める意味でもLPOは重要です。少ないアクセス数でも、CVRが高ければ利益は出ます。広告費を追加投入するなどしてアクセス数を増やすよりも、LPOによりCVRを上げる方が高い費用対効果が期待できます。

LPOを行ってブランドや製品についての情報を効果的に伝え、スムーズなナビゲーションを提供できるようにすることで、競合他社との差別化や信頼性の向上も実現でき、それがCVRに好影響を与えます。

CVRの平均値は2〜3％

LPにおけるCVRとは、ユーザーがLPを訪問した際に、実際に商品の購入や会員の申し込みなどの特定のアクションに結びついた割合を指します。例えば、100人の訪問者の中で3人が商品を購入したケースでは、CVRは3％になります。

一般的に、CVRの平均値は2〜3％と言われていますが、業種によっても異なります。通常、出会い系やイベント・レジャー・自動車などの業種ではCVRが高く、製造や不動産・非営利団体などは低いとされています。

CVRの平均値は業種や市場によって異なりますが、自社の業種における平均CVRを理解し、それを基準にして目標の設定と改善を行うことが重要です。

LPOにおける施策内容の具体例

LPOの適切な施策内容は、ランディングページの内容や現在どのような課題があるかによって変わりますが、ここでは代表的な具体例を紹介します。以下の5項目は、特に重要視したいポイントです。

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ファーストビューを最適化する

ファーストビューは、ユーザーにとって最初の接点となります。そのため、ファーストビューで良い第一印象を与えることにより、ユーザーはそのページに長く滞在し、探索を続け、アクションを起こしやすくなります。

また、ファーストビューは、主要な情報を効果的に伝える役割があります。そのため、ページの内容や提供する価値を迅速に理解できるようにすることが重要です。また、シンプルで分かりやすいデザインにして、無駄な情報や複雑なレイアウトは避けるようにしましょう。

CTAを最適化する

CTA(Call to Action：行動を喚起する要素)は、LPOの施策において非常に重要な要素です。例えば、「今すぐ購入する」や「無料トライアルを開始する」などのボタンがCTAにあたります。

CTAは視覚的に目を引くことが大切であるため、色の対比やボタンの形状などを工夫して、ユーザーの注目を集めましょう。また、CTAはページ上で容易に見つけられる場所に配置することが重要です。通常、ページの上部やコンテンツに合わせた場所に配置します。

さらに、CTAはユーザーにとってどんな利益があるかを強調するテキストを含むことも大事です。例えば、「特典の内容を確かめる」や「特別なオファーを受け取る」など、具体的な価値を伝えることがポイントになります。

コンテンツの内容や構成順序を改善する

ページのタイトルとヘッダーは最初に注目される重要なアイテムです。タイトルは具体的で分かりやすく、ページの主題を的確に表現することが重要です。ヘッダーは目次のような構造にして、ユーザーが関心を持つセクションに素早くアクセスできるようにします。

次に、ユーザーに共感を呼び起こす問題を提示します。ユーザーが抱える問題や課題を明確化し、その問題に共感しやすくすることが重要です。そして、その問題への解決策や提案を提示し、それが問題解決にどのように役立つかを説明しましょう。

さらに、ユーザーに提供する特典やキャンペーンの価値を強調します。これはコンバージョン率アップにつながる大きなポイントになります。特典は具体的で魅力的な内容で表示し、ユーザーにとっての利点を強調します。

ページの読み込み速度を改善する

LPOにおける施策の一つとして、ページの読み込み速度を改善することも挙げられます。ページが速く読み込まれると、ユーザーはストレスなくコンテンツにアクセスでき、スムーズにサイトを閲覧できます。

逆に読み込み速度が遅いと、ユーザーの不満を引き起こし、離脱率を高めます。検索エンジンもページの読み込み速度を評価基準の一つとして考慮しており、速い読み込み速度は評価アップの一要素となり、より多くのトラフィックを獲得するのに役立ちます。

ページの読み込み速度を改善するための具体的な施策としては、画像や動画の最適化、ブラウザキャッシュの活用、不要なスクリプトの削除、高速のホストサーバーの利用などが効果的です。

スマートフォンに最適化させる

スマートフォンの利用が増加している現代において、ユーザーがモバイルデバイスを使用してWebページにアクセスすることは一般的です。そのため、ランディングページをスマートフォンに合わせて最適化することも重要です。

モバイルユーザーは小さな画面でWebページを閲覧するため、情報が見やすく、ナビゲーションがスムーズであることが求められます。また、異なる画面サイズに適応できるレスポンシブデザインを使用し、コンテンツが適切に表示されるようにします。

ページのデザインやコンテンツをモバイルファーストのアプローチで考え、スマートフォンユーザーに対しても最適なエクスペリエンスを提供することが、コンバージョンを向上させる上では大事になります。

LPOを行うタイミング

LPOを行う具体的なタイミングとしては、以下のようなケースが考えられます。企業によってLPOを行うタイミングはさまざまですが、広告施策の改善と連動して行ったり、LPの課題が顕著になった場合に行ったりすることが多いです。

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LPへの訪問が増え始めたとき

LPOは、広告を活用した新しいキャンペーンやプロモーションを開始し、LPへの訪問者が増え始めた時に行うのが最適です。実際に十分な訪問者を獲得できたタイミングで効果を検証すれば、LPOとしてどのような改善を行えば良いかが明確になります。

新しくランディングページを作成する際はもちろん、ページ内の導線やわかりやすさなどを意識しますが、それが本当に効果を上げているかは実際に訪問者が流入してきてからでないとわかりません。

そのため、作成したページがユーザーに対する訴求力や効果的な導線を有しているか、改めて検証してLPOを行い、CVRを高める必要があります。

広告の内容を変更するとき

LPOを行うタイミングとして、ランディングページへの流入経路となるWeb広告の内容が変わる時も挙げられます。広告のターゲットや内容が変わると、それまでのランディングページとマッチしなくなる可能性があるためです。

ランディングページは、広告との一貫性を保つことが非常に大事です。アクセスがあっても、広告との相違があると訪問者はそのまま離脱してしまうでしょう。

新しい広告に合わせてランディングページを見直すことで、広告で商品やサービスに興味を持ったユーザーをさらに惹きつけることができます。

Web広告による施策が頭打ちになったとき

LPOを行うタイミングとして、Web広告による施策が頭打ちになった時も挙げられます。Web広告施策は基本的に集客のために行いますが、広告でさらに集客をしても大きな利益拡大が望めない、といった場合、LPOによるCVRの向上が有効な手となります。

広告の配信ボリュームと顧客の獲得効率は比例すると思ってしまいがちですが、広告ボリューム増による成果には限界があり、集客効果やコンバージョンの増加は頭打ちを迎えます。

そこで、集客という「数」を重視した施策から、LPOによる「率」を重視する施策へと転換することで、広告施策の限界を打破できます。

コンバージョン率が低い時とき

コンバージョン率が低い時も、LPOを行うべきタイミングです。一般的に、ユーザーが訪れたランディングページ上で期待している情報が見つけにくい場合やアクションを起こしにくい場合に、コンバージョン率が低下します。

このようなケースでは、ランディングページがユーザーニーズに即したデザインになっているか、画像や文言などがわかりやすいか、導線は効果的に敷かれているかなどを見直す必要があります。

LPOによって、コンバージョンに至らない原因はどこにあるのかを解析し、適切に改善してユーザーの期待に応えることで、コンバージョン率アップに繋がります。

LPからの直帰率が高いとき

LP（ランディングページ）への流入は確保できているものの、申し込みフォームや商品ページに辿り着かず、ユーザーが直帰している割合が高いときにも、LPO施策は効果的です。

このような場合、ユーザーニーズとLPの訴求ポイントがずれていると考えられます。また、流入元の広告などとLPの内容に相違があるのも原因の一つです。ユーザーはLPにアクセスしてみたものの、自分が求めている情報はないと判断して、離脱してしまうのです。

直帰率が高い時は、ユーザー行動を可視化して離脱する割合が高いポイントを発見し、ユーザーニーズに沿った情報を訴求できるよう、LPOを行う必要があります。

LPOを行う手順

効果的なLPOを行うためには、明確な計画が必要です。基本的には以下の流れに沿って計画を立て、実施しましょう。ここでは、LPOを行う手順を5段階に分けてわかりやすく解説します。

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ターゲットを明確にする

ターゲットを明確にすることにより、LPOを行うために必要なユーザーニーズの把握がしやすくなります。ターゲット像を基準に想定されるニーズや関心に合致する情報の提供、デザインの構築をすることで、顧客満足度が向上し、コンバージョン率が高まります。

ターゲットを明確にすると、LPO施策実行前後のデータ分析もより行いやすくなります。ターゲット層の行動を集中的にトラッキングし、どの要素がどのように機能しているかを理解することで、適切な施策の設計、さらなる改善策の立案に繋がります。

なお、ターゲットの設定は、広告施策と合わせることが重要です。そうすることで、広告からランディングページまでのメッセージの一貫性を保つことができます。

現状の課題を明確にする

LPO施策を設計するにあたり、現状の課題を明確にすることは前提条件です。アクセス解析ツールなどを使用して、現在のランディングページのトラフィック、コンバージョン率、離脱率などのデータを収集し、問題を特定します。

また、ユーザーからのフィードバックも貴重な情報源です。アンケート、フィードバックフォーム、サポートの問い合わせなどを通じて、ユーザーの意見や問題点を収集しましょう。ユーザーの声を聞くことで、期待や不満が把握でき、課題解決に繋がります。

加えて、競合他社のランディングページを調査し、自社のページと比較することで、自社の課題を把握することもできます。競合分析は、他社が成功している要素やベストプラクティスを自社の施策にも取り入れるのにも役立ちます。

課題に対して仮説を立てる

課題を洗い出したら、それらの課題に対して仮説を立てていきます。仮説は、データ分析によって特定された課題やパターンを元に構築します。例えば、離脱率が高いことが課題として浮かび上がった場合、その原因や解決策に関する仮説を立てます。

仮説を立てる際は、ユーザーの視点を考慮して仮説を立てることが大切です。ユーザーがどのような体験を求めているか、彼らのニーズや期待を認識しましょう。ユーザーの視点から課題を捉え、仮説を立てることで、顧客の満足度を改善できます。

改善施策を実行する

仮説を立て、具体的な施策内容を設計できたら、いよいよ実行のフェーズに入ります。ここでは、先ほど紹介したような、CTAの最適化・コンテンツの内容や構成の改善、スマートフォンへの最適化などを行います。

実行する際に大切になるポイントは、優先順位をつけて実行に移すこと、そして自社のターゲットのニーズを見失わないことです。

施策の実行には費用や時間がかかるため、改善効果が大きいと思われる箇所から優先して取り組むことをおすすめします。また、LPOにはさまざまな方法論がありますが、一番大切なのはターゲットに合ったページにすることなので、この視点を見失わないようにしましょう。

検証を行う（A/Bテスト）

LPOの検証を行う際には、A/Bテストなどを活用して評価するのが効果的です。A/Bテストとは、異なるAとBと呼ばれるデザインのランディングページを作成・比較し、どちらがより効果的な結果をもたらすかを客観的に評価する手法です。

A/Bテストを実施する前に、テストの目標として、コンバージョン率、クリック率、滞在時間などを具体的に設定します。次に、改善する要素として、タイトル、説明文、画像、CTAボタンなど、A/Bごとに変更する要素を設定します。

A/Bテストは、ランディングページの改善プロセスにおいて非常に重要であり、客観的な評価に基づいて最適な設計を行うことができます。

PDCAを繰り返す

ランディングページの効果を維持するためには、絶えず変化する市場環境やユーザーのニーズに適応することが必要です。そのため、継続的かつ定期的に最適化を行うことが重要になります。

具体的には、「P（Plan）・D（Do）・C（Check）・A（Action）」のサイクルを繰り返すやり方が推奨されます。1か月で1サイクルなど期間を決めて取り組むことで、効果を維持・向上させ続けることができるようになります。

LPOを行う際の注意点

LPOは、Webサイトやオンラインプロモーション戦略の中で非常に重要な要素ですが、注意が必要な部分もあります。ここでは、LPOを行う際の注意点として、以下の項目について詳しく解説します。

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LPへの流入を確保できていることが前提

LPへの流入が十分に確保できていなければ、LPO施策を実施しても、大きな効果は見込めません。

仮にLPO施策でCVRが0.5％増加したとしても、そもそもLPへの流入数がどれくらいあるのかによって、得られる成果は大きく異なります。そのため、そもそもLPへの流入が少ない場合は、まずはLPへの流入数を増加させる施策を行うことが先決です。

ランディングページの目的を明確にしておく

LPOを実施するにあたって最初に考慮すべき点としては、ランディングページの目的を明確にすることです。このページが何のためのページなのか、ユーザーのどのようなアクションを期待しているのかを明確にしておかないと、適切な施策立案・評価ができません。

目的の明確化により、ランディングページのコンテンツ、デザイン、CTA、メッセージがその目的に合致するようにスムーズに最適化できます。

また、目的が明確であれば、LPOの成果を評価しやすくなり、目標の達成度を追跡し、ページの効果を評価するための指標の設定が容易になります。逆に、目的が不明確な場合には、成功か失敗かの評価や判断が難しくなります。

同時に複数のテストを実施しない

LPOを行う際、A/Bテストは非常に強力なツールであり、改善施策の効果を客観的に評価するのに役立ちます。ただし、A/Bテストを実施する際には、複数の変更点を同時にテストすることは避けるべきです。

複数箇所を同時に変更すると、その改善効果がどの変更点に起因するのかが不明確になります。例えば、あるページでタイトル、CTAボタンのテキスト、画像を一度に変更した場合、成功の要因や課題の特定が複雑化し、効果的な改善策を見つけ出しにくくなります。

そのため、A/Bテストを実施する際は、1つだけ要素を変更し、それによる影響を明確に評価することが重要です。結果が明瞭であれば、次にどの要素をテストするかを決定する際にも役立ちます。

改善施策の実施にはLPOツールの活用がおすすめ

LPOを実施する際には、LPOツールの活用がおすすめです。これらのツールは、ランディングページの改善プロセスを管理し、実施した改善策の効果を追跡するのに役立ちます。

LPOツールを使用することで、ランディングページの作成、テスト、改善プロセスが効率的に行えます。ビジュアルエディタやA/Bテスト機能により、素早く変更を加え、結果を評価できます。

データもわかりやすく可視化されるため、実施した改善策の効果を客観的に評価するのに役立ち、データに基づいた意思決定が可能となります。ツールの導入によってランディングページの継続的な改善が容易になります。

まとめ

LPOは、Webサイトのランディングページを改善し、コンバージョン率を向上させるデジタルマーケティング戦略です。ランディングページは、ユーザーが最初に訪れるWebページで、製品やサービスの情報を提供し、特定の行動を促す役割を果たします。

LPOの施策には、ランディングページのデザインとコンテンツの最適化が不可欠です。ユーザーフレンドリーなデザイン、魅力的なコンテンツ、CTAの明確化、モバイルフレンドリー性などへの考慮が重要です。自社にマッチするアプローチをとり、最適なLPOを実施しましょう。