FAQシステムの導入にかかる費用相場とは|導入するメリットも解説
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- オンプレミス型の初期費用は高いが、カスタマイズ性やセキュリティ強化に優れている
- FAQシステムで情報を管理して分析することで、質問者のニーズを捉えやすくなる
- FAQシステムは、顧客と従業員のどちらも扱いやすい操作性のものを選ぶのがおすすめ
FAQシステムの費用相場は、クラウド型かオンプレミス型かによって変わってきます。また、初期費用や運用コストだけでなく、追加費用にも目を向けることが重要です。この記事では、FAQシステムの導入にかかる費用相場や、導入するメリットなどを解説しています。
FAQシステムとは
FAQは「Frequently Asked Questions」の略であり、よく寄せられる質問とそれに対する回答をまとめたシステムです。FAQシステムは、効果的な自己サポートツールとして機能し、顧客満足度の向上や組織内での情報共有を促進します。
FAQシステムは、非常に利便性の高いツールですが、コストが気になる企業も多いでしょう。本記事では、FAQシステムの導入形態別の費用相場、FAQシステムの種類や選び方について解説しています。
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FAQシステムとは
FAQシステムの種類
FAQシステムには顧客向け、社内向け、コールセンター向けの3つのタイプが存在します。自社のニーズに合わせて、適したFAQシステムを導入することが重要です。
顧客向けFAQシステム
顧客向けFAQは、製品やサービスに関する疑問を解決し、顧客の自己解決を促します。例えば、顧客からの問い合わせが多い質問を「よくある質問」としてまとめるのがおすすめです。
顧客が自己解決できることで入電数が減り、オペレーターの負担軽減や通信費を削減できます。また、顧客は電話が繋がるのを長時間待つ必要がなくなり、迅速に知りたい情報を得られるため、顧客満足度の向上にも繋がります。
社内向けFAQシステム
社内向けFAQは、組織内のナレッジ共有を促進し、従業員の情報アクセスを向上させます。これは、主に情報システム部門や人事などのバックオフィス部門に設置されることが多いです。
これにより、操作方法がわからない・システムが停止したといったトラブルによる問い合わせや、社内手続きの方法を質問する問い合わせを削減できます。そのため、担当者は本来の業務を止めて問い合わせに対応する必要がなくなり、生産性の向上にも期待できます。
コールセンター向けFAQシステム
コールセンター向けFAQは、オペレーターの負担を軽減し、効率的な顧客対応を支援します。顧客からの問い合わせ対応を行うオペレーターに特化したシステムであり、よくある問い合わせの回答や問い合わせ対応のマニュアルなどのデータを閲覧できます。
このデータを参照しながら業務にあたることで、オペレーターによる対応品質のばらつきを防いだり、新人研修における時間やコストを削減できたりします。
チャットボットとの違い
FAQとチャットボットは、情報提供やカスタマーサポートにおいて使用されるツールであり、いくつかの違いがあります。FAQは静的なテキストベースの情報システムで、よく寄せられる質問と、それに対する回答を事前にまとめて提供します。
一方、チャットボットは対話型の人工知能システムで、ユーザーとのリアルタイムの対話を通じて、質問に応えたりタスクを実行したりします。チャットボットは、自然言語処理を使用してユーザーの質問に対応し、さまざまな情報源にアクセスできます。
FAQは主に静的な情報の提供に使用され、チャットボットは対話とタスクの自動化に焦点を当てています。
Q&Aとの違い
FAQは、頻繁に尋ねられる質問や一般的な疑問に焦点を当てます。一方、Q&Aは質問と回答全般を指す用語で、頻度にこだわらず、あらゆる種類の質問とそれに対する回答を含んだものです。
FAQシステムの導入形態と費用相場
FAQシステムの導入形態には、クラウド型とオンプレミス型、2つの主要な種類があります。適切な導入形態を選び、予算に合ったFAQシステムを導入することが重要です。ここでは、FAQシステムの導入形態と費用相場について解説します。
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クラウド型
FAQシステムのクラウド型は、クラウドサービスを管理・提供するベンダーのサーバーにアクセスして、利用する形態です。特定のサーバー設置や、ソフトウェアの開発なしにFAQを実装できるため、オンプレミス型よりも初期投資が比較的安価です。
クラウド型FAQシステムは、月額または年間のサブスクリプションベースで提供されており、初期投資が低いため、中小規模の企業に適しています。初期費用の相場は20万円〜40万円前後で、月額費用の相場は5万円〜20万円程度です。
費用は、ユーザー数や使用量に基づいて変動するため、企業の規模や要件によって大きく異なる点に注意しましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型FAQシステムは、組織内にサーバーなどのインフラ環境を構築し、自社で運用する形態です。主な特徴は、高度なセキュリティ対策とカスタマイズ性であり、組織内データへの完全な制御が可能です。
しかし、費用相場は、初期費用200万円前後で月額費用の相場は10万円程度と、初期投資と運用コストが高い点に留意しましょう。
オンプレミス型FAQシステムは、高度なセキュリティ対策とカスタマイズ性を必要とする組織に適していますが、維持コストには注意が必要です。
FAQシステムを導入する際にかかる費用の内訳
FAQシステムにかかる費用は、初期費用や月額・年額費用、その他の費用によって構成されます。以下では、FAQシステムを導入する際にかかる費用の内訳について解説します。
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初期費用
FAQシステムの初期費用は、オンプレミス型とクラウド型で異なります。オンプレミス型では、サーバーの導入や設定、ネットワークの構築、セキュリティ対策などにより、初期費用が200万円前後と高額になる傾向があります。
一方、クラウド型はベンダーによるインフラ管理が行われるため、初期費用は比較的低くなり、20万円〜40万円前後で抑えられます。
月額・年額費用
クラウド型は通常、月額または年間のサブスクリプション制で提供され、利用者数やサイトの閲覧数に応じて料金が変動し、月額は5万円〜20万円程度です。つまり、利用が拡大するにつれてコストも増加しますが、運用する上での拡張性が高いという特徴があります。
対してオンプレミス型は初期費用が高く、固定のライセンス料金やハードウェア購入などの費用がかかります。月額10万円程度で比較的安定していますが、運用コストやメンテナンスには注意が必要です。
その他の費用
FAQシステムは、初期費用と月額・年額費用以外にも、さまざまな費用が発生します。クラウド型FAQシステムでは、サポートプランやカスタマイズした機能の導入に、費用がかかる場合があります。
また、高度なセキュリティ対策や特定のオプションを追加する場合、オプション料金が発生することも考えられます。一方、オンプレミス型FAQシステムでは、カスタマイズや追加のセキュリティ対策に関連した費用が発生します。
また、システムのメンテナンス、ハードウェアのアップグレードなど、運用に関わる追加費用も考慮する必要があります。システムを設定する際は長期的なコストを検討し、適切な予算を計画することが重要です。
FAQシステムを導入するメリット
FAQシステムの導入には、多くのメリットがあります。システムの導入によって、組織やカスタマーサポートの効率が向上し、顧客満足度が高まります。ここでは、FAQシステムを導入するメリットについて解説します。
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FAQシステムを導入するメリット
問い合わせの件数を削減できる
FAQは、一般的な疑問や問題に対して即座に回答を提供し、利用者が必要な情報を容易に入手できるため、問い合わせの件数を削減できます。これにより、カスタマーサポートや従業員への負担が軽減され、より重要な業務に集中できます。
また、FAQシステムは24時間365日利用可能で、非常勤の状況でも問題解決が可能となります。FAQシステムは、迅速かつ効率的な情報提供に貢献し、組織全体の生産性向上が期待できます。
顧客満足度を向上させることができる
FAQシステムは、一般的な疑問や問題の回答がすぐに得られるため、顧客満足度が向上します。特にコールセンターでは、FAQシステムによって顧客が自分で必要な情報を入手できるため、オペレーターの対応にかかる待ち時間が削減されます。
顧客は、よりスムーズなサポートを受けることができ、顧客満足度が高まります。FAQシステムは、顧客への迅速かつ効果的な情報提供を可能にし、顧客との関係構築に有効な役割を果たします。
ユーザーのニーズを分析できる
FAQシステムは、利用者のアクセスと検索パターンを追跡し、どの情報が最も求められているかを把握できます。顧客や従業員のニーズと傾向を把握し、適切なアップデートや改善を行うためのデータを収集できます。
FAQシステムの活用によって、組織は顧客が必要とする情報を的確に提供し、ユーザーにとって満足度の高い結果をもたらします。
ユーザーの行動履歴や検索キーワードの収集により、ユーザーのニーズを分析できます。その結果、商品やサービスの改善、新たなFAQの作成、カスタマーサポートの品質向上などに役立ちます。
業務の属人化を防止できる
FAQシステムは、組織内で共有される知識ベースを提供し、特定の従業員や担当者に依存せず、一般的な疑問や問題に対する情報を提供します。これにより、個別の従業員が情報を保持しているケースや、一部の担当者にのみ依存してしまう「属人化」を回避できます。
FAQシステムは、知識の共有と普遍的なアクセスを促進し、組織内でのタスク遂行の一貫性を確保します。これは効率性向上とリスク軽減につながり、組織全体の生産性を向上させます。
FAQシステムを選ぶ際の比較ポイント
FAQシステムを選ぶ際、適切な選択をするためにはいくつかのポイントを考慮しましょう。これらのポイントに注意を払うことで、組織のニーズに最適な結果を見つけることができます。以下では、FAQシステムを選ぶ際の比較ポイントについて解説します。
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FAQシステムを選ぶ際の比較ポイント
自社の目的や予算に合っているか
FAQシステムを選ぶ際は、まず自社の目的や予算に合致しているかを検討しましょう。オンプレミス型とクラウド型の違いを理解し、予算を考慮して選択します。さらに、必要な機能やカスタマイズ性を考慮することも重要です。
最近では、無料で使えるオープンソースのFAQシステムやAI搭載型も登場しており、これらも検討してみるのがおすすめです。自社のニーズに合ったシステムを選ぶことで、効果的なFAQの実現が可能です。
ユーザーが使いやすい操作性か
操作性が良いシステムを選ぶことで、顧客満足度を向上させます。検索方法の多様性と精度は特に重要な要素です。キーワード検索、カテゴリー分類、フィルタリングなど、多彩な検索オプションが顧客満足度を向上させるために必要です。
また、検索結果の精度にも注目しましょう。FAQシステムには関連性の高い情報を的確に提供できることが求められます。
使用するFAQシステムに、無料トライアル期間が設けられている場合は、それを活用してシステムの操作性や検索性を試すことができます。ユーザーがストレスなく、使いやすい操作性であるかを検証し、最適な選択を行いましょう。
他のシステムと連携できるか
FAQシステムを選択する際、他のシステムと連携可能であるかが重要となります。まず、自社で使うチャットボットシステムや、CRMとの連携がスムーズにできるかを確認しましょう。
この連携により、顧客や従業員からの問い合わせに一貫性のある回答を提供し、迅速な問題解決が可能になります。FAQシステムと他のシステムとの連携は、企業の効率性、顧客満足度の向上につながります。
FAQを簡単に更新することができるか
ビジネス環境や顧客のニーズは変化し続けます。そのため、FAQを定期的にアップデートし、最新の情報を提供することが必要不可欠です。更新までの手順が複雑で時間がかかる場合、顧客に古い情報が提示される可能性が高まり、顧客に不満や混乱が生じます。
システムが使いやすく、誰でも簡単にFAQを修正・追加できることは大きな利点です。煩雑な手続きや高度な技術が必要なければ、最新の情報を素早く反映できます。これにより、常に正確かつ最新の情報を提供し、顧客や従業員の満足度を維持できるでしょう。
まとめ
FAQシステムは、組織内でナレッジを効果的に管理し、顧客や従業員の問い合わせを効率的に処理するためのツールです。
導入には初期費用、月額・年額費用、およびその他の費用がかかります。しかし、その投資は問い合わせ数の削減、顧客満足度向上、ニーズ分析、業務の属人化防止などのメリットに繋がります。
FAQシステムは、自社の目的や予算に合わせて選択することが大切です。そのため、顧客や従業員の視点から最適なシステムを選ぶ必要があります。使いやすさ、更新のしやすさなど、比較検討もしっかりと行いましょう。
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