CTIとPBXの違いとは?共通点や連携させるメリットなども解説

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  • CTIはコンピューターと電話を統合する仕組みであり、PBXは内線電話に関する仕組み
  • PBXはCTIに統合されるシステムの1つで、着信制御や内線電話同士の転送などを担う
  • CTIとPBXの連携により顧客情報やモニタリング機能を活用でき、トラブル防止に役立つ

CTIとPBXは、どちらもコールセンターで利用されるシステムですが、どちらがどのような役割を担っているのかよくわからない方もいるでしょう。本記事では、CTIとPBXの仕組みや違い、CTIとPBXを連携させて活用するメリットなどを解説しています。

目次

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  1. CTIとは
  2. PBXとは
  3. CTIとPBXの違い
  4. CTIとPBXの共通点
  5. CTIとPBXは連携して活用するのがおすすめ
  6. まとめ

CTIとは

CTIとは「Computer Telephony Integration」の略称で、コンピューターと電話通信技術を統合するためのテクノロジーおよびアプローチを指す用語です。CTIは、ビジネスコミュニケーションやコールセンターシステムなどの分野で広く利用されています。

また、CTIは電話システムと顧客データベース、CRM(顧客関係管理)ソフトウェア、チャット、メール、ソーシャルメディアなどの他のコミュニケーションシステムと統合する際にも容易に連携できる機能を有しています。

CTIはコミュニケーションの効率化、顧客対応の質の向上など、さまざまな局面で有効に機能するツールとして広く活用されています。本記事では、CTIとPBXの仕組みや違い、CTIとPBXを連携させて活用するメリットなどを分かりやすく解説しています。

CTIの仕組み

CTIの仕組みは、特定のハードウェアコンポーネントとソフトウェアアプリケーションから構成されます。通常、ハードウェアコンポーネントとしてはコンピューターサーバーやPBXシステム、モデム、電話回線などが含まれます。

また、CTIの中核を成すのは、特定のソフトウェアアプリケーションです。このソフトウェアは、電話通信データを処理し、コンピューターシステム内のアプリケーションと連携し統合するためのインターフェースを提供します。

CTIシステムは、電話システムとコンピューターシステムの間でデータの受け渡しや制御を行うためのインターフェースと通信プロトコルを使用します。通信プロトコルは、通話の開始、終了、転送、保留、音声録音などのコマンドを伝えるために使用されます。

コールセンターシステムのCTIとは?機能・メリット・注意点など

CTIとは、コンピュータと電話やFAXを連携するシステムのことです。コールセンターシステムの構成要素で、導入することで業務の効率化などに繋がります。本記事では、コールセンターにCTIを導入するメリットや注意点、選ぶ際のポイントなどを解説しています。

PBXとは

PBX(Private Branch eXchange)は、企業や組織などの電話通信を効率的に管理し、制御するための電話交換システムです。PBXは、組織内の電話通信を中央で管理し、外部通信ネットワークとの接続の自働化により、電話通信をスムーズに行います。

また、外部の電話ネットワークとして、公衆交換電話網やVoIPネットワークと接続し、外部通話を処理します。外部通話は、組織の内線番号・拡張番号などから公衆の電話番号へ発信できるようになります。

さらに、PBXには通話転送、ボイスメール、会議通話、音声録音、保留、自動音声応答(IVR)、キューイングなどのさまざまな通信機能があり、電話通信の拡張性や効率を向上させることができます。

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PBXの仕組み

PBXは、組織内での通話を管理するために、各電話機には拡張番号として内線番号を割り当て、これらの内線番号を使って内部通話を可能とします。また、外部通信ネットワークとして公衆交換電話網やVoIPネットワークと接続し、外部通話も可能にします。

PBXには多くの通信機能が組み込まれており、通話の品質や効率がアップされます。例えば、ボイスメール、音声録音、自動音声応答(IVR)、キューイング、内線番号への転送などが含まれており、組織内での通信の質を高めるために有効に使われます。

PBXは、組織内の通信を効率化し、通話の管理と制御を提供するための重要なテクノロジーです。近年、PBXはVoIPテクノロジーやクラウドPBXとの組み合わせにより、通信の柔軟性や費用対効果を向上させることができます。

PBXとビジネスフォンの違い

PBXとよく混同されるものにビジネスフォンがあります。ビジネスフォンもPBX同様、外線と内線の通信を制御し、発着信制御や内線同士の通信や転送などの機能を持ちます。

PBXと共通している機能を持つビジネスフォンですが、ビジネスフォンは主装置と専用の電話機器を直接つないで運用するシステムです。主に外部との通話を快適に行うための機能が充実しています。

しかし、アナログ的に接続するため、ビジネスフォンは接続できる電話機の数に上限があります。ビジネスフォンで接続可能な電話機は多くて100台程度のため、数千台まで接続可能なPBXよりも小規模な環境での使用に向いています。

また、複数の拠点がある場合でも使えるPBXと違い、ビジネスフォンは拠点が一か所の場合やワンフロアでないと使えません。そのため、支店や複数フロアにまたがる会社ならビジネスフォンよりもPBXがおすすめです。

PBXとIP電話の違い

IP電話(Internet Protocol telephony)は、インターネットやイントラネットを介して音声通話を行うため、物理的な電話回線を必要とせず、デジタルデータネットワークを通じて通話が行われます。

IP電話は、Voice over IP(VoIP)テクノロジーを使用して音声通話をデジタルデータパケットとしてインターネット経由で送受信する方法です。また、クラウドベースのソリューションを利用することもあり、柔軟性が高く、場所に依存せずに通話可能な点が特徴です。

PBXとIP電話の主な違いとしては、PBXは物理的なハードウェアと専用の配線を使用し、電話回線を介して通話を処理します。一方、IP電話はインターネットなどのデジタルデータネットワークなどを使用し、通話をデジタルデータパケットとして送受信します。

PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

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CTIとPBXの違い

通常PBXは、CTIに統合されて一部分として機能することが一般的であり、両システムは連携して組織内の通信を効率的に管理し、改善するために使用されます。そのため、CTIとPBXの違いは、役割上の違いということになります。

CTIの役割は、コンピューターシステムと電話通信を統合し、データと通信を効果的に利用できるように結びつけます。一方、PBXの役割は、通話の制御とルーティングに特化しており、組織内の電話通信を管理し、内線通話と外部通話を効率的に処理します。

CTIとPBXは、効率的なコミュニケーションを実現するために連携して機能することがベースとなっています。CTIが通話プロセスと情報を結びつけ、ユーザーに重要な情報を提供するのに対し、PBXは通話の制御と接続を担当し、通話の基本的な機能を提供します。

CTIとPBXの共通点

CTIとPBXは、組織内の通信環境を向上させ、効率化するために使用されるテクノロジーで、いくつかの共通点を有しています。ここでは、CTIとPBXの共通点として以下の項目の詳細を解説します。

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オペレーターの負担軽減

CTIは通話時に関連する情報を自動的に表示し、オペレーターに必要な情報をポップアップ表示する機能があります。これにより、オペレーターは顧客の情報や履歴に対して容易にアクセスでき、問い合わせへの効果的な対応が可能となります。

PBXは内部通話を簡単に実現し、部署や拠点間で迅速にコミュニケーションをとることができます。また、通話転送機能により、問い合わせを適切な部署や担当者に転送できるので、オペレーターの負担軽減に繋がります。

両方のシステムはオペレーターの業務を効率化し、重要なタスクに専念できるようにサポートするメリットがあります。また、2つのシステムを組み合わせて使用することにより、オペレーターはより効果的に顧客対応に取り組むことができます。

対応品質の向上

CTIは通話時に顧客関連情報などを自動的にオペレーターの画面にポップアップ表示します。この機能により、オペレーターは通話している相手の情報を迅速に把握でき、対話がスムーズで的確に行えるので、対応品質の向上に繋がります。

PBXは組織内の内部通話を簡単に実現し、オペレーターが他の部門や拠点の担当者との連絡を容易に取れるようになります。また、PBXのボイスメール機能により、オペレーターが通話を受けることができない場合にメッセージを残すことができます。

さらに、PBXは通話を録音し、後で再生および監視することができ、オペレーターのトレーニングや通話品質の改善に役立ちます。このように、両方のシステムはオペレーターの通話交換業務をサポートし、顧客との対話の品質を向上させるメリットがあります。

テレワークの促進

クラウドPBXにより、インターネットを介して通話を処理し、テレワーカーはどこからでも通話できます。この機能により、オフィスに拠らずに業務を遂行できるため、柔軟なテレワークが推進されます。

CTIはインターネット経由で通信データを送信および受信できるため、オペレーターやカスタマーサポート担当者が自宅やリモートオフィスからも通話業務を遂行できます。また、PBXは組織内の内部通話を実現し、オフィス外のテレワーカーとも容易に通信できます。

これらの技術により、テレワークを促進させ、オフィス外での通話業務を支援します。CTIは情報提供とリモートアクセスを効率的に処理し、PBXは内部通話と会議通話を推進し、クラウドPBXは場所に依存しない通話環境を提供します。

CTIとPBXは連携して活用するのがおすすめ

CTIとPBXの連携は、組織内での通信環境をさらに高度化し、効率化するための強力な手段となります。CTIは情報提供と自動化に優れ、PBXは通話制御と内部通話を強化する機能があります。

ここからは、CTIとPBXは連携して活用するのがおすすめの点として、以下の項目について詳しく解説します。

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大規模コールセンターの業務効率化

CTIとPBXの連携により、大規模コールセンターにおいて業務効率化などの重要な役割を果たします。CTIは通話時に顧客情報や履歴を自動的に表示し、オペレーターに必要な情報を提供します。

これにより、大規模コールセンターにおいてオペレーターは多数の顧客からの問い合わせなどに的確な情報を利用でき、問題の効率的な解決が可能となります。また、PBXの通話転送機能により、顧客からの通話を適切な担当者に迅速に転送できます。

CTIとPBXの連携により、大規模コールセンターは高度な顧客サポートが実現でき、業務プロセスを最適化できます。また、オペレーターに正確な情報を提供することにより効率的な通話制御が可能となり、コスト削減や顧客満足度の向上にも繋がるメリットがあります。

顧客情報・モニタリング機能の活用

CTIは通話時に顧客情報を自動的に表示し、PBXは通話履歴や顧客情報を保存できます。両者の連携により、顧客情報の一元化が可能になります。オペレーターは過去の通話履歴や個別の顧客情報に簡単にアクセスでき、問題解決に役立つ情報として活用できます。

また、PBXは通話を録音し、モニタリングが可能なので、CTIとの連携により、オペレーターの顧客との通話品質を評価できます。さらに、トレーニングやフィードバックとして使用することにより、顧客への対応品質を改善し、向上させることができます。

顧客情報の一元化とモニタリング機能の活用により、顧客への誤った情報提供や不適切な対応を事前に防ぐことができます。この機能により、オペレーターは顧客に対して一貫性のある正確な情報提供が行えるので、クレームを減少させトラブルの防止にも繋がります。

まとめ

CTIとPBXは、ビジネスコミュニケーションにおいて重要な役割を果たす通信技術です。CTIはコンピューターと電話通信技術を統合し、通話品質の向上をサポートします。PBXは組織内での通話を効率的に管理し、外部通信ネットワークとの連携を可能にします。

両者の連携により、ビジネス環境で顧客情報の一元化が実現され、オペレーターは的確な情報提供と問題解決が容易に行えます。また、通話のモニタリングや録音機能を活用し、オペレーターのトレーニングと対応品質の向上を促進できます。

ビジネスコミュニケ―ションやコールセンターなどへのCTIやPBXの導入に際しては、両者の連携による機能やメリットを充分考慮し、自社の要件に合致した通信方法を確立しましょう。

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