人材紹介サービスとは?導入のメリットや比較のポイントも解説

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  • 人材紹介サービスは、人材紹介会社から採用要件に合う人材を紹介してもらえるサービス
  • 採用担当者の工数を削減し、客観的な目線で自社の魅力を伝えることが可能になる
  • 担当者へのフィードバックや情報提供・情報共有を定期的に行うことが重要

人材紹介サービスは、人材を採用したい企業と転職希望者の仲介役としてマッチングを行うサービスのことです。この記事では、人材紹介サービスのメリット・デメリットや利用手順、サービスを選ぶ際の比較ポイントや採用率を上げるコツなどについて詳しく解説します。

目次

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  1. 人材紹介サービスとは
  2. 人材紹介サービスのメリット
  3. 人材紹介サービスのデメリット
  4. 人材紹介サービスの利用が向いているケース
  5. 人材紹介サービスの利用手順
  6. 人材紹介サービスを選ぶ際の比較ポイント
  7. 人材紹介サービスで採用率を上げるコツ
  8. まとめ

人材紹介サービスとは

人材紹介サービスとは、人材を採用したい企業と就職したい求職者の仲介を行うサービスです。人材紹介サービスを利用することにより、急な欠員を急いで補充したい場合や、即戦力となる人材・専門職人材に絞りこんで採用したいケースに有効です。

また、費用面でも正式に採用が決まった時点で費用が発生する成果報酬型であるため、初期費用などが発生しないことも有利な点です。そのため、人材紹介サービスから候補者を紹介してもらい、納得のいく人材が採用できるまで、集中して採用活動が行えます。

この記事では、人材紹介サービスを利用するメリット・デメリットや利用の手順、サービスを選ぶ際の比較ポイントや採用率を上げるコツなどについて詳しく解説します。

人材紹介の仕組み

人材紹介サービス会社は、求職者と人材を雇用したい企業とのマッチングを行い、候補者を絞り込みます。企業の採用担当者は、募集したい職種や業務に必要なスキル、経歴などを人材サービス会社に共有し、求める条件に合致する候補者を紹介してもらえます。

また、求職者からの応募があった際は、面接スケジュールの調整など内定までの手続きを人材紹介会社が行います。さらに、求職者に対して面接日や募集職種の詳細などを連絡し、応募している企業の魅力などを伝えるサポートも行います。

企業側と求職者が雇用契約を結んで入社が決まった時点で費用が発生し、企業が人材紹介サービス会社に決められた料率の紹介手数料を支払う仕組みとなっています。

人材紹介サービスの種類

ここからは、人材紹介サービスの種類として、登録型(一般型)やサーチ型(ヘッドハンティング/エグゼクティブサーチ)、再就職支援型(アウトプレースメント型)の3つの形態について解説します。

登録型(一般型)

登録型は一般型とも呼ばれ、人材紹介サービス会社が登録・保有している求職者のデータベースから、企業が提示した求める応募条件に合う人材のマッチングを行い、絞り込んで企業側に紹介するサービスです。人材紹介会社の多くが、この形態で営業しています。

人材を選定する基準としては、幅広い業種や職種を扱う「総合型」と、特定の業種や職業に特化している「専門型」に分けられます。総合型は幅広い人材情報が登録されているため、データベースの母集団が拡大され、広範囲にマッチングされるのが特徴です。

専門型は、「エンジニア」「介護」「デザイナー」など特定の業界や職種に特化しているデータを基にサーチするため、高い専門性やスキルを持つ人材を採用する際に向いています。

サーチ型(ヘッドハンティング/エグゼクティブサーチ)

サーチ型は「エグゼクティブサーチ」や「ヘッドハンティング」とも呼ばれ、主にエグゼクティブ層や上級管理職を採用する場合に利用されるケースが多いです。また、特定の専門スキルや高度な専門スキルが求められるポジションの求人でも使われます。

この人材のサーチには、自社のデータベースに加えて、幅広い方法で候補者を探す手法が用いられます。他社のデータベースやFacebook、世界最大級のビジネス特化型SNSで知られるLinkedIn、さらに人脈や口コミなどあらゆる手段で人材サーチが行われます。

費用は基本的に登録型と同じように成果報酬型ですが、依頼時にリテーナー(retainer)と呼ばれる「着手金」を支払うケースもあります。

再就職支援型(アウトプレースメント型)

再就職支援型はアウトプレースメント型とも呼ばれ、企業がリストラや事業縮小などにより人員整理を検討する場合に利用します。企業に対しては、法的な観点から労働組合や個別の事案に対処するためのアドバイスや支援を行います。

退職する従業員に対しては、専門的なキャリア・カウンセリングや職業紹介などの再就職支援を行います。このような状況下では退職者も不安になるため、気持ちを落ち着かせて早期に再就職できるように知識やノウハウなどを教えて、サポートすることが特徴です。

再就職支援型の場合は、サービスの費用負担はリストラなどを行う雇用側となります。そのため、退職者を受け入れる企業にとってはコストをかけずに新たな人材を確保できるよい機会となります。

人材紹介と派遣の違い

人材紹介サービスは、人材を採用したい企業と働きたい転職希望者のマッチング・仲介を行い、両者の雇用契約成立をサポートするサービスを提供しています。雇用契約は、企業と転職希望者との間で結ばれるため、採用活動を支援するサービスという位置づけです。

一方、人材派遣サービスは業務を委託された企業に対し、派遣スタッフとして要員を派遣し、企業の指揮・命令の下で業務を遂行するサービスを提供します。雇用契約は、人材派遣会社と派遣スタッフの間で結ばれます。また、就業規則などは派遣会社の規定に準じます。

人材紹介サービスの利用料金は、採用決定者の初年度理論年収の約30%〜35%程度が一般的です。人材派遣サービスの場合は、派遣会社の給与支払いの規定に従い、時間単価×実働時間数などのケースが多いです。

人材紹介サービスのメリット

ここからは、人材紹介サービスのメリットとして、初期費用が不要な点や採用担当者の工数削減・非公開求人が可能・迅速な募集・専門的人材の確保など、6つの項目について解説します。

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初期費用がかからない

人材紹介サービスは成果報酬型の料金体系のため、人材の入社が決まるまで費用が発生しません。また、採用側で募集広告費などの初期費用が不要であることから、採用活動の予算計画などが立てやすい点がメリットです。

ただし、サーチ型の人材紹介サービスの利用の場合は、初期費用として「着手金」が必要なケースもあります。また、成功報酬の費用が発生するのは、紹介した求職者の入社が決定した段階で、起算日は入社日となります。

万が一、採用した人材が入社後早期に退職するようなケースが発生した場合は、それまで企業側が支払った費用のある程度が返金される場合もあるため、具体的な契約条件の内容を事前に確認しておきましょう。

採用担当者の工数を削減できる

人材の採用を企業の採用担当者が全て行う場合には、応募者が増えるほど応募書類の整理・確認の作業が増えます。また、面接スケジュールの調整・面接の実施・合否の連絡など多くの工程を行うことになり、業務上の負担も多くなります。

人材紹介サービスを利用することにより、マッチングの度合いの高い人材の絞り込みが行われ、候補者との面談スケジュールの調整や合否の連絡なども人材会社側で代行してくれます。その結果、企業側の採用担当者や面接官の採用の業務負担も実質的に軽減できます。

また、採用担当者は応募者の選考に多くの労力を投入することができ、企業にとってより適格な人材の確保に繋がります。

非公開求人として採用できる

大手企業の採用活動は、非公開求人として人材募集を行う場合があります。非公開にする理由としては、新規事業やマーケット参入などを踏まえた「立ち上げ要員」の募集や、企業の製品強化に向けた極秘プロジェクトなど、特定分野の「経験者」募集などがあります。

また、株式公開を控えている企業が、株式公開に精通した要員を募集するケースもあります。このような場合には、企業側では事業を開始するまでは競合他社への対応や参入への妨害排除の観点から、人員募集を非公開で行いたい傾向にあります。

人材紹介サービスでは、企業側の依頼により非公開求人として採用活動を推進します。このようなケースでは、企業と人材紹介サービス会社が秘密裏にタイアップし、企業戦略に則した人材確保を非公開で行える点がメリットになります。

募集をすぐにかけられる

企業にとって、予期せぬ従業員の退社や不意の欠員、新規プロジェクトの立ち上げなどで急に人員募集が必要なケースでも、人材紹介サービス会社と基本契約が締結されていれば募集をすぐにかけられます。

人員採用が必要になった時点で、企業側から募集内容の通知や求人票を人材紹介サービス側に送付することで、すぐに人材の採用活動が開始できます。

一方、求人サイト利用の場合には、人材募集掲載の整理・準備、取材への対応・求人の原稿の執筆・確認作業といった多くのステップが発生するため、募集開始までに時間がかかり、採用したい人材確保の機会損失にもなりかねません。

専門的人材を確保できる

人材紹介サービス会社の求職者データベースには、専門的な知識や特殊な技能・スキルを持っている人材が多数登録されています。ITエンジニアや金融専門職・介護・デザイナーなど、専門分野や業界に特化しているタイプの職種が分野別にカテゴリー分けされています。

そのため、急いで専門分野のスキルを持つ人を採用したいケースや、専門職に絞ってピンポイントで採用したい場合など、企業が求めるニーズに対して早急かつ適格に専門分野の人員を紹介することが可能です。

サーチ型による専門職の人材を探すケースでは、自社のデータベースは当然ながら、他社のデータベースやSNS・人脈・口コミなどさまざまな手段を駆使して要求にフィットする人材を探します。そのため、公募では見つけにくい希少な専門職人材の採用も期待できます。

転職希望者へ客観的な自社の魅力を伝えられる

人材紹介サービス会社では、専任担当者が転職希望者に対して募集企業を紹介する際に、求人票に記載されていないその会社の魅力などを口頭で補足し説明します。そのため、企業の規模や知名度に左右されることなく、応募者を公平に集めることが可能になります。

人材を募集する際には、転職希望者と企業側の接点となる求人票の内容が大変重要になります。人材紹介サービス会社では、求人票作成の際に記載すべき内容や書き方などのアドバイスや添削などのサポートも受けられます。

企業側が採用したい人材に対して、求人票の記載されている項目を通してどのような内容や訴求が響くのかを理解して求人票を作成することにより、企業が求める人材の採用に繋がります。

求職者も自分に合った仕事を見つけやすい

人材紹介サービスは、採用企業のみならず求職者にとっても大変有用です。人材紹介会社が個々のスキルや経験、希望などを細かくヒアリングしてくれるため、より自身に合った仕事に就きやすくなるのが最大のメリットです。

また、面接対策や将来のキャリアに関する相談に乗ってもらうこともできます。さらに、一般には公開されていない非公開求人に応募することもできるため、選択肢が広がります。

人材紹介サービスのデメリット

人材紹介サービスを利用する際には、費用面や採用ノウハウの蓄積、大量採用に不向きなどのデメリットがあります。ここでは、人材紹介サービスに関して事前に把握しておくべきデメリットや注意点などを解説します。

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採用にかかるコストが比較的高い

人材紹介サービス会社に支払う費用は、成果報酬型となっています。紹介された転職希望者を採用した場合に、企業が人材紹介サービスに支払う費用は、一般的に、採用した入社者の年収の約30%〜35%となっています。

例として、採用した人材が年収700万円の場合には、1人当たり約210万円〜245万円程度の費用を人材紹介サービス会社に支払います。

費用が比較的高くなるのは、内定までの諸々の活動をフォローするからです。企業側の採用計画や採用基準などを理解・把握し、求職者への求人票の紹介や企業の魅力の説明、面談を設定するなど、トータルでサポートします。

自社に採用ノウハウが蓄積されない

人材紹介サービス会社を利用することで、企業側の人事・採用担当者の募集に関する作業工数が低減できます。ただし、採用活動を通して得られる求職者の反応や採用成功に至る要因など、企業側の人事担当者が把握しにくくなります。

また、人材紹介サービス会社に任せている分野に関しては、人材紹介サービス側の担当者と一緒に分析や検証などレビューを行わない場合、企業の人事部署に採用のノウハウが蓄積されません

そのため、企業側で募集計画から採用までのプロセスを自社のみで行う場合に、ノウハウがないため、採用活動がうまく機能しないことになります。この状況を避けるためにも、人材紹介サービス側と常にコンタクトしてノウハウを蓄積する積極性を持つことが重要です。

大量採用には向いていない

人材紹介サービスは、求職者を大量に採用したい場合にはあまり向いていないといわれています。その理由は、求職者を登録したデータベースを使用して、企業側が求める条件にマッチする人材を絞り込んで紹介する手法がとられているからです。

データベース上の登録者をサーチして、条件がマッチする上位者を絞り込むため、一度に大量の採用者を探すことは難しくなります。採用人数を多く設定してマッチングすることは可能ですが、求める期間内に要求通りの人数を採用できるかどうかは不確実です。

人材紹介サービスを利用して大量に採用する場合は、基本的には、あまり適格な採用手法ではないことを理解しておきましょう。

自社にマッチしない人材が紹介されることもある

求めるスキルや経験を持つ人材を紹介してもらっても、必ずしも自社にマッチするとは限りません。仕事はできても、企業風土や性格が合わないケースもあるからです。

特に求職者自身の自己分析が不十分な場合は、このようなミスマッチが起こりやすくなります。そのため、人材紹介サービスによるキャリア相談の質も、確認しておきたいポイントです。

自社からの要望だけでなく、求職者の希望も適切にヒアリングできる会社を選ぶ必要があります。

人材紹介サービスの利用が向いているケース

人材紹介サービスはメリットだけでなくデメリットもあるため、募集をかける理由や求めている人材によっては人材紹介サービスの利用が向かない場合もあります。そのため、どのようなケースが人材紹介サービスの利用が適しているのか確認しましょう。

ハイクラスな人材を採用したい

高度な専門職スキルや経営目線を持ち合わせた人材を採用したい場合は、人材紹介サービスを利用した採用活動がおすすめです。

ハイクラスな人材はすでにスキルなどを持ち合わせているため、入社後にスキルを習得するための研修を行う必要がなく、早い段階で実践投入ができます。しかし、ハイクラスな人材は転職市場においても人数が少ないです。

そのため、スキルや経験、年収などが一定以上でないと登録できない人材紹介サービスを利用することで、効率的にハイクラス人材を採用できます。

採用活動経験が少ない

開業したばかりなどの理由で採用活動の経験が少ない企業は、人材紹介サービスを利用しましょう。人材紹介サービスの利用により採用活動の負担を軽減することができるため、経験が少なくても効率的に採用活動を行えます。

人材紹介サービスを利用する中で市場の動向を把握できることもあり、数年ぶりに採用活動を行うといった企業にもおすすめです。

人材紹介サービスの利用手順

人材紹介サービスを利用する際の一連の処理や、確認ポイントを事前に把握しておくと、人材紹介サービスをより有効に使えます。ここからは、人材紹介サービスの利用手順について解説します。

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手順詳細
問い合わせとヒアリング求める人材の要件のヒアリングが行う
基本契約書の締結支払い費用の料率や返金規定・各種条件などの法的な締結
求人票を作成する応募者の興味や関心を惹きつける内容を記載する
リサーチとマッチング登録者のデータベースにアクセスしてサーチ・マッチングを行い、候補者を絞り込む
書類選考履歴書や職務経歴書・エージェント記載の書類などを確認し選考する
面接候補者と実際に面接を行う
採用条件の最終確認と内定内定した候補者への採用条件などの提示や希望や悩みなどに関してヒアリングを行う
入社雇用契約書の締結や入社日の調整、入社に必要な書類・所持品などの確認
手数料の支払い内定者の正式入社後に、紹介手数料・費用などを支払う

問い合わせとヒアリング

利用を検討している人材紹介サービスの何社かをピックアップしてコンタクトを取ると、人材紹介サービスのエージェントによる要件のヒアリングが行われます。この時に、求める人材像の要件を事前に整理しておくと、より円滑な話し合いが行えます。

人材紹介サービス側では、登録されたデータベースを基に、求める人材をサーチします。そのため、マッチング度の高い人材を紹介してもらおうと最初から条件を絞り込み過ぎると、候補者探しが難しくなります。

この対策として、人材市場の動向やトレンドをよく把握し理解しているエージェントのアドバイスを受けながら、求める人材の条件を設定するとよりマッチング度が高くなります。その結果、企業側が強く求める候補者の紹介に繋がります。

基本契約書の締結

初めて人材紹介サービスと取引を行う場合には、最初に「基本的契約書」を締結します。支払い費用の料率や返金規定・各種条件などの法的な確認を行います。必要に応じて協議し、合意・締結に至るステップです。

契約書の内容に関して、特に採用した人材が入社後、早々に退社するようなケースの返金規定については、入念に確認しておきましょう。一度基本契約書を締結することにより、以降の募集に関しては採用したい人材の求人票を作成することで募集を開始できます。

求人票の作成

求人票の作成は、募集する会社側で作成するケースと、人材紹介サービスのエージェントが作成を代行するケースがあります。求人票の内容は、応募者の興味や関心を惹きつける重要な役割を持つため、入念に確認しながら作成しましょう。

求人票に記載する内容は、仕事内容の詳細や条件などに加えて、求める人材の心に響くやりがいなども盛り込み、魅力的なポジションであることをアピールすることが重要です。求人票で確実に募集内容の優位性が伝えられると、求めている人材が多く集まります。

求人票を自社内で作成する際にも、エージェントが添削やアドバイスをしてくれます。求める人材に対して、どのような内容が応募者に響くのかを理解して求人票を作成することにより、一層訴求力の高い募集が可能となります。

リサーチとマッチング

人材紹介サービス会社は、企業から委託された条件に合う採用候補者を探すために、登録されたデータベースでサーチしてマッチングを行い、候補者を絞り込みます。条件に合う候補者が見つかれば、その候補者にコンタクトを取ります。

その後に、人材紹介サービスのエージェントやキャリアコンサルタントが、求人票の内容をベースに候補者のヒアリングや面談を行います。面談終了後に、候補者が求人に対して応募する意思がある場合には、企業側の採用担当者に通知・連絡します。

書類選考

人材紹介サービス会社は、候補者の書類をとりまとめて企業に送付・提案します。この時に、候補者の履歴書や職務経歴書と共に、エージェントが候補者を推薦する理由や面談・ヒアリング時の特徴などに関するコメントが記載された書類も一緒に送付されます。

企業の採用担当部署では、履歴書や職務経歴書に加え、エージェントが記載した書類などを基に確認して、候補者の経験やポテンシャルを総合的に判断して面接をするかどうか判断します。

候補者の募集に対する意気込みや新しい仕事への意欲、人柄や持っている雰囲気などは実際に会ってみないと分からない点も多いため、少しでも気になる候補者がいた場合は、面談を行って判断することをおすすめします。

面接

面接してみたい候補者の場合は、人材紹介サービスのエージェントに連絡して面接日程を調整してもらいます。人材紹介サービス側では、候補者に対して面接日程の通知と共に、面接のアドバイスなども行うため、しっかりとした事前準備が済んでいることが多いです。

面接後の候補者への合否連絡に関しても全て人材紹介サービス側で行うため、実際の面接を行う以外に企業側で候補者に対して直接アクションを取る必要はありません。

また、面接後の候補者の反応や入社に対する意欲などに関しても、人材紹介サービス側からフィードバックされるため、その後の募集や採用時の参考となり、対策の一環として反映できます。

採用条件の最終確認と内定

面接を経て、採用したい候補者がいた場合には内定を出します。内定した候補者への採用条件などの提示に関しても、人材紹介サービスが代行する場合が多いです。企業によっては、内定後に候補者と条件通知などの面談を直接行うケースもあります。

人材紹介サービスのエージェントは、候補者が入社する上での希望や悩みなどに関してヒアリングを行います。企業側が強く採用したい内定者がいるケースでは、エージェントに相談して食事などの場を設け、内定者と話す機会を別途作ることもあります。

いずれにしても人材の採用にあたっては、就職希望者と企業側の双方が納得しながら採用までの工程を進めることが重要になります。途中の段階で確認したい点がある場合は、その都度エージェントに連絡をとって相談してみましょう。

入社

入社が決定した場合には、雇用契約書の締結や入社日の調整、入社に必要な書類・所持品などの情報を人材紹介サービスを経由して候補者に伝えてもらいます。

また、入社に際して内定者が不安材料を持っていないか、入社する際の希望などに関するヒアリングがエージェントにより行われ、企業側にフィードバックされます。

手数料の支払い

内定者が正式に入社した後に、人材紹介サービス会社から紹介手数料・費用などの支払い請求が届きます。一般的に内定者の入社日を起点として費用が計算され請求書が発行されるケースが多いです。

サーチ型など一部の人材紹介サービスでは採用プロセスが進むごとに費用が請求され、支払いが発生するケースもあります。

人材紹介サービスを選ぶ際の比較ポイント

ここからは、人材紹介サービスを選ぶ際の比較ポイントとして登録者情報や紹介実績・業務体系・自分が求める業界への理解度などの3点を解説します。

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登録者情報や紹介実績

人材紹介サービス会社が運用するデータベースに登録者数が多い場合には、登録者が多い分、採用の対象となる人材データも多くなり、サーチして絞り込む人数が増えることになるため、採用成功の確率が高くなります。

そのため、人材紹介サービスのサイトに登録者数が表示されている場合は、数を確認しましょう。サービス会社によっては、これまでの「累計」で表記されることもあるため、注意が必要です。最近の登録者数なのか、いつ時点の登録者数なのかも確認しましょう。

また、採用実績も、人材紹介サービスの質や信頼度を測る指標の1つになります。データベースに登録した候補者の数が多くても、採用に成功して入社まで至らなかったら意味を持ちません。登録者数と採用実績の両方を確認するようにしましょう。

人材紹介会社の業務体系

人材紹介サービス会社の業務体系には、分業型と統一型の2種類があります。以下でそれぞれのポイントを解説します。

分業型

人材紹介サービス会社では、企業の要件をヒアリングして、戦略を立案するスタッフを「キャリアコンサルタント」または「リクルーティングアドバイザー」などと呼んでいます。

一方、転職希望者のニーズを捉え企業を推薦するスタッフを、「キャリアカウンセラー」または「キャリアアドバイザー」と呼びます。サービス会社内で、この二者がそれぞれ分かれて採用業務を推進する業務体系が「分業型」です。

分業型にすることで、それぞれの対象に向きあい、深くコンタクトすることで、適格な提案が可能となります。また、互いが保持する案件をベースにして、双方の意思疎通が非常に大事になります。そのため、ミーティングなどの情報交換が頻繁に行われることが多いです。

統一型

「統一型」は「一気通貫型」とも呼ばれ、1人のエージェントが募集を依頼する企業と求職者の間に立って、統一して採用業務をサポートする形態です。双方のニーズを深く理解することにより、手厚く丁寧なサービスを迅速に提供することが可能となります。

また、企業と求職者双方のニーズがつかめることから、マッチングの精度が高い傾向があります。ただし、エージェントの業務量や負担が増えるため、対応できる人数に制限が出てきます。

自分が求める業界への理解度

人材紹介サービス会社を選ぶ際には、求める人材が所属する業界に対する専門性や理解度・経験などの深さがポイントになります。この場合の専門性には、サ―ビス会社自体と、社内で働くエージェントという2つの視点があります。

人材紹介サービス会社が専門の業界特化型の場合は、業界特有の慣例などに精通しており、有利になります。総合型の人材紹介サービス会社でも、業界特化型のサービスを提供している場合もあるため、応募内容に応じて業界への理解度を確認しましょう。

もう1点は、依頼するエージェント自身に採用対象の業界に対する理解度や精通度があるかがポイントです。例として元エンジニアや元営業、元医療関係といったエージェント自身の経歴も大事になるため、参考としてそれまでのキャリアの確認もおすすめです。

人材紹介サービスで採用率を上げるコツ

ここからは、人材紹介サービスを介して採用率を上げるための、5つのコツを解説します。

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担当者へのフィードバックは丁寧に行う

人材紹介サービス会社から応募者の紹介を受ける際には、担当者から履歴書や経歴書などの応募者の情報が送付されてきます。採用したいと考える人材については、その後の面談のフォローやサポートが受けられます。

人材紹介サービスを活用し採用率を上げるためには、サービス会社の担当者に対して書類選考の可否や面談結果などの情報をその都度フィードバックして、丁寧に返すことが重要になります。

人材紹介サービスにとって、フィードバック情報の蓄積はその後の採用のマッチ度を高めることに繋がる有効な企業情報です。その結果、その後の人材紹介の際に、より自社にマッチする人材が紹介されやすくなります。

求人情報や企業情報は常に最新の状態にする

募集内容や企業情報に変更や追加がある場合には、すみやかに人材紹介サービスの担当エージェントに情報の更新を依頼しましょう。

人材紹介サービス側が保有するデータベース上の情報を更新し、最新情報をキープすることにより、新規の採用のケースではマッチング率を上げる効果があります。それにより、求める人材の採用がしやすくなります。

求める人材像や募集背景を明確にしておく

求める人材像があいまいな状態のままで採用活動をすると、入社後のミスマッチにつながるおそれがあります。そのため、企業が求める人材像をあらかじめクリアにしておくことが重要です。

求める人材像は、一般的な社員として求めたい人材像や営業・エンジニアなど職種による人材像、またマネジメント層など役職に合わせて求めたい人材像など、階層や職種によっても違ってきます。

そのため、職種や業務内容にマッチする人材像を明確にするには、現場とのすり合わせが重要になります。上層部や人事だけで求める人材像を設定するのではなく、現場や第一線の社員とも認識を合わせることで、ミスマッチのない採用活動ができるようになります。

自社ならではの魅力やメリットを示す

自社ならではの魅力やメリットを示すことも、人材紹介サービスで採用率を上げるコツとして大事になります。特に、採用情報を記載する求人票は求職者との接点にもなるため、記載する場合は自社の魅力を充分に伝えることが重要です。

また、求人票には求職者の視点に立った内容を盛り込みましょう。まず、会社のミッションやビジョンを業界の動向と現状を踏まえて紹介します。次に自社がどのような商品やサービス、事業を展開しているのかを分かりやすく説明します。

さらに、待遇や環境面を重視する応募者も多いため、企業の独自性や将来性を記載し、給与水準や各種手当などの待遇面や福利厚生面、周辺環境の魅力などをアピールすることで、応募者がその会社で働くメリットをイメージしやすくなり、求める人材の採用に繋がります。

定期的な情報提供・情報共有を行う

人材紹介サービスは企業の採用活動に有効であると同時に、求職者の転職活動の負荷も軽減してくれます。人材紹介サービスでは、求職者の希望とマッチする企業を探してくれると共に、応募する企業に受かりやすいように面接などのフォローもしてくれます。

ただし、一方で紹介会社に勧められたからという理由だけで応募する求職者も多く、早期に退職する求職者も少なくありません

このような状況を防ぎ、入社後に定着し活躍してもらうために、企業側と人材紹介会社の連携が重要です。定期的に会合して、企業の魅力・情報を提供したり、面接の内容や結果をフィードバックして共有することにより、さらに効果のある採用活動が進められます。

まとめ

人材紹介サービスは、求職活動をしている候補者と求人募集している企業の要求をマッチングして適格な人材を紹介してくれるサービスです。急な募集対応や採用スタッフの負担軽減にもなり、人材紹介サービスを利用した採用活動には多くのメリットがあります。

一方、採用にかかるコストが比較的高額になるケースや、自社に採用ノウハウが蓄積されないなどがデメリットです。いずれにしても、企業で採用活動を行う場合は、人材紹介サービスに任せきりにせず、情報交換やフィ―ドバックを密にすることが重要です。

最近では、人材を採用する場合に人材紹介サービスの利用が注目されています。自社の採用活動に専念できないほど多忙でうまく機能しない際には、一度人材紹介サービスに相談し、利用を検討してみてください。

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