FAQの作り方とは|FAQを作成するメリットやコツ、注意点も解説
Check!
- FAQの作成によりユーザー自身で回答に辿りつくことができ、問い合わせ工数を削減可能
- FAQを社内FAQとして作成することで、専門知識などのノウハウの蓄積・共有ができる
- FAQの質問や回答に専門用語が多すぎると、ユーザーに疑問を生んでしまう可能性がある
FAQを作ることによって、ユーザー自身で回答に辿りつけるため、問い合わせ対応の工数を削減することができます。FAQは顧客向けだけでなく、社内用のFAQとしても活用することができます。本記事では、FAQの作り方や作成するメリット、注意点などを解説します。
FAQとは
FAQ(Frequently Asked Questions)とは、よく寄せられる質問をまとめた情報ページを指し、Webサイトやアプリケーションで一般的に使用されています。
FAQはユーザーが疑問や問題を解決しやすくするために設計されており、カスタマーサポートやオンラインヘルプの一部として提供されます。一般的な質問とそれに対する明確でわかりやすい回答が含まれるため、ユーザーが自己解決を行うことができます。
FAQは情報の集中的な提供により、カスタマーサポートの負担を軽減する手段として多くの組織で利用されています。 また、FAQは常に更新作業が必要であり、新たな質問に対応しながら管理することが求められます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
FAQの種類
FAQにはさまざまな種類が存在し、それぞれ特定の役割を果たします。ここでは、FAQの種類について解説します。
顧客向けのFAQ
顧客向けのFAQは、顧客が製品・サービス・Webサイト・アプリケーションに関して、一般的な疑問や問題に対処するために提供される情報の集合です。これらのFAQは、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、カスタマーサポートの効率を高める役割を果たします。
顧客向けFAQには、製品の使い方・アカウント設定・注文と支払い・トラブルシューティングなど、幅広いトピックが含まれます。顧客はこれらのFAQを利用して自己解決を行い、迅速に問題の解決につなげられます。
そして、組織はカスタマーサポートの負担を軽減しつつ、リソースの効率的な利用を促進することができます。
コールセンター向けのFAQ
コールセンター向けFAQは、カスタマーサポートが顧客の問い合わせに迅速かつ正確に応答するための重要なツールです。これらのFAQには、製品やサービスに関する一般的な質問とプロセス、ポリシーに関するガイダンスなどが含まれます。
コールセンター向けのFAQは、オペレーターが電話・チャット・メールなどのコミュニケーションチャネルを通じ、顧客の問題を効果的に解決するために必要な情報を提供します。
これにより、顧客へのサービス品質が向上し、待ち時間や問題の解決にかかる時間が短縮されます。
社内向けのFAQ
社内向けFAQは、組織内での情報共有と効率化を促進するために作成され、従業員は日常業務や社内プロセスに関する、質問・手順に容易にアクセスできます。例えば、休暇申請手続き・セキュリティポリシー・ITトラブルシューティング・経費精算などです。
また、社内向けFAQは新入社員のオンボーディングをサポートし、組織全体の効率性を高めることもできます。つまり、社内向けFAQはコミュニケーションの円滑化や従業員の生産性向上に貢献し、組織内部の情報共有プロセスを改善する重要なツールとして活用できます。
Q&Aとの違い
Q&Aは「Question & Answer」の略で、「質問と回答」を指す言葉です。FAQのように「よくある」質問に限定されず、一般的な質問とそれに対する回答を含みます。つまり、FAQはQ&Aの一部として捉えることができます。
また、FAQとQ&Aは混同されやすく、同じようなコンテンツを指す場面も多いです。一般的には、どちらもユーザーが疑問や問題を解決する際に、役立つ情報を提供するための手段として使用されます。
FAQに必要な構成要素
FAQページは顧客対応や情報提供の一環として、使いやすく・信頼性のある情報を提供することが求められます。FAQを有効に活用するためには、適切な構成要素が必要です。ここでは、いくつかの構成要素について解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
FAQに必要な構成要素
質問本文
FAQの質問本文は、ユーザーや顧客が持つであろう疑問や問題を明確に表現する重要な要素です。質問本文は、複数のポイントを考慮して構成されます。まず、質問は明確でわかりやすい言葉で表現しましょう。
曖昧な表現を避け、ユーザーが簡単に理解できる表現を心がけます。また、質問は簡潔に済ませ、本質的な情報に焦点を当てましょう。具体的なトピックや問題に関連しつつ、一般的な表現を避けることが求められます。
さらに、質問はユーザー視点からの関心事に基づいて構築し、実際の使用状況やニーズを反映することが重要です。そして、質問は適切なフォーマットで表示されるようにし、視覚的にもユーザーにわかりやすく提示しましょう。
回答本文
FAQの回答本文は、質問に対する明確で適切な情報提供が求められます。回答本文は以下のポイントを考慮して構成しましょう。まず、回答は的確かつ余計な説明を避けるようにし、質問に対して直接的で理解しやすい回答を提供します。
また、回答は正確で最新の情報である必要があります。過去の情報や誤った情報提供に気を付けながら、回答は専門用語や難解な言葉を使用せず、一般のユーザーが理解しやすい言葉で記述しましょう。
そして、回答は簡潔かつ具体的であることが望ましいです。回答は必要に応じて関連リンクや参考情報を追記しつつ、ユーザーに詳細な情報を提供しましょう。
補足情報などを得られる参考ページのURL
FAQにおいて、補足情報を提供する方法の1つとして、参考ページのURLを用意することがあります。これは、ユーザーが追加の情報を必要とする場合に役立ちます。
FAQ回答にはあくまで基本的な情報を提供し、詳細な情報が必要な場合には参考ページへのリンクを提供します。参考ページは通常、Webサイト内の詳細な記事・ガイド・マニュアル・規約などにリンク付けされます。
この方法により、FAQページはシンプルで読みやすく保たれ、関連する詳細情報へのアクセスが容易になります。ユーザーは必要に応じて参考ページを閲覧し、深層情報を得ることができるでしょう。
関連するFAQの紹介
関連FAQの紹介は、ユーザーが関連する問題やトピックについて、より深く情報を得られるように支援する手段です。関連FAQの選定においては、質問やトピック間の関連性を明確に示し、ユーザーが関心のある情報を簡単に見つけられるようにする必要があります。
各関連FAQについては、簡潔な説明を提供して内容が理解しやすいように配慮します。また、関連FAQへのアクセスを容易にするために、明確なリンクやナビゲーションを提供し、ユーザーが迷わずに関連するFAQへとアクセスできるようにします。
これにより、関連FAQの紹介がユーザーエクスペリエンスを向上させ、効果的な情報提供を実現します。
FAQを作成するメリット
FAQは企業や組織にとって、効果的なコミュニケーションと効率性の向上をもたらす重要なツールであり、作成するメリットは多岐にわたります。ここでは、FAQのメリットについて詳しく解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ユーザーの満足度を上げられる
FAQが提供されると、ユーザーは自分の疑問や問題に素早くアクセスし、解決策を見つけやすくなります。迅速かつ簡単な解決が行えることにより、ユーザーのストレスを軽減しながら効率的な問題解決のサポートを実現します。
また、FAQは24時間365日利用可能であり、ユーザーは自分の都合の良い時間で情報にアクセスできます。このように、FAQはユーザーの自己サポートを促進し、ユーザー満足度を向上させる強力なツールです。
問い合わせ対応の工数削減で負担軽減
従来の有人での問い合わせ対応では、同じ質問に何度も回答する必要があり、これが時間とリソースを消費します。しかし、FAQを提供することで、ユーザーが自己サービスで問題を解決できる機会を提供します。
多くの一般的な質問に対する回答はオンラインで提供されるため、カスタマーサポートの担当者は、より複雑な問題や個別のサポートに集中できます。その結果、有人対応の工数を削減し、カスタマー業務の負担軽減にもつながります。
SEO対策の強化でアクセス数が増加
FAQの作成は、SEO(検索エンジン最適化)対策の強化にも貢献します。FAQには一般的な質問やキーワードが含まれているため、Webサイトのコンテンツが検索エンジンにより適切にインデックスされやすくなります。
これにより、ユーザーが関連する情報を検索するとFAQが上位に表示され、Webサイトへのアクセス数が増加します。また、FAQ内のキーワードはコンテンツ全体のキーワード戦略を補完し、トラフィックを増やすのにも役立ちます。
社内FAQでノウハウの蓄積・共有が可能
社員が日常業務で遭遇した問題や解決策をFAQとして文書化することで、専門知識などのノウハウを蓄積・共有できます。これにより、新入社員であっても迅速に知識を吸収しながら、問題解決に役立つ情報を活用できます。
また、FAQは継続的な学習とスキル向上を促進し、生産性を向上させます。さらに、社内の情報共有がスムーズに行われるため、業務の効率性も向上します。FAQは社内コミュニケーションを強化し、組織全体のパフォーマンスの向上に貢献します。
FAQの作り方
効果的なFAQを作成するためには、いくつかの基本的なステップを理解し、実践することが求められます。ここでは、FAQの作成に関するステップやコツを解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
問い合わせ内容と回答の情報を収集する
FAQの作成は、顧客や従業員からの問い合わせ内容と、それに対する回答情報を収集することから始まります。これにより、最も重要なトピックや疑問を把握できます。
情報収集の方法は多岐にわたり、メール・問い合わせフォーム・過去の対話記録・カスタマーサポートチームへのヒアリングなどが代表的です。収集されたデータを整理し、共通のトピックや傾向を特定します。
これらの情報は、FAQのカテゴリーと質問の基礎となり、最も求められる情報を提供するのに役立ちます。また、FAQはユーザーのニーズに応じて定期的に更新することも重要です。
集めた質問に回答を結びつける
収集した質問の背後にあるニーズや問題を理解し、それに対する包括的な回答を提供します。回答を作成する際には、さまざまな情報源や資料を参照し、正確で有益な情報を提供できるようにします。また、明快でわかりやすい言葉で回答を表現することが大切です。
ユーザーが求める情報を的確に提供し、疑問や問題を解決できるように心がけましょう。このようなアプローチにより、ユーザー満足度を向上させ、問い合わせ対応の効率性を高めることができます。
優先順位やカテゴリごとに分類する
FAQの効果的な作成には、優先順位付けとカテゴリ分類が重要です。優先順位を付けるためには、ABC分析を使用して質問を識別します。Aは高優先度、Bは中優先度、Cは低優先度の質問を示します。これにより、重要な問題に対する回答を優先的に提供できます。
さらに、FAQをカテゴリごとに分類することで、ユーザーが情報を見つけやすくなります。カテゴリ分類の際には、ユーザーの視点や特定のトピックに焦点を当て、わかりやすいラベルやカテゴリ名を使用しましょう。
FAQページをWebサイトに公開する
FAQを作成したらWebサイトに公開します。ユーザーがFAQを見つけやすいように配置することで、情報へのアクセスがスムーズになるため、まずはWebサイトの主要なページにFAQへのリンクを追加します。
通常、ヘッダーメニューまたはフッターに配置することが一般的です。FAQをカテゴリごとに整理し、各カテゴリへのリンクを提供してユーザーが関連する情報を見つけやすくしましょう。
最後に、FAQへのリンクを関連するコンテンツや製品ページに配置し、ユーザーエクスペリエンスの向上につなげます。FAQを見つけやすい位置に配置することで、ユーザーが自分の疑問や問題に素早くアクセスできます。
データの分析・改善をする
FAQを公開したら、定期的にデータの分析・改善を行いましょう。まず、問い合わせ件数・アクセス数などのデータを収集し、詳細な分析を実施します。データから最も頻繁に寄せられる質問や問題点を特定し、それらに対する明確な回答を提供することが重要です。
さらに、アクセス数の推移を追跡し、FAQの特定のセクションが頻繁に訪れられているかどうかを確認します。また、顧客満足度データはFAQの品質を評価するのに役立ちます。
データ分析に基づいてFAQを改善することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、問い合わせ件数を削減し、効率的なカスタマーサポートを提供できるようになります。
FAQ作成に役立つFAQシステム
FAQシステムは情報整理とアクセス向上を支援するツールです。通常は質問と回答の管理が主な機能となり、カテゴリー分類を通じて情報を整理し、ユーザーは簡単に検索・問題解決を実行できます。
FAQにおいて、リアルタイム更新とデータ分析は重要な意味を持ち、トレンドに合わせた迅速な対応とコンテンツの改善につながります。
具体的なメリットとしては、効率的なカスタマーサポート・ユーザー自己サポートの促進・顧客満足度向上・SEO強化・コスト削減などが挙げられます。FAQシステムは情報アクセスの改善と効率化によって、企業やWebサイトの運営に多くの利益をもたらします。
FAQシステムとは?導入のメリットとシステムの比較ポイントを解説
FAQシステムとは、エンドユーザーからの「よくある質問」とその回答を作成し蓄積したものをWebページやアプリ内で検索できる機能です。この記事では、FAQシステムの機能やメリット・デメリットを踏まえ、選び方など導入前に抑えておきたいポイントを解説します。
社内FAQならエクセルなどで自作も可能
社内FAQを作成する際、エクセルやスプレッドシートを使用して自作することも可能です。簡単なテキストベースのFAQには十分であることも多く、テンプレートを活用すれば質問と回答を整理しやすいことから、組織内での共有も容易です。
しかし、情報量が増えたり複雑な検索や分析が必要だったりする場合、FAQシステムを利用した方が利便性が高まります。FAQシステムは検索機能・カテゴリー分類・リアルタイム更新・データ分析など多彩な機能を提供し、情報のアクセスや管理を向上させます。
よって、自社が作成したいFAQに合わせて選択することがおすすめです。
FAQを作成する際の注意点
FAQを作成する際、効果的な情報提供をするためにはいくつかの注意点があります。それらの注意点に留意することで、質問と回答の品質を確保し、FAQを有用なリソースにするのに役立ちます。ここでは、FAQを作成する際の注意点について解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
FAQを作成する際の注意点
質問に対する回答の辻褄が合っているかを確認する
FAQを作成する際は、質問に対する回答の正確性が非常に重要であるため、公開前に回答が質問と整合しているかを確認しましょう。質問と回答が合っていない場合、ユーザーが求める情報を提供できず、信頼性が損なわれる可能性があります。
FAQの作成においては、質問と回答の整合性を最優先に考え、注意深く検証しましょう。
専門用語を多用せずにわかりやすい回答を心がける
FAQでは、専門用語を多用せずにわかりやすい言葉による回答を心がける必要があります。一般ユーザーが理解しやすい言葉を使うことで、情報の伝達効果が高まります。専門用語を使用する場合は、適切な説明を付け加えて補足し、理解を深める工夫をしましょう。
理解しやすい回答は、ユーザー満足度を高めて利用価値を向上させますが、専門用語の多用は利用者にとってハードルが高くなります。FAQはユーザーの疑問解消を効果的に行うツールであるため、わかりやすさを重視することが重要です。
回答の量は徐々に増やすしていくことが大切
FAQページに訪れるユーザーを意識し、回答数をできるだけ増やすことも重要ですが、必要とされない回答ばかりを増やしても意味がありません。
そのため、初めはオペレーターへの問い合わせ件数が多い質問の回答を用意し、必要に応じて徐々に増やしていくようにします。そして、どのような順番で回答を提供した方が良いのかなど、効果的な配置についても検証していくことがおすすめです。
ユーザー側の使いやすさを最優先に考慮する
FAQを作成する際は、ユーザー側の使いやすさを最優先に考えることが重要です。例えば、FAQ内からキーワード検索できる機能を提供し、ユーザーが迅速に目的の情報を見つけられるようにします。
また、FAQページのレイアウトは整然とし、視覚的にわかりやすいデザインを意識しましょう。FAQは変更や新しい情報に追随し、最新の状況を反映させるよう定期的な更新を行います。
これらの工夫を通じてFAQを使いやすくし、ユーザーのストレスを軽減することで効果的な情報提供が実現できます。
管理しやすいファイル名などで統一する
FAQは一度作成したら終わりではなく、ユーザーの動向やニーズに合わせて検証・改善を行う必要があります。そのため、後々の検証・改善を行いやすくするために、FAQに関するファイル名や用語などは統一化してわかりやすくしておくことが重要です。
IDや数字を活用し、管理者や利用者がわかりやすい管理体制にしておくことで、なるべく時間とコストをかけずに検証・改善がしやすくなるでしょう。
まとめ
FAQは、Webサイトやサービスのユーザーによく寄せられる疑問や、問題に対する回答をまとめたコンテンツです。FAQの作成には多くのメリットがあります。まず、ユーザーの満足度を向上させてカスタマーサポートの効率性を高めます。
また、FAQはSEO対策にも役立ち、Webサイトの検索エンジンランキング向上に貢献します。さらに、社内向けFAQは、企業内におけるノウハウの蓄積・共有をサポートし、効率的な業務遂行に寄与します。
FAQを作成する際の注意点としては、回答の正確性を確保し、専門用語を避けてわかりやすく表現することが大切です。そして、ユーザーが簡単に情報を見つけられるような使いやすいデザインとナビゲーションを提供することも重要です。
FAQの適切な運用により、組織内や顧客とのコミュニケーションを円滑にし、サービス品質の向上につなげることができます。
この記事に興味を持った方におすすめ