ネイティブアドとは?メリットや活用する際のポイントを解説
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- ネイティブアドは、広告へのストレスを減らし、自然なコンバージョンへ繋げる広告手法
- 潜在層へのアプローチができる点や、ユーザーに与えるストレスが少ない点がメリット
- ターゲット層を正確に把握し、それを元に掲載メディアなどを選定することが重要
ネイティブアドとは、記事(コンテンツ)と広告が自然に融合している広告のことです。この記事では、ネイティブアドと従来の広告・ステルスマーケティングとの違い、種類や条件、メリットやデメリット、活用する際のポイントなどについて詳しく解説していきます。
ネイティブアドとは
ネイティブアドは、広告を自然な形式でコンテンツに組み込むことで、ユーザーに自然な広告体験を提供する広告形態です。特定のコンテキストに合わせてデザインやスタイルを調整し、コンテンツとの一体感を生み出します。
ネイティブアドのメリットは、コンテンツに溶け込んでいるため、ユーザーは広告としての認識をしにくく、自然な流れで広告に接することができます。また、ネイティブアドは、拡散されやすく、共有や口コミの形で広がりやすい特徴があります。
以上のようにネイティブアドは、ユーザーに自然な形で広告を認識してもらい、広告効果を高める手法として注目されています。
ネイティブアドと他の広告の違い
ネイティブアドの広告形態は、近年注目されていますが、他の広告形態との違いについては、分かりにくい部分もあると思います。ここでは、従来の広告やステルスマーケティング、ディスプレイ広告との違いについて、それぞれ解説します。
従来の広告との違い
従来の広告として、バナー広告などが挙げられますが、これらの広告は、コンテンツから明確に分離され、視覚的に広告であることがわかります。一方、ネイティブアドは、コンテンツと同化し、ユーザーに違和感を与えずに表示されます。
この特徴により、ネイティブアドはユーザーから避けられず、広告に対する関心や、クリック率が向上する傾向があります。ユーザーが広告と認識せずにコンテンツとして見るため、広告メッセージがより効果的に伝わることが期待できます。
ステルスマーケティング(ステマ)との違い
ステルスマーケティングは、広告主が関与しているにもかかわらず、中立的な立場であるかのように見せかける広告手法です。この手法は、インフルエンサーやメディアを利用し、広告であることを隠す行為で、消費者に混乱や誤解を与え、信頼を損なう可能性があります。
一方、ネイティブ広告は、広告とコンテンツの一体感を持たせることで、視覚的に広告らしさを薄めるものの、広告であることを明示する表示が必要です。例えば、「PR」「広告」といった明確な表示が表示されます。
これにより、ユーザーは広告であることを認識し、情報を適切に判断することができます。ネイティブアドは、コンテンツと視覚的に調和しながらも、広告であることをユーザーに伝えるため、透明性を保ちつつ、効果的な広告メッセージを伝えることができます。
ディスプレイ広告との違い
ディスプレイ広告は、バナー広告や画像広告のように、明示的に広告であることを示す形式です。ディスプレイ広告は、視覚的にインパクトのある手法ですが、ユーザーに広告である印象を明確に伝えるため、一般的にユーザーにはスキップや無視される傾向があります。
一方、ネイティブアドは、コンテンツと調和した広告形式です。ユーザーに広告らしさを感じさせず、コンテンツとして受け入れやすいため、広告のブロックやスキップを回避しやすく、より効果的な広告メッセージを伝えることができます。
ネイティブ広告の6つの種類
ネイティブ広告は、媒体や表示形式によっていくつかの種類に分けられます。ここでは、6つの種類の特徴について紹介します。適切なネイティブ広告の種類を選択するためには、目的やターゲットに合わせて、特徴や効果、費用感を比較検討することが重要です。
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ネイティブ広告の種類
インフィード型
インフィード型は、ネイティブ広告の中でも最も一般的な形式であり、ウェブメディアやSNSにおいて、通常のコンテンツと同じ形式やスタイルで表示されるため、ユーザーに自然な印象を与えることができます。
また、SNS広告では、広告の表示先を細かく設定することができるため、アピールしたい層に対してターゲットを絞った広告配信が可能です。このように、インフィード型と媒体の提供するデータなどを活用することで、広告のパフォーマンスを最大化することができます。
ペイドサーチ型
ペイドサーチ型は、検索エンジンの検索結果ページに表示される広告形式です。ユーザーが特定のキーワードで検索を行った際に、関連性の高い広告が表示されます。ユーザーの検索意図に直接的に関連しているため、高いクリック率が期待できます。
インフィード広告とペイドサーチ型の大きな違いは、対象となるユーザーの層です。インフィード広告は、主に興味関心や行動履歴などを基にしてターゲティングが行われ、ユーザーの潜在層へのアプローチが特徴です。
一方で、ペイドサーチ型は、既に特定のニーズや意図を持った顕在層を対象にしています。ユーザーが具体的なキーワードで検索を行うことから、購買意欲が高まっている状態で、広告を表示することができる可能性が高いです。
レコメンドウィジェット型
レコメンドウィジェット型は、ウェブページやアプリのコンテンツ内に組み込まれる広告形式です。通常、ウェブページのサイドバーや記事の下部、アプリの画面内などに表示され、関連性の高いコンテンツや商品を、ユーザーに推奨するために使用されます。
レコメンドウィジェットの特徴としては、ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいて、個別にカスタマイズされることです。これにより、ユーザーがより関心を持つ可能性が高い広告を、効果的に提供することができます。
プロモートリスティング型
プロモートリスティング型は、キーワードの検索結果に関連する商品やサービスの広告が表示されます。通常、キーワードを検索すると、関連する検索結果の上部や横に表示されます。
検索結果によって広告が表示される点は、ペイドサーチ型と同じ広告形式ですが、プロモートリスティング型は、特定のウェブサイトやオンラインプラットフォームで広告を掲載する形式なので、取り扱う商品や業種に一定の制約があります。
ネイティブ要素を持つインアド型
ネイティブ要素を持つインアド型は、IABのフォーマットに沿った広告枠にコンテンツ形式の広告を配信するのが、特徴の一つです。IABとは、オンライン広告における技術的標準規格の策定を始め、動向調査や法整備などを行う組織のことです。
ネイティブ要素を持つインアド型は、広告とコンテンツの一体感を持たせながらも、ユーザーに自然な形で広告メッセージを伝えることができます。 ただし、日本においてはまだ導入例が少ないのが現状です。
カスタム型
カスタム型のネイティブ広告は、広告主が独自の広告コンテンツを作成し、それをネイティブ広告として配信する形式です。広告主は自社のブランドやメッセージをより直接的に伝えることができます。
ネイティブ広告の6つの条件
ネイティブ広告は、IAB(ネット広告業界団体)によって6つの条件が定められており、これらの条件を満たしてネイティブ広告と認められます。ここでは、ネイティブ広告と認められるための、6つの条件について解説します。
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ネイティブ広告の条件
FORM(形式)
ネイティブ広告の条件の1つ目は形式(Form)で、広告のデザインに関する条件を指します。ネイティブ広告は、掲載されるメディアのデザインや、雰囲気に合わせる必要があり、広告がメディア本体と同じようなデザインやスタイルを持つことが求められます。
目立つ色や独立したデザインは避け、メディアの一部として自然に統合されるようにします。ネイティブ広告はユーザーにとって違和感のない広告体験を提供するため、メディアのデザインに適合することが重要です。
FUNCTION(機能)
機能(FUNCTION)は、広告の掲載面における機能性に関する条件です。ネイティブ広告は、掲載されるメディアの機能や、ユーザーの体験に適合する必要があります。他のコンテンツと同様の操作や機能を提供し、ユーザーの利便性を維持する必要があります。
例えば、リンクをクリックして関連ページに移動したり、動画を再生したり、製品を詳細に閲覧したりするなど、ユーザーが一般的なウェブページと同様の操作を行えるような機能が求められます。
INTEGRATION(統合)
統合(INTEGRATION)は、ネイティブ広告の表示方法に関する条件です。広告の外観や動作がメディアコンテンツと一致し、ユーザーにとって自然な体験を提供することが求められます。
広告をクリックしたり操作したりしても、他のコンテンツと同様の動作をすることが重要です。統合されたネイティブ広告は、ユーザーに違和感なく広告メッセージを伝えることができ、広告の効果を最大化する効果的な手法となります。
BUYING&TARGETING(バイイングとターゲティング)
バイイング&ターゲティング(BUYING & TARGETING)は、ネイティブ広告の購買とターゲット設定に関する条件です。ネイティブ広告は、効果的な広告配信を目指すために、適切な媒体やターゲット層を選定する必要があります。
広告主は、広告を配信する媒体を選び、ターゲットとするユーザー層を明確に設定することが求められます。また、ユーザーの興味関心や行動履歴などのデータを活用し、ターゲットユーザーに最適な広告を表示することが重要です。
MEASUREMENT(計測指標)
計測指標(MEASUREMENT)は、ネイティブ広告の効果測定に関する条件です。ネイティブ広告は従来のクリック数やコンバージョン率といった指標ではなく、広告のシェア数や閲覧時間、表示回数のインプレッション数などのエンゲージメントが重要な指標となります。
これにより、ユーザーが広告にどれだけ関与し、関心を持ったかを評価することができます。ネイティブ広告は、ユーザーエンゲージメントを重視するため、その効果を正確に測定し、広告の最適化や改善に活かすことが重要です。
DISCLOSURE(広告の明示性)
DISCLOSURE(広告の明示性)は、ネイティブ広告において、広告であることを明確に示す条件です。ネイティブ広告は、コンテンツとの調和を重視していますが、ユーザーに対して広告であることを分かりやすく表記することを求められています。
広告である旨を明確に表示し、ユーザーに対して広告コンテンツであることを理解させる必要があります。広告の明示性は、透明性と信頼性を高めます。
ネイティブアドのメリット
ネイティブアドは、広告を効果的に行う上で、多くのメリットがあります。ここでは、3つのメリットを解説します。ネイティブアドのメリットと、自社のニーズが合っているかを比較してみましょう。
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ネイティブアドのメリット
ユーザーへのストレスが少ない
ネイティブアドのメリットの一つは、ユーザーへのストレスが少ないという点です。従来のバーナー広告などは、閲覧を妨げることがありました。しかし、ネイティブアドは、コンテンツに自然に溶け込む形式で表示されるため、ユーザーにストレスを与えにくいです。
また、ユーザーへのストレスが少ないと、広告に対して好意的な印象を持ち、より良いブランドイメージや、購買意欲が向上する可能性を高めます。ネイティブ広告は、ユーザー満足度の向上と、広告効果の最大化のための重要な手法と言えます。
潜在層へのアプローチが可能
ネイティブアドのメリットとして、自社の商品やサービスを知らない潜在層へのアプローチが可能な点が挙げられます。ネイティブアドのインフィード型は、広告ユーザーの興味関心や行動履歴などを基にして、潜在層へのアプローチが行えます。
インフィード型のターゲティングの手法として、ユーザーの閲覧履歴や検索履歴、クリック履歴などを分析し、その情報に基づいて関連性の高い広告を表示します。これにより、ユーザーの興味関心に合わせた広告が配信されます。
拡散されやすい
ネイティブアドは、ユーザーによって自発的に拡散されやすいというメリットがあります。ユーザーは、広告をコンテンツとして受け入れ、自身の興味や関心がある情報としてシェアしたり、SNS上でコメントしたりする傾向があります。
広告が自然にユーザーの興味を引き、共有されることで、広告メッセージが広範なユーザーに届き、ブランドの知名度や影響力が拡大することが期待できます。
ネイティブアドのデメリット
ネイティブアドには、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、3つのデメリットを解説します。メリットだけでなく、デメリットも自社のニーズと比較してみましょう。
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ネイティブアドのデメリット
コンテンツ作成に時間・工数がかかる
ネイティブアドのデメリットとして、効果をデータで確認し続けなければならない点が挙げられます。広告主は定期的なデータ分析と効果測定を行い、広告のパフォーマンスを把握し改善する必要があります。
また、広告のデザインや配信のコンテキストによって、効果が異なることも考慮しなければなりません。データに基づいた改善を継続的に行わないと、広告の効果が低下する可能性があります。
ユーザーに反感を持たれる可能性がある
ネイティブアドのデメリットとして、ユーザーに反感を持たれる可能性があります。ネイティブアドは、コンテンツに溶け込んで表示されるため、ユーザーが広告とコンテンツを区別しにくい場合があります。
そのため、広告がコンテンツの一部として紛れ込んでいるように見え、広告に対して不信感を持つことがあります。ユーザーの満足度を損ねずに、ネイティブアドを実施するためには、透明性や品質の高い広告コンテンツが重要です。
効果を実感できるまでに時間がかかる
ネイティブアドのデメリットとして、効果を実感するまでに時間がかかる可能性があります。ネイティブアドは、潜在層へのアプローチ、ブランドの認知度やイメージの形成、ユーザーの行動変容など、比較的長期的な目標を追求する広告手法です。
そのため、ネイティブアドを実施する際には、短期的な成果だけでなく、長期的な視点での評価や効果測定を行う必要があります。効果を実感するまでに時間がかかるため、戦略的な計画と長期的な視野を持って取り組むことが重要です。
ネイティブアドを活用する際のポイント
ネイティブアドを効果的に活用するためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここでは、ネイティブアドを活用するポイントを5つの項目に分け、解説します。ポイントを踏まえて、より効果的にネイティブアドを利用しましょう。
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ネイティブアドを活用する際のポイント
ターゲット層を正確に把握する
ネイティブアドを活用する際の重要なポイントは、ターゲット層を正確に把握することです。ターゲット層を理解することで、広告メッセージやコンテンツを効果的に配信し、ユーザーに効果的な広告を表示できます。
ネイティブアドを効果的に活用するためには、ターゲット層を正確に把握することが大きなポイントとなります。ターゲット層の属性や好み、行動パターンを理解し、それに基づいて広告を設計・配信することで、広告の効果を最大化することができます。
ターゲット層から掲載メディアを選ぶ
ネイティブアドを活用する際は、ターゲット層に合った掲載メディアを選ぶことも重要なポイントです。年齢や性別、職業などの属性により、利用するメディアやコンテンツは、大きく異なります。ターゲット層の属性を正確に把握し、掲載メディアを選択しましょう。
ターゲット層に合った掲載メディアを選ぶことで、広告のリーチ度を最大化し、広告の効果を高めることができます。また、広告への関与やクリック率、コンバージョン率も高まる可能性があります。さらに、ブランドのイメージや認知度の向上につなげることができます。
掲載メディアに合わせた広告を作る
ネイティブアドを活用する際の重要なポイントの一つに、掲載メディアに合わせた広告を作ることがあります。ネイティブ広告は、メディアのデザインやフォーマットに調和して、自然な見え方をすることが重要です。
掲載メディアのスタイルに合わせて、広告のデザインやフォーマットを調整することで、ユーザーが広告を無理なく受け入れやすくなります。また、掲載メディアに合わせた広告は、ターゲット層へのアピール力も高めます。
宣伝しすぎない内容を意識する
ネイティブアドを活用する際は、宣伝しすぎない内容を意識することが大切なポイントです。ネイティブ広告は、ユーザーが自然な形で広告に接することを目指しています。宣伝しすぎる広告は、ユーザーの関心を失わせる可能性があります。
宣伝しすぎない内容を作成するためには、情報提供やストーリーテリング、教育的要素を取り入れ、自然な一部として統合される広告を作成しましょう。広告が強制的に目立つことなく、ユーザーが広告を受け入れやすい環境を作り出しましょう。
ユーザーが、価値や関心を見出せる内容を提供することで、広告の効果を高めることができます。宣伝よりも情報共有や教育的要素を取り入れ、ユーザーのニーズや利益に合致した内容を提供することが重要です。
掲載後はPDCAを回して改善する
ネイティブアドを活用する際の重要なポイントとして、掲載後にPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)を回し、改善を行うことです。PDCAは継続的な改善を促す手法であり、以下の手順で実施します。
まず、計画(Plan)の段階では、広告の目標を設定し、効果測定のための指標を明確にします。次に、実施(Do)の段階では、計画に基づいて広告を実施します。広告のコンテンツやデザインを最適化し、ターゲット層に最大の影響を与えるようにします。
その後、確認(Check)の段階では、広告の効果を評価します。目標の達成度やターゲット層の反応を分析し、広告のパフォーマンスを把握します。最後に、行動(Act)の段階では、得られた結果に基づいて改善策を実施します。
データに基づく分析と改善を継続的に行い、ユーザーの反応や市場の変化に対応することが成功の大きなポイントです。PDCAサイクルを適用し、ネイティブアドの広告効果を高めましょう。
まとめ
ネイティブアドは、コンテンツに調和して自然に表示される広告形式です。主な種類にはインフィード型やペイドサーチ型、レコメンドウィジェット型などがあります。ネイティブアドのメリットは、ユーザーへのストレスが少なく、潜在層へのアプローチが可能です。
一方、デメリットとしては、コンテンツ作成に時間・工数がかかり、場合によっては、ユーザーに反感を持たれる可能性があります。
ネイティブアドを活用する際のポイントは、ターゲット層に合わせた掲載メディアを選び、掲載メディアに合った広告を作成することです。
また、掲載後はPDCAサイクルを回し、データ分析と改善を行うことで広告の効果を最大化します。継続的な改善とユーザーのニーズへの適応が成功のポイントとなります。
ネイティブアドを使用する際は、プラットフォームごとに媒体特性が異なるため、目的に合わせて、親和性の高い媒体を選ぶことが重要です。自社のニーズや目的に合わせて、効率的な広報活動を行いましょう。