MAツールにおけるKPI・KGIとは?メリットや設定方法も解説

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  • KPIは日本語で「重要業績評価指標」を意味し、KGIは「重要目標達成指標」を意味する
  • KPI・KGIを設定することで、目標達成のために必要な労力を把握できる
  • KPIを設定する際は、具体的な数値を入れることで、施策の分析を適切に行える

MAツールの運用において、KPIとKGIを設定することで、目標達成のためにするべき行動が分かるようになります。しかし、そのためには適切な設定を行う必要があります。本記事では、MAツールにおけるKPI・KGIの具体例や設定方法、設定する際のポイントを解説しています。

目次

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  1. MAツールにおけるKPI・KGIとは
  2. MAツール運用でKPI・KGIを設定するメリット
  3. MAツール運用におけるKPI・KGIの設定方法
  4. MAツール運用におけるKPI・KGI設定のポイント
  5. まとめ

MAツールにおけるKPI・KGIとは

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、顧客情報を一元管理し、顧客の行動に合わせて最適なタイミングでマーケティング施策を実行できるツールです。

MAを活用すると、顧客との接点を管理して効率的かつ効果的なマーケティング活動を実現することが可能になります。なお、MAの導入にはKPIとKGIの設定が重要です。KPIとKGIは、目標達成のために必要な指標を数値で表して成果を把握しやすくします。

そのため、KPIとKGIを設置する理由や目的に対する理解を深めることは大切です。以下では、KPIとKGIについて解説します。

KPIとは

KPI(Key Performance Indicator)は「重要業績評価指標」という意味で、企業や組織が設定した目標の達成を目指してマーケティング活動を行う中で、達成の度合いを定量的に測定するための指標です。

KPIには主に以下のようなものがあり、1つだけではなく複数設定されることが一般的です。

  1. MAツールの施策で獲得した商談数・受注率
  2. 営業への案件パス数
  3. リードナーチャリングの完了率
  4. 自社サイトなどへのアクセス数
  5. 資料請求ページへのアクセス数・資料ダウンロード数
  6. 中間コンバージョンからのリード獲得数
  7. 配布したメールマガジンの開封数・クリック数
  8. イベントやキャンペーンへの申し込み数

例えば、受注数を増やしたい場合は、自社サイトなどへのアクセス数・配布したメールマガジンの開封数やクリック数・イベントやキャンペーンへの申し込み数をKPIに設定すると、マーケティング活動に有効活用できます。

KGIとは

KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」という意味で、企業が設定した目標に対する最終的なゴールのことです。KPIは目標を実現するために設定する中間目標で、KGIは最終目標となります。

目標を達成できそうかを判断するため、その達成度合いを定量的に数値で表すものをKGIに設定するのが一般的です。例えば、売り上げ・受注率・商談数・アクセス数などの数値、もしくはイベント開催で〇人以上の新規の見込み客の獲得を目指すなどの目標を設定します。

MAツール運用でKPI・KGIを設定するメリット

MAツールの運用でKPI・KGIを設定することで得られるメリットは主に3つあります。以下で、3つのメリットについてそれぞれ解説します。

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目標達成のためにするべきことが明確になる

MAツールの運用でKPI・KGIを設定すると、目標達成のためにするべきことが明確になります。KPI・KGIの設定によって最終的なゴールと中間地点での目標がそれぞれ決まっているため、それらを達成するために必要なプロセスを洗い出しやすくなるからです。

KPI・KGIを設定しない場合、目標達成のために何をすべきかが不明瞭になり、的外れなマーケティング施策を行ってしまうなど、KPI・KGIが達成できないリスクが高まります。

KPI・KGIは目標達成へのプロセスを明確化する指針となるため、KPI・KGIを設定することで目標達成に向けて何をどうすべきか適切に判断できるのがメリットです。

施策の効果測定ができる

MAツールにおいてKPG・KPIを設定すると、目標の達成度を数値で把握できるため、施策の効果測定が可能になります。そして、測定結果を活かすためにはPDCAサイクルを回しながら効果の最大化を目指していくことが大切です。

KPIが設定されていると施策ごとの達成度が数値で把握できるため、どの施策に有効性があって、どの施策がうまくいっていないのかの判断が容易になります。有効性が認められない施策は、PCDAを回しながらいつまでに何をすべきか検討すると良いでしょう。

施策の効果測定は、現在行っている施策が有効か否かを図る指標となります。その測定結果を元にマーケティング戦略や施策の見直しができる点は、MAの運用において大きなメリットです。

社内の方向性の統一

KPI・KGIの設定により、社内の方向性を統一することが可能です。例えばKGIで受注数◯%増加と定めれば、KPIでイベント参加者数◯人・資料請求者数◯人など具体的な目標を設定でき、ゴールに向けてどう舵を切れば良いかが明確になります。

理想や目標が漠然とした状態では、目指すべきゴールへの道のりがぼやけてしまいがちです。KPI・KGIの設定で目標を明確にすれば、社内の方向性や社員の意識が統一され、部署同士の連携力強化や個々の従業員のモチベーション向上にも繋がっていきます。

MAツール運用におけるKPI・KGIの設定方法

MAツールの運用におけるKPI・KGIの設定方法には、4つのステップがあります。以下で、KPI・KGIを設定するための4つのステップについて解説します。

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KGIの設定

まず最初に、最終ゴールであるKGIを設定します。KGIには、「売上」「成約数」「商談件数」など定量的に測定できるものを設定し、目標を明確にしておくのが一般的です。

KGIを従業員と共有して自社のマーケティング戦略の方向性を統一するためには、目標値は高望みし過ぎず、適切な数値に設定しましょう。あまりに高すぎる目標は従業員の負担になり、モチベーションが低下して協力体勢を取るのが困難になるため、注意が必要です。

KGI達成に必要なプロセスの細分化

次にKGIの達成に必要なプロセスを細分化して、KGI達成のために必要な要素は何なのかを精査します。なお、この要素はKSF(Key Success Factor)と呼ばれ、日本語で「重要成功要因」という意味があります。

KSFはKGI達成のために必要なKPIを導き出すのに重要な役割を果たし、KSFを精査することでKPIの具体的な目標が細かく設定しやすくなります。

KSFとKPIは似ているように感じますが、KSFは目標を達成に導くための要因、KPIは目標達成までの成功の度合いを測る指標であり、異なる性質のものです。

KSFからKPIを設定

KSFが決まったら、KPIを設定します。例えばKSFが「新規市場の開拓」の場合、KPIには「説明会参加者数◯人」「資料請求者数◯人」などを設定することになるでしょう。

KPIの要素は掛け算で成り立っており、例えばECサイトでの売上は「購入者数×顧客単価」、購入者数は「訪問者数×CV率」で求めることができます。

KPIを検討する際は、掛け算を用いることで具体的な数値を測定しやすくなります。また、KSFとKPI、上位KPIと下位KPI間での齟齬を防止することが可能です。

KPIの妥当性を確認

最終ステップでは、KPIの妥当性を確認します。KGIとの間で整合性が取れているか、設定した数値や目標は現実的に実現可能なものであるかを入念に精査しましょう。

KGIとの整合性が取れていないKPIを設定してしまった場合、そのKPIに沿って業務に取り組んでもKGIを達成することは困難です。また、あまりに高望みの数値や目標を設定すると、従業員のモチベーション低下を招きます。

KPIは、PDCAサイクルをすばやく回していくことが重要です。PDCAサイクルを何度もすばやく回しながら、より適切なKPIへと柔軟に変更していくことがKGI実現への近道となります。

MAツール運用におけるKPI・KGI設定のポイント

 MAツール運用におけるKPI・KGIを設定する際には、3つのポイントがあります。以下で、そのポイントについて解説していきます。

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KGIに直結したKPIを設定する必要がある

1つ目のポイントとして、KGIに直結したKPIを設定する必要があります。KPIを複数設定していく中で、KGIに直結しないものが出てくるケースがありますが、KPIとKGIが連動していなければ、社内のマーケティング活動は一貫性を欠いてしまいます

これを防ぐには、上位のKPIと下位のKPIに関連性があるかを確認した上で設定することが重要です。

KPIの設定には具体的な数値を入れる

2つ目のポイントとして、KPIの設定には具体的な数値を入れましょう。ざっくりとした理想や目標ではビジョンがぼやけてしまい、目標達成に向けてどのような施策を打ち出すべきかがわからなくなってしまいます。

「サイトアクセス数◯%増」「メールマガジン登録者数◯万人」など、KPIに具体的な数値を入れることで、そこに向けて取るべき行動も具体的に見えやすくなります。

そのため、KPIには具体的な数値を入れて目指すべきゴールまでの道筋を明確にしておきましょう。そうすることで、従業員もゴールに向けて迷いなく業務に取り組むことがでるようになります。

中期経営計画を元に設定する

3つ目のポイントは、KPIやKGIは中期経営計画を元に設定することです。中期経営計画では、自社が目指している目標や経営ビジョンを確認できます。

まず、中期経営計画の目標を分析し、目標達成のために必要な要素や具体的な数値を考えたうえで、KGI・KPIの設定基準を検討します。

このように、中期経営計画を元にKPIを設定することで企業や組織が達成すべき目標に沿った内容になるため、KPIの設定がより効果的になります。

階層を深くし過ぎない

KPIはさまざまなサービスに対して設定することができます。しかし、複数のKPIを設定するうちにKPIツリーの構造が複雑化してしまうケースがあります。そうすると、効果を追いづらくなる場合もあるため注意が必要です。

また、必要以上の目標を設定しKPIが複雑化してしまうことにより、追いきれなくなってしまう可能性もあります。KPIの要素を検討する際には、その項目を追う必要があるかを考えましょう。

Web担当者やマーケティング部だけで完結しない

時には、営業や関連部署にも大きく関わってくることがあります。そのため、主担当の部署だけではなく、関係する部署も指標に関心を持ってもらうようにしましょう。そして、時には意見を出し合うことで、より改善できます。

また、お客様の意見を把握している営業やカスタマーサポートの意見を参考に、コンテンツの中身を決定することもできます。どのようなコンテンツが人気なのかやダウンロードを促せるかなどを判断材料にすることをおすすめします。

まとめ

MAツールの運用において、KPI・KGIを設定することで目標達成のために取るべき行動が明確に把握できるようになります。そのためには、PDCAサイクルをすばやく回しながらKPI・KGIを適宜見直すことが重要です。

KPI・KGIを設定せずにマーケティング活動を行えば、目標に向かうための道筋が不明瞭になり、的外れな施策を実行したり、無駄な労力を費やしたりする恐れがあります。KPIに具体的な数値を入れ、施策の分析を適切に行うことでそれらを回避できます。

本記事を参考にKPI・KGIを適切に設定し、目標達成までの効率と精度を上げて業績アップに繋げましょう。

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