データベースとは?役割・種類などの基本を初心者にわかりやすく解説
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- データベースの役割は、データの編集や抽出を簡略化し、データの共有を可能にすること
- データベースの種類としては、階層型・ネットワーク型・リレーショナル型が存在する
- 主なデータベース管理システムとして、MySQLやOracle Databaseなどが挙げられる
データベースとは、コンピュータ上で集積・整理されたデータの集まりのことです。データベースには、階層型・ネットワーク型・リレーショナル型といった種類があります。本記事では、データベースの基本や代表的なデータベース管理システム、役立つ資格などについて解説します。
目次
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初心者向けに解説|データベースとは
データベースとは、膨大なデータを構造化して管理したデータの集まりのことです。本来は、辞典のような紙媒体のものもデータベースとなりますが、近年では電子保存されたものを指すことが多く、本記事で呼ぶデータベースも電子保存されたものを指しています。
データベースツールの中で、最も身近で分かりやすいものにエクセルがあります。たとえば、エクセルに顧客名・連絡先・所在地・取引内容・取引日時などの顧客データが整理されて入力されていれば、目的に応じて簡単に検索・抽出が可能です。
データベースの役割
データベースの役割は、膨大なデータの編集や抽出を簡略化し、データの共有を可能にすることです。エクセルでは作業の簡略化は難しく、同時に複数人の作業もできません。また、データ数が多くなると不安定になる場合もあります。
その点、本格的なデータベースの導入は、今まで蓄積してきたデータを構造的に管理でき、検索・抽出などの手間のかかる作業の効率化が図れます。自動化される部分も多く、ヒューマンエラーの防止やデータ損壊防止・不正アクセス対策の強化にもつながります。
そして、データベースに蓄えられたデータは一括管理され、複数の人が同時にアクセスして閲覧や入力・検索などを行うことができます。誰もがデータを扱えることで業務の属人化防止につながり、新人が先輩の業務を参考にできるなど、社員教育にも役立ちます。
データベースの種類
データベースの種類には主に下記の3つの種類があり、それぞれメリットやデメリットを持っています。ここでは、以下の3つにおけるデータベースの概要について解説します。
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データベースの種類
階層型データベース
階層型データベースでは、データのことをノードと呼び、親ノードの下にいくつかの子ノードを作り、そこから孫ノードを作っていき、データは組織図のようなツリー形状の構造になります。
したがって、親ノードと子ノードは「1対複数」の関係で、目的のデータ(ノード)まで辿り着くルートは1本しかありません。その点、階層型データベースでは素早い検索が可能です。
しかし、子ノードの中には2つの親ノードを持つものがあります。たとえば、製造部と開発部(親ノード)を兼任する人のデータ(子ノード)は、2つの部に同じ人のデータ登録が必要となります。このような同じデータを複数登録することをデータの冗長性といいます。
ネットワーク型データベース
ネットワーク型データベースは、階層型データベースのデメリットであるデータの冗長性を解決するデータベースで、子ノードが複数の親ノードを持っています。したがって、親ノードと子ノードは複数対複数の関係で、目的のデータに辿り着くルートは複数となります。
たとえば、製造部と開発部を兼任する人のデータは製造部にも開発部にも紐付けられているため、保存するデータは1つだけで済み、データの冗長性は解決されます。しかし、データの扱いに柔軟性がなく、目的のデータへのアクセスにはデータ構造の理解が必要です。
リレーショナル型データベース
リレーショナル型データベース(RDB)は、エクセルのような表形式で各種データを管理する方法で、現在最もよく利用されているデータベースです。フィールド(列)とレコード(行)で構成されたテーブルでデータは管理されています。
リレーショナルデータベースでは、複数のテーブルを組み合わせて、目的に合った新たなテーブルの作成が可能です。特徴としては、柔軟性が高くて複雑に関連した情報も整理しやすいデータベースですが、情報量が多いと処理速度が落ちるというデメリットもあります。
また、リレーショナル型データベース(RDB)のメリットには、データの「一貫性が高い」ことが挙げられます。この場合の「一貫性が高い」の意味は、常に最新データが参照できるということです。
データベース管理における課題
企業では4大経営資源の1つである「情報」の重要性が増し、企業の収益の向上と事業の継続には欠かせないものとなっています。その情報を一元管理しているのがデータベースであり、膨大な量となるデータの管理は企業における重要な業務です。
ここでは、以下のデータベース管理における課題を解説します。
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データベース管理における課題
セキュリティ対策とメンテナンス
企業の重要なデータが大量に保管されているデータベースには、セキュリティ対策やメンテナンス・パフォーマンスなどの課題があります。特に、自社にデータベースサーバーを置く場合には、セキュリティ対策やメンテナンスも自社で行わなければなりません。
最近ではクラウド型のデータベースサーバーによって、導入コストを抑えながらセキュリティ対策やメンテナンスも提供するものもあります。しかし、パフォーマンスの向上がしやすい反面、ベンダー側に一任することによるリスクは考慮する必要があります。
データベースの操作・連携が困難
データベースに関する技術の進歩は凄まじいものがあり、煩雑するデータ管理がしやすくなる一方で、操作性が困難になることが考えられます。特に、使用する年齢層が高い状況下であるほど、担当者のみが操作できるような環境になってしまっていることも多いです。
そして、データベースに関するシステムだけでなく、業務に関わる他のシステムとの連携性やそれに伴った操作性によって、利用者の負担が増加している可能性もあります。そのため、自社の環境や利用者に適したデータ管理システムの選定が重要になります。
データベース管理システム(DBMS)とは
データベースはデータの集合体で、一般的にデータベース管理システム(DBMS)を使って制御します。したがって、データベース上のデータを利用するユーザーやアプリは、DBMSを通してデータベースにアクセスし、データの作成・整理・取得・更新などを行います。
データベース管理システムには以下の2種類があり、自社に適合したものを選んで導入することが重要です。ここでは、2種類のDBMSを初心者でも分かりやすく解説します。
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RDBMS
RDBMSは日本語では「リレーショナルデータベース管理システム」と呼ばれ、SQLと呼ばれるデータベース言語を使ってレーショナルデータベースを管理するシステムです。現在では多くの企業で採用されているデータベース管理システムです。
下の表で主なRDBMSのメリットとデメリットを紹介します。また、以下でSQLについてもう少し詳しく解説します。
メリット/デメリット | 内容 |
---|---|
メリット | SQLにより複雑で高度な検索・集計などが可能データの一貫性が担保される |
デメリット | データ量が増えると処理速度が遅くなる拡張性がない(1台のサーバーで管理) |
SQLとは
SQLとは、「エスキューエル」と読まれることが多いデータベース言語で、数あるデータベース言語の中でも、最も普及率の高い言語です。SQLはリレーショナルデータベースを制御するための言語で、RDBMSはSQLからの命令を受けてデータを制御します。
SQLはさまざまなプログラミング言語と相性がよく、言語の習得も比較的容易な言語です。また、SQLは国際標準化機構(ISO)で標準化されたIT業界共通の言語とも呼ばれ、これからデータベース言語を学習する場合でも、手が付けやすくておすすめの言語です。
NoSQL
NoSQLとは、データベースの制御にSQLを使用しないシステムで、リレーショナルデータベース(RDB)以外の全てのデータベース管理システムを指します。データ量が多くなっても処理速度が低下しないため、ビッグデータを扱う企業から注目されています。
NoSQLは、RDBMSのデメリットを改善するために開発されたデータベース管理システムであることから、それぞれのメリットやデメリットは大きく異なります。下記にNoSQLの主なメリットとデメリットをまとめます。
メリット/デメリット | 内容 |
---|---|
メリット | データ量が増加しても処理速度が低下しない非構造化データにも対応できる拡張性がある(サーバーの分散管理ができる) |
デメリット | データの一貫性が担保されない高度な検索には不向き機能が少ない |
主なデータベース管理システム
世界で使われている主なデータベース管理システムにはさまざまな種類があります。ここでは、以下の主な2つのデータベース管理システムについて、概要を解説します。
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主なデータベース管理システム
RDBMSに該当するデータベース管理システム
数あるRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)の中から代表的なMySQL・Oracle Database・SQL Serverについて、できる限り分かりやすく解説します。
MySQL
MySQLとは、1995年に発売されたRDBMSで、その後に所有者や管理者の変更を経て現在はオラクル(Oracle)社が管理やサポートを行っています。
ソースコードが無償公開されており、誰でも自由に改変・再配布が可能なオープンソースのデータベース管理システムです。
MySQLはクライアントサーバーモデルを採用しています。クライアントサーバーモデルは、利用者のPC(クライアント)にプログラムをインストールし、ネットワーク上のデータベースサーバーにアクセスするモデルです。
クライアントサーバーモデルでは、サーバーへの負荷が分散されることで処理速度が早くなったり、トラブル時の原因追及がしやすくなったりするメリットがあります。一方、運用・管理が複雑でセキュリティ対策のコストがかかるなどのデメリットもあります。
参考:SQL
Oracle Database
Oracle Databaseは、MySQLを管理しているオラクル社が1979年に商用としてリリースした、世界で初となるRDBMSです。SQL・XML・JSONなどのさまざまな言語に対応し、柔軟性・拡張性の高いアプリの作成ができます。
Oracle Databaseは堅牢性が高く、サーバー停止のリスクが抑えられるRDBMSです。また、対応するプラットフォームが多く、異なるプラットフォーム間のデータ移行が容易なのもメリットです。ただし、製品自体が高額であるというデメリットもあります。
SQL Server
SQL Serverは、Windowsを提供するマイクロソフト(Microsoft)社が開発したRDBMSで、正式名称はMicrosoft SQL Serverです。Windowsやマイクロソフトの開発言語との相性が抜群で、WindowsユーザーにおすすめのRDBMSです。
SQL Serverは、SQL Server Management Studioという、直感で操作できるデータベース管理ツールを搭載しています。このツールの利用で、ほとんどのデータベース制御がマウス操作のみで行えます。
有料ではありますが、Oracle Databaseと比べてコストを抑えた導入が可能です。ただし、SQL Serverには、一般のSQLに比べクセが強く、使うには慣れが必要です。
また、数年周期でバージョンが変わり、更新によって弊害が発生する場合があるため、更新する前に弊害を洗い出してから更新を行うのが安全です。
NoSQLに該当するデータベース管理システム
リレーショナル型データベース(RDB)以外のデータベースを管理するNoSQLの中から、代表的なMongo DB・HBase・Cassandraについて、できる限り分かりやすく解説します。
Mongo DB
MongoDBは、MongoDB社が2007年に開発した、オープンソースで提供されているドキュメント指向型データベースです。ドキュメント指向型のデータベースとは、ドキュメント形式でデータ管理するデータベース管理システムです。
1つのドキュメントに1つのデータを書き込み、各ドキュメントに異なる形式のデータの書き込みも可能で、階層構造をはじめさまざまなデータ構造に対応できます。現在利用されているNoSQLの中でも大変人気の高いデータベース管理システムです。
MongoDBはデータをメインメモリで処理するため、処理速度が速いのが大きな特徴です。そして、データを複数のサーバーに分割保存して負荷を分散させて処理能力を高めることも可能です。しかし、データの一貫性を担保できないというデメリットもあります。
参考:Mongo DB
HBase
HBaseはPowerset社が、自然言語処理とビッグデータの処理のために設計した NoSQLの中でも代表的なオープンソースのデータベース管理システムです。HBaseはHadoopの分散ファイルシステム(HDFS)上に構築されているデータベース管理システムです。
HDFSなので、データを複数のサーバーに分割保存して拡張性を高めたり、高速処理化したりすることが容易なシステムです。しかし、複雑な条件での検索は苦手で、導入コストが高いというデメリットも存在します。
参考:Apache HBase
Cassandra
Cassandraは、Facebook社が2007年に開発した分散型のデータベース管理システムです。
データモデルはGoogleのBigtableを参考に、分散システムはAmazonのDynamoDBを参考にして設計されています。
テーブルにデータを格納し、RDBMSで用いられるSQLによく似たCQLという言語を利用してデータ制御をするため、リレーショナル型データベースを使っているような操作感であるものの、テーブル間のリレーションはできません。
Cassandraでは大量のデータを高速処理できることや、一部のノードがダウンしてもサーバーは停止しないなどのメリットがあります。一方、複雑な集計や検索が苦手で、データの整合性の担保が不確実です。整合性をある程度担保するには、調節が必要となります。
データベースに関する資格
データベースの構築にはさまざまな専門的知識や技術を要します。そのため、データベースに関する資格を取得してその適確性を証明することも可能です。ここでは、下の2つの資格について解説します。
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データベースに関する資格
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERは、日本オラクル社が運営するOracle Databaseを扱うための認定資格です。以前は日本国内限定の資格でしたが、現在では世界共通基準の資格となっています。Oracle Databaseの扱い方以外にも、RDBの仕組みやSQLの基礎学習としても役立ちます。
ORACLE MASTERにはグレードが設定され、初級者用から順番にBronze・Silver・Gold・Platinumとなっています。初めに受験できるのはBronzeかSilverとなり、それ以降は下位の資格を持っていることが条件となっています。
参考:ORACLE MASTER Portal|Oracle
データベーススペシャリスト試験
データベーススペシャリストは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が主催している国家資格です。IPAはさまざまな情報処理技術者試験を主催していますが、データベーススペシャリスト試験は難易度が高く、合格率は毎年14〜17%程度です。
高度な知識やスキルを持つデータベースエンジニアであることを証明する資格で、受験にはデータベース作成の技術やデータベースの基盤提供能力など高レベルな能力が必要です。
参考:データベーススペシャリスト試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
まとめ
データベースとは、コンピュータ上で集積・整理されたデータの集まりのことで、階層型・ネットワーク型・リレーショナル型などの種類があります。これらのデータベースは、データベース管理システムを使って活用するのが一般的です。
データベース管理システムには、RDBを管理するRDBMSや、それ以外のデータベースを管理するNoSQLがあります。データベースの管理には専門的な知識と技術が必要であるため、初心者の方が体系的に学習するには、まずウェブサイトや本で学ぶのがおすすめです。
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