チャットシステムの料金相場|人気ツールの初期費用・月額利用料を比較
Check!
- チャットシステムとは、Webサイト上でリアルタイムに問い合わせ対応ができるツール
- チャットシステムの料金は月額1,500円〜30万円、初期費用は無料〜50万円までと幅広い
- チャットシステムはオープンソースを使って自社開発も可能だが、人件費が発生する
チャットシステムとは、Webサイト上でリアルタイムに顧客の問い合わせ対応ができるツールです。業務効率化や顧客満足度向上につながりますが、導入に際しては費用がかかります。本記事では、チャットシステムの料金相場を解説し、人気ツールの料金比較も行います。
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
チャットシステムとは
チャットシステムとは、Webサイトなどでユーザーと会話形式でやり取りができる「チャット」を行うシステムです。近年、Webページ上に「質問や相談はこちら」などというメッセージとともに、小さなウィンドウが表示されるのをよく見かけることでしょう。
また、企業ホームページにおける質問の補助やカスタマーサポート、ECサイトの接客ツールなどにも活用されています。そして、企業内でも人事や経理など質問の多い部署においては、担当者の代わりに対応するシステムとして使用する事例もあります。
「チャット」と言われると、一般的に無人で自動対応するイメージを持たれがちですが、実際は以下のように無人の「チャットボット」をはじめとして、「有人チャット」「ハイブリット型」の3種類に分けられます。
チャットシステムとは?仕組みやメリット・デメリット、選び方を解説
チャットシステムとは、Webサイト上で企業とユーザーがチャット形式でリアルタイムにコミュニケーションがとれるツールのことです。チャットシステムについて良く知らない方や導入を検討している方に向けて、その仕組みやメリット・デメリット、選び方などを解説します。
種類 | 詳細 |
---|---|
チャットボット | ・「チャット」と「ボット」を合成した言葉で、ロボットによる自動会話プログラム ・AI搭載型およびAI非搭載のシナリオ型がある ・スタッフが不要であり、24時間365日体制で問い合わせに対応できる |
有人チャット | ・オペレーターがチャットシステムを通じて、リアルタイムで直接相手と文字でやり取りを行う ・ロボットによるチャットボットでは不可能な細やかな対応が可能 ・オペレーターが必要で人件費がかかる |
ハイブリッド型 | ・チャットボットのシナリオ型、AI搭載型または有人チャットを併用している ・既定の質問への対応、AIの学習能力に基づいた複雑な質問対応もできる ・チャットボットが対応できない場合はオペレーターに交代でき、迅速な回答が可能 |
チャットシステムの必要性
チャットシステムの導入によって得られるメリットはいくつかあります。主に、自社の公式サイトや問い合わせページに訪れたユーザーに対して、価値のある回答を提供することがチャットシステム導入の目的です。
- 顧客満足度を向上させる
- 業務全体を効率化する
- 人件費を削減する
- 売上の向上につなげる
- 1人に対する属人化を防ぐ
これらのメリットをチャットシステムの導入によって得ることで、従来までオペレーターにかかっていた業務負担を軽減しながら、業務コストを削減することができます。そして、顧客満足度を高めることによって自社の価値を高め、売上の向上にもつなげられます。
また、人材不足への対応としてもチャットシステムの重要性は高いと言えます。
チャットシステムの料金相場
チャットシステムを提供しているサービスは複数ありますが、費用面では初期費用が無料から50万円程度、月額料金は1,500円から30万円程度と大きな違いがあります。
この違いは、搭載されている機能の数や性能の違いから起こるものですが、特にチャットボットではAI搭載型の方が高額です。対してAI非搭載型は「シナリオ型」とも呼ばれ、事前に作成したデータを基に回答することから、一般的にAI搭載型より費用は安価です。
AI搭載型は、あらかじめ学習しているデータを基に、AIが統計的に正しいと判断した回答を出しますが、使用が多くなるほどAIの学習が進んで回答の精度が向上します。そして、AIが高精度なものほど、初期費用や月額料金も高額になりがちです。
機能 | 必要な費用 | 料金 |
---|---|---|
AI搭載型 | 初期費用 | 5万~300万円程度 |
月額利用料 | 5万円~200万円程度 | |
AI非搭載型 | 初期費用 | 0円~5万円程度 |
月額利用料 | 1,500円~5万円程度 |
チャットシステムの料金の内訳
チャットシステムの利用には、基本の初期費用と月額料金だけでなく、以下のような費用も発生します。ここでは、チャットシステムを使用した際に必要な費用について解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
チャットシステムの料金の内訳
初期費用
初期費用は、チャットシステムを導入する際に必要な費用であり、初回の1回のみ支払うことになります。しかし、サービスによって費用の差は大きく、設定項目が少ない簡単なシステムであれば、無料もしくは安価で導入できるサービスもあります。
一方、同じチャットボットでも、高精度なAIを搭載しているサービスほど初期費用も高額であることが多く、サービスによっては初期費用を数十万円から数百万円に設定しています。
また、AIが搭載されていないシナリオ型は一般的にAI搭載型より価格は低めですが、Q&Aやシナリオの数が多くなるほど初期費用が高額になるのが特徴です。
月額利用料
チャットシステムには買い切り型のものもありますが、クラウド型で提供されることが多いため、月額利用料が発生します。この月額利用料は、半年契約・1年契約など期間を定めて更新することが多いです。
AIを搭載しないシナリオ型や、簡易的なAIを搭載しているシステムの場合の月額利用料は、数千円から数万円程度とそれほど高額ではありません。一方、高精度でカスタマイズ性の高いAIを搭載している場合は、月額利用料で数百万円になるケースもあります。
シナリオ作成費用
チャットボットのシナリオ型の「シナリオ」は、ユーザーを欲しい情報へ案内するために作られた会話の流れのことです。つまり、シナリオ型のチャットボットは、作成されたシナリオに沿って回答が出てくる形になっています。
このシナリオを最初に作成し、その後も事情の変化などに応じて質問の追加や変更・削除などを行っていきます。シナリオ作成の際にかかる費用は、初期費用に含まれている場合と含まれていない場合があるため、注意しなければなりません。
シナリオ型はAI搭載型と比べて安価なことから、比較的質問内容が少ないチャットシステムに使われています。しかし、シナリオ作成費用はF&Qのやり取りやシナリオが増えていくほどに、発生する費用も増えていきます。
コンサルティング費用
コンサルティング費用は、チャットシステムの運用を提供会社にサポートしてもらう際に必要な費用です。チャットボットの場合、導入してすぐに成果が出るわけではありません。利用履歴に基づいた追加や修正を行うことで、ようやく効果が現れます。
しかし、その追加や修正には高度な技術と専門知識が必要です。よって、自社内で必要なリソースを確保できない場合、サービス提供会社が用意するコンサルティングサービスを利用するのが無難です。
提供会社によっては無料で提供している場合もありますが、サポートが充実するほどにコンサルティング費用も高額になります。また、月額料金に含まれている場合とそうでない場合があるため、事前に確認するようにしましょう。
カスタマイズ費用
カスタマイズ費用は、チャットシステムに必要な機能を追加する際に必要な費用です。カスタマイズ機能には、デザインのカスタマイズや自動応答から有人チャットへの切り替え機能、CRMなどの業務システム、SNSとの連携機能など、多種多様です。
それらのカスタマイズできる機能やオプションの内容は、サービス提供会社によって内容や性能が異なります。したがって、契約の前に、現在および将来的に必要となるであろう機能を搭載できるか、その際に追加費用が発生するかを確認しておきましょう。
チャットシステムの料金比較表
チャットシステムの料金は、まずAIを搭載しているか否かで発生する費用が大きく変わってきます。AI非搭載のシナリオ型は比較的安価に設定され、予算が少ない場合にも導入しやすくなっています。一方、AIを搭載しているものはシナリオ型と比べて一般的に高額です。
以下では、チャットシステムの初期費用と月額使用料を比較していますが、価格が非公開になっているサービスもあります。その場合は、問い合わせにより価格が判明するケースが多いでしょう。
チャットシステム | AI搭載 | 初期費用 | 月額利用料 |
---|---|---|---|
sAI Chat | ◯ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
QA ENGINE | ◯ | なし | 30万円~ |
GENIEE CHAT | – | なし | 5万円/1ID~ |
KARAKURI | ◯ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Chat Plus | ◯(上位プランのみ) | なし | 1500円~ |
チャットシステムの料金に違いがある要因
チャットシステムにおいては、AI搭載に関すること以外にも料金に違いが生じる要因があります。特に、価格差が発生する要因として考えられるのは以下の通りです。
- クラウド型かオンプレミス型か
- セキュリティの強固さ
- 従量課金制か定額課金制か
- シナリオ改善が柔軟に行えるか
- 導入時のサポート内容の豊富さ
チャットシステムにはさまざまな種類が存在し、提供元によってサービス内容は異なります。そのため、導入においてどの部分を注視するのか、将来的な運用を考えてカスタマイズしやすいものにするのかといった比較検討が必要です。
料金以外のチャットシステムの比較ポイント
チャットシステムの導入を検討している場合は、以下の3つの重要なポイントを考慮しつつ複数のサービスから検討することをおすすめします。現在の状況はもちろん、将来的に起こり得る状況も考慮するようにしましょう。
導入の際には小規模で質問数が少ないものでも、将来シナリオを追加・変更することもあります。その際にシナリオ設計がしやすいと、システムの運用も楽になります。
また、その他の比較ポイントについても、外部システムやSNSとの連携の有無は必ず確認するべき事項です。そして、セキュリティ対策やサポート体制が充実しているとより安心してシステムを使用できます。
【重要な3つのポイント】
- 使いやすい操作性か
- 有人チャットに切り替えられるか
- シナリオ設計がしやすいか
【その他の比較ポイント】
- 外部システムと連携できるか
- サポート体制は充実しているか
- セキュリティ対策は万全か
- 無料トライアルがあるか
チャットシステムは自社で開発も可能
チャットシステムは自社開発するのも可能です。1から始める場合、オープンソースとして公開されているシステム運用に必要なプログラミングコードを使用します。フリーのオープンソース型のツールは無料のものが多く、予算の捻出が難しい場合にも助かります。
一方、オープンソース型は提供会社のチャットシステムと違い、システムの構築や運用に専門知識が必要です。つまり、社内に専門知識を持っている人材がいるのであれば、コストを抑えながら自社に合ったシステムを構築・運用できます。
しかし、専門性の高い人材がいない場合、技術者の確保に人件費がかかってしまうだけでなく、運用に支障が出て業務が滞ってしまうことも考えられます。
まとめ
Webサイト上で相手と会話形式のやり取りができるチャットシステムは、企業のホームページにおけるF&Qや、顧客へのカスタマーサポートなどに広く使用されています。自動で応答するイメージがありますが、オペレーターが対応する「有人チャット」も該当します。
チャットシステムの中でも、「チャットボット」はAIを搭載しているか否かで価格が大幅に変わり、AIが高性能なほど高額です。また、初期費用と月額利用料以外にも、オプションやシナリオ作成・コンサルティングなどの費用も必要です。
チャットシステムの中には、オープンソースとして無料で公開されているものもあり、運用コストを抑えることもできます。ただし、構築や運用には専門知識が必要なため、専門的な知識を有する人材が社内にいる場合以外は、提供会社のサービスを利用するのが無難です。
この記事に興味を持った方におすすめ