Excelで受注管理システムは作れる?作り方とメリット・デメリット

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  • Excelで受発注管理システムを作る際には、テンプレートや関数・マクロを活用する
  • Excelで受発注管理を行う方法は、低コストで自由度も高いことから導入しやすい
  • Excelで受発注管理を行うと、入力の手間やヒューマンエラーなどが生じやすくなる

受発注管理を行う方法には、受発注管理システムの導入以外に、Excelで行う方法もあります。Excelで受発注管理システムを作る場合は、低コストで自由度高く導入できます。本記事では、Excelで受発注管理する方法・メリット・作り方のポイントなどを解説します。

目次

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  1. 受注管理を効率化する受注管理システム
  2. Excelを使った受注管理システムの作り方
  3. Excelで受注管理システムを作る際のポイント
  4. Excelで受注管理システムを作るメリット
  5. Excelで受注管理システムを作るデメリット
  6. 専用の受発注管理システムならExcelのデメリットも払拭
  7. まとめ

受注管理を効率化する受注管理システム

受注管理とは、顧客や取引先への見積もりの作成・在庫確認・注文請書の発行など、企業の受発注に関わる一連の過程を管理することを指します。

受注管理では、顧客や取引先から注文内容を誤りなく受け付け、在庫を確認したり生産部門へ指示を出したりといった作業をおこないますが、工数が多ヒューマンエラーが起こりやすいです。

したがって、受注管理におけるミスを軽減できるよう工夫することが重要です。そこで役に立つのが、受注管理システムです。システム上でデータを管理することで作業を行いやすくなり、ヒューマンエラーの削減に繋がります

受注管理の業務フロー

受注管理は業種業態に関わらず、多くの企業において発生する業務です。受注管理における主な業務フローは以下の通りです。

  1. 見積書の作成
  2. 契約の締結
  3. 受注内容の確認と登録
  4. 在庫確認の後に納期の連絡
  5. 受注伝票と注文請書の作成
  6. 出荷と在庫管理

基本的な流れは、取引先や顧客から注文が入った際に見積書を作成し、概算の見積りや納期などを伝えます。その後、契約の締結から出荷へと続いていきます。

受注管理の重要性

受注管理がおろそかになっていると、顧客からの注文に対して適切に対応できません。受注管理は商品の取引全体をカバーするものなので、受注内容の確認ミス、連絡漏れ、出荷ミスなどがあると顧客とのトラブルや販売機会の損失に繋がります。

つまり、受発注管理は企業の売上や利益にも大きく影響するのです。管理が適切に行われることで、顧客満足度の向上といったメリットも得られます。

Excelを使った受注管理システムの作り方

受注管理システムは、Excelで自作することもできます。Excelで受注管理表を作成し、そこに受注データを入力して管理する方法です。

数やマクロを使用して一から自作すれば、機能や使いやすさなど、自社の需要や要望に合わせて柔軟に対応しながらシステムを作ることができます。ただし、作成にはExcelに関するそれなりの知識とスキルが求められるため、テンプレートを活用するのもおすすめです。

テンプレートの場合は、インターネット上で無料配布されているテンプレートをダウンロードすれば、手軽に受注管理システムを作成できます。

Excelで受注管理システムを作る際のポイント

Excelで受注管理システムを作る際は、以下の5つのポイントを押さえて行いましょう。必要な項目を決める、関数を活用するなど、1つずつ具体的にポイントを解説していきます。

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必要な項目を決める

まずは、受注管理表を作るのに必要な項目を洗い出します。受注管理表で必要になる項目には、主に以下のようなものが挙げられるため、自社の受注管理に必要な項目を選択しましょう。

  1. 受注日
  2. 会社名
  3. 連絡先(所在地・電話番号・メールアドレスなど)
  4. 担当者名
  5. 商品の分類・種別
  6. 商品名
  7. 商品のサイズ・色
  8. 受注数
  9. 商品単価
  10. 商品の型番・商品コード
  11. 商品のJANコード
  12. 使用する配送会社・配送日
  13. 納期
  14. 進捗状況

受注管理フォームでは、取引先コードを入力すれば該当する取引先名が表示されるようにしたり、受注数を入力すれば金額が自動的に反映されるようにしたりなど、カスタマイズを加えることで作業効率が向上します。

また、あらかじめ用意したリストからデータを選択して入力できるプルダウン機能など、Excelには入力の負担を軽減してくれる多彩なサポート機能が備わっているため、それらを活用するのがおすすめです。

関数を活用する

Excelでは、受注管理をサポートしてくれる便利な関数があります。関数を活用して、受注管理業務の効率化を目指しましょう。以下では、受注管理業務で活用しやすい関数とできることをまとめました。

関数できること
IF・任意の値と期待値を比べ、結果を返す
・在庫が足りるかや出荷可能かなど、条件に合致するかしないかを〇Xなどを使って判定できる
SUMIF・指定した検索条件に従いセルの合計を計算する
・型番などを入力すると、在庫数などが自動計算できる
VLOOKUP・入力したコード番号等に呼応する結果を反映する
・商品コードや取引先コードを入力すると、該当する商品名や取引先情報を表示できる
INDIRECT・指定した文字列から品番や数値などを参照する
・指定の文字以外は入力できないため入力ミスを防止できる
ROUND・指定した桁数に数値の切り上げや切り捨てを行う
・金額などの端数処理に活用できる
IFERROR・数式がエラーとして判定された場合に指定の値を返す
・入力ミスがあった際、エラーと表示させるなどして入力ミスを防止できる

ピボットテーブルを活用する

ピボットテーブルとは、Excelファイルに入力した数値の合計・平均を算出したり、データを分析したりできる機能です。受注金額・受注数量などのデータをピボットテーブルで集計すれば、受注状況をすぐに確認できます。

過去の受注データを元に、ピボットテーブルを使って顧客の注文傾向を把握することも可能です。例えば、受注金額を日別・月別・年別などの切り口で集計することで、顧客の受注金額の推移を把握できます。

また、販売日ごとに売上集計をした後、曜日・時間帯など様々な角度からデータを分析したい場合にも、手間なく変更できます。ピボットテーブルを活用すれば、受注管理を容易に行うことができるでしょう。

グラフ機能を活用する

Excelでは、グラフ機能を使って受注データの集計結果をわかりやすく表示できます。棒グラフ・円グラフ・折れ線グラフなど、適したグラフを用いてデータを視覚的に表現することで、データの傾向や変化が把握しやすくなります。

受注管理でグラフを活用すれば、受注状況や受注傾向が視覚的にわかりやすくなり、年単位での受注額の推移なども容易に把握できます。

運用ルールを決める

Excelで受注管理をする際は、運用ルールを決めておく必要があります。運用中に自社のルールが改訂されたり、移転などで取引先の情報が変更になったりすることもあるでしょう。

そのような時に、誰がどのタイミングでデータを変更するのかを明確にしておかなければなりません。運用ルールが明確でないと、「きっと誰かがやってくれるだろう」と変更作業が放置されてしまう可能性もあります。

Excelで受注管理システムを作るメリット

Excelは既に業務で使用している企業が多いため導入ハードルが低く、受注管理システムを作る上でもメリットがあります。主なメリットは、コスト面と利便性から見た以下の2つです。

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コストをかけずにシステムを作れる

Excelは既に普段の業務で使用している企業が多です。そのため、受注管理システムをExcelで作る場合は、システムやソフトを新たに購入する必要がありません。

システム・ソフトの購入は高額になるケースも多いため、あまりコストをかけられない企業にとって、使用中のExcelを活用できるのは大きなメリットでしょう。

また、今まで業務で使ってきているため、従業員基本的な操作方法がわかっている状態から利用を開始できます。受注管理システムの操作に慣れるまでの時間を短縮することが可能で、そういった意味でも導入ハードルが低いのが特徴です。

自由度が高く誰でも扱いやすい

Excelは汎用性が高く、カスタマイズも自由自在です。自社にExcelの関数やマクロの知識があるプログラマーがいれば、自社に適した形で受注管理システムを作成できます。

また、テンプレートを利用する場合でも、ダウンロード後に要件に合わせて仕様をカスタマイズすることもできます。

さらに、扱いやすさもExcelの大きな利点です。さまざまな業務に活用できるツールであるため、Excelを使用したことがない初心者でも迅速に操作を覚えられます。受注管理表を作成するのも比較的容易にできるでしょう。

Excelで受注管理システムを作るデメリット

Excelでの受注管理にはデメリットもあるため、デメリットをしっかり把握した上で使用することが大切です。ここでは、Excelで受注管理システムを作る6つのデメリットについて解説します。

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複数人でのデータ共有・同時編集が難しい

Excelは、ファイルの共有・同時編集が難しい側面があります。ファイル自体はサーバーに置くことで共有できるものの、Excelは複数人で同時編集することができず、誰かがファイルを使用している間は他の従業員が対象のファイルを編集するのは不可能です。

そのため、作業負担が1人の従業員に偏り効率的ではありません。また、ファイルを使用している従業員が作業を終了した後にファイルを閉じ忘れていると、他の従業員が作業を行えない状況に陥ります。

そして、サーバーにファイルを置かない場合は、メールやUSBメモリなどを使ってデータをやり取りする必要があります。しかし、作業したいタイミングでデータを受け取れない可能性があり、非効率的で運用しづらいのも難点です。

入力の手間・ヒューマンエラーが起きやすい

Excelでの受注管理は、手作業での入力が必要です。紙に記入するよりはデータも見やすく、計算なども効率的にできますが、注文書フォームなどを見ながら必要な情報を手作業管理表に入力しなければならず、その分の手かかります

そして、このように手入力しているとヒューマンエラー起きやすいです。例えば、50個の注文を500個と打ち間違えて発注し、ミスに気付かなかった場合、自社に多大な損害を与えかねません。

受発注に関するミスは、チェック体制を強化することである程度は軽減できますが、チェックに多くの時間を取られる、作業効率は低下します。特に、受発注数の多い企業ではこの点が大きなデメリットとなる可能性があります。

データが多くなると処理速度が遅くなる

Excelではファイルにデータが蓄積されていくため、入力件数が多いほどデータ容量が増えて処理速度が低下してしまいます。その結果、ファイルを開いたり保存したりする際に時間がかかり、計算処理も遅くなります。

このことは従業員のストレス増加に繋がるリスクもあり、従業員の仕事に対する意欲が低下して企業全体の生産性も落ちるなど、業務への悪影響が懸念されます。

バージョンアップで互換性の問題が生じる

Excelは数年ごとに新しいバージョンが公開されていますが、バージョンアップした際に古いバージョンで作成したファイルに不具合が生じる可能性があります。

Excelのバージョンアップで追加される新しい機能は、古いバージョンで作成したファイルには対応していません。そのため、古いExcelファイルが開けなかったり、正常に動作しない不具合が起こったりするなど、互換性の問題が生じるケースが考えられます。

最新バージョンのExcelを使用し、古いバージョンで作成したファイルの互換性チェックを行うことにより、バージョン間の問題を回避できるケースもあります。ただし、バージョンアップの都度互換性の問題に直面するのは、企業にとって大きな負担となるでしょう。

システムの管理が属人化しやすい

Excelで受注管理フォームを作るには、関数やマクロに対するある程度の知識が必要です。さらに、自社の用途に合わせた高度なカスタマイズを行いたい場合は、より高度な知識とプログラミング技術が必要となります

高度で複雑なカスタマイズをした場合、技術や知識を持った従業員が一定数確保できていないと、業務が特定の従業員に偏って属人化しやすくなります。そのため、受注管理システムの管理を行う可能性がある従業員は、知識をある程度身につけておかなければなりません。

また、運用ルールが曖昧で、担当者間で管理内容をしっかり共有できていない場合も、特定の従業員ばかりにノウハウが蓄積されて業務が属人化しやすくなるため、注意が必要です。

取引先ごとの異なる条件に対応しづらい

企業の受注管理では、取引先ごとに異なる取引条件を設定していることがほとんどであり、取引先が多い場合はExcelですべての取引先の条件に対応するのは困難です。

Excelのみで対応しようとすると、管理シートが増えたり、どの条件がどの取引先の条件かが把握できなくなったりする恐れもあります。

しかし、Excelで管理しきれない分を書類で管理するといった方法をとると、そもそもExcelde電子データ化したメリットが薄れ、保管スペースの確保なども必要になります。

専用の受発注管理システムならExcelのデメリットも払拭

以上のように、Excelでの受注管理にはさまざまなデメリットもあります。このようなデメリットは特に取引先・取引数が多い企業で顕在化する可能性が高いです。そこでおすすめしたいのが、専用の受発注管理システム(受発注システム)です。

受発注管理システムでは、顧客がシステム上で注文を行います。その後は自動で注文データが反映されて、在庫状況の確認・出荷指示の作成・請求書の作成・各種レポートの作成なども自動化できます。

自動化によって人的な入力ミスや受注ミスを軽減でき、複数の従業員で使用しても動作が遅くならず、データ共有も容易に行えます。そのため、Excelでデメリットとなっていた要素を解消することができます。

自社に適したシステムを選択することにより、業務が属人化して特定の従業員に作業負担が偏る心配もありません。Excelでの受注管理に限界を感じる企業では、専用の受発注管理システムの導入がおすすめです。

発注側の作業も効率的になる

専用の受発注管理システムのもう1つの大きなメリットとして、発注側、つまり顧客側の作業も効率的になることが挙げられます。

Excelでの管理では、受注管理表と発注管理表も作れば自社の発注管理はできるようになりますが、発注側はそれらを使うことはできません。その点、受発注管理システムは受発注の処理をWeb上で完結できる仕組みなので、発注側もシステムを利用できます。
顧客はシステムにアクセスしていつでも発注を行うことができ、発注履歴などのデータも保存可能です。スマホ・タブレット用のアプリが提供されている場合もあるので、利便性が高いです。受注側・発注側双方の業務を効率化できる画期的なシステムと言えるでしょう。

おすすめの受発注管理システム10選|選び方・注意点を詳しく解説

受発注管理システムとは、受発注に関する業務をインターネット上で管理できるシステムです。しかし、導入を検討していても、選び方や自社に合うシステムが分からない方もいるでしょう。本記事では、おすすめの受発注管理システムや選び方、導入時の注意点を解説しています。

まとめ

受注管理は、納期内に商品を正しく届けるために重要な業務です。受注管理を効率的に行うには受注管理システムの利用が有効で、システムはExcelで自作することもできます。

Excelは日常の業務で使用している企業が多く、新規のソフト購入や研修を行わなくてもすぐに使用でき、導入ハードルが低いメリットがあります。一方、ヒューマンエラーが起こりやすく、業務が属人化しやすいといったデメリットも存在します。

そこで、特に受注業務が多い企業など、Excelでの管理に限界を感じる場合は専用の受発注管理システムの導入が推奨されます。受発注管理システムはExcelのデメリットを解消すると同時に顧客側の作業も効率化できます。

受発注管理システムはさまざまあり、無料トライアルで試せるものも多いです。受発注業務の効率化は顧客満足度や生産性の向上にもつながるため、自社に適したシステムを導入し、受発注管理業務の効率化を目指しましょう。

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