人事評価システムの導入メリットとは|手順や選び方・注意点も解説
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- 人事評価システムで、データ集計やフィードバックなどの業務を自動化・効率化できる
- 人事評価システムを導入する際は、自社の人事評価を見直して課題や導入目的を整理する
- システムを選ぶ際は、自社の評価制度や人事異動に対応できるかなどを確認する
人事評価システムとは、目標設定や上司・同僚からの評価、フィードバックなど一連の人事評価業務に関するデータを管理できるシステムです。人事評価システムの導入で、公正な評価や人材育成に繋がります。本記事では、人事評価システムのメリットや導入方法などを解説します。
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人事評価システムとは
人事評価システムとは、人事評価に必要となるさまざまな業務を効率化するためのツールです。人事評価を行う際は、評価目標の設定・自己評価の記入・フィードバックなどの作業が必要であり、必要に応じて面談なども実施されます。
人事評価システムによってこれらの作業を一元管理し、必要な情報を可視化することができます。これにより時間的なコストを削減でき、公正な評価が実現します。
人事評価は従業員の働きを正しく評価する上で欠かせない業務ですが、手作業による方法では多くの手間と時間がかかってしまいます。そのため、人事評価システムの導入によって正確で効率的な人事評価を目指しましょう。
人事評価システムとは?機能やメリット・デメリット、選び方を解説
人事評価システムとは、人事評価業務に関するデータ管理や評価シートの作成を自動化できるシステムです。本記事では、人事評価システムをよく知らない方や導入を検討している方のために、人事評価システムの機能や選び方、メリット・デメリットを解説しています。
人事評価システムの導入メリット
人事評価システムの導入によって人事評価業務の効率化が可能になり、公正な人事評価を行えるようになります。また、人事情報を一元管理でき、人材育成への貢献や適正な人員配置などが実現します。ここでは、以下のメリットについて解説します。
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人事評価システムの導入メリット
人事評価業務の効率化
人事評価システムの導入によって、評価用紙の配布・回収・差し戻しなどのさまざまな作業が不要になります。また、手作業で行われていた評価内容の入力や集計に加え、見直しや印刷などの作業にかかっていた業務時間が短縮され、大幅な効率化が期待できます。
人事評価では、従業員が提出した内容に対して上長からのフィードバックが行われます。これらの進捗管理には多くの手間や時間がかかるため、システムでの一元管理による業務負荷の軽減が望ましいでしょう。
公正な評価の実現
公正な人事評価には、評価担当者の主観ではなく、客観的な基準による判断が不可欠です。人事評価を主観で行う場合は、評価者の好みや感性が影響してしまう場合が多くありますが、人事評価システムでは数値や実績に基づく定量的な評価も行いやすくなります。
そして、一貫性のある評価基準によって公平な評価が実現すると、従業員からの納得感が得られやすくなるというメリットがあります。また、企業全体での評価基準が統一されるため、部署によるばらつきが軽減される効果も見込めます。
人事情報の一元管理
人事評価システムの導入による大きなメリットの1つが、人事情報を一元管理できるという点です。従業員の個人情報や過去の評価履歴などのデータが集約されることで、必要な情報を容易に確認できます。
人事評価においては、過去の部署移動に関するデータや評価内容の推移などの確認が必要になる場合があります。関連するデータをシステム上で管理することで総合的な情報を加味した人事評価が実現し、保管書類のペーパーレス化にも繋がります。
効果的な人材育成への貢献
効果的な人材育成を実現するには、人事評価の時期にだけ従業員にフィードバックを返すのではなく、日頃から進捗確認や面談などでフォローアップを行うことが重要です。個人目標の設定や1on1面談の実施を行った際は、実施日や内容を記録しておきましょう。
なお、人事評価システムでは、これらの記録を保存できるため、従業員ごとに時系列での進捗管理が可能になります。面談を実施した担当者だけでなく、他部署の上長や従業員本人が内容を振り返ることで成長の度合いを把握しやすくなり、効果的な改善に繋げられます。
人材配置の最適化
人事評価システムでは従業員の評価やスキルに関する情報を一元管理できるため、客観的な情報に基づいた人材配置が実現します。
システムを利用せず人事担当者が配置を行う場合は主観的な判断がなされる場合があるのに対し、人事評価システムでは、より合理的な判断が可能です。これにより、それぞれの適性にマッチした適切な人材配置が可能になります。
人事評価システムの導入手順
人事評価システムを導入する際は、必要な手順を確認しておきましょう。まずは自社の評価制度を見直し、必要な機能や人事評価における課題を洗い出しておくことが重要です。
人事評価システムの選定を行なったら、従業員への周知を経てシステム導入を実施しましょう。ここでは、これらの導入手順をステップごとに切り分け、詳しく解説します。
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人事評価システムの導入手順
自社の評価制度の見直し
人事評価システムを導入する上で、自社の人事評価制度の見直しは欠かせないポイントです。システムを導入する前には、まず自社の評価制度を具体的に定めておきましょう。
自社の評価制度が不確定だと、システムを導入しても適切な人事評価を行えない場合があります。システムの導入後に適切な人事評価が行えるかどうかをイメージしながら、自社における評価制度の要点を整理しておくのがおすすめです。
人事評価の課題・システム導入目的の整理
次に、自社における人事評価の課題やシステム導入の目的について整理しましょう。人事評価に手間がかかっており、システムで効率化したいなど、課題と導入目的を明確にすることでニーズに合ったシステムを選ぶことができます。
この作業をしておくことで、次項で解説する機能の洗い出しもしやすくなります。また、システム導入後のビジョンが明確になり、スムーズな運用開始ができるでしょう。
自社に必要な機能・不要な機能の洗い出し
システムの導入にあたっては、必要な機能と不要な機能を洗い出しておかなければなりません。自社にとって最低限必要な機能を備えているかどうかを確認し、適切な機能性のものを選びましょう。
オーバースペックなシステムはコストが高くなる傾向があり、せっかくの機能を使いこなせないといった事態にも繋がります。
また、企業の規模に合ったものを選ぶことも重要です。中小企業と大企業では従業員数や評価制度の複雑さが異なるため、自社の規模に合ったシステムを導入しましょう。
人事評価システムの選定
自社に必要な人事評価システムの機能を洗い出したら、実際に導入する人事評価システムを選定しましょう。選定の際は、自社の人事評価制度に対応しているシステムを絞り込み、自社に合った提供形態のものを選ぶのがおすすめです。
さらに、操作性や人事異動への対応に加え、既存の他システムとの連携機能などにも注目して比較検討を行いましょう。システムの導入によって人事評価の業務フローにも変更が生じるため、実現したい体制から逆算してシステム選定を行うと良いでしょう。
従業員への周知・運用ルールの策定
システムの選定に続いて、運用ルールの策定や従業員への周知を行いましょう。特に、システムの導入に伴い従来の人事評価制度から変更がある場合は、具体的な変更点を周知することで従業員からの理解が得られやすくなります。
新しいシステムの操作は従業員にとって負担になってしまう場合があるため、社内研修や説明会などで十分な説明を行い、運用体制を整備しておきましょう。
そして、人事評価に関わる変更事項や新たな運用ルールの共有によって、人事評価業務の透明性が向上します。また、明確な評価基準を定め、定期的なフィードバックを実施することで従業員の目的意識が上がり、業務へのモチベーションアップにも期待できるでしょう。
システムを導入
人事評価システムの導入方法は、選定したシステムによって異なります。システムの選定から実際の導入までにかかる期間や、導入後に操作方法を習得するまでの期間を見積もり、余裕を持ったスケジューリングを行いましょう。
システムによっては、ベンダーが手厚い導入サポートを行ってくれる場合もありますので、必要に応じてサポートを依頼しましょう。
導入後の効果も確認する
導入後は人事評価業務のフローが大幅に変更になる場合もあるため、思った通りの効果が出ているのか検証することが望ましいです。システムの機能を使いこなせているか、従業員からの不満の声があがっていないかなどを確認しましょう。
もしも問題が発生しているようなら迅速に改善し、最大限の導入効果が得られるよう調整をしていくことが重要です。
人事評価システムを選ぶ際の比較ポイント
自社に合った人事評価システムを選ぶには、選び方のポイントを確認しておきましょう。具体的には、自社の人事評価制度や既存システムとの連携に対応しているシステムであることを前提に、提供形態や操作性などにも注目して選ぶのがおすすめです。
ここでは、自社が求める機能を備えた人事評価システムを選ぶためのポイントについて解説します。
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人事評価システムを選ぶ際の比較ポイント
自社の人事評価制度に合っているか
人事評価制度にはさまざまな評価方法があり、どのような評価制度を導入しているかは企業によって異なります。せっかく人事評価システムを導入しても、自社の評価制度に対応していなければ活用することができないため、人事評価制度の確認は重要なポイントです。
近年では、目標の達成度で評価を行うMBOや、複数の立場から多面的な評価を行う360度評価などを導入する企業が増えています。自社が取り入れている人事評価制度を把握した上で、相性の良いシステムを選びましょう。
システムの提供形態を確認
人事評価システムは提供形態によって特徴が異なります。提供形態はクラウド型とオンプレミス型の2種類がありますが、それぞれの内容を把握した上で検討を行いましょう。ここでは、提供形態ごとの特徴やメリットについて解説します。
クラウド型
クラウド型のシステムは、インターネットを経由してベンダーが提供するサーバーにアクセスし、サービスを利用するものです。クラウド管理によって常に最新の情報が反映されるため、一度に複数名での閲覧や編集を行えるのが特徴です。
クラウド型システムはインターネットが接続できればどこからでもアクセスでき、リモートワークなどにも対応できるというメリットがあります。また、自社にサーバーを設置する必要がなく、導入コストを抑えられます。
しかしその反面、インターネットを使用するクラウド型のシステムは不正アクセスやサイバー攻撃の対象になりやすく、自社でのセキュリティ対策が難しいというデメリットがあります。機能のカスタマイズ性が限られており、複雑な機能を求める場合には不向きです。
オンプレミス型
オンプレミス型のシステムでは、自社のサーバー上にシステムの構築を行います。そのため、自社のニーズに合った機能や既存のシステムにはない複雑な機能をオーダーメイドで構築できるという特徴を備えています。
さらに、オンプレミス型のシステムは社内ネットワークの範囲内でのみ使用可能なため、外部からの攻撃や不正アクセスのリスクを抑えられるというメリットもあります。また、インターネット回線の速度に関わらず一定のパフォーマンスで使用できます。
一方、オンプレミス型システムの導入には、システム構築にかかる高額な費用が発生するというデメリットもあります。そして、災害などでサーバーに障害が発生した場合はシステムが破損するリスクを抱えています。
人事異動・部署の統廃合に対応できるか
人事評価システムを選ぶ際は、人事異動や部署の統廃合への対応を行えるかどうかを確認するのがおすすめです。特に、大規模で部署の数が多い企業や、定期的な人事異動を行なっている企業にとっては必須の機能と言えるでしょう。
人事異動や統廃合を行う際、従業員の人事評価に基づくさまざまなデータをシステム内で移動させる作業が発生します。この際、システムが移動に対応していない場合はデータ移行を手作業で行わなければならない可能性があり、余分な手間がかかってしまいます。
しかし、異動や統廃合に対応可能なシステムならスムーズな変更が可能であり、入力ミスやデータ破損のリスクも抑えられます。従業員数が多くなるほどに移行作業は大きな負担となってしまうため、システム上で対応可能なものを選びましょう。
使いやすい操作性か
人事評価システムには多くの情報が集約されます。また、評価の内容などの複雑なデータが蓄積されるため、インターフェースに優れた操作性の高いものを選ぶのが望ましいです。
仮に、操作性が悪いと必要な情報を見つけるのに時間がかかったり、評価項目や従業員情報の変更をスムーズに行えないというデメリットが発生します。よって、実際に操作を行う担当者がシステムを確認し、カスタマイズのしやすさや視認性の高さを見極めましょう。
既存システムと連携できるか
自社で使用している既存システムがある場合、人事評価システムがそれらのシステムと連携できるかどうかを確認しましょう。
例えば、勤怠管理システムや給与システムなどと連携できるものなら、人事評価の内容と勤怠情報や給与の推移などを関連付けて管理することも可能です。人事評価に関わるさまざまなデータをシステム間の連携によって取得し、総合的な判断に繋げましょう。
コストパフォーマンスが良いか
人事評価システムの導入にはコストが発生します。自社にとって費用対効果が適切なシステムを選ぶためには、事前に予算を設け、予算と費用との兼ね合いを確認する必要があります。
人事評価システムは、サービスによって機能・スペック・操作性などが異なります。費用に対する機能性の高さや操作性の良さを考慮し、自社が求めるスペックを満たしているかを確認することで、コストパフォーマンスに優れたシステムを絞り込めるでしょう。
人事評価システムの導入における注意点
人事評価システムの導入によって複数のメリットを得られますが、比較ポイントを考慮した上で、注意点においても確認しておきましょう。ここでは、以下の2つを解説します。
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人事評価システムの導入における注意点
システムに頼りきりにならない
人事評価システムの導入によって、従来までの人事評価業務を簡略化し、他の業務に時間を費やすことができるのは大きなメリットです。しかし、システムが提供する情報がすべて正しいとは限らず、その結果を基に人間が深堀りする必要があります。
つまり、システムを導入したことで人事評価に関するスキルが不要になるわけではなく、あくまで時間などのコスト削減が主であることを忘れてはいけません。また、人事評価チェックの結果から、制度の見直しや人材配置に関しても人間が最終判断を行うことが大切です。
定期的なフィードバックを行う
人事評価は従業員個々のスキルなどを判断し、給与や報酬にも関わる重要な事項です。そのため、システムに任せきりだと従業員からの不満が発生する可能性が高く、データだけの参照では従業員達からの理解を得ることができないかもしれません。
そのため、従業員一人ひとりに対して定期的なフィードバックを行いましょう。特に、面談やミーティングなど、直接顔を合わせて現状を伝えることで、課題の解決に向けた積極的な姿勢を促すことにも繋がり、社内全体の意識改革にも貢献します。
人事評価システムの価格相場
人事評価システムの価格相場は、提供形態がクラウド型かオンプレミス型かによって異なります。ここでは、それぞれの価格相場やコストの特徴について解説します。
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クラウド型
クラウド型の人事評価システムの多くは月額料金制になっています。また、システムを使用するユーザーの人数やアカウント数に応じて料金が発生する従量課金制のものが多いという特徴があります。
月額料金の相場は5,000円〜50,000円が一般的であり、ユーザー1人あたりの追加料金は300円〜700円程度のものが多いです。なお、システムによっては一定の人数までなら固定料金で使用できるものもあり、機能の幅やサービスの内容によって料金設定はさまざまです。
クラウド型のシステムは初期費用が無料のものや安価に設定されているサービスが多いため、導入費用をかけたくない企業に適しています。導入費用が別途発生する場合も、300,000円程度までの範囲で収まるものが多いでしょう。
オンプレミス型
オンプレミス型の人事評価システムは導入する企業のためにシステムを構築するため、導入費用が高額であるという特徴があります。企業の規模・ユーザー数・サーバー増設の有無などによっても変動しますが、約100万円程度を見積もっておきましょう。
オンプレミス型は一旦導入してしまえば月額利用料がかからないため、ランニングコストは抑えられる場合が多いです。ただし、ライセンス料や保守にかかる費用は別途必要になるため、余裕を持った予算設定をおすすめします。
人事評価システムの費用相場|無料システムの注意点や選び方も解説
人事評価システムの導入により、データ集計やフィードバックなどの業務を効率化できますが、明確な料金を提示していないシステムが多く、選定しにくいのが現状です。本記事では、人事評価システムの費用相場や内訳、無料の人事評価システムを利用する際の注意点などを解説します。
まとめ
人事評価システムとは、人事評価業務の効率化を支援するためのツールです。システムによって目標設定・進捗管理・従業員の情報や評価履歴などの情報を一元管理でき、人事評価業務の大幅な効率化が見込めます。
人事評価システムを選ぶ際は、自社の人事評価制度と相性の良いものを選ぶことが重要です。また、システムの提供形態によって費用や運用方法が異なるため、それぞれの内容を把握した上で判断しましょう。
人事評価システムの導入によって客観的な評価が可能になり、従業員の納得感を得られやすくなります。自社に合ったシステムを導入し、業務の効率化と公平な人事評価を実現しましょう。
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