納期管理とは?納期遅れが発生する原因や管理方法のコツも解説
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- 納期管理とは、期日までに正確に納品するために製造や発注などの進捗確認を行うこと
- 納期管理を行うにあたっては、製造・調達・出荷のリードタイムが重要となる
- 在庫やスケジュールに余裕をもたせ、リードタイムを短縮させるのが納期管理のコツ
納期管理とは、期日までに正確に納品するために製造や発注などの進捗確認を行うことです。この記事では、納期遅れが起こる理由や納期管理において重要とされるリードタイム、また、遅延を発生させないための納品管理のコツなども含め、納期管理について詳しく解説します。
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納期遅れを改善するならシステムの導入がおすすめ
FUSEは、生産管理に役立つ20種類以上の機能や2種類の計画ボードなどを搭載した、シンプルでわかりやすい操作性の生産管理システムです。自社に必要な機能のみを選択した独自のシステム構築が可能であり、納期遅れを改善できます。
例えば、製造計画ボードでは、「通常作業」「納期遅れの作業」などを一目で判断可能です。視覚的な進捗把握がしやすくなることで、変化に強い生産計画を実現できます。
さらに、現場ではタブレット端末を使用したタッチ操作による入力、バーコードリーダーを活用したデータ入力も簡単に行えます。納期管理で生じやすい納期遅れを改善し、生産効率の向上を図りたい場合には、FUSEの導入がおすすめです。
株式会社日本コンピュータ開発
FUSE
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納期管理とは
納期は「納入期限」の略称で、発注側から依頼された商品を受注側が納品する期限のことです。納期までに依頼通りに製品を納品できるように業務の進捗状況を管理することを、納期管理と呼びます。
管理する納期は「顧客に対する納期」「仕入先に対する納期」「工場内での納期」の3つに大別され、その3つを適切に管理することで納期遅延を防止できます。
管理する納期 | 詳細 |
---|---|
顧客に対する納期 | 受注した製品やサービスを、いつまでに納品すれば良いか |
仕入先に対する納期 | 発注した製品やサービスが、いつまでに納品されるか |
工場内での納期 | 納期に間に合わせるために、いつまでに製造すれば良いか |
顧客に対する納期
顧客・取引先に対する納期は、企業の信用にもつながる重要な要素です。発注元である顧客の依頼を正確に受注し、遅延を発生させずに納品するには納期管理が非常に重要です。納期通りに納品できなければ企業としての信用を失い、結果として利益を得られなくなります。
受注から納品までのスケジュール管理だけでなく、まだ納品できていないものを対象とした「受注残管理」も適切に行わなければなりません。
仕入先に対する納期
納期管理では、自社が製品を製造するために必要な原材料の入荷も管理します。原材料の仕入れ製造に密接に関わっており、仕入れが遅れればその分製造も遅延し、結果として顧客に対する納期も遅れます。
こうした遅延の連鎖を防ぐには、仕入先に対する納期管理が必要です。仕入先に原材料の発注をした際は、遅延が発生しないよう未納品件数(発注残)を正確に把握しましょう
工場内での納期
工場内での納期は、顧客に対する納期に間に合わせるための自社内での納期のことです。例えば、顧客に対する納期が月末で設定されている場合、20日までに製造を完了させ、25日には出荷できる状態に仕上げるといったスケジュールに近い役割を持っています。
製造工程ごとの納期設定や、期日までに製造を間に合わせるための人員確保や配置も管理対象であり、工場内での納期管理は管理対象が広範囲にまで及び、管理が難しいといわれています。
納期遅れが発生する理由
納期遅れが発生する理由には、「発注側に原因があるケース」と「受注側に原因があるケース」があります。以下で、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
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納期遅れが発生する理由
発注側に原因があるケース
発注側に納期遅れの原因があるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 無理な納期設定
- 仕様の変更
発注側が、商品やサービスの納品を急ぐあまり無理な納期設定をしていると、生産が納期に間に合わず遅延するケースがあります。
また、すでに商品の生産に取り掛かっているにも関わらず、発注側が急に仕様変更を申し入れてきた場合も納期の遅延に繋がります。仕様変更は受注側の製造工程や作業計画を変更する必要があり、すぐには対応できない場合が多いです。
無理な納期設定や仕様変更に対して受注側で改善を行うことは難しく、受注側でどれだけ厳しく管理していても遅延が発生する可能性があります。
受注側に原因があるケース
受注側に納期遅れの原因があるケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 工程管理の不備
- 人手不足や欠勤
各工程の進捗状況を適切に管理できていないと、各部門においての連携がスムーズにいかず製造工程でのトラブルやミスが起こりやすくなり、納期遅れにつながる可能性があります。また、自社スタッフの人手不足や欠勤が重なり、納期が遅れてしまうケースも多いです。
生産中や配送中の事故など不測の事態で遅延が発生する場合を除いては、自社の管理体制に問題があり納期遅れが発生するケースが多いです。
受注側が原因で納期遅れが発生している場合は、納期管理体制を見直すことで改善できる可能性があるため、社内で管理体制を今一度見直してみましょう。
製造業の納期管理で重要なリードタイム
リードタイムとは、あるプロセスの着手から完了までに要する時間(期間)を表す言葉です。納期管理には、重要な3つのリードタイムがあります。以下で、それぞれのリードタイムについて詳しく解説します。
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製造リードタイム
製造リードタイムとは、商品の製造から完成するまでにかかるすべての時間のことを指します。
製造リードタイムは商品ごとに異なるため、製造リードタイムを正確に把握していないと、複数の製品を受注したり、追加受注があったりした際に商品ごとに納期を管理するのが困難になります。
取引先に誤った納期と伝えてしまうと信用問題に関わり、今後の取引にも影響を及ぼします。そのため、製造リードタイムを詳細に把握し納期を適切に管理することが重要です。
調達リードタイム
調達リードタイムとは、製品を製造するのに必要な原材料・部品などを発注してから自社に届くまでにかかる期間のことです。調達リードタイムが遅延すれば、製造に着手するまでに余計な時間がかかり、納期遅延につながることが懸念されます。
複数の商品を受注している場合は、調達リードタイムの管理がより重要になります。1つでも原材料・部品の到着が遅れれば、全体の工程に悪影響を及ぼし納期遅延が発生する可能性が高まります。
受注した製品の品種・数量によって調達リードタイムの所要時間は大きく異なるため、製造工程をスケジュール通り進めるためには調達リードタイムの管理が重要です。
出荷リードタイム
出荷リードタイムとは、製品の製造完了後、注文者側に製品が到着するまでの所要時間です。せっかくスケジュール通りに製品を製造しても、配送の手配ミスなどで出荷が遅れて納期が遅延してしまっては、これまでやってきた製造・調達リードタイム管理が台無しです。
配送は、自然災害などで遅延するケースも考えられます。しかし、そのような場合でも注文者に対し納期までに確実に受注した製品を届けるのは製造メーカーとしての義務であり、責任でもあります。
出荷リードタイムの管理を怠れば、 企業間トラブルや訴訟問題に発展するリスクもあるため、確実に納期を守れるよう適切な出荷リードタイム管理を行いましょう。
納期管理のコツ
納期管理のコツには4つのポイントがあります。以下で、4つのポイントについてそれぞれ解説します。
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在庫・締切日に余裕をもたせる
ある程度在庫やスケジュールに余裕をもたせることで、納期遅れを防ぐことができます。原材料・部品の在庫に余裕があれば、受注してから原材料・部品を取り寄せなくても手持ちの在庫で製造でき、納期を早めることが可能です。
製品の在庫に余裕をもたせることで、受注数によっては在庫から即納品することもできます。また、スケジュールに余裕があることで、材料の調達に時間を要したり配送時にトラブルが発生した場合でも、納期遅延を防止することができます。
製品の在庫が多すぎると、場合によっては廃棄せざるを得ないケースも出てくるため、製造数を適切に管理し、余剰在庫をあまり持たないようにすることも大切です。
リードタイムの短縮を図る
リードタイムを短縮すると、納期管理の効率化ができ納期遅れを防げます。リードタイムは作業工程ごとに発生するため、それぞれの工程に要する日数を確認した上で、短縮できそうな部分を洗い出してみましょう。
例えば、システムを導入するなどして事務処理の自動化・効率化を図れば納期を短縮できます。紙媒体の発注書などで行っていた事務作業を電子化し、手動で行っていた計算処理を自動化することで、業務を効率化でき納期短縮の実現が可能です。
生産状況を可視化する
現場の状況を可視化すると、進捗状況を詳細に把握でき納期短縮につながります。可視化の際は、製造業でよく用いられている5Sや4Mを特に意識することが有効です。以下では、5Sと4Mについて解説します。
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5S
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の5つの要素を表す言葉です。物事を整理・整頓する意識を社内全体で共有することで業務の流れを見えやすくし、標準化して生産性を向上させる効果があります。
5Sが徹底されていると、業務がどこまで進んでいて、どこに問題があって止まっているのかが把握しやすいため、遅延管理が容易になります。業務の見直しや改善策の策定などを行い、5Sを徹底して問題点を発見しやすくしましょう。
業務 | 内容 |
---|---|
整理 | 不要なものを捨て、必要なものだけを残す |
整頓 | 必要なものを定位置に置き、必要なときに取り出しやすくする |
清掃 | 汚れやごみを除去し、清潔に保つ |
清潔 | 整理・整頓・清掃を習慣化する |
しつけ | 業務の標準化を徹底し、常に同じ状態を保つことを心掛けるよう周知する |
4M
4Mとは、Man(人)・Machine(機械)・Material(材料)・Method(方法)の4つの要素を表す言葉で、工場で製品を生産する際に管理が必要となるものです。
製造業における4Mは、生産現場で製品の品質管理を安定させるために必要な要素であり、トラブル発生時の問題の発見・解決・改善などに役立てられています。製造上のトラブルが発生した際は4Mを基準に調査すると原因が見つけやすくなる効果があります。
また、生産現場で4Mを意識し徹底することで、製造工程上のムダやロスが削減できるなど生産現場の改善が図れます。
意識すること | 内容 |
---|---|
Man(人) | どの従業員が作業しても、製品の品質を均一に保てるよう管理する |
Machine(機械) | 製造上のトラブル回避のため、最適な機械や設備が導入されているか・正常に動作しているか・老朽化や劣化がないかを管理する |
Material(材料) | 材料不足など原材料由来によるトラブル回避のため、仕入先の選定・調達手段・適正な在庫管理など作業方法を見直す |
Method(方法) | 属人化の防止や生産性・安全性・効率性の向上のための手段を講じる |
生産管理システムを利用する
生産管理システムとは、生産計画・生産工程・在庫管理・原価計算などの業務を効率的に行うためのシステムです。生産管理システムを導入すると、生産状況の可視化や社内での情報共有が容易になり、管理業務を自動化できるなどのメリットがあります。
適切な納期管理を行うには、現場の状態を常に把握する必要があります。製造過程でトラブルが発生した場合、即座に状況を把握し対応策を講じなければなりませんが、生産管理システムが導入されていれば製造工程のどこに負荷がかかっているかを迅速に確認できます。
エクセルも生産管理によく使用されるツールですが、生産管理システムはデータの入力・集計および管理業務を自動化でき、また複数人で同じデータをリアルタイムで共有できる面で、エクセルと比較し優位性があります。
生産管理システムとは、生産・販売・原価など製造に関する情報を一元管理でき、課題を解決できるシステムです。業務の効率化や生産性の向上に期待でき、中小製造業でも導入している企業は多いです。本記事では、生産管理システムの主な機能やメリット、選び方のポイントを解説します。
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ここが少し気になる…
- 選ぶ機能によってはやや高額なものもある
まとめ
納期管理とは、期日までに間違いなく製品を納品するために製造・発注などの進捗確認を行うことです。納期遅れには発注側・受注側のどちらかに原因があり、発注側に問題がある場合は改善が困難です。
しかし、受注側が原因であれば、製造工程など自社の業務の見直しで改善できる場合があります。納期遅れを改善するには、製造・調達・出荷の3つのリードタイムの管理と、5S・4Mを意識することが重要です。
また、生産現場での業務を自動化・効率化できる生産管理システムを利用するのも有効です。納期遅延を発生させないためには、本記事の4つのコツを参考にし、生産管理システムの導入も視野に入れながら納期管理方法を見直しましょう。
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