おすすめのOSS型プロジェクト管理ツール|メリットなども解説
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- OSS型プロジェクト管理ツールは、ライセンス費用が不要なため、低コストで導入可能
- OSS型プロジェクト管理ツールは、サポート体制やマニュアルが整っていない点に注意
- OSS型プロジェクト管理ツールを選ぶ際は、日本語に対応しているかの確認がおすすめ
OSS(オープンソースソフトウェア)とは、無料で公開されているプログラムのソースコードのことであり、自由にカスタマイズして利用できます。本記事では、おすすめのOSS型プロジェクト管理ツールやその選び方、利用するメリットや注意点を解説しています。
目次
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OSS型のプロジェクト管理ツールとは
プロジェクト管理ツールとは、営業・製品開発・コンテンツ作成など多様なプロジェクトを計画・実行・制御するためのツールです。タスクの割り当て・進捗の追跡・予算管理などを計画し、戦略の策定までサポートします。
プロジェクトやタスクの管理はエクセルなどで行うケースも多いですが、効率性などの観点からプロジェクト管理ツールの使用がベターです。基本的には商用ツールが使用されますが、コストやカスタマイズ性によりOSSを選ぶ企業も少なくありません。
OSS(オープンソースウェア)とは、ソースコードが公開されており、内部動作や仕組みが透明化されているソフトウェアのことです。改良や再配布も許可されていることから、機能の追加などが自由に行われています。
OSS型プロジェクト管理ツールのメリット
OSSはソースコードが公開されていることで低コスト・カスタマイズ性・信頼性など、さまざまなメリットがあります。ここではOSS型のプロジェクト管理ツールを選ぶと、どのようなメリットが得られるかについて解説します。
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OSS型プロジェクト管理ツールのメリット
低コストで導入できる
OSSは一般的に無料で公開されている上に誰でもアクセスできるため、ライセンス費用が発生しません。導入から運用に至るさまざまな費用を大幅に削減でき、基本的な機能を無償で利用することが可能です。
中小企業・小規模なチーム・予算が限られているプロジェクトなどにおいては、費用対効果の高い選択肢となり、プロジェクトに予算を割くことができます。もちろん、個人での使用も可能です。
自社に合わせてカスタマイズができる
ソースコードが公開されているOSS型のプロジェクト管理ツールは、誰でも自由にカスタマイズすることが可能です。企業やプロジェクトの独自のニーズに合わせてツールを調整でき、特定の業界やプロセスに適したワークフローや機能を追加・変更・削除できます。
自社の要件に合わせてカスタマイズできるため、ソフトウェアをゼロから開発するよりも迅速です。カスタマイズには、ある程度の知識やスキルが求められますが、既存のコードベースを利用できる点において、手間がかからないのも利点です。
また、OSSの開発は多くの開発者やエンジニアによるコミュニティが貢献しており、カスタマイズの際には、コミュニティの知識を利用できる可能性があります。他のユーザーや開発者の協力を得られれば、問題解決や新しい機能の追加も可能となります。
信頼性が確保されている
OSSが一般に公開されているメリットは、前述のカスタマイズの柔軟さにとどまらず、世界中のエンジニアや開発者から積極的に監査されている点にあります。監査によって脆弱性やバグは早期に発見されるため、品質やセキュリティ面での信頼性が確保されます。
また、商用ツールの場合、ソフトウェアはベンダーに依存しており、ベンダーの倒産や吸収合併により、サポートと更新が途絶えるリスクがあります。OSSは特定のベンダーに依存しないため、コミュニティと自分自身のリソースによってサポートされます。
OSS型プロジェクト管理ツールの注意点
OSS型のプロジェクト管理ツールを利用することは、前述のようなメリットを受けられる一方で、OSS型を選ぶことのリスクやデメリットも踏まえて検討することが大切です。ここでは、OSS型のツールを利用する上での注意点を解説します。
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OSS型プロジェクト管理ツールの注意点
ライセンスに準拠する必要がある
OSSは基本的に無料で提供されていますが、利用には規約・条件などを含むライセンスに準拠する必要があります。利用条件には、商用利用の制限・再配布の制約・カスタマイズした際の公開などの制約が存在する場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
商用利用の制限がある場合には、企業や組織でプロジェクト管理ツールを使用する際に、どの範囲まで利用が許されるのかを確認しましょう。また、OSSコミュニティへの貢献や透明性の確保のため、再配布やソースコードの公開に関する条件も守らなければなりません。
OSSは一般公開されていますが、完全に自由に使えることを意味するわけではなく、ライセンス違反は法的なリスクを伴う可能性があるため、注意が必要です。
ライセンスの種類
OSSのライセンスはOSSライセンスと呼ばれ、主に3種類あります。それぞれ要件の厳しさに違いがあります。
種類 | 詳細 |
---|---|
コピーレフト型 | 利用・改造したソースコードを同ライセンスのOSSとして公開しなければならない |
準コピーレフト型 | 改造した場合のみ同ライセンスのOSSとして公開しなければならない |
非コピーレフト型 | 利用・改造どちらも公開を求めない |
ライセンスは上記以外にも多くの種類があるため、利用前に詳細まで確認し、どのような対応が必要なのか把握した上で導入しましょう。
プログラミングの知識がないと使いこなしにくい
OSSのプロジェクト管理ツールは、カスタマイズや設定を行う際に、プログラミング・データベース管理・セキュリティ対策などの知識やスキルが求められます。カスタマイズや機能追加が高度になるほど、開発者やシステム管理者の専門知識が必要不可欠です。
カスタマイズや運用上の問題解決には、組織内にプログラマー・システム管理者・データベースエキスパートなどのスキルを持つ人材の配置が推奨されます。
サポートが受けられない可能性がある
OSSを利用することは、無償提供により低コストで利用できるメリットがあると同時に、リスクも伴います。ソフトウェアの問題やバグについて、開発元が直接対応する義務はないため、保証やサポートには期待できません。
OSSの利用の際にトラブルや不明点が生じた場合の解決策の1つとして、サポート代行業者への依頼があります。多くのOSSには専門のサポート業者が存在し、優良でサポートやカスタマイズを提供しているため、問題解決の一助になります。
また、OSSコミュニティで情報を交換することにより、トラブルが生じた際の助言やサポートを受けられる可能性もあります。ユーザー自身が自己学習とスキル向上に努力することで、トラブルに迅速に対応できるようにしておくことも大切です。
マニュアルの用意がない場合がある
OSSの開発は基本的にボランティアで行われているため、十分なマニュアルやドキュメントが用意されていない場合があります。その点を事前に確認しておかないと、使い方や設定方法でユーザーは困難を抱えてしまうリスクが高くなります。
マニュアルの用意がない場合は、トラブルの対応や問題解決も難しくなる可能性があり、コミュニティでの情報交換や質問に頼る必要性が生じます。この方法は時間がかかる場合があり、迅速に対応するためには技術的な自己研鑽が求められます。
OSS型のプロジェクト管理ツールを選ぶ際には、アクティブでコミュニティの活動が盛んなソフトウェアを選ぶことが推奨されます。これらのソフトウェアは、マニュアルやサポートが充実している可能性が高いです。
ランニングコストがかかる
OSSはコストをかけずに導入できますが、システムの運用や管理には人件費などのランニングコストがかかります。「OSSは完全に無償」と認識されがちですが、保守のためのコストは必要です。
ランニングコストを考慮せずに導入すると、人件費やサーバーの費用など想定外のコストがかかる場合もあるため、この点も注意して導入しましょう。
OSS型プロジェクト管理ツールの選定ポイント
OSS型プロジェクト管理ツールを選ぶ際には、言語・操作性・機能性を確認することが大切です。実際にツールを利用する従業員の視点も含め、ここではツールの選定ポイントについて解説します。
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OSS型プロジェクト管理ツールの選定ポイント
日本語に対応しているか
OSSの現状として、海外で開発されているものが多く、日本語に対応していない場合があります。海外で開発されたOSSは優秀なものも多いですが、使い方や設定オプションなどを理解するのに時間がかかる点は否定できません。
ユーザーインターフェース・メニューなどが日本語で提供されていれば、迅速かつ効果的にツールを利用しやすくなるため、日本語対応のOSSを選ぶのが理想的です。チーム内での情報共有もしやすくなり、誤解のリスクも抑えられます。
もちろん、英語に強い技術者がいる場合、海外のOSSを選ぶのも1つの方法ですが、日本語のコミュニティ活用の利点や学習コストの削減なども踏まえて検討しましょう。
従業員が使いやすいか
OSS型のプロジェクト管理ツールを選ぶ際は、OSSとして技術者にとって無理のないものを選ぶことが大切です。一方でプロジェクト管理ツールとして、従業員が使いやすいかどうかも無視してはいけません。
むしろ実際にツールを業務の中で使用する従業員にとって、高度なスキルがなくてもアクセスしやすく、効果的に利用できることが最重要です。必要に応じて、従業員のレベルに合わせたカスタマイズや簡素化も求められます。
そのためにはカスタマイズが柔軟であることも選定のポイントとなります。複雑な手順や設定を覚える必要がないツールは、従業員にとっても重宝します。
自社に必要な機能が揃っているか
自社に新たなシステムを導入する際の基本的な要点として、導入の目的と、目的達成に必要な機能を明確にしておくことが大切です。OSS型のプロジェクト管理ツールを選ぶ場合も同様で、必要な機能は含まれているか事前に確認しましょう。
例えば、ガントチャート・タスク管理・カレンダー統合・レポート作成など、プロジェクトに必要な具体的な機能を列挙します。それらの機能がツールに含まれるか、または、必要な機能の追加や拡張にどれぐらいの時間やコストがかかるか検討しましょう。
カスタマイズができれば、不足している機能を追加することはできるものの、開発リソースやコストがかかるため、最初から機能が備わっていた方がコスト削減になります。有名なツールは豊富な機能を提供している場合があるので、評判を確認するのも一つの方法です。
おすすめのOSS型プロジェクト管理ツール
GOOD
ここがおすすめ!
- 関連のあるタスクの紐づけが行え、コメントの追加も可能
- 議事録やマニュアルにもぴったりな「Wiki」機能を搭載
- リポジトリ内のファイル内容やコミットの履歴などの確認がしやすい
MORE
ここが少し気になる…
- 子チケットを追加すると親チケットの特定項目が更新できない
その他のOSS型プロジェクト管理ツールの選び方
プロジェクト管理ツールの選び方として、前述のOSS型ツールの選定ポイント以外にも、セキュリティやサポートなどの面も考慮することも重要です。以下に重要なポイントや比較ポイントなどをまとめているため、参考にしてください。
プロジェクト管理ツールとは、プロジェクトのスケジュール管理やタスクの進捗管理などプロジェクト運営を可視化できるツールです。本記事では、ツールの導入を検討している方に向けて、おすすめのプロジェクト管理ツールとその選び方を詳しく解説しています。
【重要なポイント】
- 提供形態を確認
【その他の比較ポイント】
- セキュリティ対策は万全か
- サポート体制は充実しているか
- 無料トライアルがあるか
まとめ
プロジェクト管理ツールをOSS型で選ぶことは、ソースコードが一般公開されていることにより、低コストで自由にカスタマイズしやすいメリットが得られます。
一方で、ライセンスに準拠することや必要な機能が備わっているかなどに注意して、効果的に利用できるツールを選ぶことが重要です。
カスタマイズ性の高さと低コストの2点は大きな利点のため、高度な知識やスキルを必要とする点を考慮しても、OSS型のプロジェクト管理ツールを導入するメリットは大きいと言えます。