受発注システムの費用相場は?スクラッチ型とクラウド型に分けて解説

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  • 受発注システムの費用相場はフルスクラッチ・ハーフスクラッチ・クラウドで異なる
  • クラウド型の受発注システムは比較的コストが低く、無料で利用できるものもある
  • 導入の際は必要な機能を把握し、複数の業者から見積もりをとって比較する

受注・発注の管理を効率化させる受発注システムは、製造業や卸売業・商社など多岐に渡る業界で採用されていますが、システムの導入や維持にはコストがかかります。この記事では、スクラッチ型とクラウド型それぞれの受発注システムの費用相場と、導入時の注意点を解説します。

目次

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  1. 受発注システムとは
  2. 受発注システムの費用相場
  3. 受発注システムを導入する際の注意点
  4. まとめ

受発注システムとは

受発注システムとは、注と発注に関わる業務をWeb上で処理して工数を減らし、業務を効率化できる優れたシステムです。「受発注管理システム」とも呼ばれます。Excelなどで行っていた受注・発注情報の管理も、システム上で一元管理できます。

受発注システムでは注文・注文データの管理・在庫確認などができ、顧客への納期連絡などの業務は自動化できます。インターネット上の販路を構築し、販路を多様化できるため、顧客の増加やリピート率と購入単価の向上といった効果も見込めます

また、人の手作業で行っていた受発注業務を自動化できるため、ヒューマンエラーも低減できす。最近は受発注システムにもクラウド型が登場し、事業規模が小さい会社でも利用しやすくなっています。

受発注管理システムとは?メリット・デメリット、機能も解説

受発注管理システムとは、受注システムと発注システムの機能を併せ持ったもので、受発注に関する一連の業務をデジタルで行えるシステムです。この記事では、受発注管理システムのメリット・デメリットのほか、導入が推奨される企業や選び方も解説します。

受発注システムの費用相場

大きく分けると、受発注システムの形態は「フルスクラッチ型」「ハーフスクラッチ型」「クラウド型」の3種類です。ここからは、各受発注システムの特徴とメリット・デメリットを解説します。受発注システムの費用相場も表にしてまとめています。

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フルスクラッチ型

フルスクラッチ型の受発注システムは、自社オリジナルのシステムを一から開発するタイプです。システムの機能や仕様を自由に設計できるため、自社の要件を網羅した、優れた操作性を持つ利便性の高い受発注システムを構築できます

しかし、フルスクラッチ型は費用が高額で、運用までに時間がかかるという点がデメリットです。初期費用と開発費用を合わせると数百万円から数億円の費用がかかり、開発期間は数か月から数年の期間を要します。

費用詳細
初期費用数百万円~数億円
維持費用月額3万~数十万(インフラやサポート体制によって変動する)

ハーフスクラッチ型

ハーフスクラッチ型の受発注システムは、基本とするパッケージをカスタマイズして導入するタイプです。あらかじめ用意されている基本パッケージに機能を追加するなどして、自社の業務に最適な受発注システムを構築できます。

ハーフスクラッチ型は、フルスクラッチ型よりも導入費用を抑えられ、開発期間を短縮できる点がメリットです。基本パッケージがもととなっているため、一からオリジナルのシステムを開発する必要がありません。

しかし、カスタマイズする箇所が増えれば増えるほど、費用が高くなる点には注意しなければなりません。また、提供される基本パッケージのバージョンアップの影響を受け、それまで利用できていた機能が使えなくなるということもあります。

費用詳細
初期費用100万~数千万
維持費用月額3万~数十万(インフラやサポート体制によって変動する)

クラウド型

クラウド型は、インターネットを通して、ベンダーが提供する受発注システムを利用するタイプです。自社でシステム開発を行う必要はなく、インターネット環境があればシステムを利用することができます。

クラウド型は、導入コストが安価で、素早く受発注システムを導入できる点がメリットです。ベンダーが提供するパッケージを利用するため、システム開発やインフラ構築のための費用は必要ありません。

また、ベンダーと契約を結び、料金を支払うとすぐにシステムの運用を始められます。システムの運用負担が少ない点も、クラウド型の受発注システムの優れているところです。システムのトラブルやセキュリティに関しては、パッケージを提供するベンダーが対応します。

しかし、クラウド型の受発注システムは、カスタマイズ性が低いというデメリットも持っています。オプションの追加やプランのアップグレードで機能を追加することはできるものの、基本的に提供される機能・仕様をカスタマイズすることはできません。

そのため、クラウド型の受発注システムを利用する際は、欲しい機能が搭載されているかよく確認することが重要です。

費用詳細
初期費用無料~
維持費用月額1000円程度~

受発注システムを導入する際の注意点

ここからは、受発注システムを導入する際の注意点を解説します。受発注システムを選ぶ際は、複数あるサービス提供事業者を比較し、自社に必要な機能を明確にしておくなど、注意しなければならない点がいくつかあります。

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複数の業者を比較する

受発注システムを導入する際は、サービスを提供する複数の会社に見積もりを依頼して、価格を比較しましょう。受発注システムを提供する事業者ごと、またサービス提供形態により料金と搭載されている機能が違います。

複数のサービス提供事業者を比較することで、利用可能な機能や料金が明確になり、自社の業務に最適なシステムを適切な料金で提供するベンダーを見つけやすくなるでしょう

導入後のサポートも充実している業者がおすすめ

業者を比較する際、導入後のサポートについても確認しておきましょう。特に自社で十分な運用体制を構築できない場合は要チェックです。システムのメンテナンスやトラブル対応、システム定着のための支援など、どのようなサポートが提供されるか確認しましょう。

なお、それらのサポートに対してどの程度の料金がかかるのかも把握しておくことが重要です。発生する可能性のあるサポート費用も含め、トータルコストを算出しておくと費用対効果もより明確になります。

必要な機能を把握する

受発注システムを選ぶ前に、自社の業務効率化のために必要とする機能を把握しておきましょう。在庫管理やメール自動送信、店舗別集計など、自社が受発注システムに求める機能をまとめておきます。

受発注システムは機能が多くなる分だけ料金が高くなるため、業務で使わない機能を搭載していると、無駄な出費をすることになります。コストを抑えて受発注システムを導入できるよう、業務を効率化するために必要な機能を洗い出しておきましょう

他のシステムとの連携についても確認しておく

受発注管理業務の周辺で利用しているシステムがある場合、それらとの連携可否・連携方法についてもあらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。

受発注システムと連携するシステムの例としては、POSシステム、ECシステム、倉庫管理システム、データベースなどが挙げられます。連携できないと、データの転記などの手間が発生して業務効率化が思うように実現しない恐れもあるので、要注意です。

段階的なグレードアップを検討する

必要な機能に絞り込んでも予算をオーバーしてしまう場合は、段階的な開発や機能追加を選択肢に入れましょう。システムの完全導入までの期間は長くなりますが、必要なコストが分散され、予算オーバーを避けながら最適なシステムを導入できます。

まずは、業務を行うために必須な最低限の機能のみの状態でシステムを導入し、追加の予算が確保できたタイミングで業務効率化を図る機能の追加や開発を行うのがベターです。

コスト面で無理をせずに導入できる上に、基本的な機能のみの扱いやすい状態でシステムに慣れることができ、システムが社内に浸透しやすいといったメリットにもつながります。

取引先の理解を得る

受発注システムは、受注側・発注側双方で使用するシステムです。そのため、受発注システムを導入する際取引先に説明をし、理解を得ましょ

場合によってはシステムの導入により取引先の受発注業務フローに変更が発生するため、必ず運用開始前に説明をする必要があります。

十分な説明なしに導入して運用を開始するとトラブルに発展し、大事な取引先を失うことになりかねません。説明をした上で了承を得られなかった場合に備え、今まで通りの方法で受発注が行えるようにするなどの対応も考えておきましょう。

まとめ

受発注システムは、注と発注に関わる業務をWeb上で処理するシステムで、受発注業務の自動化などにより大幅に業務を効率化できます。

受発注システムの形態は、「フルスクラッチ」「ハーフスクラッチ」「クラウド」の3種類です。フルスクラッチはシステム設計の自由度が高い分、費用も高くなりがちです。一方、クラウド型はカスタマイズ性が低い代わりに導入しやすい費用相場です。

導入形態ごとにメリット・デメリットがあるため、自社の要件や費用対効果を考慮しながら、最適な形態を選びましょう。

なお、システムを導入する際は、複数の業者から見積もりを受け、比較すると導入費用を抑えられます。受発注システムは搭載する機能が多いほど価格が高額になるため、必要とする機能を明確にし、の過不足がないようにすることをおすすめします

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