社内受発注をシステム化するメリット|受発注管理システムの選び方も解説

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  • 社内受発注は、受発注履歴の管理やシステムへの転記作業に時間と手間がかかってしまう
  • 社内受発注をシステム化すると、入力・転記ミスの削減や社外での作業などが可能になる
  • 社内受発注を自動化・システム化するなら、受発注管理システムの導入がおすすめである

ヒューマンエラーの発生や業務の属人化など、社内受発注にはさまざまな課題があり、頭を悩ませる企業もあるでしょう。そのような課題解決には、社内受発注のシステム化がおすすめです。本記事では、社内受発注をシステム化するメリットやシステムの選び方について解説します。

目次

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  1. 社内受発注とは
  2. 社内受発注でよくある課題
  3. 受発注管理システムによる社内受発注のシステム化が有効
  4. 社内受発注をシステム化するメリット
  5. 受発注管理システムを選ぶ際のポイント
  6. 受発注管理システム以外で業務を効率化する方法
  7. まとめ

社内受発注とは

社内受発注とは、社内で発生する受注・発注です。例えば、複数の支部や店舗を展開している企業では、各支部で利用する素材・部品を本部がまとめて購入することが多いです。

本部でまとめ買いした素材・部品を、各支部が取り寄せるために行うのが、社内受発注です。場合によっては、本部から支部、支部から支部への受発注が発生することもあります。

社内受発注でよくある課題

社内受発注は、電話・メール・FAXなどアナログな手法が採用されていることが多いです。こういった手法は手軽でコストが低いというメリットがありますが、一方でさまざまな課題を抱えています。

まずは、アナログな手法の社内受発注が抱える課題を理解しましょう。

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ヒューマンエラーの発生

アナログな社内受発注には、さまざまなヒューマンエラーのリスクがあります。例えば、電話の場合は聞き取りミスや伝達ミス、メールやFAXでは、記入ミス・読み取りミスなどがあり得ます。

また、全ての方法において、発注システムへの転記ミスが起こる可能性もあります。すべての工程でヒトの手を介する以上、どこでミスが発生してもおかしくありません。

ヒューマンエラーが起これば、当然ながら社内受発注に時間がかかるため、それ以降の工程にも後ろ倒しで遅延が発生します。また、無駄なコストが発生する点もデメリットです。

業務が属人化しやすい

アナログな社内受発注は、業務が属人化しやすいのも課題です。例えば、経験豊富な従業員ならば難なくこなせる作業も、新人には難しいことが多いです。時短のために先輩従業員が一手に引き受けた結果、後進が育たないケースはよく見られます。

社内受発注を1人で担当する場合、従業員に負担がかかります。また、該当従業員が急に離職・休職すると、その支部の社内受発注が停止しかねません。

作業に手間・時間がかかる

アナログな社内受発注には、手間と時間がかかります。具体的には、まずメールや電話でやり取りし、その内容を確認して別の発注システムに転記しなければなりません。

特に、飲食店や販売店は迅速かつ的確な補給が求められることが多く、ささいな発注ミスが大きな売上損失を招くこともあります。他業務をこなしながら、社内受発注のタイミングにも目を光らせるのは、負担の大きな作業でしょう。

テレワークへの対応が難しい

アナログな社内受発注は、テレワークや在宅勤務での対応が困難です。アナログな手法の場合、社内受発注の前段階である在庫管理は、支部や店舗のPCで行うのが一般的です。

本部または別支部とのやり取りは、社内の電話・PCで行い、さらに肝心の受発注は、別の社内システムに手動で入力しなければなりません。

つまり、アナログな手法では、社内のデバイスを利用することが多く、その操作のためだけに出勤しなければならないのです。この非効率性により、多様な働き方が阻害されています。

受発注管理システムによる社内受発注のシステム化が有効

社内受発注を効率化するには、受発注管理システムの利用がおすすめです。受発注管理システムとは、受注・発注をWeb上で一元的に管理できるシステムです。取引先との受発注はもちろん、社内での受発注に対応した製品も多くあります。

受発注管理システムの主な機能には、次のようなものがあります。

【受注側】

  1. 在庫管理
  2. 出荷管理
  3. 取引先管理
  4. 納品書・請求書の発行
  5. CSV・PDFのデータ出力

【発注側】

  1. 発注先管理
  2. 発注状況の確認
  3. 発注書・伝票の発行
  4. CSV・PDFのデータ出力

受発注管理システムでは、在庫管理・受注と発注・受注処理・伝票の発行など、一連の受発注業務を一元管理できます。これにより、さまざまなメリットが期待できるでしょう。

社内受発注をシステム化するメリット

社内受発注はITツールの導入によって、ある程度システム化できます。社内受発注のシステム化には、次のようなメリットが見込まれます。

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ヒューマンエラーの削減

社内受発注に受発注管理システムを導入することで、ヒューマンエラーを削減できます。具体的には、受注データは自動的に発注データに反映されるため、従来の電話・メールでのやり取りに潜んでいた聞き取りミスや伝達ミスが防げます

また、別システムへの手入力が必要ないため、転記ミスのリスクもなくなります。さらに、受発注管理システムの多くは在庫管理機能や受発注状況管理機能を備えており、在庫切れや受発注漏れの防止も期待できます。

これらにより、正確な社内受発注が実現できるため、生産性の向上や売上の増大が期待できるでしょう。

コア業務に集中しやすい

受発注管理システムの導入により、社内受発注を一定程度自動化できます。その結果、社内受発注に割いていた人手をコア業務に投入できるため、生産性の向上や売り上げアップに期待できます。

また、社内受発注のシステム化により、業務の属人化も防げます。基本的に、システムの操作方法さえ覚えれば誰でも受発注が可能なため、人員が入れ替わっても安定して業務を遂行できるでしょう。

ペーパーレス化の推進

受発注管理システムの導入により、社内のペーパーレス化を促進できます。例えば、受注データと発注データをシステム上で一括管理することで、FAXを使った受注・発注を廃止できます。

また、見積書や請求書も電子データでやり取りできるものが多く、この点でもペーパーレス化を促進できるでしょう。

月次決算がスムーズ

従来までの、紙やExcel(エクセル)による管理から受発注管理システムに移行することにより、常にリアルタイムで最新の情報を参照できるようになります。そして、社内共有が迅速に行えるだけでなく、月次決算においてもスムーズにデータを把握することが可能です。

そのため、月ごとの新しい企業戦略を立案したり、受発注における間違いを限りなくゼロに近付けることができたりします。月次決算は企業の経営を左右する重要な作業であり、システムの活用で得られる大きなメリットの1つです。

テレワークに対応可能

受発注管理システムの導入により、テレワーク・在宅勤務での社内受注が可能になります。特に、クラウド型システムは通信環境とデバイスさえあれば、時間・場所にとらわれずにシステムにアクセスできます

また、クラウド型システムはリモートワークだけでなく、営業先や出先からでも操作可能な点もメリットです。従来のように、在庫管理や発注システムへの入力を行うためだけの出社が不要になるため、業務の効率化や多様な働き方を実現できるでしょう。

顧客満足度が向上する

社内受発注のシステム化により、顧客満足度の向上に期待できます。従来の電話やFAXでの受発注の場合、担当者同士が都合の良い時間帯を共有し合いながらやり取りする必要がありました。

しかし、時には約束の時間に急な用事が入るなどして、連絡がつかなくなることもあります。この場合は再度の連絡が必要になるため、互いにストレス・負担がかかります。

その点、受発注管理システムを導入すれば、受注側・発注側ともに自分の都合のよいタイミングで対応できます。従来よりもコミュニケーションのストレスを減らせるため、顧客満足度の向上が見込まれるでしょう。

受発注管理システムを選ぶ際のポイント

円滑な社内受発注には、受発注管理システムの導入がおすすめです。ただし、受発注管理システムにはさまざまな製品があるため、自社にとって使いやすいものを見極めることが大切です。

ここからは、受発注管理システムの選び方のポイントをご紹介します。

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自社に必要な機能が揃っているか

受発注管理システムは、自社が必要な機能を備えているかを確認しましょう。自社にとって必要な機能がない場合は、当然ながら導入の効果を実感できません

なお、多機能なシステムを導入すれば良いわけではない点に留意する必要があります。なぜなら、機能数が多いシステムは使いこなすのが難しく、料金も高額な傾向があるからです。

高いコストを支払っても、使いこなせなければコストの無駄になります。また、使いにくさから、かえって業務効率が低下しかねません。

よって、受発注管理システムは、自社が必要とする機能「だけ」を備えたものを選ぶのがベストです。導入前から達成したい目標や解決すべき課題を明確にすることで、どのような機能が必要なのかが見えてくるでしょう。

誰でも使いやすい操作性か

受発注管理システムは、管理者・従業員ともに使いやすいものを選定しましょう。使いにくいシステムは社内に浸透しにくく、せっかく導入しても形骸化する恐れがあります。

使いやすさの基準は人それぞれですが、一般的には次のようなポイントを満たすものが良いとされています。

  1. 画面がシンプルで見やすい
  2. 直感的に操作できる
  3. マルチデバイス対応で社外からでも操作しやすい
  4. カスタマイズしやすい
  5. 他システムと連携しやすい
  6. ベンダーのサポート体制が充実している

受発注管理システムは、取引先との連携によって効果を発揮します。よって、自社だけでなく、取引先での導入・運用のしやすさも、重要な選定ポイントとなります。

なお、受発注管理システムの中には無料トライアルが可能なものが多いです。使いやすさや機能、自社との相性を確認するためにも、積極的に活用しましょう。

カスタマイズ性・拡張性を確認

受発注管理システムは、カスタマイズ性・拡張性が高い製品の導入がおすすめです。特に、独自の受発注フローを構築している企業は、必要な機能を追加・拡張できる製品のほうが、自社にあわせた運用がしやすいでしょう。

また、受発注業務は市場の変化やIT技術の進歩によって大きく変動することも多いです。この点からも、柔軟性を備えたシステムを選ぶことが大切です。機能の追加・拡張後の処理速度についても、事前に確認しておきましょう。

自社の業種に関する知識の豊富さ

一概に受発注管理システムといっても、業種業態によって最適なシステムは異なるため、システム選びの際には自社の業種業態に適したものを選ぶ必要があります。その際にポイントとなるのが、同業他社への導入実績があるかどうか・知識の豊富さです。

同業他社における業務フローの効率化が確立されていると、自社にも適用することが想像できます。また、適応しやすい・利用しやすいことによって社内への浸透もスムーズに行え、導入してもシステムを利用しないといった事態を避けることにもつながります。

サポート体制が充実しているか

受発注管理システムは、ベンダーのサポート体制が充実しているものを選びましょう。新しいシステムの導入前後は混乱やトラブルが起こりやすいため、手厚いサポートがあると安心です。

例えば、次のような点に注目しましょう。

  1. サポート方法:電話・メール・チャット・訪問
  2. サポート日時:早朝・深夜・休日
  3. サポート期間:購入から●●年など
  4. 対応言語(海外製品の場合):日本語でのサポートを受けられるか

受発注管理システム以外で業務を効率化する方法

社内受発注を効率化するには、受発注管理システムの利用がおすすめですが、導入が難しい企業もあるでしょう。受発注管理システム以外にも、業務の一部を効率化できる方法はあります。

ここでは、社内受発注を効率化する方法とそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

Excelやスプレッドシートで効率化ツールを自作する

既に使い慣れているExcelやスプレッドシートで、受発注業務の効率化ツールを自作することが可能です。関数やマクロなどで在庫表や伝票への転記を自動化できたり、グラフ機能を活用してデータを視覚的に分析できたりします。

低コストで効率化できる方法ですが、手入力によるミスが発生するリスクや、関数やマクロの知識がある人材に業務負担が偏りやすいというデメリットがあります。

FAX-OCRを導入する

FAX-OCRとは、FAXを画像ファイルとして受け取り、紙出力をせずにそのままデータに変換するシステムです。FAX-OCRを導入すると、今までの業務フローを変えることなく、手作業でシステムへ入力する業務を削減できます。

しかし、FAX-OCRを利用するためには、OCR機能があるFAXサーバーを設置する必要があり、導入コストが高くなることがあります。また、手書き文字が崩れていると読み取れないケースも発生するため、目視での確認が必要になります。

まとめ

社内受発注とは、社内で発生する受注・発注のことで、支部から本部への部品・素材の取り寄せなどが該当します。社内受発注はアナログな手法を続けている企業も多いですが、これにはヒューマンエラーや業務の属人化、非効率性などの課題があります。

受発注におけるさまざまな課題の解決に役立つのが、Web上で受発注業務を一本化できる受発注管理システムです。社内受発注業務の大部分を自動化できるため、業務の効率化やミスの防止、ペーパーレス化やリモートワークの推進にも役立ちます。

受発注管理システムは、機能性・操作性・カスタマイズ性や拡張性に注意して選びましょう。さらに、ベンダーの自社の業種業態に関する知識の豊富さや、サポート体制も要チェックポイントです。

自社に適した受発注管理システムを選定し、社内受発注の効率化と生産性の向上を目指しましょう。

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