データセンターとは?メリットなどを初心者にもわかりやすく解説

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  • データセンターとは、サーバを安全に保管するための施設・建物である
  • データセンターの導入で、自社にサーバを設置するより低コストでデータの保護ができる
  • データセンター導入の際は、データセンターの立地や空きスペースがあるか確認

データセンターとは、サーバを安全に保管するための施設・建物です。災害・セキュリティ対策を厳重に行っているため、自社にサーバを設置するよりも魅力的な点が多いでしょう。本記事では、データセンターのサービス内容やメリット・デメリット、選び方を解説しています。

目次

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  1. データセンターとは
  2. データセンターが提供する主なサービス・機能
  3. データセンターのメリット
  4. データセンターのデメリット
  5. データセンターの選び方
  6. まとめ

データセンターとは

データセンターとは、IT機器を安全に保管・運用する施設のことで、簡単にたとえるとレンタル倉庫のようなものです。災害やセキュリティに関する対策も充分に行われ、自社に機器を設置するより利点が多く、最近、注目されています。

企業におけるITの利用は日々拡大し、業務を効率的に処理するツールとして広く使われています。さらに、最近では業務処理に加えて企業戦略立案などの面での活用も注目されており、ITへのニーズは増々多様化しています。

IT処理の中核となるサーバなどの機器は、自社内に設置・運用している企業が多いのが現状でした。一方、自然災害などに対するBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の観点から、外部のデータセンターに機器を設置し、管理・運用する企業が増えています。

データセンターの誘致により、雇用創出や地域産業の発展などが見込め、多方面からの期待や注目が集まっています。

データセンターとクラウドの違い

データセンターは、サーバなどのハードウェア機器をセンター内に物理的に設置し、運用する施設です。また、電源やインターネット接続などを提供するとともに、それらの機器が安定して稼動するための空調などの設備や災害などへの充分な対策が講じられています。

また、業界の中でもデータセンターとよく比較されるのがクラウドです。データセンターが物理的な場所を提供することに対して、クラウドでは、インターネット経由で仮想的に利用環境を提供します。そのため、ユーザー側でサーバなどの機器を用意する必要がありません。

なお、クラウドサービスの多くは、サーバなどの機器をデータセンターに用意し、保管されているケースが多いので、クラウドサービスも間接的にデータセンターを利用していることになります。

データセンターの種類

データセンターのサービスには、主に、自社が用意したサーバーをデータセンターに置く「ハウジング」と、センター側のサーバーを借りる「ホスティング」の2つの種類がありま

す。ここからは、それぞれのサービス内容を少し掘り下げて解説します。

ハウジング

「ハウジング」とは、自社で用意したサーバーをデータセンター内にある、収納するラックや機器の設置場所を借りるサービスです。自社内のサーバの占拠場所を空けたい場合や強固なセキュリティが確保された設備を利用したい場合などによく利用されます。

メリットとしては、自社内のサーバルームを縮小または撤去でき、運用中のサーバを引き継いで使用できる点です。また、サーバの機種やストレージ容量・CPUなどを自由に決められます。複数サーバの連動や、インターネット回線も自由に引き込めます。

デメリットとしては、サーバ構築や運用保守の知識・経験のある人材の確保が必要な点です。また、障害対応などの保守管理・運用は基本的に自社の責任となります。サーバ設置や回線敷設など、導入時に手間や時間がかかり初期・月額費用が割高になります。

ホスティング

「ホスティング」とは、サービスベンダーがセンター内で運用するサーバを、インターネット経由で利用するサービスです。契約時に利用するサーバ種別やストレージ容量・セキュリティレベルなどを決め、専用の管理コンソールなどを通じて遠隔で運用します。

メリットとしては、初期費用や月額費用がハウジングと比べて安価となる点です。また、メールサーバやWebサーバの運用を手軽に始められます。セキュリティ対策サービスも利用でき、障害対応やリプレースなどの保守・運用管理が不要となる点も挙げられます。

デメリットとしては、サーバの構成や仕様・インターネット回線速度などが限定される点です。共用サーバの場合には、他のユーザーの処理で影響を受け応答時間が不安定になりやすいです。また、障害発生時に自社では対応できず、復旧を待つことになります。

データセンターが提供する主なサービス・機能

データセンターが提供するサービスにはいくつかの種類があります。ここからは、主なサービスの種類・内容の詳細に関して解説します。

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サービス主な内容
場所の提供サーバやネットワーク機器を設置する場所を提供する
電源の提供電源や電力を常時供給する
インターネット接続インターネット網に接続するための通信回線を提供する
空調管理常時温度や湿度を監視し、空調設備を正常稼働させる
セキュリティ対策物理的・情報的なセキュリティの対処を実施する
災害対策地震や火災・停電などの災害への対策を実施する
その他休憩スペースの提供やスタッフの常駐など

場所の提供

データセンターでは、サーバーなどのIT機器を設置するラックや設置スペースを装備し、提供します。また、IT機器の設置場所に加えて、IT機器を導入する際の組み立てスペースや修理するための場所の確保、さらに、休憩スペースなどの提供もサービスの一環となります。

電源の提供

サーバなどのIT機器を稼働させるためには電源が必要となります。データセンターでは、常時電源を用意して電力の供給を行います。また、停電などが発生した場合などには、その影響を受けて電力の供給が停止して、センター全体の業務処理に支障が起きてしまいます。

このような状況に対処するために、データセンター側では、一般的に自家発電や大容量蓄電池を利用したUPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)などの装備が設置され待機しており、常に停電などへ対処して、電力の常時供給を実現しています。

インターネット接続

データセンターでは、サーバーや通信機器をインターネット網に接続するための通信回線を提供します。一般的に、いくつかの帯域や通信速度に対処している、高品質で大容量の通信回線が提供されることが多いです。

空調管理

IT機器は、それ自体で熱を発生させます。データセンターのように、IT機器が大量に集結・設置されるようなケースでは、全体で大量の熱が発生することになるため、機器を安定して稼働させるためには、設置場所の温度や湿度の空調管理が大変重要になります。

データセンター側では、設置された多くのIT機器に障害が発生せずに、正常に稼働して機能し続けられるように、充分な空調設備を装備して、常に温度や湿度を監視し、空調設備を管理して、正常に稼働するように運用されています。

セキュリティ対策

物理的セキュリティ対策として、施設周辺に設置されたカメラや警備員により24時間体制で管理しています。また、ドアを通過する際には、鍵やIDカード、セキュリティデバイス・指紋や目の虹彩などの生体認証システムで確認して厳重に管理しています。

来訪者の場合は、施設内に到着時と退出時にログに記録され、来訪者であることを表示する名札の装着が義務付けられます。さらに、センター内の機器へのアクセスが制限され、アクセスする場所によっては、センター要員がエスコートするケースもあります。

また、センターでは一般的なマルウェアやネット上からの仮想攻撃を防ぐために、厳格な監視や監査ルールを設定し遵守しています。さらに、センターではインフラにアプリを導入・配備する前には、徹底的に侵入テストを行い、脆弱性がないかコードをチェックします。

災害対策

データセンターでは、想定される地震・火災・停電・浸水などへの災害対策も大変重要です。地震に対しては、センターの多くは免震構造になっているので倒壊しにくく、施設内のサーバの保管ラックなども地震の揺れに強く倒れないような対策が講じられています。

また、センター内の火災に対しては、水による消火で火は消せますが、設置されているIT機器などが水による2次被害を受けてしまいます。そのため、二酸化炭素やフロンガスによる消火を行い、最近では人体への影響が少ない窒素の利用も始まっています。

停電に対しては、自家発電装置やUPS(無停電電源装置)などが設置されています。また、浸水対策では建物の構造もポイントとなり、大雨や津波の被害が起きにくい立地に建設されていることも、災害対策として非常に重要です。

その他

データセンターでは、万が一の障害対策や緊急時対処のために、24時間センタースタッフが常駐していて対応してくれる点が心強いです。また、施設内で働く人が快適に作業できるように休憩スペースの提供や自動販売機の設置なども、センターの機能として大事です。

データセンターのメリット

ここからは、データセンターを利用する際のメリットとして、自社サーバールームを設置し利用する場合や、クラウドサービスを利用する場合と比較し、2つに分けて解説します。

自社サーバールームと比較したデータセンターのメリット

最初に、自社サーバールームを利用した場合と比較したデータセンターのメリットを解説します。

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IT機器の運用に適した環境

近年のサーバーの処理能力の増強や小型化により、1ラックに設置されたサーバー機器に必要な電力は増加の一途を辿っています。データセンターを利用する場合には、大容量の電源が確保・供給されるので、余裕を持った構成が組めます。

また、停電時に備えた非常用電源装置やUPSなども装備されている点も安心です。さらに、データセンターでは、サーバー内部の温度上昇を抑えて一定に保持するために、独自設計の空調設備により効率的で効果的な排熱処理なども行われています。

データセンターの中には、サーバーの電源のオン・オフや稼働状況などをチェックして、故障などへの対応を代行する「マネージド・サービス」を提供しているところもあります。

災害からデータを守れる

データセンターの建物の多くは、大規模な地震が発生した場合に備えて、耐震構造や免震構造で設計・建設されています。そのため、施設内に設置されているIT機器の落下・倒壊などの被害を最小限に抑えられる対策が講じられています。

また、火災発生時に備えて、データセンターの内装には不燃素材が多く使われ、施設内のIT機器を守るために水による消火ではなく、二酸化炭素などのガスの利用や人体への影響が少ない窒素による化学消火が行われています。

データセンターでは、想定される多くの災害に備えて種々の対策が立てられ、IT機器などが守られるので、被害を最少に抑えて早期に事業復旧ができます。そのためBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)策定の観点からも、注目され利用されています。

強固なセキュリティ対策が可能

データセンターでは、その性格上、非常に強固なセキュリティ対策が立てられています。住所や詳細な位置の公表を極力抑える。また、建物の外部にデータセンターであることを示す表示をしないなどの対策が講じられています。

入館・退館時にICカードや生体認証に加えて、「共連れ」などによる不正侵入を防ぐために、駅の改札などでも採用されているフラッパーゲートの設置によるセキュリティ対策を実施し、不法侵入を許さない体制を構築しているデータセンターもあります。

また、データセンターでは、内部で運用しているデータの定期的なバックアップ作成なども行われており、万一の障害に対しても、データを速急に復元し運用が停滞しない対策も実施されています。

コスト・手間を抑えられる

自社内にIT機器を設置する場合には、専用のルームを用意する必要があり、温度や湿度調整をする空調設備や停電用の自家発電装置なども必要となり、多額のコストがかかります。

データセンターを利用することにより、自社で発生するコストを削減できます。

また、社内のIT機器設置ルームが不要となり、新規の社内スペースができ、別の用途への転用が可能となります。さらに、データセンターの「ホスティングサービス」や「マネージドサービス」を利用することにより、サーバーの運用・管理コストも低減できます。

さらに、データセンターを利用することにより、災害などのトラブル発生時にも、施設内に設置されているIT機器などの被害を最小限に抑えることができ、業務を続行することが可能となります。

社内スペースを有効的に使える

社内にIT機器を設置する必要がないため、限られたオフィススペースを有効的に活用できます。IT機器がなくなるだけでも、新しい機材の導入や休憩スペースの確保など、快適なオフィス作りが可能です。

故障対応の代行

データセンターには、専門の管理スタッフが常駐しており、24時間365日体制でセンターに設置されているIT機器を監視・管理しています。万一、深夜にトラブルが発生したケースでも、まずデータセンターの管理スタッフが対応するため運用面での安全性が促進されます。

クラウドサービスと比較したデータセンターのメリット

ここからは、クラウドサービスと比較した場合のデータセンターの4つのメリットを解説します。

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IT機器やネットワークを自社に合わせられる

クラウドサービスは、基本的にサービス提供者側が用意したハードウェアやソフトウェア環境をそのまま利用します。そのため自社にとって、その使用環境が必ずしも適切な性能を備えているとは限りません。

それに比べて、データセンターを利用することで、自社に最適なIT機器やソフトウェア・ネットワークを選定することができます。また、自社の使用に合わせて市場にリリースされている革新的な新規サーバーやソフトの導入・更新が可能となります。

専用回線で高速通信の維持が可能

クラウドサービスでは、一般回線を利用するので不特定多数のユーザーにより、大量に発生したデータやトラフィックの処理を行うことになります。そのため、応答時間が遅くなるなど、処理効率に影響が出ることがあります。

一方、データセンター利用の場合は、自社の業務のデータやトラフィック量に対応した大容量の高速通信が可能な専用回線を選択して採用することができるので、業務を円滑に処理できます。

障害などへの迅速な対応が可能

クラウドサービス側で障害が発生した際には、多くのケースで復旧するまで待たされることになります。一方、データセンター利用の場合は、自社の要員がすぐに駆けつけて、早急に復旧作業を行うことができます

さらに、データセンターが用意する「ホスティングサービス」を利用することにより、センターのスタッフに直接復旧作業を依頼することもできます。また、本社から遠く離れた場所のデータセンターを選んで契約し、バックアップ機器を設置して危険分散対応ができます。

地震や水害といった広域自然災害が発生した場合でも、データセンターのバックアップ機能を利用して、自社のBCP(事業継続計画)の一環として有効に活用できます。

クラウドでは保管できないデータも管理可能

クラウドサービスは、ネット上で不特定多数の利用を前提としたシステムのため、自社の機密性の高い企業情報や顧客・個人情報などのセキュリティ管理の面において、必ずしも安全性が高いとはいえず、情報漏えいなどのリスクが発生する危険性があります。

このようなクラウドサービスにおけるセキュリティの状況は、自社の機密情報を保存したり管理する場合に、企業のコンプライアンスと必ずしも合致しないことにもなります。そのため、クラウド上でのデータの保存・管理は、事前に充分なチェックが必要となります。

一方、データセンターを利用する際には、自社内におけるオンプレミスサーバーと同様に、閉鎖的なセキュリティレベルを保持することができ、情報漏洩などのリスクも少なくなり、コンプライアンス遵守の方針とも離反しないことになります。

データセンターのデメリット

ここからは、データセンターを利用する際に知っておくべき注意するポイントなど、2つのデメリットについて解説します。

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レンタルサーバーに比べてコストがかかる

データセンターを利用する際には、当然利用料金が発生します。一般的なレンタルサーバーと比較して、施設料や管理料などが含まれるので高額になりがちです。また、設置するサーバー数やデータ量に応じて利用料金は高くなります。

さらに、センターに設置した機器を使うためには、自社とセンターを接続する必要があり、この場合も回線料が発生します。また、データセンターでは最低利用期間などが設定されているため、設置機器数や利用期間など総合的な観点で利用の判断をすることが重要です。

自社内にIT機器を設置して使用する場合でも、人件費や保守・運用費用などのコストが発生するため、自社とデータセンター双方の管理コストを比較して検討する事が必要です。設置機器が少ない場合は、自社内に設置・管理した方が安く済む可能性もあります。

データセンターまで出向かなければならない

データセンターに設置した機器にトラブルが発生した時や、サーバーの増設・ケーブルの敷設などの際には、センターに出向く必要があります。この時に、センターが自社から遠方にある場合には、行くための大幅なコストや移動時間がかかってしまいます。

海外のデータセンターの方が安価なケースが多いですが、日本に拠点を置いている企業は実際に出向くことを考慮してデータセンターを選びましょう。

また、データセンターへの出入りはチェックが厳しいという特殊性があります。IT機器を守るセキュリティのための厳重管理ですが、利用する側からすると不便な点ともいえます。

データセンターの選び方

ここからは、データセンターを選ぶ際の考慮すべき立地条件や災害対策・利用料金・セキュリティなどの7つのポイントについて解説します。

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データセンターの立地を確認

データセンターを利用する際には、日常的な機器の管理などを委託できたとしても、定期的に自社のスタッフが運用・管理面で出向く必要があります。この場合に、センターが遠方だとコストや移動時間がかかってしまいます。

ただし、利便性だけを考慮しすぎても、BCP(事業継続計画)の観点からは災害時に危険分散が充分できず、効果的ではありません。データセンターの多くは、関東や関西の都市部周辺に建設されている傾向があります。

そのため、東京の場合は関東周辺から、大阪の場合は関西周辺から、自社との距離を勘案して選ぶことがおすすめです。交通機関を利用して2時間以内でアクセス可能なデータセンターを選択することが一つの目安となります。

災害対策を確認

データセンターの選び方として、災害に対して具体的にどのような対策を取っているかが大きなチェックポイントです。地震対策として、建物自体が耐震や免震構造となっているか、また内部のサーバーラックなども、揺れて倒れない対策が取られているかが大事です。

火災に対しては、IT機器は水に弱いので、水による消火ではなく、二酸化炭素やフロンガスなどの消火に強い化学物質を使った消火方法かどうかがポイントです。また、建物の内装に火災で有毒ガスを発生しない素材を使っているかも要チェックです。

停電に対しては、自家発電装置やUPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)などが装備され電力の常時供給への対策が重要です。災害規模によっては、完全な回避策はとれませんが、データセンターの災害対策への取り組みや姿勢がポイントになります。

利用料金を確認

データセンターの利用に際しては、利用料金も大きなチェックポイントになります。まず初期費用としては、サーバー機器の購入費用やネットワーク機器のレンタル料などがあります。またセンターによってはラックの確保も初期費用として必要になります。

次に月額料金としては、月毎の基本料金や電力使用料金、ラック/ユニットのサイズ別使用料金などが挙げられます。その他に、回線利用料金が加算されますので、事前に必要とされる費用の確認がポイントになります。

セキュリティ対策を確認

データセンターにおける物理的なセキュリティ対策の確認も重要です。多くのセンターでは、施設内・外にカメラが設置され監視員が常駐しています特に入口では、監視員やカメラにより厳重にチェックされ、来訪者は、到着・退出時にログに記録されます。

施設内部に入るためには、物理的なキーやIDカード、また指紋や目の虹彩による生体認証システムなどでチェックされます。敷地内では人物を特定するネームタグの表示が義務付けられ、アクセスする場所によっては、センタースタッフが同行するケースもあります。

また、ネットワークを介して行われるマルウェアやサイバー攻撃に対する情報系のセキュリティ対策も重要です。センターのインフラにアプリを導入する前に、徹底的に侵入テストを行い、脆弱性がないかコード確認を行っているかなどもチェックポイントになります。

ラックやスペースに空きがあるか確認

データセンターを選ぶ際には、どの位の物理的な空きスペースやラックの個数があるかの確認もポイントになります。一般的に企業では、新規業務をシステム化し、新しくサーバーをデータセンターに追加導入・設置する場合が定常的に発生します。

この時に、現在利用しているデータセンターに新規サーバー導入の空きスペースがなければ、ほかのデータセンターを探して利用することになります。その結果、一つの会社で複数のセンターを利用することになり、運用が複雑になり無駄なコストも発生してしまいます。

このような場合に、現在利用しているデータセンターに空きスペースやラックに余裕があれば、サーバーの新規導入も可能となり、一つのデータセンターに業務が集約でき、運用も円滑に行われます。

回線の種類や通信速度を確認

データセンターによって利用できる回線やネットワークの種類が異なるため、どのような速度の回線やネットワークを採用しているかも選ぶ際のポイントになります。

自社のシステムが稼働する際に求められる高速で低遅延なネットワークが提供されており、利用可能かどうかの確認が必要です。また、大規模ネットワークを効率的に処理する「国内インターネットエクスチェンジ(IX)」に接続している点も選定ポイントになります。

また、データセンターは不特定多数のユーザーが利用するため、大規模な回線設備や通信速度が充分あり、アクセスが集中した際などにも安定した通信処理速度・処理効率が提供されるかどうかも、チェックポイントになります。

実績を確認

データセンターを決める際は、実績も確認しましょう。データセンター自体は今後もなくなることはないといわれています。しかし、契約するデータセンターが将来的に閉鎖するリスクはあります。

未来のことは誰にも予言できませんが、少しでもリスクを減らすために大手企業が利用しているかなどの実績を確認し、信頼できるか見極めましょう。

まとめ

データセンターには、IT機器を設置するスペースや高速回線・空調・大容量電源などの設備が整備されています。また多くは耐震・免震構造となっており、火災に対しても化学物質による消火が行われ、さらに強化されたセキュリティも利用する際のメリットになります。

一方、利用料や回線料などのコストの面が高額になる傾向があり、トラブル発生時や機器の増設などの際には、センターに出向く必要がある点などがデメリットと考えられています。

最近では、自然災害の発生時などに、企業のBCP・事業継続計画を立てる際の有効な手段としてデータセンターが注目されています。今後、センターを選定する際には、本記事を参考にされて、最適な業務処理の効率化や推進を図ってください。

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