リモートアクセスとは?メリット・デメリットなどをわかりやすく解説

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  • リモートアクセスとは、遠隔地から社内ネットワークにアクセスし、遠隔操作ができるシステムである
  • リモートアクセスの導入で、テレワークの推進や業務効率化・コスト削減に繋がる
  • リモートアクセス導入の際は、接続先やセキュリティ対策が万全か確認して検討する

リモートアクセスとは、遠隔地にある社外の端末から社内に設置しているPCや社内ネットワークにアクセスし、遠隔操作ができるシステムです。本記事では、リモートアクセスの種類や仕組み・機能、メリット・デメリットなどを解説しています。

目次

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  1. リモートアクセスとは
  2. リモートアクセスの代表的な種類とその仕組み・機能
  3. リモートアクセス導入のメリット
  4. リモートアクセス導入のデメリット
  5. リモートアクセスサービス・ツールの比較ポイント
  6. まとめ

リモートアクセスとは

リモートアクセスとは、自宅や外出先などの社外で使用しているデバイスから、社内システムへのアクセスや遠隔操作をすることです。

新型感染症や働き方改革によりリモートワークが浸透し、従業員が社外からも作業できるような環境の整備が必要となったことが、リモートアクセスの普及に大きく影響しています。社外から操作が可能になることで、緊急の作業や確認を速やかに行うことができます。

場所を選ばず、柔軟に業務に対応できるのはリモートアクセスの大きなメリットです。リモートアクセスを上手く活用できれば、多様な働き方の実現が可能になるでしょう。

リモートアクセスとリモートデスクトップの違い

リモートアクセスとリモートデスクトップでは、遠隔操作による処理を行うのがデバイスか社内PCかという点で違いがあります。リモートアクセスは操作している端末で処理しますが、リモートデスクトップでは操作されるPCなど社内で処理されます。

リモートで作業した場合は何らかの作業履歴が残りますが、リモートデスクトップでは社内に履歴が保存されます。社外に情報を残すことがないため、情報漏洩のリスクを減らすことが可能です。

リモートアクセスでスマホからも操作ができる

リモートアクセスはPCに限定したものではなく、リモートアクセスが可能な専用のアプリを使用すれば、タブレットやスマホなどからも遠隔アクセスが可能です。例えば「Chrome リモート デスクトップ」などが挙げられます。

使用しているデバイスのOSに対応していたり、作業効率にも影響するアプリの操作性だったり、セキュリティ面での安心感など、さまざまな要素を考慮してアプリを選択する必要があるでしょう。

リモートアクセスの代表的な種類とその仕組み・機能

リモートアクセスは、種類に応じて仕組みや特徴が異なります。ここでは、代表的なリモートアクセスの種類や仕組み・機能をご紹介します。

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VPN

VPNは仮想プライベートネットワークのことで、インターネット回線に特定の人だけが利用できるトンネルのような回線を構築し、デバイスとネットワークを繋ぐ接続方法です。一般の回線と分離することで、安全性の高い作業が可能になります。

VPNで構築された回線の中では、暗号化やカプセル化、認証などの仕組みにより、第三者が情報を得られないように対策されています。仮に侵入されても、情報漏洩やウイルス感染などの被害を受けにくくなるでしょう。

VPN環境を構築するには、リモートアクセスサーバー(RAS)と呼ばれる仮想ネットワークサーバーの利用が必要です。ネットワークに使用端末から直接アクセスするのではなく、リモートアクセスサーバーを経由して接続し、ユーザー認証やログの監視を行います。

仕組み

VPNを利用するには、社内オフィスに専用ルーターを設置し、公衆回線を通じて専用の回線を作ります。その際に行われるのがトンネリングで、トンネリングによって暗号化やカプセル化などのセキュリティ対策が行われます。

距離を問わずスピーディー且つ安全に作業ができるため、社内業務の再現性が高くなるメリットがあります。一方で、多くの機能が搭載されたVPNは相応の値段になるため、導入にあたってコストがかかるというデメリットがあります。

VDI(仮想デスクトップ)

VDIとは、サーバー上に複数のファイルやアプリケーションなどのデスクトップ機能を集約し、1つのPCで複数のデスクトップを表示・切り替えができるシステムです。

インターネット環境があれば、場所や使用するデバイスを問わず自分のデスクトップにアクセスできるため、リモートでも社内と変わらないPC作業が可能になります。

仕組み

VDIは、1つのデスクトップを利用しながら複数のデスクトップへ切り替えられるため、管理者が簡単に一括管理できます。データを集めるために異なるシステムへのアクセスが不要になるため、作業を簡略化できるというメリットがあります。

一方で、回線速度が低いと逆に作業効率が悪くなるため、選ぶ際には注意が必要です。また、導入にはコストもかかるため、自社のニーズも満たす機能と予算を確認しておくことが大切です。

リモートデスクトップ

リモートデスクトップはPC遠隔操作型とも呼ばれ、インターネットを経由して手元のデバイスから社内のPCを遠隔操作するアクセス方法です。社内と同じPC環境で作業するため、社外にいながら会社で仕事をしているような感覚で作業できます。

仕組み

社内のデスクトップやキーボード、マウスなどの情報を社外に転送し、社外で同じ環境を作って作業できるようにします。

社内のデスクトップを利用することで、操作履歴やデータが残るのは社内のみです。そのため、情報漏洩のリスクが減るというメリットがあります。また、リモートアクセスの導入にあたってリモートデスクトップは最もコストを抑えることができます。

ただ、情報漏洩のリスクを減らすためには、社内の通信環境のセキュリティ対策が必要です。

セキュアブラウザ

セキュアブラウザとは、一般的なWebサイトに比べて強固なセキュリティ対策がされているブラウザです。例えば、閲覧したことを履歴に残さないことや、ダウンロード制限やアップロード制限までかけることができるため、不正利用を防止できる特徴があります。

一般的なWebブラウザとの操作方法は変わりませんが、サイバー攻撃の被害に遭うリスクを減らすという点で優れています。

仕組み

セキュアブラウザは、PC上に安全な領域を作り、その中でデータやドキュメントを表示します。管理者は利用できるアプリケーションや動作を制限できるため、従業員が不正に使用することなくデータ管理が容易になるメリットがあります。

ただ、セキュアブラウザとしてWebサイトやアプリケーションを保護できるのは、セキュアブラウザ内で表示できるもののみです。そのためブラウザ上で動作するアプリケーションが限られ、業務の再現性が低くなるデメリットがあります。

API接続

API接続とは、異なる2つ以上のプログラムやアプリケーションを連携させ、一部を共有することができます。例えば、決済代行サービスやSNSのログインを通して会員登録ができるシステムは、APIの連携によるものです。

リモートアクセスとして利用する場合は、社内外から直接アプリケーションを使用可能にする接続方法です。

仕組み

API接続は利用者がリクエストし、提供者がレスポンスすることでアプリケーションやプログラム同士が接続される仕組みです。導入が比較的容易なため、運用まで手間がかかりません。

また、クラウドサーバーにアクセスするため、通信回線の影響を受けず、業務が滞ることが少ないというメリットがあります。しかし、対応しているクラウドサービスしか利用できないため、作業の幅が限定的になるというデメリットもあります。

リモートアクセス導入のメリット

リモートアクセスは場所にとらわれない作業を実現することで、様々なメリットが得られます。ここではリモートアクセス導入のメリットを詳しく解説します。

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業務の効率化

リモートアクセスは場所にとらわれない作業ができるため、業務を効率化できるメリットがあります。従業員がオフィスに立ち寄って作業する必要性がなくなるためです。

例えば、出張後にオフィスでやらなければいけない業務が、リモートアクセスで作業できることによってオフィスに立ち寄る必要がなくなります。移動時間を削減できるため従業員の負担は減り、作業に集中できる時間が増えます。

業務に当てる時間が多くなるため、生産性の向上も期待できます。

コスト削減

リモートアクセスは、アプリケーションを減らすことによるコストの削減にもつながります。使用する全てのPCに必要なアプリケーションをインストールするには、費用が掛かります。

リモートアクセスによって、必要なアプリケーションがインストールされているPCに接続できれば、複数のPCにインストールする必要性はなくなるため、コスト削減が可能です。

また、出社に必要な従業員の交通費や、業務効率が上がることで残業が不要となるなど、人件費削減にもつながります。

テレワークを推進できる

リモートワークの導入は、出社せずに作業できることから、テレワークを推進できるメリットがあります。新型感染症の影響で一気に普及したテレワークですが、無理に出社する必要がないため、従業員にとって自由度の高い働き方が可能になります。

例えば、子育てや介護をしなければならない従業員も、テレワークができることによって仕事との両立がしやすくなります。働き方の多様化を実現し、従業員のワーク・ライフ・バランスを重視した働き方を推進できます。

情報漏洩の防止

リモートアクセスでは、アクセスできる範囲を制限できるため、情報漏洩を防止できるメリットがあります。例えば、業務に必要なデータ以外はアクセスできないようにして、従業員が社内のデータを持ち出すことを防げます。

リモート作業で使う端末を紛失した際にデータを削除する機能や、ダウンロードやデータの保存が制限できる機能のあるツールを利用すれば、さらに強固なセキュリティ対策につながるでしょう。

BCP対策ができる

リモートアクセスの導入は、予期せぬ非常事態においても企業が存続していくためのBCP対策が可能になるメリットがあります。災害が起きて組織が危機的状況になった際、被害を抑えて少しでも早く事業復旧が必要になります。

リモートアクセスが浸透していれば、テレワークによる従業員の安全性の確保や業務が継続可能な状態にできるため、事業を途切れさせることなく早期の復旧につなげることができるでしょう。

リモートアクセス導入のデメリット

リモートアクセスは、離れて作業するだけにデメリットも存在します。ここでは、リモートアクセスのデメリットを解説します。

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リモートアクセス導入のデメリット

  1. ネットワーク環境に左右される
  2. セキュリティリスクがある

ネットワーク環境に左右される

リモートアクセスにとって接続状態は重要で、ネットワーク環境によって作業性が左右されるというデメリットがあります。そもそも接続状態が悪いと、アプリケーションが上手く作動しなくなり、作業が滞ることになります。

例えば、ページの読み込みが遅かったり、提出時にエラーが起こったりするなどが挙げられるでしょう。当然作業にかかる時間が増え、従業員のモチベーションが低下して生産性への悪影響をもたらします。

リモートアクセスを導入するとそれだけ通信量も多くなるため、ネットワーク環境が安定するサービスの選定が必要です。また、自社の現在の通信環境を事前に確認しておくことが必要です。

セキュリティリスクがある

リモートアクセスは社外でデバイスを利用して作業するため、不正アクセスやウイルス感染のリスクがあります。セキュリティ対策をしておかないと、情報漏洩やデータの悪用につながることもあるでしょう。

安全に利用するには、セキュリティ対策が充実したサービスを選ぶことが大切です。また、パスワードの定期的な変更や、数字や記号を含めたパスワードにするなど、リモートアクセスのユーザー側の運用ルールを決めて置くことも効果的でしょう。

リモートアクセスサービス・ツールの比較ポイント

リモートアクセスサービスやツールは、自社にマッチしたものを選ぶことによってより大きな効果を得ることが可能になります。ここでは、リモートアクセスサービスやツールの比較ポイントを解説します。

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利用目的を明確にする

リモートアクセスサービスの導入を検討する際は、利用目的を明確にすることが必要です。目的により使用する機能やアクセス方法が変わるため、自社のニーズに合ったサービスを絞ることができます。

例えば、テレワークを浸透させたいという場合には、安定性が高くて社内の作業の再現性が高いものが適切です。

実際に導入して、機能を使いこなせないと、無駄にコストをかけることになります。自社の課題を洗い出し、リモートアクセスを通して何を実現したいかを明確にして、製品を選びましょう。

接続先を確認

リモートアクセスツールには、サーバアクセス型とクライアントアクセス型があり、利用用途によって適切な接続先が変わります。それぞれの特徴を解説します。

サーバアクセス型

サーバアクセス型は、社外のデバイスから社内に設置しているサーバに直接アクセスするタイプの接続方法です。サーバそのものにアクセスするため、サーバ上にあるデータを保存できます。

サーバアクセス型で安全性を高めるには、ファイルのダウンロード制限などの情報漏洩対策が必要です。

クライアントアクセス型

クライアントアクセス型は、アクセスを許可された端末が社内のPCデスクトップを遠隔操作する接続方法です。社内のPCに電源が入っていれば、社外でも社内と同じ状態で使用できます。

社外の端末には履歴が残らないため、情報漏洩のリスクを低減できます。導入は比較的容易ですが、社内のPCに不具合が発生した際は作業に支障が出ることもあります。

料金体系を確認

リモートアクセスサービスは、自社のリモートアクセスの使用規模や、予算に合った料金体系の確認が必要です。決まった額を払えば使い放題になる定額制や、通信量に応じた従量課金制など、サービスによって料金体系が異なります。

例えば、利用するのが少人数だったり、利用する日が少なかったりなど、使用規模が小さい場合は、利用料に応じて課金される従量課金制がおすすめです。テレワークが浸透して利用人数が多い場合は、定額制がコストパフォーマンスも上がるでしょう。

コストの無駄にならないよう、自社の規模や運用方針を決めたうえで料金体系を選びましょう。

利用端末・OSと合っているか

リモートアクセスサービスが、自社で使用しているPCや従業員の業務用端末・OSに合っているか確認することが必要です。対応していない場合、導入したとしても作業ができなかったり、画面が正しく反映されないということになります。

また、作業できたとしても、スムーズに操作ができなければ、従業員の不満につながります。どのようなサービスが利用端末に合っているか診断できるツールなどを利用し、導入にミスのないようにしましょう。

セキュリティ対策は万全か

通信回線を利用し社外で作業するリモートアクセスにおいて、セキュリティ対策は必要不可欠です。不正アクセスや情報漏洩などによる被害に備えたサービスを利用する必要があります。

情報漏洩は社内外に被害をもたらし、会社の信頼度が低下することにつながるため、セキュリティ対策は万全に行うことが大切です。ここでは、具体的にどのようなセキュリティ対策がおすすめなのかを紹介します。

IPアドレスの制限やログイン試行回数の制限

リモートアクセスできるIPアドレスを制限することで、許可されていない端末からのアクセスを防ぐことができます。また、パスワードのみの設定では総当たり攻撃などでセキュリティの壁を突破されてしまうおそれがあるため、ログイン試行回数の制限も有効です。

さらに、保存できるデータを制限できる機能があれば、社員がデータを持ち出すリスクを低減できます。

多要素認証の導入

リモートアクセスにおけるセキュリティ面の強化には、2段階認証などの多要素認証の導入もおすすめです。多要素認証とは、通常のIDやパスワードなどの認証要素に加えて、生体認証やアプリ認証、ワンタイムパスワードの入力など、異なる認証要素が増えることです。

これらの認証要素が増えることで、万が一IDやパスワードが流出してしまっても、不正アクセスや情報漏洩を防ぐことができます。複雑なパスワードを設定していてもハッキングされてしまう可能性はあるため、ぜひ取り入れたいセキュリティ対策の1つです。

まとめ

リモートアクセスは、社外でも社内と同じ作業ができるため、テレワークなどの多様な働き方の実現が可能です。従業員の出社が不要になることで、人件費の削減や災害時の対策の柔軟さにもつなげることができます。

一方で、通信が不安定な環境では作業効率が悪くなったり、セキュリティ対策を十分に行わないと情報漏洩やウイルス感染のリスクにさらされたりというデメリットもあります。

この記事を参考に会社に合ったサービスを選び、安心且つ安定したリモートアクセスを導入し、組織の生産性を向上させましょう。

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