連結会計とは?対象企業や連結会計の手順などをわかりやすく解説
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- 連結会計とは、複数企業を一つのグループ企業にまとめ、状況を報告するための決算方法
- 連結会計を行うことで、銀行の融資を受けやすくなるが、担当者の負担がかかりやすい
- 連結会計を行う負担を軽減するなら、連結会計システムの導入がおすすめである
連結会計とは、親会社と子会社・関連会社を一つのグループ企業としてまとめて、経営状況や財務状況を報告するための決算方法を言います。本記事では、連結会計のことをよく知らない方のために、連結会計を行う手順やメリット・デメリット、効率的に行う方法などを解説しています。
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連結決算業務を簡略化するなら連結決算システムがおすすめ
連結決算システム「iCAS」では、企業会計基準・実務指針に則った連結処理を簡単に行うことができます。クラウド型のツールであることから、子会社への新しいソフトウェアのインストール作業は必要ありません。
また、企業におけるグループ内の決算データをリアルタイムで確認できる機能も充実しており、属人化などの解消にもつながります。
したがって、従来までのExcel(エクセル)による連結処理で、業務が煩雑化しているなどの課題を抱えている場合には、連結決算業務を簡略化できる連結決算システム「iCAS」の導入がおすすめです。
株式会社インプレス
連結決算システム iCAS
クラウド上で企業会計基準・実務指針に準拠した連結処理を行うなら、Excelのインターフェースを利用して作業できる、連結決算システム「iCAS」の導入がおすすめです。
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連結会計とは
連結会計とは、親会社と子会社や関連会社などを単一の組織体とみなして、まとめて決算を行うことを指します。
通常の決算では、親会社と子会社の決算は別々に作成されます。しかし、連結会計では、親会社と子会社の決算を合算して、1つの決算書を作成することになります。
連結会計を行うことにより、企業グループ全体の財政状態や経営成績を把握しやすくなり、グループ全体の経営判断の精度が向上します。また、投資家や株主など外部からの信頼を得やすくなるというメリットもあります。
この記事では、連結会計の手順、メリットとデメリット、効率的な実施方法などについて、わかりやすく説明します。
連結会計を行う目的
連結会計の主な目的は、企業グループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することです。また、利益操作を防止することも重要な目的の1つです。
通常、連結会計は親会社と子会社などのグループ会社が経済的に関連している場合に行われます。これは、グループ会社間での取引や資金の流れが存在することで、単独の決算ではグループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することが困難になるためです。
連結会計では、グループ会社間の取引や資金の流れを調整することで、グループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することができます。また、利益操作を防止し、投資家や株主など外部からの信頼を得ることにつながります。
連結会計の対象企業
連結会計の対象企業は、原則として親会社が支配権を有する子会社です。支配権とは、会社に対して行使できる権限のことであり、以下の条件を満たす企業は子会社や関連会社と位置付けられます。
- 議決権の50%以上を保有していること
- 議決権の40%以上50%以下を保有し、かつ一定の要件を満たす
- 議決権の40%未満を保有し、一定の要件を満たす
ここからは、上記の3つの条件について解説します。
議決権を50%以上所有
通常、連結会計の対象となる子会社は、親会社が議決権の50%以上を保有している会社です。議決権の過半数を保有することで、親会社は子会社の経営権を掌握し、子会社の財務状況や経営成績を連結財務諸表に反映させることができます。
議決権の40%以上50%以下かつ一定の要件を満たす
議決権の40%以上50%以下を保有しているのみの企業は、原則として連結会計の対象外となります。ただし、親会社が重要な決定に影響するなど、子会社の重要な財務および営業方針に影響を与える契約や関係を持っている場合は、連結会計の対象となります。
具体的には、親会社が子会社の取締役会議の過半数を占めている場合や、会社の方針決定に関与する構成員の過半数が親会社である場合などが挙げられます。
議決権40%未満を持つ会社で一定の要件を満たす
親会社が他の会社の議決権を40%未満所有していても、親会社と同じ意思で議決権を行使する者が一定数以上いて、一定の要件を満たす場合は、連結会計の対象となります。
具体的には、親会社が子会社の株式を買い占めようとしている場合や、親会社と子会社が密接な業務関係にある場合などが挙げられます。ただし、上記の基準を満たしていても、以下の要件に該当する場合は、連結会計の対象から除外される場合があります。
連結会計の対象外になる企業
連結会計においては、上述したような子会社は連結会計の対象となりますが、以下の要件を満たしている場合は対象外となります。
- 親会社による支配が一時的な企業
- 連結により利害関係者の意思決定が誤るリスクが高い企業
- 小規模経営であり重要性が低い企業
このような企業は、連結会計の対象外です。例えば、親会社による支配が一時的である企業や、重要性が低い企業の場合、連結会計の対象に含まれることで決算時に手間が増えるため、連結会計に含まれません。
連結財務諸表の構成
連結財務諸表は、親会社と子会社、関連会社など、複数の会社の財務データをまとめたものです。企業グループの経済的な健全性や業績を正確に評価するために利用されます。
単一の企業単位では把握できない、グループ全体の財務パフォーマンスやリスクを明らかにするために役立ちます。ここからは、連結財務諸表の構成要素や役割、重要性などについて詳しく解説します。
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連結財務諸表の構成
連結貸借対照表
連結貸借対照表は、親会社と子会社などのグループ会社を単一の組織体とみなして、まとめて作成する貸借対照表のことです。グループ全体の資産と負債を示します。
連結貸借対照表から、グループ全体の資産総額や負債総額、実質的な純資産がどれくらいかを把握できます。経営陣はこれらの情報を基に戦略を策定し、投資家や銀行はリスクを評価します。
具体的には経営陣は、連結貸借対照表からグループ全体の資産や負債の状況を分析することで、事業の見直しや投資の判断を行うことができます。
連結損益計算書
連結損益計算書は、企業グループ全体の収益と費用を示す財務報告書です。主要な要素には、売上高や売上原価、営業費用、その他の収益と費用が含まれます。これを通じて、企業グループがどれくらい利益を上げたか、どのような経費が発生したかがわかります。
経営陣は戦略策定に役立てることができ、投資家や銀行は企業の収益性と持続可能性を評価することができます。また、税務や法的な要件を満たすためにも利用されます。
連結株主資本等変動計算書
連結株主資本等変動計算書とは、一事業年度における純資産の変動を示す財務報告書です。企業グループの資本構造と株主へのリターンを明確にし、経営陣、投資家、株主などのさまざまな利害関係者が財務健全性を評価するために使用されます。
連結株主資本等変動計算書を活用することで、企業グループの資本構造や株主へのリターンの状況を分析することができます。
例えば、企業グループの資本構造が借り入れに頼りすぎている場合、財務の安全性が低く、経営のリスクが高まる可能性があります。また、企業グループの株主へのリターンが低い場合、株主の満足度が低く、企業の価値が下がる可能性があります。
連結キャッシュフロー計算書
連結キャッシュフロー計算書は、企業グループ全体の現金の動きを示す報告書です。これには、営業活動や投資活動、財務活動からの現金の流れが記録され、期間内の現金残高の変化が含まれます。
営業活動からの現金フローは、企業の日常的な事業活動に関連しており、売上から支払いまでの現金の動きを示します。一方、投資活動は資産に関連し、設備投資や他社の株式の売買などを包括し、財務活動は資金調達や返済に関する現金の流れを表します。
連結附属明細表
連結附属明細表は、連結財務諸表に付随する文書で、財務情報の詳細な補足と説明を提供します。この文書には、社債明細表、借入金等明細表、資産除去債務明細表などの種類があり、それぞれが詳細な財務データを提供します。
連結附属明細表は、企業グループの財務状況と経営成績をより深く理解するために重要です。株主や投資家は、連結財務諸表と連結附属明細表を合わせて確認することで、企業グループの財務健全性や戦略をより正確に評価することができます。
連結会計を行う流れ
連結会計の過程で重要なのは、正確な情報と適切な会計基準の遵守です。ここからは、連結会計の基本的な流れを紹介し、どのようにして企業グループの連結財務諸表が作成されるのかについて詳しく説明します。
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連結会計を行う流れ
企業ごとに財務諸表を作成
まず、各企業は独自に財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を作成します。これらの諸表は、各企業の財務状況や業績を示すものです。
財務諸表を作成する際は、グループ内で会計方針を統一することが望ましいです。これにより、連結会計の整合性を確保できます。財務諸表作成後、親会社は子会社の財務諸表を取得します。子会社の財務諸表は、親会社が連結財務諸表を編成するために必要です。
作成された財務諸表を合算
親会社は子会社の財務諸表を合算して、1つの連結財務諸表を作成します。この合算により、親会社と子会社の経済的な活動が統合され、グループ全体の財務状況や業績が明らかにされます。
合算の際には、勘定科目の統一や外貨の円換算などを行います。また、企業によっては子会社の決算日と連結会計の決算日がずれていることもあるでしょう。3ヶ月以内なら許容されるため、そのまま連結を行うことが可能です。
連結修正仕訳を行う
集めた個別の財務諸表を単純に合算するだけでは、グループ内での取引や関連が正確に反映されないため、連結修正仕訳が必要です。連結修正仕訳には、資本連結と成果連結という二つの主要なアプローチがあります。
資本連結は、親会社の子会社に対する投資と、これに対する子会社の資本を相殺する仕訳です。相殺によって生じた差額は、振替計上します。一方、成果連結は、親会社と子会社間の内部取引を相殺する仕訳です。
親会社が子会社の株式を所有する場合は資本連結が、親会社が完全な支配下にある場合は成果連結が適用されます。
連結財務諸表を作成
連結仕訳修正を行ったら、親会社と子会社の財務諸表を連結して連結財務諸表を作成します。ここまでの手順で細かい調整を行なっているため、単純に連結するだけで完成します。
なお、連結財務諸表の勘定科目が多い場合は、金額の重要性が低いものを「その他」でまとめることが可能です。連結財務諸表は、独立した外部監査人によって審査され、正確性と信頼性が確認されます。
連結会計を行うメリット
連結会計を行うことは、企業にとってさまざまなメリットがあります。ここからは、そのメリットに注目して紹介します。
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連結会計を行うメリット
企業グループ全体の経営状況を把握できる
連結会計は、グループ会社の全体の財務情報を一元化することによって、正確な経営状況の把握が可能となります。経営陣は全体の資産、負債、収益、費用を正確に理解し、経済状況を正確に把握することで、迅速で適切な経営判断を下すことができます。
不正を防止できる
企業の経営状況が明確になることで、不正行為が防止しやすくなります。連結会計においては、複数の会社の財務情報が統合され、全体像が把握しやすくなるため、不正行為や異常な取引が迅速に発見され、適切な対処が可能です。
また、経営陣や関連会社の経営陣に責任が明確化され、財務データへの責任感が高まります。不正行為のリスクが低減し、企業の信頼性が向上することで、投資家や取引先、規制当局、一般の利害関係者にとっても安心感が生まれます。
銀行から融資を受けやすい
連結会計によって、銀行からの融資が受けやすくなります。その理由は、財務情報が一元化され、信頼性が向上するためです。親会社と子会社の統合された財務情報は、銀行にとってリスク評価や融資判断の材料として有用です。
また、資産規模の増加も銀行にとって魅力的です。連結財務諸表は、外部監査人によって審査されて信頼性が確認されるため、銀行はこれらのデータを信頼して融資を提供する可能性が高まります。
連結会計を行うデメリット
連結会計には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。企業が連結会計を採用する際には、そのデメリットにも注意を払う必要があります。ここからは、連結会計のデメリットについて詳しく解説します。
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連結会計を行うデメリット
連結財務諸表の作成に手間がかかる
連結財務諸表の作成は、各企業の財務データを統一的な基準に合わせるために調整が必要であり、そのためには手間と時間がかかります。
さらに、グループ内での複雑な取引や内部取引の調整も必要です。例えば、通貨の違いや複雑な取引の調整が含まれます。具体的には、商品やサービスの取引、ローンの提供、ライセンス契約など、多岐にわたります。
監査を受けなければならない
会社法における「会社法444条4項」に基づいて、連結会計を行う企業は、監査を受ける必要があるため、ミスが許されません。また、監査は、決算書類を作成してから定時株主総会までに受ける必要があるため、スケジュールをしっかり立てることが重要です。
監査は独立した監査人によって行われ、会計情報が公正かつ適切であることを確認します。投資家や銀行、規制機関、その他の利害関係者に信頼できる情報を提供することで、企業の経営状況を正しく評価できます。
連結会計を行う際の注意点
連結会計には慎重さが求められ、注意すべきポイントが存在します。これらの注意点を理解し、正確な連結会計を行うことが、企業の信頼性と透明性を高めます。ここからは、連結会計を行う際に注意すべきポイントを詳しく解説します。
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連結会計を行う際の注意点
スケジュール管理を徹底する
連結管理において、スケジュール管理を徹底する必要があります。これは、連結会計プロセスが多くの作業段階やタスクから成り立つためであり、正確な財務情報を維持し、期限を守るために欠かせないためです。
さらに、適切なスケジュール管理は、潜在的な問題や誤差を早期に発見し、修正する余裕を確保できます。したがって、リスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
定期的に親子会社間の取引の集計を行う
連結会計を実施する際は、親会社と子会社間の取引の集計を定期的に行いましょう。前回の決算月からの分からまとめて作業を行おうとすると、収集すべき決算データは膨大な量になり、書類の作成に負担が生じることや、人的ミスにも繋がる恐れがあります。
そのため、月に1回など定期的に取引の集計を行うことをおすすめします。また、日頃の情報共有によってコミュニケーションを取ることができ、質問や修正などをスムーズに行えます。
会計処理の方法を統一する
企業によって会計処理の方法が異なる場合、グループ全体の取引を正確に把握できず、連結財務諸表の各項目の金額や比率が正しく表示されなくなる可能性があります。これにより、比較や分析が困難になり、誤った経営判断につながります。
そのため、同一環境下で行われた同一の性質の取引等については、原則として統一する必要があります。
また、会計処理の方法を統一するために、親会社が子会社に対して会計処理の方法の変更を要求することがあります。この場合、子会社は親会社の要求に応じなければならないとされています。
連結会計を効率的に行うなら連結会計システムがおすすめ
連結会計システムとは、連結決算に必要なデータ収集・集計・処理をするシステムです。連結決算には膨大な量のデータを処理する必要があるため、連結会計システムを導入することで、連結決算の業務を効率化できます。
連結会計システムは、会計基準や法令に準拠した連結決算を自動的に作成するため、データの正確性・信頼性に寄与し、企業グループ全体の経営判断の精度が向上します。
連結会計システムは、連結会計の理解を深め、効率的に業務を遂行するための重要なツールとなります。連結会計システムの概要とメリットを理解して、業務に役立てましょう。
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まとめ
連結会計は、親会社と子会社や関連会社を単一の組織体とみなして、まとめて決算を行うことです。グループ会社全体の経済的な健全性を正確に把握し、適切な経営判断をサポートするために使われます。
連結会計を行うには、グループ会社全体の膨大な量のデータを処理する必要があります。手作業で行うには限界がありますが、連結会計システムを導入することで、決算業務の効率化、データの正確性・信頼性の向上、内部統制の強化が図れます。
連結会計システムは、連結会計の理解を深めて、効率的に業務を遂行するための重要なツールです。連結会計システムの導入には、初期費用やランニングコストがかかるため、自社の業務環境やニーズに合ったシステムを導入しましょう。
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