連結会計とは?対象企業や連結会計の手順などをわかりやすく解説

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  • 連結会計とは、複数企業を一つのグループ企業にまとめ、状況を報告するための決算方法
  • 連結会計を行うことで、銀行の融資を受けやすくなるが、担当者の負担がかかりやすい
  • 連結会計を行う負担を軽減するなら、連結会計システムの導入がおすすめである

連結会計とは、親会社と子会社・関連会社を一つのグループ企業としてまとめて、経営状況や財務状況を報告するための決算方法を言います。本記事では、連結会計のことをよく知らない方のために、連結会計を行う手順やメリット・デメリット、効率的に行う方法などを解説しています。

目次

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  1. 連結決算業務を簡略化するなら連結決算システムがおすすめ
  2. 連結会計とは
  3. 連結財務諸表の構成
  4. 連結会計を行う流れ
  5. 連結会計を行うメリット
  6. 連結会計を行うデメリット
  7. 連結会計を行う際の注意点
  8. 連結会計を効率的に行うなら連結会計システムがおすすめ
  9. 連結決算業務を効率化するおすすめの連結決算システム
  10. まとめ
  11. タイプ別|おすすめの連結会計システム
  12. 業務をさらに効率化!関連サービスはこちら

連結決算業務を簡略化するなら連結決算システムがおすすめ

連結決算システム「iCAS」では、企業会計基準・実務指針に則った連結処理を簡単に行うことができます。クラウド型のツールであることから、子会社への新しいソフトウェアのインストール作業は必要ありません。

また、企業におけるグループ内の決算データをリアルタイムで確認できる機能も充実しており、属人化などの解消にもつながります。

したがって、従来までのExcel(エクセル)による連結処理で、業務が煩雑化しているなどの課題を抱えている場合には、連結決算業務を簡略化できる連結決算システム「iCAS」の導入がおすすめです。

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連結会計とは

連結会計とは何かを解説する図

連結会計とは、親会社と子会社や関連会社などを単一の組織体とみなして、まとめて決算を行うことを指します。

通常は、親会社と子会社の決算は別々に行われます。しかし、連結会計では、親会社と子会社の決算を合算して、1つの決算書を作成することになります。

連結会計を行うことにより、企業グループ全体の財政状態や経営成績を把握しやすくなり、グループ全体の経営判断の精度が向上します。

また、財務諸表の透明性が高まるため、投資家や株主が企業の実際のパフォーマンスを正確に評価できるようになり、外部からの信頼を得やすくなるというメリットもあります。

この記事では、連結会計の手順、メリットとデメリット、効率的な実施方法などについて、わかりやすく説明します。

連結会計を行う目的

連結会計の主な目的は、企業グループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することです。また、利益操作を防止することも重要な目的の1つです。

通常、連結会計は親会社と子会社などのグループ会社が経済的に関連している場合に行われます。これは、グループ会社間での取引や資金の流れが存在することで、単独の決算ではグループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することが困難になるためです。

このような親会社と子会社の間の取引は、外部からは見えにくくなりがちです。連結会計を行わない場合、これらの内部取引を調整しないため、グループ内の不透明な取引が利益を操作する手段として利用される可能性もあります。

連結会計では、グループ会社間の取引や資金の流れを調整することで、グループ全体の財政状態や経営成績を正確に把握することが可能です。また、利益操作を防止し、投資家や株主など外部からの信頼を得ることにつながります。

連結会計の対象企業

連結会計の対象企業は、原則として親会社が支配権を有する子会社です。支配権とは、その会社の経営や方針に影響を与える力のことです。親会社が以下の条件に合致している場合、子会社に対して支配権を保有しているとみなされます。

  1. 議決権の50%以上を保有していること
  2. 議決権の40%以上50%以下を保有し、かつ一定の要件を満たす
  3. 議決権の40%未満を保有し、一定の要件を満たす

議決権とは、株主が企業の重要な意思決定に参加する権利を指します。例えば、株主総会での投票権などがこれに該当します。親会社が子会社の株式を保有している場合、その持ち株比率に応じて議決権を持つことになります。

ここからは、上記の3つの条件について解説します。

参考:企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」企業会計基準委員会

議決権を50%以上保有

通常、親会社が子会社の議決権の過半数を保有している場合、その親会社は子会社に対して支配権を持つとみなされます。この場合に、子会社は連結会計の対象となり、親会社の財務諸表に統合されます。

議決権の保有が40%以上50%以下かつ一定の要件を満たす

議決権の40%以上50%以下を保有している場合でも、一定の要件を満たすことで親会社が支配権を持つとみなされることがあります。この「一定の要件」には以下のようなものが含まれます。

  • 親会社が子会社の取締役を過半数指名できる権限を持っている
  • 契約や協定により、親会社が子会社の経営方針や運営に対して実質的な支配力を持っている

議決権の保有が40%未満で一定の要件を満たす

議決権の40%未満を保有している場合でも、特定の条件が満たされることで親会社が支配権を持つとみなされることがあります。これには次のような要件が含まれます。

  • 実質的な経営支配力を持つ契約が存在する
  • 親会社が子会社の戦略的決定に対して重要な影響力を持つ状況がある
  • 他の主要株主との協力関係により支配権を確保している

ただし、上記の基準を満たしていても、以下の要件に該当する場合は、連結会計の対象から除外される場合があります。

連結会計の対象外になる企業

連結会計においては、上述したような子会社は連結会計の対象となりますが、以下の要件を満たしている場合は対象外となります。

  1. 親会社による支配が一時的な企業
  2. 小規模経営であり重要性が低い企業
  3. 連結財務諸表を作成することで、投資家やステークホルダーが企業の実際の状況を誤解する可能性がある企業

このような企業は、連結会計の対象外です。例えば、親会社による支配が一時的である企業や、重要性が低い企業の場合、連結会計の対象に含まれることで決算時に手間が増えるため、連結会計に含まれません。

連結財務諸表の構成

連結財務諸表は、親会社と子会社、関連会社など、複数の会社の財務データをまとめたものです。企業グループの経済的な健全性や業績を正確に評価するために利用されます。

単一の企業単位では把握できない、グループ全体の財務パフォーマンスやリスクを明らかにするために役立ちます。ここからは、連結財務諸表の構成要素や役割、重要性などについて詳しく解説します。

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連結貸借対照表

連結貸借対照表は、親会社と子会社などのグループ会社を単一の組織体とみなして、まとめて作成する貸借対照表のことです。グループ全体の資産と負債を示します。

連結貸借対照表から、グループ全体の資産総額負債総額実質的な純資産がどれくらいかを把握できます。経営陣はこれらの情報を基に戦略を策定し、投資家や銀行はリスクを評価します。

具体的には経営陣は、連結貸借対照表からグループ全体の資産や負債の状況を分析することで、事業の見直しや投資の判断を行うことができます。

連結損益計算書

連結損益計算書は、企業グループ全体の収益と費用を示す財務報告書です。主要な要素には、売上高や売上原価、営業費用、その他の収益と費用が含まれます。これを通じて、企業グループがどれくらい利益を上げたか、どのような経費が発生したかがわかります。

経営陣は戦略策定に役立てることができ、投資家や銀行は企業の収益性と持続可能性を評価することができます。また、税務や法的な要件を満たすためにも利用されます。

連結株主資本等変動計算書

連結株主資本等変動計算書とは、一事業年度における純資産の変動を示す財務報告書です。企業グループの資本構造と株主へのリターンを明確にし、経営陣、投資家、株主などのさまざまな利害関係者が財務健全性を評価するために使用されます。

連結株主資本等変動計算書を活用することで、企業グループの資本構造や株主へのリターンの状況を分析することができます。

例えば、企業グループの資本構造が借り入れに頼りすぎている場合、財務の安全性が低く、経営のリスクが高まる可能性があります。また、企業グループの株主へのリターンが低い場合、株主の満足度が低く、企業の価値が下がる可能性があります。

連結キャッシュフロー計算書

連結キャッシュフロー計算書は、企業グループ全体の現金の動きを示す報告書です。営業活動、投資活動、財務活動からの現金の流れが記録されており、期間内の現金残高の変化を含みます。

  • 営業活動からの現金フロー: 企業の日常的な事業活動に関連する現金の動き
  • 投資活動からの現金フロー: 設備投資や株式売買など、資産に関連する現金の動き
  • 財務活動からの現金フロー: 資金調達や返済に関する現金の動き

上記のような営業活動、投資活動、財務活動における現金の出入りを明確にし、企業の資金繰りを把握することができます。

連結附属明細表

連結附属明細表は、連結財務諸表に付随する文書で、財務情報の詳細を補足し、説明します。これには、社債明細表、借入金等明細表、資産除去債務明細表などが含まれ、それぞれが詳細な財務データを提供します。

連結附属明細表は、企業グループの財務状況や経営成績をより詳しく理解するために重要です。株主や投資家は、連結財務諸表と連結附属明細表を合わせて確認することで、企業グループの財務健全性や戦略をより正確に評価できます。

連結会計を行う流れ

連結会計の過程で重要なのは、正確な情報と適切な会計基準の遵守です。ここからは、連結会計の基本的な流れを紹介し、どのようにして企業グループの連結財務諸表が作成されるのかについて詳しく説明します。

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企業ごとに財務諸表を作成

まず、各企業は独自に財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)を作成します。これらの諸表は、各企業の財務状況や業績を示すものです。

財務諸表を作成する際は、グループ内で会計方針を統一することが望ましいです。これにより、連結会計の整合性を確保できます。財務諸表作成後、親会社は子会社の財務諸表を取得します。子会社の財務諸表は、親会社が連結財務諸表を編成するために必要です。

作成された財務諸表を合算

親会社は子会社の財務諸表を合算して、1つの連結財務諸表を作成します。この合算により、親会社と子会社の経済的な活動が統合され、グループ全体の財務状況や業績が明らかにされます。

合算の際には、勘定科目の統一や外貨の円換算などを行います。また、企業によっては子会社の決算日と連結会計の決算日がずれていることもあるでしょう。3ヶ月以内なら許容されるため、そのまま連結を行うことが可能です。

連結修正仕訳を行う

資本連結と成果連結の違いを解説する図

企業グループが連結財務諸表を作成する際、連結修正仕訳は欠かせません。これは、個々の企業の財務諸表を単純に合算しただけでは、企業グループ全体の経済的な実態を正しく反映できないためです。

例えば、親会社が子会社に貨物を販売した場合、その売上と仕入がそのまま残ると、グループの売上や仕入が過大に計上されることになります。そこで、連結修正仕訳を行い、これらの相殺を行うことで正確な連結財務諸表を作成します。

連結修正仕訳には、資本連結と成果連結という二つの主要なアプローチがあります。それぞれの内容を理解した上で、適切な方法を選択することが重要です。

資本連結

資本連結では、親会社の子会社に対する投資と、子会社の資本を相殺消去し、企業グループ全体としての純資産が正確に反映されるようにします。国際会計基準(IFRS)では、原則として資本連結が採用されています。

成果連結

成果連結は、親会社と子会社間の取引によって発生した収益と費用を調整するプロセスです。これには、グループ内の取引による売上や費用、在庫の内部利益を消去することが含まれます。

このようにして親子間の売上や費用、さらには在庫に含まれる未実現利益などを消去し、連結財務諸表が企業グループ全体としての実際の成果を適切に表すようにします。

連結財務諸表を作成

連結仕訳修正を行ったら、親会社と子会社の財務諸表を連結して連結財務諸表を作成します。ここまでの手順で細かい調整を行なっているため、単純に連結するだけで完成します。

なお、連結財務諸表の勘定科目が多い場合は、金額の重要性が低いものを「その他」でまとめることが可能です。連結財務諸表は、独立した外部監査人によって審査され、正確性と信頼性が確認されます。

連結会計を行うメリット

連結会計を行うことは、企業にとってさまざまなメリットがあります。ここからは、そのメリットに注目して紹介します。

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企業グループ全体の経営状況を把握できる

連結会計では子会社や関連会社を含めたグループ全体の財務状況を一元的に把握することが可能です。これにより、個別の企業業績だけでなく、グループ間取引の実態や各社の貢献度、経営資源の配分状況など、より実質的な経営判断に必要な情報を得ることができます

また、部門ごとの収益性や効率性の分析も容易になり、より戦略的な意思決定を行うことができます。

不正を防止できる

連結会計では、グループ会社間の取引も全て開示されるため、子会社で行われていた不正な会計処理や粉飾決算なども発見しやすくなります

また、グループ全体で統一的な会計基準を適用することで、会計処理の透明性が高まり、不正が行いにくい環境を作る効果も期待できます。内部統制の強化にもつながり、企業の健全な発展を促すことができるでしょう。

銀行から融資を受けやすい

連結された財務諸表は企業グループ全体の状況を反映しており、銀行にとっては融資判断を行う際の信頼性の高い情報源となります。グループ全体の安定性や収益性が明確になることで、銀行はより安心して融資条件を提供することができます。

特に、子会社が多数存在する場合や、海外に事業展開している場合は、連結財務諸表によってグループ全体の財務状況を明確に示すことが、融資獲得の成功率を高めることに繋がります。

連結会計を行うデメリット

連結会計には多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。企業が連結会計を採用する際には、そのデメリットにも注意を払う必要があります。ここからは、連結会計のデメリットについて詳しく解説します。 

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連結財務諸表の作成に手間がかかる

連結会計では、複数の会社の会計データを一元化し、統一の基準で処理する必要があるため、単独の会計処理に比べて作業量が大幅に増加します。

さらに、異なる国や地域に子会社が存在する場合は、異なる通貨や法律なども考慮に入れる必要があり、さらに複雑さが増します。このため、連結会計の担当者には高度な専門知識とスキルが求められます。

監査を受けなければならない

連結財務諸表は法定監査の対象となるため、外部の監査法人による厳格な監査を受ける必要があります。監査対応には、膨大な資料の準備や説明責任が求められるため、担当者の負担は大きく、監査費用も高額になる傾向があります。

特に、内部統制システムの整備が不十分な場合、監査法人から指摘を受け、改善を求められるケースもあり、さらなる負担増加につながる可能性も否定できません。

参考:会社法444条4項|e-Gov法令検索

連結会計を行う際の注意点

連結会計には慎重さが求められ、注意すべきポイントが存在します。これらの注意点を理解し、正確な連結会計を行うことが、企業の信頼性と透明性を高めます。ここからは、連結会計を行う際に注意すべきポイントを詳しく解説します。

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スケジュール管理を徹底する

連結決算には多くの関係者や複雑な作業工程が関わるため、綿密なスケジュール管理が不可欠です。特に、各子会社の決算データの収集から、連結修正仕訳、財務諸表の作成、監査対応まで、それぞれの工程に適切な時間を配分する必要があります。

また、予期せぬ問題が発生した際の余裕も考慮に入れ、法定期限に間に合うよう、計画的な進行管理を行うことが重要です。

定期的に親子会社間の取引の集計を行う

親会社と子会社の間や、子会社同士の間で行われる取引は、連結財務諸表においては一部またはすべてが相殺される必要があります。そのため、これらの取引を定期的に集計し、整合性を確認することが重要です。

例えば、月に1回など定期的に取引の集計を行うことをおすすめします。また、日頃の情報共有によってコミュニケーションを取ることができ、質問や修正などをスムーズに行えます。

会計処理の方法を統一する

連結会計では、異なる会計基準を採用している子会社を統合する必要があるため、グループ全体で統一の会計基準を定め、それに基づいて会計処理を行う必要があります。

もし、会計処理が統一されていない場合、連結財務諸表に歪みが生じ、企業の財務状況を正しく反映できなくなる可能性があります。特に、海外子会社がある場合は、現地の会計基準との差異を適切に調整し、親会社の会計方針に準拠した処理を行うことが求められます。

連結会計を効率的に行うなら連結会計システムがおすすめ

連結会計システムとは、連結決算に必要なデータ収集・集計・処理をするシステムです。手作業では膨大な時間がかかる連結決算の作業を、このシステムを使うことで素早く正確に行えるようになります。

例えば、各社の財務データの収集や、グループ会社間の取引の相殺消去などの複雑で難しい作業を自動的に処理してくれます。また、最新の会計ルールに沿って計算を行うため、ミスを減らし、より信頼性の高い決算書を作ることができます。

このように、連結会計システムは連結会計業務を効率化するために有効なツールです。システムを導入することで、企業グループはよりスムーズかつ正確に経営を行うことができるようになります。

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ここが少し気になる…

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まとめ

連結会計とは、親会社と子会社や関連会社を単一の組織体とみなして、まとめて決算を行うことです。グループ会社全体の経済的な健全性を正確に把握し、適切な経営判断をサポートするために用いられます。

連結会計を実施するためには、大量のデータを処理する必要があり、手作業では限界があります。しかし、連結会計システムを導入すれば、難しい決算作業が効率よく行え、データの正確さと信頼性を向上させることができます。また、内部統制の強化にも役立ちます。

連結会計システムは、連結会計の理解を深めて、効率的に業務を遂行するために有効なツールですが、導入の初期費用やランニングコストがかかります。そのため、自社の規模や業務内容に合わせて、最適なシステムを選ぶことが大切です。

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