VPNとは?メリットやデメリットを初心者にもわかりやすく解説

Check!

  • VPNとは、安全な通信環境を設けて、公衆回線を仮想的な専用回線として利用するものである
  • VPNの導入で、インターネットを安全に利用できたり、通信コストを抑えられたりする
  • VPN導入の際は、通信速度や利用端末に対応しているかを確認して検討する

VPNとは、安全な通信環境を設けて、公衆回線を仮想的な専用回線として利用するものです。VPNを利用することで、遠隔からでも社内のサーバーにアクセスすることができます。本記事では、VPNのメリット・デメリット、スマホでVPNを接続するやり方などを解説しています。

目次

開く

閉じる

  1. VPNとは
  2. VPN接続の仕組み・機能
  3. VPNの種類
  4. VPNプロトコルの主な種類
  5. VPN接続のメリット
  6. VPN接続のデメリット
  7. VPNの活用シーン
  8. VPNの選び方
  9. インターネットVPN接続の導入方法
  10. スマホでVPNに接続するやり方
  11. まとめ

VPNとは

VPN(Virtual Private Network)は、安全な通信を実現するための、仮想的なプライベートネットワークです。VPNは、仮想的なトンネルを形成し、通信する仕組みで、外部からの盗聴やデータの改ざんなどの妨害からネットワークを保護します。

近年、インターネット上での管理・運営が急増しており、企業や組織では、セキュリティ強化の必要性が高まっています。VPNの導入は、パソコン、スマートフォン、タブレットを利用する際に、安全なデータ通信を実現する有効な手段です。

VPNの必要性

VPNは、プライバシーや企業の機密情報の保護において重要な役割を果たします。インターネット上は、不特定多数が利用しているため、セキュリティー上のリスクも高く、企業の機密情報や従業員のプライバシーが、盗聴や妨害の対象になる可能性があります。

しかし、VPNを利用することで、通信データが暗号化され、第三者からの盗聴を防ぐことができます。 さらに、VPNは公共のWi-Fiネットワークやモバイルデータ通信など、セキュリティが脆弱な環境でも安全な通信を実現します。

リモートワークやテレワークなど、ネットワーク上での管理・運営が増えている環境で、公共のWi-Fiネットワークやモバイルデータ通信などの利用も増加しています。企業や組織のセキュリティー強化は急務であり、VPNの導入は有効な手段と言えます。

VPNと従来の専用線の違い

専用線とは、物理的な回線を使用して、自社専用のネットワークを繋げることです。専用線は、自社専用ですので、セキュリティ性能が高く、安定した通信速度を維持できます。しかし、導入コストが高く、多拠点での使用では不向き、などのデメリットがあります。

一方、VPNは低コストで導入でき、柔軟性と拡張性に優れているのが特徴です。また、インターネット経由で通信するため、場所に制約が少なく、リモートワークなどに適しています。 さらに、セキュリティ面では、データを暗号化することで安全性を高めています。

VPN接続の仕組み・機能

VPN接続の仕組みや機能には「トンネリング・カプセル化」「認証・暗号化」といった技術によりセキュリティの安全性を実現しています。ここでは、VPNの具体的な仕組みや技術を解説します。

トンネリング・カプセル化

VPNのトンネリングとカプセル化技術は、インターネット上で安全な通信を実現するための重要な技術です。トンネリングとは、インターネット上に仮想的な通信路を形成し、外部から見えなくする技術です。

カプセル化とは、通信路に流すパケットを別のパケットに包む技術です。カプセル化することによって、仮にVPNトンネル内に侵入されても、通信内容が盗み取られるといった危険性を低くしてくれます。

以上の技術により、ユーザーは公共のWi-Fiネットワークやモバイルデータ通信を利用しても、高いセキュリティ環境で、企業のネットワークにアクセスが可能となります。

認証・暗号化

VPNの認証技術は、VPNに接続する際に、正当なユーザーであることを確認する仕組みです。認証方法には、ユーザー名とパスワードの組み合わせや、一度限り有効なワンタイムパスワード、インターネット上で本人確認を行うデジタル証明書等などがあります。

VPNの暗号化技術は、インターネット上でデータを送受信する際に、データの保護とセキュリティを確保するために重要な役割を果たします。仮に通信が外部から妨害されても、暗号化しておけば、通信内容まで知られるリスクが小さくなります。

VPNの種類

VPNには、さまざまな機能や暗号化方式があります。ここでは、4つの種類のVPNについて解説します。自社のセキュリティ要件や、適用範囲に合わせて選択することが重要となるので、それぞれの種類を比較してみましょう。

インターネットVPN

インターネットVPNは、一般のインターネット回線を通じて接続するVPNです。インターネット回線で、仮想のプライベートネットワークを構築する方法です。メリットとしては、インターネットVPNは専用線などの回線改築が必要なく、比較的低コストで導入できます。

デメリットとしては、インターネットVPNは公衆のインターネット上での通信を行うため、インターネットの混雑により、通信速度や品質が左右される場合があります。通信の安定性に問題が生じることもありますので、適切な設計やネットワーク管理が重要です。

エントリーVPN

エントリーVPNは、通信事業者が提供する回線を利用して接続するVPNです。エントリーVPNは、インターネット回線と分離された閉域網に接続するため、インターネットVPNよりもセキュリティ性が高く、外部からの妨害に強いのが大きなメリットです。

しかしながらデメリットとして、インターネット回線と同様に、混雑により、通信速度や品質が左右されるベストエフォート型の回線です。インターネットVPNに比べるとセキュリティ性は高いですが、混雑によっては、ネットワーク速度が遅くなる可能性があります。

IP-VPN

IP-VPNは、エントリーVPNと同様に、通信事業者が提供する、閉域網の回線に接続するVPNです。閉域網の回線を利用しているので、セキュリティ性が高く、さらにエントリーVPNと異なり、ギャランティ型の回線なので、通信速度が安定しています。

IP-VPNは、ギャランティ型回線なので、混雑時でも一定の帯域が確保され、通信速度の安定が保証されるサービスですが、インターネットVPNやエントリーVPNと比較すると、コストが高くなる傾向にあります。

広域イーサネット

広域インサーネットは、通信事業者の閉域網を利用して回線に接続するVPNです。エントリー・IP-VPNと同様に閉域網の回線なので、セキュリティ性が高いです。その他、メリットとしては、カスタマイズ性が高く、ネットワーク構築の自由度が高い点が挙げられます。

広域イーサネットのデメリットとしては、カスタマイズ性が高く、柔軟にネットワーク設計できますが、利用する企業側に、高い性能を使いこなすリテラシーが必要となります。また、比較的コストが高いことも、デメリットとして挙げられます。

VPNプロトコルの主な種類

VPNプロトコルとは、仮想プライベートネットワークを確立するための規約のことです。ここでは、代表的なプロトコルの4つを解説します。それぞれのプロトコルには異なる特徴があるので、各プロトコルの特徴と自社のニーズが合っているかを比較してみましょう。

IPsec

IPsecは、VPN接続のためのセキュリティプロトコルです。IPsecは、インターネット上での認証や通信データの暗号化をするプロトコルを備えています。これにより、データの機密性と完全性が保たれ、盗聴などの妨害から守られます。

IPsecは、認証ヘッダ(AH)や暗号化ヘッダ(ESP)、鍵交換(IKE)などのプロトコルを使用します。セキュリティが重要な企業や組織でよく使用されており、ネットワーク上でのデータの安全な転送を実現します。

L2TP/IPsec

L2TP/IPsecは、L2TPとIPsecの2つのプロトコルを併用して、VPN接続を行います。IPsecは上記の通り、セキュリティプロトコルで、L2TPは、仮想トンネルを作成し、送受信するプロトコルです。仮想トンネルにより、ネットワーク上に安全な通信経路を作成します。

L2TP/IPsecは、広くサポートされており、多くのオペレーティングシステムやデバイスで利用可能です。モバイル端末や個人のPCなどから、インターネット経由で企業のネットワーにアクセスする際に使用されるケースが多いです。

PPTP

PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)は、以前から使用されてきたVPNプロトコルです。多くのオペレーティングシステムやデバイスで広くサポートされてきましたが、近年では、対応していない端末もあり、技術的には古いとされています。

また、セキュリティレベルは比較的低く、より高度な暗号化や認証機能が必要な場合には他のプロトコルが有効です。リモートアクセスや小規模なVPN接続に適しており、使いやすさや効率性を重視する場合に選択されることがあります。

SSL-VPN

SSL-VPNは、インターネットでの通信を暗号化するプロトコルで、通信を暗号化し、データの送受信を保護します。主にWebブラウザを安全に表示するために使用されており、近年のリモートワークの増加により、SSL-VPNの利用は広がっています。

SSL-VPNは、IPsecと比較して導入コストが低く、また、Webブラウザを利用するので、リモートアクセスに向いています。しかしながら、セキュリティ性は、IPsecと比較すると低くなる傾向にあります。

VPN接続のメリット

VPN接続は、セキュリティを強化する上で、導入するメリットが多くあります。ここでは、4つのメリットを解説します。自社のニーズや、改善点と4つのメリットを比較して、導入が必要かを検討しましょう。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

インターネットを安全に利用できる

VPNの導入による大きなメリットは、通信の暗号化と安全な通信経路の確立です。VPNは、インターネット上の通信を暗号化することで、データの妨害を防ぎます。また、トンネリングと呼ばれる技術によって、外部の不正なアクセスから保護されます。

公共のWi-Fiネットワークや外部の不安定なネットワークに接続している場合でも、VPNを介して通信すれば、セキュリティ性能が向上します。地理的な制約を超えてリモートアクセスが可能になり、テレワークや出張先からも安全なネットワークに接続できます。

通信コストを抑えられる

VPNの導入によるメリットの一つは、通信コストの削減です。従来の専用線に比べて、VPNは運用コスト・導入コストが低く、コストを抑えて、セキュリティの向上を図れます。特に、インターネットVPN・エントリーVPNは、比較的低コストに運用ができます。

専用線は、物理的な回線を設置する必要があり、設置や維持には高いコストがかかります。一方、VPNは既存のインターネット回線を利用するため、追加の回線や専用の通信設備の購入が不要です。これにより、通信インフラの構築や運用コストを削減できます。

遠隔・モバイル端末でも利用できる

VPNの導入によるメリットとして、VPNの種類によっては、場所に関係なく社内サーバーへのアクセスが可能になることです。VPNを使用すると、従業員は離れた場所からでも安全な接続を通じて社内のネットワークに参加できます。

また、VPNはPCだけでなく、スマートフォンやタブレットなどの、モバイル端末でも利用できるため、従業員の利便性が向上します。近年、リモートワークやテレワークの増加により、VPN接続の重要性は、さらに高まっています。

複数の拠点と接続できる

VPNの導入によるメリットの一つは、拠点間でのスムーズなコミュニケーションが可能になることです。専用線は、自社と拠点間の通信のみで、拠点間同士の通信に制約がありますが、VPNは、インターネットを介して、拠点間同士の通信が安全に行われます。

これにより、複数の拠点間でデータや情報を円滑にやり取りすることができます。オフィス間のビデオ会議やファイル共有などが容易に実現でき、拠点間のスムーズなコミュニケーションが可能となり、チームの効率や生産性を向上させることができます。

VPN接続のデメリット

VPN接続を導入するメリットは多くありますが、一方でデメリットもあります。ここでは、VPN接続を導入する上での、2つのデメリットを解説します。メリットだけでなく、デメリットも確認して、VPN接続の導入が必要かを検討することをおすすめします。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

セキュリティリスクをゼロにはできない

VPNの導入には便利さやセキュリティ強化のメリットがありますが、セキュリティのリスクが完全になくなるわけではありません。特に、インターネットを介したVPN接続では、情報漏洩などのセキュリティリスクをゼロにすることはできません。

また、VPNの設定ミスやセキュリティ対策の不備による情報漏洩のリスクもあります。VPNは通信経路を暗号化することでセキュリティを高めますが、設定が適切でない場合や管理が不十分な場合、情報漏洩のリスクが生じる可能性があります。

適切なセキュリティ対策や監視体制の整備を欠かさずに、常にセキュリティの脅威に対する意識を高く持つことが重要です。

通信速度が低下する可能性がある

VPNの導入においてのデメリットの一つは、通信速度の低下です。特にインターネットVPNやエントリーVPNでは、通信経路が暗号化されたり、パケットの追加処理が行われるため、通信速度が従来の直接接続よりも遅くなる可能性があります。

また、インターネットVPNとエントリーVPNは、ベストエフォート型の回線のため、通信速度は回線の品質や混雑状況に左右されます。一方、IP-VPNは、一定の通信速度の安定が保証されるギャランティ型回線なので、通信速度の安定を求める企業におすすめです。

企業がVPNを導入する際には、業務の特性や必要な通信速度とのバランスを考慮し、適切なVPNプロトコルや回線を選択する必要があります。また、ネットワークの最適化や帯域幅の管理など、通信速度向上のための対策も重要です。

VPNの活用シーン

具体的に、VPNはどのような場面で活用できるのでしょうか。上記のメリット・デメリットを踏まえて、実際の生活でVPNが役に立つシーンを4つ紹介します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

公共の無料Wi-Fiを使用する際

最近は、街中のあらゆるところに無料Wi-Fiが設置されており、多くの方が利用しています。とても便利なサービスですが、一方でセキュリティが脆弱なWi-Fiもあり、場合によっては第三者に通信を傍受されて、個人情報や機密情報が盗まれてしまう恐れがあります。

そんなとき、VPNを使用すれば通信データが暗号化されるので、プライバシー漏洩のリスクを低減させることができます。

リモートワークの環境を構築する際

社員がそれぞれ異なる場所で仕事を行うリモートワークでは、セキュリティがネックになることが多いでしょう。

もしも、社員全員が一般のネットワークを使用していた場合、売上金額や顧客データ、新しいプロジェクトの情報など、大切なデータが第三者に盗まれたり改ざんされたりするかもしれません。

とはいえ、社内で専用回線を用意するとなれば、膨大な手間とコストがかかります。一方、VPNであればコストを抑えつつ、セキュリティーの高いネットワークが構築できます。

地域制限のあるコンテンツを閲覧する際

VPNは、アクセスが制限されている国や地域のウェブサービスを利用する際にも役立ちます。例えば、日本からは閲覧できない海外のコンテンツは多くありますが、VPNを使うことで、制限を解除または回避することができます。

もちろん、海外から日本のウェブサービスを利用したいときも便利です。VPNは、日本にいながらさまざまな国や地域のコンテンツを利用したい方や、海外旅行中に地域の制限を回避してウェブサービスを利用したい方にもおすすめです。

ネットショッピングやネット送金をする際

ネットを利用して航空券やホテルの予約を行う際、接続しているサーバーの国によって、異なる価格が表示されることがあります。そのため、VPNを使用してサーバーを変更することで、よりお得な情報を見つけられるかもしれません。

また、オンライン決済やネット送金など、金融データの漏洩が心配なときもVPNを利用することでリスクを低減できます。ただし、決済サービスによってはVPNを利用していると、アクセスが拒否されてエラーとなる場合もあるため注意が必要です。

VPNの選び方

VPNには、VPNプロトコルも含め、さまざまな種類があります。VPNを導入する際、どの種類を選択すればよいか、迷うこともあると思います。ここでは、以下の5つのポイントを取り上げ、VPNの選び方について解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

通信速度はどれくらいか

VPNを選ぶ際に、通信速度は重要な要素です。業務において通信速度が遅いと、ファイルのアップロードやダウンロード、データ転送などの業務に支障をきたす可能性があります。自社の業務に適した通信速度を確保するためには、VPNプロトコルや回線の選択も重要です。 

一般的に、インターネットVPNはインターネット経由で通信するため、通信速度はインターネット回線の品質や混雑状況に左右されます。一方、IP-VPNは通信速度が比較的安定していますが、コストが高い場合もあります。 

選ぶ際には、業務に必要な通信速度を明確にし、それに合わせたVPNプロトコルや回線を選ぶことが重要です。また、無料トライアルを実施している製品もあるので、実際に試してみることもおすすめです。

利用端末に対応しているか

VPNを選ぶ際には、自社で利用する端末が、検討しているVPNサービスに、対応しているかを確認することが大切です。一部のVPNは、特定のOSにのみ対応しているケースもあるので、自社で利用する端末の種類と、OSを確認しておきましょう。

また、利用端末の数や同時接続数を考慮しましょう。自社の利用状況に合わせて、VPNが提供しているプランの同時接続数制限が、適切かどうかを確認します。利用する端末の種類とOS、必要な利用端末数に対応するプランを選ぶことで、スムーズにVPNを導入できます。

料金・コストは予算内か

VPNを選ぶ際には、費用と機能のバランスを考慮することが重要です。必要以上の機能やセキュリティ性を選択すると、コストが高額になります。また、安価な製品を選択すると、セキュリティ性が低く、情報漏洩のリスクが高まる可能性もあるため、注意が必要です。

VPNが提供する暗号化レベルや、認証プロトコルなどのセキュリティ機能を確認し、自社のセキュリティ要件に適合しているかを判断します。自社のセキュリティ要件やニーズに合致し、経済的で安全なVPNを選択しましょう。

VPNサーバー数は十分か

VPNを選ぶ際には、提供されるVPNサーバー数も確認しておきましょう。サーバー数が多いVPNを選ぶことで、特定のサーバーが混雑している場合でも、別のサーバーへ接続することでスムーズな通信が実現できます。

多数のサーバーを提供しているプロバイダーを選ぶことでリスク分散が可能となり、通信の安定性が向上します。サーバー数と負荷状況をバランスよく考え、自社の通信ニーズに適したVPNプロバイダーを選択しましょう。

サポート体制は充実しているか

VPNを選ぶ際には、サポート体制の充実度にも注目しておきましょう。特に導入当初は、トラブルや不明点などが頻発しやすいです。トラブル時に適切なアドバイスや、解決策を提供してくれる、専門のサポートチームを設けているかを確認しておきましょう。

VPNが提供するサポートの範囲やレベル、サポート対応時間が、365日24時間体制で対応しているかも重要なポイントです。適切な運用方法やトラブルへの対応は、円滑なVPNの導入や利用に欠かせません。適切なサポート体制を提供してくれるVPNを選択しましょう。

インターネットVPN接続の導入方法

VPN導入したいけれど、実際に導入する方法が、イメージしづらいと思います。ここでは、特に導入する企業が多い、インターネットVPNの導入する方法を解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

VPNルーターを準備

まずは、VPNルーターを準備します。VPNルーターには、購入とレンタルの方法があります。購入の場合は初期コストがかかりますが、ランニングコストがかかりません。

レンタルは初期費用が低く、保守・トラブル対応が含まれます。ランニングコストがかかりますが、トラブル時はレンタルの方がサポートが受けられる利点があります。

各拠点にVPNルーターを設置

VPNルーターが用意できたら、VPN通信を行いたい拠点にルーターを設置しましょう。製品によって設置方法は異なるので、各製品のマニュアルを確認してください。レンタルの場合は、サポートが充実していることが多いので、うまく活用しましょう。

端末でVPNを設定

VPNを利用する際には、パソコン、タブレット、スマホなどの、利用端末に応じたソフトウェアやアプリのインストールが、必要な場合があります。VPNの種類によって異なるため、利用するVPNプロトコルに基づいた適切なソフトウェアを選び、インストールします。

従業員が使用する端末の種類を事前に確認し、適切なVPN設定を行いましょう。VPNプロバイダから提供される設定情報を入力し、VPN接続を始めましょう。

スマホでVPNに接続するやり方

VPNは、スマホでの利用も増加しています。ここでは、スマホでVPNに接続する方法を、iPhoneとAndroidに分けて解説します。

iPhone

  1. iPhoneの設定アプリから「一般」を選択
  2. 「VPNとデバイス管理」を選択
  3. 「VPN 未接続」を選択
  4. 「VPN構成を追加…」を選択
  5. 「構成を追加」で使用するVPNの各情報を入力
  6. 右上の「完了」を選択

Android

  1. Androidの設定アプリから「ネットワークとインターネット」を選択
  2. 「VPN」を選択
  3. 「VPNは追加されていません」画面の右上の「+」を選択
  4. 「VPNプロファイルの編集」画面から必要事項を入力
  5. 右下の「保存」を選択
  6. 追加したVPNをタップし「接続」を選択

まとめ

VPNは、インターネット上で安全な通信経路を確立し、プライバシーとセキュリティの向上が期待できます。メリットとして、セキュリティの向上、拠点間のスムーズなデータ共有などがあり、デメリットとしては、通信速度の低下が懸念されます。

VPNを選ぶ際には、セキュリティレベル、対応デバイス、通信速度、コストなどを考慮し、自社のニーズに合ったVPNプロトコルやサービスを選ぶことが重要です。

Share

top