ウェビナーツールのセキュリティ対策とは?リスクや対策方法を解説

Check!

  • セキュリティ対策は、企業の信頼を守る他、損害賠償の発生を防ぐためにも重要である
  • セキュリティ対策には、参加者へのID発行やエンドツーエンドの暗号化などの方法がある
  • ウェビナー開催時には、情報の保存先やアカウント・URLの使い回しなどに注意が必要

ウェビナーを成功させるためには、多くの事前準備が必要ですが、セキュリティへの対策も欠かせません。本記事では、ウェビナー開催を予定している方のために、ウェビナーで起こるセキュリティリスクの例や、ウェビナーツールにおけるセキュリティ対策方法などを解説しています。

目次

開く

閉じる

  1. ウェビナーツールのセキュリティ対策が重要視される理由
  2. ウェビナーで起こるセキュリティリスクとは
  3. ウェビナーツールにおけるセキュリティ対策方法
  4. セキュリティを重視してサービスを選ぶポイント
  5. ウェビナー開催時に注意すべき3つのポイント
  6. まとめ

ウェビナーツールのセキュリティ対策が重要視される理由

ウェビナーは、セミナーや講演などの情報やコンテンツをリアルタイムで配信し、会場・移動費・宿泊費などのコストをかけずにイベントを開催できる効率性の高い手段です。

さまざまな目的に利用でき、集客性も高いメリットがある反面、セキュリティ対策には気をつける必要があります。ウェビナーツールを利用する際にはなぜセキュリティ対策を重視しなければいけないのかについて解説します。

企業が築いてきたイメージや信頼を守るため

ウェビナーツールは注意しないと、個人情報や非公開の情報が外部に漏れたり、第三者によって妨害されるリスクがあります。これによって、顧客や取引先からの信頼を得られなくなることは大きな損失です。

企業の信頼性の低下によって、サービスや商品の売上が減少したり、取引先や顧客との関係に支障が出たりと、セキュリティ対策の甘さはデメリットしかありません。さらに、これまで築き上げた企業イメージは、ネガティブなものに変わる可能性も高いです。

ネガティブなイメージは長期間にわたって企業に影響を及ぼし、イメージや信頼の回復も容易ではありません。そのため、ウェビナーツールのセキュリティ対策は、企業の長期的な成功と信頼維持に必要不可欠です。

損害賠償の発生を防ぐため

ウェビナーから情報が流出し、その情報に個人情報や取引先企業の機密情報などが含まれる場合、情報流出の被害者は企業に対して損害賠償請求を行う可能性があります。情報の種類や被害状況によっては、高額の賠償金が課せられることもあります。

また、情報漏洩の意図がなくても、企業は法的責任を負う可能性があり、訴訟に巻きこまれれば、法的争いに時間と資源を費やします。訴訟にまで発展するケースは多くないものの、損害の規模や被害の拡大状況によっては、起こり得るケースです。

セキュリティ対策の甘さが、結果的に大きな損失につながる可能性がある点は覚えておきましょう。

ウェビナーで起こるセキュリティリスクとは

ウェビナーは、対面型のイベントとは異なる性質から生じるセキュリティリスクがあり、ウェビナーを開催する際には気をつけなければいけません。ここでは、ウェビナーにおいて、どんなセキュリティ上の懸念があるかについて解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

第三者による不正アクセス

ウェビナーでは、オンライン会議室やプラットフォームに適切な鍵やアクセス制御を設定しないと、第三者が会議に不正アクセスできる可能性があります。セキュリティ設定を怠ることは、機密情報や個人情報の漏洩リスクにつながります。

また、ウェビナー中に共有される重要な資料について、プレゼンターや参加者が画面共有を行う際に、不正にキャプチャして悪用されるケースも考えられます。これらはいずれも不正アクセスによるリスクです。

適切なアクセス制御の設定・ウェビナー用の会議室の鍵の設定・参加者へのセキュリティのためのガイダンスなどで、対策することが大切です。

データや資料などの情報漏洩

対面型のイベントと異なり、ウェビナーはインターネットを通じてリモートでアクセスできる利便性がある反面、参加者の場所を制御できません。参加者の周囲に第三者が存在する場合、ウェビナーの内容や資料が不正に見られたり、音声を聞かれるリスクがあります。

また、悪意のある者によって、ウェビナーの内容を盗撮・録音されるリスクもあります。盗撮・録音されたデータに個人情報や機密情報が含まれる場合、不正な目的で利用される可能性もあり、大きな問題になります。

ウェビナーツールの中には一部、盗撮・録音などを検知できるツールもありますが、完全に防ぐのは難しい面があります。そのため、参加者の教育で適切な行動を促したり、プライバシー設定を強化するなど複合的な対策が重要です。

ウェビナー配信の妨害

悪意を持つものによって、ウェビナーの正常な進行を妨害されるケースも、セキュリティリスクの一つです。妨害の仕方によって、適切な情報を共有できなくなったり、ウェビナーを中断せざるを得なくなるなどのリスクがあります。

不快な言動・不適切な動画や音声の投影などは、ウェビナーの品質と効果を著しく下げ、また、スパムメッセージやフィッシング攻撃などは、大きな損害に及ぶ可能性もあります。

ウェビナーを行う際には、配信の進行を監視するモデレーターを置くことが理想的です。また、不適切な行為を参加者が発見した場合に、報告できる機能が備わったツールも配信妨害対策として効果があります。

ウェビナーツールにおけるセキュリティ対策方法

前述ではセキュリティリスクについて解説しましたが、ここでは、具体的にはどのようなセキュリティ対策が効果的かについて解説します。以下に解説する方法は、どれか一つだけを選ぶのではなく、複合的に行うことでよりセキュリティを強化できます。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

ウェビナーツールの脆弱性対策を行う

まずは、使用するウェビナーツールのセキュリティ機能について把握し、どの点においてセキュリティ対策が不十分なのかを知ることが大切です。ツールの形態によっても、必要な対策が異なるため、ある程度の知識も求められます。

例えば、セキュリティを保つためにアップデートは重要ですが、クラウド型ツールでは、基本的にセキュリティアップデートが自動的に行われるため、手動で行う手間がかかりません。

また、セキュリティ認証を取得しているウェビナーツールなら、リスクマネジメントの面で信頼できます。セキュリティ認証の有無だけでなく、不正アクセス防止・ドメイン制限など具体的な対策も確認して、対策として不足はないか検討しましょう。

セキュリティ研修やルールを徹底する

セキュリティ対策は、技術的な対策以外に人間の行動にも依存するため、研修や教育プログラムを通じて、ウェビナー参加者や開催者のセキュリティ意識を高めることが大切です。

例えば、パスワードやURLを適切に管理したり、ツールのチャット機能におけるコミュニケーションのルールを定めたりなど、ガイドラインを共有するようにします。ウェビナー内でのリンク共有もウィルスや危険なサイトを避けるため、慎重に行うようにしましょう。

ウェビナーのスタッフとしてモデレーターを配置し、セキュリティルールを監視することも有益です。

参加者に個々のIDを発行する

ウェビナーでは、事前に参加者へ個々のIDを発行し、IDに紐づくパスワードを設定させることで、ウェビナーへのアクセスを制御しやすくなります。他者がID・パスワードを知らない限り、ウェビナーに入室できないため、外部からの不正アクセスを防げます。

また、参加者が固有のIDを持つことは、ウェビナー内での活動を追跡しやすく、セキュリティ上の危険な事象が発生した場合に迅速な対応ができます。

ただし、IDを発行する際の注意点として、IDは原則使いまわさないようにしましょう。新しいウェビナーの度に新しいIDを発行することで、不正利用の可能性を最小限に抑えるようにします。

エンドツーエンドを暗号化する

エンドツーエンド暗号化とは、メッセージやデータが送信者から受信者に伝送される際に、データが暗号化され、送信者と受信者以外の誰にも解読できない仕組みです。これは、ウェビナーにあてはめると「開催者と参加者の間でしか閲覧できない仕組み」です。

ウェビナーの音声や映像をエンドツーエンド暗号化できると、外部からの攻撃や盗聴・盗撮から保護され、個人情報や機密情報の維持に役立ちます。

ただし、ウェビナーツールの中にはエンドツーエンド暗号化に対応していないものもあるため、ウェビナーの特性も考慮しながらツールの選択を行うことが重要です。

ドメインやIPアドレスを指定する

アクセス制御の一環として、ドメインやIPアドレスを指定することも効果的です。これによって、指定したドメイン・IPアドレスからしかウェビナーにアクセスすることはできなくなるため、正規の参加者以外は閲覧できません。

そのため、ドメイン・IPアドレスの指定は無断転載や不正アクセスの保護に役立ちます。使い分けについては、社内研修のように社内ネットワークからのみアクセスを許可する場合はIPアドレスの指定、一般参加者がいる場合はドメイン指定が適しています。

ただし、厳密にはどちらもインターネット上における「機器」を識別するためのものであり、参加者を識別するわけではありません。前述の「参加者への個々のID発行」と組み合わせてセキュリティを強化することが推奨されます。

セキュリティを重視してサービスを選ぶポイント

セキュリティに不安なくウェビナーを開催するためには、そのウェビナーツールの実績や適切なサポートが受けられることは大切です。以下では、セキュリティを重視したウェビナーツールを選ぶポイントをご紹介します。

セキュリティ対策や導入実績が豊富なウェビナーツールを選ぶ

ツールを選ぶ際、どのようなセキュリティ対策がなされているのかを確認しましょう。また、今までの導入実績や開催事例などを聞くのも大切です。特に、上場企業をはじめとする多くの企業で利用されているツールは、セキュリティの面も徹底されている傾向にあります。

セキュリティ対策のなされたウェビナーツールを選べば、ユーザー側が専門的な知識の有するセキュリティ対策を行う必要がなくなります。暗号化や定期的なアップデートに対応したウェビナーツールを選びましょう。

サポート対応が充実しているウェビナーツールを選ぶ

トラブルや不明点が生じた際にサポート体制が無いシステムの場合、後に大きな問題に発展してしまうことがあり、ウェビナーの満足度や業績にも関わります。そのため、ツール選びの際にはカスタマーサポート体制も確認することをおすすめします。

また、ウェビナーツールには、ウェビナーの配信サポートに対応しているものがあります。このようなサポートが用意されている場合、配信時のトラブル発生時でも安心して配信できるように支援してくれます。

ウェビナー開催時に注意すべき3つのポイント

ウェビナーを安全に開催するためには、前述のセキュリティ対策に加え、意識しておかなければならないことがあります。ここでは、不正アクセスや情報漏洩などのリスクを少しでも下げるための3つの注意点について解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

サーバーに情報を保存しない

ウェビナーに関するデータをサーバーに安易に保存すると、それらの情報へのアクセス権限を持つ人がいる限り、セキュリティ上のリスクとなり得ます。

無関係な第3者によって、重要なデータがダウンロードされ、悪用されるのを防ぐためには、ウェビナー後はデータは速やかに削除しましょう。アクセス制御も一定の効果はあるもののファイル管理が煩雑で、リスクも取り除き切れないため、データ削除が推奨されます。

アカウントやURLは使い回さない

前述のセキュリティ対策の解説で、IDを原則使いまわさないことについて触れましたが、アカウントも同様です。過去のウェビナー参加者が同じ認証情報を保持することを避けるために、毎回新しいアカウントで前回の参加者がアクセスできないようにすることが重要です。

また、ウェビナーの会議室のURLも使いまわさず、毎回新しいURLを発行するようにします。理由はID・アカウントを使いまわさない理由と同じで、不正アクセスや情報流出のリスクは少しでも減らすようにしましょう。

個人的な情報を配信しない

当然ですが、ウェビナーの中で個人的な情報を配信することは避けましょう。これは最も基本的なことだけに油断しやすいポイントでもあり、ウェビナーの関係者間で既に信頼関係が構築されているケースでは、意識が低くなりがちです。

カメラの映像に個人が特定される情報が映りこんでいないか、通知やメッセージが他の参加者に見られる可能性はないか、配信前に確認しておきましょう。画面共有中のタブの切り替えミスやカメラの誤操作にも注意します。

また、個人情報の配信リスクへの意識を高く保つために、配信前に「ウェビナーに関係ないソフトは起動しない」「画面共有時の注意点」などをアナウンスしておくことも大切です。

まとめ

ウェビナーツールのセキュリティ対策は、情報漏洩や不正アクセスから参加者とデータを守るために不可欠です。

本記事で紹介したエンドツーエンド暗号化・定期的なアップデート・教育などの対策を組み合わせて、安全で効果的なウェビナーを運営しましょう。

Share

top